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熱球
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熱球の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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甲子園に憧れ夢まで後一歩である事件により夢を経たれてしまった僕。20年後に娘を連れて故郷に戻り様々な局面に出くわし自分と家族のあり方を見つめ直すお話でした。★久々に読んだ重松作品は、やっぱりジンワリと切なさ&熱いものがたくさん詰まっています。★生きていたら誰でも直面する問題、夫婦のあり方、子供との信頼関係、そして親の老後。それらが300弱のページにぎっしりと詰まっていて考えされることがたくんさありました。 | ||||
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淡く切ない高校球児だった仲間と、故郷で再会をする主人公。 高校を卒業してから20年。主人公を取り巻く環境、そして、仲間たちとの20年と言う時の流れ。 あの頃とは、何もかも変わっているようでいて、しかし彼らの高校球児だったころの共通の想い。それは【熱球】 その熱い思い出は色あせることなく、今も彼らの胸に生きている。 話の設定は、高校球児だったころの自分と、故郷、そして重松作品の特徴である家族の絆。 前向きにそして、仲間と家族。そして遠い日の素晴らしい思い出とともに、大人になっている 主人公が、原点に立ち戻り、成長をしていく姿は、素晴らしいの一言です。 感動しました! | ||||
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元高校球児(エース)を主人公とし、妻や娘との距離感、老いて一人暮らしする父、高校時代の友人たちとの再会などを描いたヒューマンドラマ系。 野球部での出来事を中心に描いているので、私のような野球好きの読者にはとても読みやすい内容になっている。 重松氏の小説らしく人間関係の複雑さ(暗さ)もちりばめられているが、それらの事実を受け止めながらもしっかりと残りの人生に向けて歩んでいこうとする主人公に好感を持て、うまくまとめられている。 | ||||
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この主人公は、ほぼ私と同じ年。子供も同年代。 はじめは、野球好きな自分の息子に何かいい小説はないかな?と思って、選んだ。息子が面白かったと言うので、私も読んでみた。 田舎の公立の普通科の高校で野球少年だった主人公、その年はとても強く後もう一歩で甲子園、というところで ある事件がその夢を打ち砕く。 故郷を捨てて東京に就職しエリートの妻とかわいい娘と暮らしていた彼が仕事を辞めて故郷へ帰った。一人暮らししていた父、同居を望んでいたのに他界してしまった母。 世話好き、おせっかいな親戚一同… 娘はアメリカに留学する妻について行かず父とともに来て、田舎の小学校に転校するが、なじめないばかりかいじめの対象に… 都会と田舎の、考え方・生活の違い。これが私には、大きな共感だった。 いつまでも昔のことを忘れなくて、他人のことをあれこれ詮索して、 地元で就職・家を継いで親と一緒に住んで面倒を見るのが当たり前。 ここに描かれてる主人公の故郷は、今私が住んでるところとまったく同じ。 気持ちよりも見かけ、世間体、義理の付き合い、見栄の張り合い。 でも一番大切なものって?? 主人公は最後にちゃんと見つけた。 最後はとても納得の行く終わり方で、穏やかな感動。 | ||||
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理屈じゃない、ただがむしゃらに。そんな想いで打ち込む高校野球から20年。物事の損得や周りの目ばかり気にして「昔はよかった」とつぶやく元高校球児がどれだけいるだろうか。 「熱球」はそんな人たちの背中をポーンとたたいて「よし、行け!」と励ましてくれるような作品だ。 ~「どうだ!」誰でもない誰かに言ってやりたかった。~ そんな静かに鳥肌が立つような想いを仕事でも味わってみたい。やってやるぞと思えた。 | ||||
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重松清は僕と同世代の作家だ。家族人情ものを書かせたら随一。ほんと泣ける。でも山本周五郎的人情ものではなくて、そこは現代の作家。現代の残酷さも描きだした上で、「それでも、なお」という形での家族の情愛を描く。 重松清は割と短編を得意とする。本当に短編上手だと思う。ところがこの「熱球」は332ページの長編。これがまたいい。昔と今、合理主義と精神主義、田舎と都会、人情味と噂話好き、勝ちと負け、父(ヨージ)と娘(美奈子)、父と息子(ヨージ)、ヨージ(夫)と和美(妻)、嫁(和美)と姑(ヨージの母)、正雄叔父(ヨージの母の弟)と和美、父と和美、恭子(野球部マネージャー)とオサム(野球部員)、恭子とヨージ、恭子と甲太(恭子の息子)、甲太と美奈子、ヨージと甲太、ザワ爺とOB会、OB会と現代っ子部員総会、雪の日の練習と楽しい高校野球、昔の周防と製造業が海外へ逃げていった今の周防・・・。そういった二項対立の重畳的連鎖とずれの手法で、人間の性(さが)と情とを非常に丁寧に描いている。これは長編ならではできることだと思う。 ただ丁寧に描いている分、胸にストレートで入ってこず、いつもの短編の時のようには泣けなかった。重松清を読めばすがすがしい涙を流せると期待している部分はあるのだけれど。 | ||||
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仕事に行き詰まり、親の要望もあり郷里に帰った男。娘は新しい学校でいじめにあい、妻はアメリカに短期留学。故郷には忘れたはずの「高校野球」があった。 「逃げても良いんだよ」その言葉がとてつもなく優しく聞こえる。それでも男は一つの決断をせざるを得ない。小学生の娘が小賢しくて可愛い。 昔は毎年1回戦敗退するような野球部でも、「伝統」があり、実に頑張っていたなと思う。まだサッカーは人に認知されず、野球だけが大きな夢に向って開いていた。負けつづけた野球部をずっと戦後からネット裏で応援しつづけていた「ザワ爺」のために読まれた弔辞が、涙をさそう。「ザワ爺」の中に高校野球の真髄があった。 | ||||
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リストラと母の急逝によって故郷の周坊に帰ってくる。20年前、ある事件から甲子園の地区予選決勝に戦わずして負けた故郷である。そこで何の因果か、まったく勝てないその自校の野球部のコーチを引き受ける事になる。そんな所から物語りは始まります。 この物語を読んで何かにスポットが当たっている。何だろうと考え続けた結果ふと思い浮かんだのは「負け」です。 この物語には様々な人が登場します。いじめに会った娘、潰れそうなレストランの主人、シングルマザーのかつてのマネージャー、そして主人公。みんな何かしら問題を抱えて生きて、いわば敗者だと思えてきます。そんな敗者のを主人公の視点から描いた作品です。 最後に忌辞が出てくるのですが、その忌辞に重松さんの「負け」への!思いが表れていると思います。その一文には正直泣けました。 最近 連戦連敗の日本社会にはまさに「癒し」になる作品だと思います。 ちょっと決め付けてかかったレビューになってしまいましたが、何卒ご了承ください。 | ||||
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主人公のヨージは会社の出版業務の縮小に伴い退職し、小学校5年の娘を連れて故郷に戻った。妻は勤務先の私立の女子大からボストンに特別研究員として派遣され単身留学中で、父親との同居生活が始まった。かつて高校野球の地区予選の準決勝まで進んだ時のエースだったヨージだったが、ある事件がきっかけで決勝戦への出場が叶わなかった。そんなこともあってか、故郷に戻っても同級生と会うことも避けていたヨージだったが、かつての仲間との再会から、それぞれに問題を抱えていることも知る。そして娘が学校でいじめにあっていることを知るが、だからといって何もできない自分自身を問い詰める。家庭とは何なのか、故郷とは何なのか。戸惑いながらも故郷で自分自身を見つめ直す主人公を描いた作品です。 つい先日「流星ワゴン」を読みましたが、本書も重松清らしく、現実問題を随所に散りばめた作品。親そして夫婦間での問題、子供のいじめ、同級生それぞれの抱える現実、母校のコーチとなるものの自分達の高校時代と今の高校生のギャップ……と、現実の抱える重みをズシリと感じます。自分自身、高校卒業後に故郷を出、そして家庭の事情もあり、再び故郷へと戻り現在に至っているわけですが、そんな中で主人公の悩みや迷いが、当時自分自身が思っていたことでもあっただけに、読みながら当時のことをフト考えさせられました。またタイトルにもなっている「熱球」ですが、実に物語の中身が詰め込まれたタイトルでもあり、悩みや戸惑いの中から主人公が見つけ出したものを物語として巧く表現しており、重松作品の中でも代表作になる作品のように思います。 | ||||
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