■スポンサードリンク
少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
妄想癖の強い大学生と黒髪おかっぱの女子高生,オンボロ下宿にアクの強い友人たち. そこへ奇妙な出来事や古めかしい言い回しと,その作風は森見登美彦さんに似たものが. とはいえ,主人公がたぎらせる情熱と鬱屈は,氏のそれとはまた違う熱さを見せつけ, 親友の背中を追いかけ,沈んでは浮かびを繰り返し,それでも届かず,時に自分を責め, ついには鬼神のごとく,『向こう』に手を掛ける姿には,ただただ圧倒されるばかりです. また,少女が覗かせる小さな思い,そして大きな優しさは静かながらもじわりと響き, かと思えば,一時の戯れとなる真夏の逃避行は,何とも言えない甘酸っぱさが漂います. 何より,なぜ彼女は彼の前へ現れたのか,胸の痛む『告白』とその訪れはあまりに突然で, おおよそ予想通りではあったものの,目にした瞬間,体から力が抜けていくのを感じました. そのため,結末は出来過ぎにも映り,素直に受け容れられない部分もあったのですが, 明るい光が差し込む『最後の言葉』は,春という季節を嫌っていた彼に再び希望を与え, 居場所を見失い,朽ちかけていたこれまでから,一気に開けていくような余韻を残します. ただ,彼が探し求め,たどり着く真実の内,とある人物の背景にだけは違和感が拭えず, あふれる青春の感情と幻想の儚さの中,ここだけがどうしてもズレて見えてしまいました. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2014年に1600円の単行本(電子書籍版)で本作を読んだ私です。ここのところで読んだ百数十冊の本の中で本作はベスト1か2だと思いますし、今もこの小説が大好きです。 ごく普通の大学生十倉君が、若者なりの衝動に動かされ、友人や不思議な乙女に支えられ、傍観者から主体へ変わっていき、映像作品を完成させることに挑む。その過程で、空想は妄想化し、暴走して暴想王になり、周りの皆とともに停滞を破って新たな世界へ歩み出す。 暴風雨の中をくぐり抜けていくようなこの小説の読後感は明るく、勇気をもらえた気がします。 最終段で十倉君も読者も落ち込みますが、そこに「エピローグ」が来る。これが優しくて良い。最後の一行には泣かされるので、絶対先に見てはいけませんよ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!