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真実真正日記
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真実真正日記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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こんな面白い日本文学があったのかと驚き、感心した。この作者の他の作品も読んでみたくなった。今この作品を二度読みしている最中です。出会えてよかった。 | ||||
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表紙も含め お気に入り。 | ||||
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最初、市民図書館で何気なく手に取って、読んだら面白かったので、借りました。読み終わったら、手元に置いておきたくなり、バリューブックスさんで探して購入しました。町田さんの優しさがよくわかる。 | ||||
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とにかく文章として出てくるあらゆる物事がアホくさくバカらしく、実にエンターテイメントである。笑える小説を読みたい人におすすめな本。冷静に読んでみると単純な作品なのかもしれないが、そういうあっけらかんな感性を保持して、しかも披露する、というところにこの作家の才能と言えるものがあるように思える。主人公は作家でバンドも副業にやっていて、主人公も周りの人もその作品も、さらに社会状況もむちゃらくちゃらでデタラメだらけで面白い。 最後は一種の夢オチみたいな終わり方だが、これで嘘が二重になったとすると全然夢オチじゃないのかもしれない。 | ||||
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「僕」は小説家だ。 「少しく疲れた。我と我が嘘に疲れ果てた。たまには本当のことを書きたいと思った」 というわけでこの真実真正日記と名づけられた日記が書かれ、シンプルな文体で書き出される本書ではあるのだけれど、この日記のなかで展開する「僕」が執筆中の小説「悦楽のムラート」のハチャメチャぶりが良い。 さすらいのガンマンが放浪するうちあり得ない状況になっていくのだけれど、「宿屋めぐり」に通じるところがあるかも。 「僕」が趣味で組んでいるバンド「犬とチャーハンのすきま」の成功しそうで思うようにいかない展開も町田康好きにはおなじみ。 その後「犬とチャーハンのすきま」というタイトルのCDを町田康自身が発表しました。 そのジャケ写真に写る女性を見ながら、ああこの人が本書に出てくる「辺多子さん」なのか?などと思いつつ読むとまた愉し。 「告白」「宿屋めぐり」のような物語を求めると肩透かしだけれど、それでもやはり本書は町田康だと実感。 | ||||
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本書巻末に長薗安浩氏による「町田康の真実と真正」という〈誤読〉による読解が付されている。いまさら私が何を言っても始まらない気がするのだけれども、レヴューしてみようと思う。 長薗氏も引用している箇所なのだけれども、要約してしまうと、 寒くなると日本酒が飲みたくなるが自分でお燗をつけて飲むのはいかにも侘しいので近所に新しくできた蕎麦屋に出掛けて行った。 という事実、そのウヨキョクセツをこれでもかというくらい丁寧に描写している場面があるのだが、私は、こういう場面が好きだ。すべてを引用するとなると、長すぎるので、ところどころ省略しながら引用しよう。 ウイスキーのオンザロックなど言うものは元来陽気だ。(略)/テネシーから来た優しい大男が上機嫌で踊りを踊っているみたいなそんな雰囲気がある。/それに比べて清酒の燗の陰気なことときたらたまらない。(略)/ノルウェーから来た哲学者が山小屋で自由律俳句を書いているような暗さ。(略)/雪国から来た私小説作家がベランダでカスタネットの練習をしているような悲しさ。(略)/ワイオミングから来た社会学者が凍結した湖で輪投げをしているような寂しさ。(略) どうだろうか? 私なんかは、どういうわけか、「ワイオミング」という音の響きに噴き出してしまったものだが。実は私は話し下手で、ことのテンマツを要領よく説明することが極端に苦手だ。正確に説明しようと心がけるあまり、些細なことを詳細に伝えるばかりで、ものごとの全体を伝えることができず、そんなことは、どうでもいいんだよ! と突っ込まれることがしばしばだ。どうやら、あきれられているらしい。 そんなわけで、「お燗」の描写をした日記の筆記者に親近感を覚えたのだが、しかし、だから、どうした? と聞かれると、言葉につまってしまう。こう答えるほかないだろう。――ただ、それだけが言いたかったのだ、と。 | ||||
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町田康くらい、虚と実を徹底的に究明する作家は珍しい(と思う)。 そんな彼が、嘘をつくのに疲れて、徹底的に本当しか書かない日記を書いた。 それが「真実真正日記」だ。 バンド「犬とチャーハンのすきま」結成、いつまで経っても終わらない小説・・・など相変わらずのダメッぷりが堪能できる。 まぁ、御託はこの辺にして。 単純に作品として楽しめたかどうかで言うと・・・、星三つが妥当だろうか。 後半から面白くなってきたのに、前半は結構退屈な感じがした。 | ||||
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帯に、というかこのサイトのあらすじのとこもやけど、「我と我が嘘に疲れ果てたマイナー小説家のささやかな休暇としての日記」って書いてあったから、テーストオブ苦虫(同著者のエッセイ.嘘ばっか書いてあって面白い)で嘘つきって言われて本間のこと書いてんかなと思ったら、違うんです.エッセイじゃなくて小説やったんですね.「我と我が嘘に疲れ果てたマイナー小説家」っていうのは町田康さんじゃ無かった.ていうかそらそうですよね.町田さんマイナーちゃうし.めちゃおもしろかったです.けど、「紛らわしいねん!」と思いました.あと表紙が怖いって高校の友達に言われましたが、朝起きて枕元にあったらかなりびっくりします.でも読んでみたら良いんちゃうかな. | ||||
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すごくおもしろい! “世間の人は本当のことを知りたがり、世の中には本当風のことが溢れている”が“僕”は本当風の小説に欺瞞を感じ、あえて“「これは嘘ですよ」と看板を掲げて、一生懸命”小説を書いてきた。そんな“マイナー作家”の“僕”が、文章を飾り嘘を重ねることに疲れて日記を書くことを思いつく。“その日あったこと、その日会った人、自分が見たり聞いたりしたことをただ書いてみたくなったのだ”。 ……という書き出しに、えーっとびっくりしたけど、大丈夫。全然“本当のこと”ではありません。つまり二重の嘘。“僕”の執筆中の小説が「快楽のムラート」、遊びで始めたロックバンドが「犬とチャーハンのすきま」。もう十分笑えます。 しいて言えば、作家としての述懐にちらりと“本当のこと”が覗く。たとえば55頁にそのへんでよく見かける随筆風の文章を書いて、次頁で“随筆原稿やなんかでこのように得々として自分ごとについて語る人がいる”が、それは“寂しいおっさん”だ、と断定したり、同業者のいろんな小説を読んでくだらないと思ったり(その中にはすごく売れてて作家が大金持ちのものがあったり)感心したり(それらの逐一がおもしろい)、「快楽のムラート」がどんどん本筋から離れて、それにつれ担当編集者が冷淡になってきたり。 ラストが北野武監督のある映画に似ているな、とちらと思ったけど、そういうささいなプロットの相似よりも、町田康と北野武の本質的な相似は、今この瞬間の、目の前の文章、目の前の映像に夢中にさせるところにある。 | ||||
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表紙も黒、ページの縁取りも黒。表紙のモデルは、異様に改造されたお人形。そこから連想されるのは難解な、あるいは混沌としたイメージなのだが、意に反して、油断していると噴き出しそうな、滑稽な“僕”の日常が綴られていく。 がしかし、物語世界は段々と不穏な空気が濃くなり、“僕”の暮らしも次第に厳しいものになってゆく。 最後のページを読み終えて、なぜこの本が黒い縁取りなのかを理解したのだけれど、それでは、作中で語られていた現実世界の風刺は、“僕”に語らせた町田氏自身の真実真正な思いだったのか、それとも作中の“僕”の勝手な暴走だったのか…。 朝の来ない長い夢を見ているような読後感を、いまだに引きずっています。 | ||||
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この馬鹿馬鹿しさ、中身のなさ、どうでもよさがたまらなく好きでっす!! 何気ないことを回りくどく回りくどく長ったらしく表現し、 それによって笑いを誘う。 「活字で笑わせる」ということに関しては天才的なセンスのある人。 たとえば・・・ Tシャツ → ティーシャツ 阪神タイガース → 阪神タイガー ご馳走になる → 馳走になる みたいに 通常なら英語表記する所をカタカナにしたり、 ほんのちょっと言葉を省略するだけで異様におかしい! これが私のツボに絶妙にヒットするんですよね〜。 しかも今回は作家である「僕」の日記の中に、 現在、「僕」が手がけている小説「悦楽のムラート」のストーリーも書き記されている。 「僕」が考えて書いているはずなのに、 あたかも小説が一人歩きしているように、 「僕」の望まぬ展開に転がっていく小説・・・。 その展開のめちゃくちゃさにも大いに笑わせていただきました 最後のとんでもないオチにも一本取られた。 気持ちのよい裏切り。 よくこんな馬鹿馬鹿しいこと次から次へと浮かぶものだ。 テリブルテリブル。 | ||||
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タイトルや紹介文から想像して、世の中の欺瞞をバッサバッサと切り捨ててゆく社会的な内容かと思っていたが、さにあらず、いつもの不条理な町田ワールド、町田節全開でした。「告白」で垣間見せた、人の心や世の中の真実をあぶりだす純文学性は見事に雲散霧消していて、町田氏のむちゃくちゃさが好きなぼくとしては、いい意味で裏切られたと言えます。笑いももちろん散りばめられていて、活字ではめったに笑うことのない人も何度か噴き出してしまうでしょう。何でここまで馬鹿馬鹿しい物語や言葉を思いつけるのか、町田氏の才能には毎度感心させられます。作品の不条理さや笑い、という点においてぼくの中では筒井康隆氏を越えました。「告白」のような衝撃がなかったという点で星ひとつ引かせてもらいましたが、逆に言えば町田節が好きな人なら安心して「買い!」と言える一冊だと思います。 | ||||
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