夢にも思わない

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評判

夢にも思わないの評価:

3.65/5点 レビュー 40件。 C ランク

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平均点3.65pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全48件 21〜40 2/3ページ
No.28
(5pt)

ほろ苦い友情

今夜は眠れないの続編。個人的には前作よりこちらのほうが好きです。
サッカー少年のぼくと親友・島崎が公園で起きた殺人事件に巻き込まれていく。同級生を助ける為に奔走するふたりがやがてたどり着いた残酷な真相とは。
「今夜は〜」ではぼくのよき理解者で相談役、冴えたアドバイスをくれる心強い相棒でもあった島崎ですが、今作ではすれ違いが発生。何を考えてるかわからない島崎の言動にもやもやしながら初めての恋に戸惑うぼく。クドウさんを意識しつつ守ってやりたいと思っちゃうところはいいなあ男の子だなあと初々しくも微笑ましく読んでたんですが、島崎との溝が深まっていくにつれやきもきする。しかもふたりが対峙した事件の真相が……つらい。宮部さんはエピソードの導入の仕方が上手いのですが、被害者が実家でどういう待遇を受けてたかを示す犬のエピソードは現実にありえそうなぶん胸が痛かった。
島崎との友情やコミカルな掛け合いなどで口当たりは軽いのですが、注意して観察していなければ見落としてしまう小さな悪意を拾わせたら宮部さんは本当に上手い。
読後感はほろ苦いのですが、島崎とぼくの変わらぬ絆と変わっていくこれからを想像させる結末に満足しました。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021
No.27
(4pt)

等身大……ではない中学生

主人公は好奇心旺盛でかなりの行動派、その親友は洞察力が鋭く知性的なクール。このお話はこの二人を軸に進んでいく。
物語序盤、突然起こる殺人事件。殺されたのはある女の子のいとこだった。
主人公はその女の子が好きで、どうにかしてその子のハートをゲットしたいと思い、真相解明に乗り出す。もちろん親友も一緒だ。
しかし、物語中盤で以前その子が親友と良い感じになっていたことを知る。「コイツもあの子のことを好きなんじゃないか? でも、それならなぜハッキリ言ってくれないのだろう」という心の葛藤、モヤモヤ。
子供が大人になろうとしている瞬間である。
宮部みゆきの作品には、面白い(共感できる)大人がしばしば登場する。ここでは敢えて書かないが、その辺も楽しみにして読んでほしい。
また、この本は「今夜は眠れない」の続編となっているので、ぜひそちらを読んでからこちらを読んでほしい。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.26
(4pt)

夢にも思わない結末

“今夜は眠れない”の続編である。前作“今夜は眠れない”から話が続いているわけではないが…前作の登場人物が、物語の途中でいきなり登場したりするので、前作も読んでおいたほうが良いかと思う。
物語は、主人公・緒方雅男が思いを寄せるクドウさんの従妹・亜紀子が殺されるというところから始まる。従妹が殺人事件の被害者ということで、クドウさんはいらぬ噂が立てられたり、変な意味で注目されることになる。いってみれば、クドウさんもこの殺人事件の間接的な被害者になってしまったのだ。当然、緒方雅男は、そんなクドウさんを元気付けようとする。
事件は徐々に解決へ向かう。それとともに緒方雅男とクドウさんは仲を深めていく。そして、事件の真相は解明されたように思えた。しかし、最後の最後でどんでん返しがある。それは、主人公・緒方雅男にとってみれば「夢にも思わない」ことだった…それが本作品のタイトルになっているのだろうか?
最終的な結末は、作者なりのメッセージが込められているように感じる。ただのミステリー作品で終わらせなかったところが、「さすが、宮部ゆみき!」といった感じがした。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.25
(4pt)

「いい子」って?

 夏に一家で大騒動に巻き込まれた緒方雅男くん、秋に入ったばっかりで、またもやトラブルに巻き込まれる。今度は、殺人事件。
 
 事件に絡めて雅男くんの淡い恋なんかも描かれていて、結末自体は後味が悪くなりそうな内容なのに、どこかさわやかな風を感じてしまうのは、さすが宮部作品。私の大好きな”少年もの”(少年が主人公の作品)です。 今では、売春どころか”援助交際”と称して堂々と体を売り、それに全く罪悪感を感じない子どもがいる時代、ちょっと道を踏み外した少女がこういった世界に入っていくこと自体、それほど珍しいことではないのかもしれない。だから、ストーリーの展開自体は、それほど目新しいものではないのだけど、やはりキャラクターが魅力だし、それぞれの”心”がよく描けていると思う。主人公の雅男&島崎コンビはちょっと頭が良すぎる気もするが、こんな中学生だっているに違いない、と思いたい。
 雅男くんが思いを寄せるのは、最初は”被害者”だと思われたクドウさん。売春組織と関わりがあった従姉に執拗に迫られていて、危ないところだったようなのだが・・・。悪いことだとわかっていてもそこから抜け出せない少女たちと、フツウの世界に住む少女たちとの違いは何だろう?いい子と悪い子の違いって何だろう?見た目で判断できるものか?いろんなことを考えさせられるラストでした。私も親だから、ついつい自分のこと照らし合わせて考えてしまいます。どうしたら、本当の意味の”いい子”になれるだろうって。服装がちょっと派手でも、とても心の優しい子もいれば、成績優秀、一見おしとやかな女の子でも、人として何かが欠けている子もいる。ストーリーとは関係のないところで、問題を与えられたような気がしました。
 主人公と同じ中学生が読んだ場合と、大人が読んだ場合では、視点が違って、いろいろな感想が生まれそうな作品です。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.24
(5pt)

悲しいボーイ・ミーツ・ガール

悲しいボーイ・ミーツ・ガールでした。
少年が一歩大人になった。確かに一歩階段を踏みしめた音が聞こえてきそうな作品。
悲劇にせずにこれを書けるのはちょっとすごいと思いました。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.23
(4pt)

惜しい!

主人公が同い年ってこともあってサクッと読めそうなので買ったんですが……中学生じゃないなぁと思いました。軸になる二人がいいヤツで今の中学生っぽくはなかったけれど、そこには好感持てました。それに感情の起伏が激しいのも、思春期独特の感じがでててよかったし、大人になると出てくるであろうちょっとすれたというか、諦めたというかそういう部分もなくてそこはらしいと思いました。ただみんな頭良すぎかなぁ。確かに思考力の高い中学生もいるだろうとは思うし、売春とかに対してショックを受ける人ももう少ないでしょう。でも中学生は中学生であって、やっぱり子どもなんだと思います。親に養ってもらってる立場ですから。それをかんがえると年齢設定は、せめてバイトやってる高校生ぐらいがよかったかなぁ。だって俺ここまで達観出来ないもん(笑)でもそこを除けばかなり面白かったです。文章も簡単だし。人が内面に持っているだろう、様々な感情がきれいに描かれていました。メンタル面ではかなり共感できる部分も多く、負の部分だけでなく、正の部分もあり良かったです。(個人的には、いつも冷静な島崎君が怒りをこらえて眼鏡をふくシーンが好き)りづめの構造には感心して、流石宮部さんって感じでした。最後の主人公がどうしても許せなかった、思いやりの天秤ばかり、それがしょうがないと納得できない、大人になるにつれてきえていきがちな感情なのかなぁ(緒方くんの姿をみて、その感情は守り続けたいと感じました。)いつかきっと現れるであろう、緒方くんの大切な人、俺もいつか見つけたいなぁ。長文失礼しました。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.22
(4pt)

最後の最後で

主人公の中学生、緒方君の語りで、読みやすく事件もそれほど難解でなく、一泊の出張旅行にはぴったりの推理小説でした。がしかし。最後の最後で、あまり事件に関係のないようで、よくよく考えると発端になるような些細な出来事が、ずっと心に残って後味が悪いのなんの。これが大人のしたことならここまで私の心に残らなかったのでしょうが、中学生が引き起こしたこと-現実でないことはわかっていますが、ありえるようでつらい世の中だなあ、と、ただの推理小説で終わらないところが、さすが宮部みゆき!いきなりシリーズ2作目から読んでしまいましたので、「今夜は眠れない」も読みます。本書にときどきでてくるので、1作目から読むことをお勧めします。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.21
(5pt)

人の性が現われるとき。

「R.P.G.」で家族に生じる憎しみみたいなものを描き出してから、宮部みゆきは哀しい人間の性を描くことのできる第一級の小説家になったと思う。「模倣犯」や「理由」といった重厚な描写とは対象的に、本書は中学生を主人公にしているのでその語り口は軽妙でユーモラスでもある。  ある少女の殺人事件に主人公の中学生は「夢にも思わない」形で遭遇するのだが、その事件を通じて次々とわかる事実は切実で物哀しい。そして宮部が用意したエピローグは、人間がある場面でどうしようもなくその人の本質を浮き彫りにしてしまう、という意味であまりに残酷だ。 余談だが、心理描写を書き込むという手法が主流な中で、宮部みゆきはむしろ引き算しているのかな、と思わせるような簡潔な文章で心理描写に挑戦している。にもかかわらず哀しさが心にしみるんだよね。 
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.20
(4pt)

期待していただけに

僕が宮部ワールドにはまったのは「今夜は眠れない」を読んでからで本作はその続編という事で楽しみにしていました。結果としては残念な部分が多かったですね。途中まではヒロインを想って奮闘する主人公に「僕もそうだった」と感情移入して読んでいましたが、最後にヒロインを責め立てる主人公に「そこまで言うか?」と思ってしまいました。たしかに嘘をつき、人を売って自分は良い子でいようとするヒロインはひどいかもしれませんが、本当にヒロインが大好きならばもっと他に方法があったのではないか?そういった残虐性もすべてひっくるめてヒロインの事を考えてあげるのが主人公の進むべき道だったのではないかと思ってしまいます。随所に大人っぽい考えを見せていた主人公が最後に子供っぽい癇癪を起こしていることにガッカリしました。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.19
(4pt)

やっぱすごい

この本は、「今夜は眠れない」の続編なのですが、今作も宮部さんならではの、どんでんがえしが素晴らしいです。また、主人公らの成長も多々見られ、「今夜は眠れない」のファンならば、是非一度は読んで欲しい一品。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.18
(5pt)

「今夜は眠れない」読みたい!

私は「火車」をよんで宮部みゆきさんのファンになりました。そして宮部さんの本読みたいな~と思って本やに立ち寄り、「夢にも思わない」を購入。平凡な少年の暮らし…突然の事件!?殺人!複雑、混乱?解決。と、私にとってもはこんな感じでずっとドキドキしてました。私は中学3年生ですけど、中学1年生の彼らは私よりずっと行動力があって頭脳もすごいです!話の続きがわからなくてイライラしたり…ページを飛ばさないのに必死でした。すごい夢中になってずっとよんでました。平凡な中学生にもこんなことが起こりうる!(まだ「今夜は眠れない」を読んでないのんで、ぜひ読みたいです!)
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.17
(5pt)

切なさに感動できます

「今夜は眠れない」にも登å 'ã-た中学ç"ŸäºŒäººãŒã‚¯ãƒ©ã‚¹ãƒ¡ã‚¤ãƒˆã®äºŒäººã®å°'女とともにある殺人事件に巻き込まれます。その殺人事件は大規模な組ç¹"がかかわっていたりと、大変ながらも困難ã‚'ä¹-り越えながら解決へとå'かっていきます。ã-かã-、ã"の本の見せå 'は一度解決されたと読è€...に思わせてからである。宮部みゆきはã"のï¼'重の見せå '(一度解決という見せå 'ã‚'作ってから後、さらなる見せå ')の描きæ-¹ãŒéžå¸¸ã«çªå‡ºã-た作家であると思う。以前の作å"ã§ã"れã‚'最も効果的にç"¨ã„ているのは「é­"è¡"はささやく」であろうか。「é­"è¡"はささやく」ではある普通のå°'å¹'がï¼"人の女性がある老人に裁かれてるのã‚'見て、何とか止めようとå¥"走する。ã-かã-、見せå 'はã"れが解決された後、最後にそのå°'å¹'が裁くå'ã!«å›žã‚‹ã®ã ã€‚そã"に最大の感動が詰められている。そã-て「夢にも思わない」にもã"れと同じように最大の感動が最後の最後にç"¨æ„ã•れているのである。å°'å¹'å°'女たちの心の動き・è'›è-¤ã®åˆ‡ãªã•に感動です。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.16
(5pt)

宮部みゆきは残酷な作家である

宮部みゆきはヒューマンな作風の作家だということになっている。とんでもない。すぐれた作家というものは、残酷極まる人間観察眼を持っているものだ。終章、主人公が直面する、あまりに微妙で、しかし残酷な真実。ふつうの人間は直視する勇気がなくて、見過ごしてしまうに違いないほど微妙で、並みの人間には受け入れることもできないほど残酷な真実。だが、雅男クンはその「真実」にきちっと向き合う。そして島崎クンがみせてくれる、さりげない思いやり。ああここはやっぱり宮部ワールドなんだと思う。こんな中学生、いやしないぞ、と30年前に中学生やっていたオジサンは思う。だがしかし、そういう中年男の胸をここまで切なくさせる作者の手腕。脱帽である。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.15
(4pt)

推理小説と切ない恋のはなし

 僕は前作の「今夜は眠れない」の続編として読みました。けれど、前作とはまた違ったモノに仕上がっています。主人公「僕」とその友人の島崎が「僕」が惚れている女の子をめぐって起きた殺人事件に向かっていきます。「僕」は事件の真相が明らかになるに連れ見えてくる、彼女の姿に困惑し、自分の中で葛藤します。「僕」のまっすぐな恋心と優しさがとても素敵で切なくなりました。読み終わってため息が出ました。 推理小説に似合わない軽いテンポと、文章の所々のユーモラスな表現も魅力的で、手軽に読めます。  是非一度、どうぞ。
夢にも思わない (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (中公文庫)より
4122034132
No.14
(4pt)

等身大……ではない中学生

主人公は好奇心旺盛でかなりの行動派、その親友は洞察力が鋭く知性的なクール。このお話はこの二人を軸に進んでいく。
物語序盤、突然起こる殺人事件。殺されたのはある女の子のいとこだった。
主人公はその女の子が好きで、どうにかしてその子のハートをゲットしたいと思い、真相解明に乗り出す。もちろん親友も一緒だ。
しかし、物語中盤で以前その子が親友と良い感じになっていたことを知る。「コイツもあの子のことを好きなんじゃないか? でも、それならなぜハッキリ言ってくれないのだろう」という心の葛藤、モヤモヤ。
子供が大人になろうとしている瞬間である。
宮部みゆきの作品には、面白い(共感できる)大人がしばしば登場する。ここでは敢えて書かないが、その辺も楽しみにして読んでほしい。
また、この本は「今夜は眠れない」の続編となっているので、ぜひそちらを読んでからこちらを読んでほしい。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021
No.13
(4pt)

夢にも思わない結末

“今夜は眠れない”の続編である。前作“今夜は眠れない”から話が続いているわけではないが…前作の登場人物が、物語の途中でいきなり登場したりするので、前作も読んでおいたほうが良いかと思う。
物語は、主人公・緒方雅男が思いを寄せるクドウさんの従妹・亜紀子が殺されるというところから始まる。従妹が殺人事件の被害者ということで、クドウさんはいらぬ噂が立てられたり、変な意味で注目されることになる。いってみれば、クドウさんもこの殺人事件の間接的な被害者になってしまったのだ。当然、緒方雅男は、そんなクドウさんを元気付けようとする。
事件は徐々に解決へ向かう。それとともに緒方雅男とクドウさんは仲を深めていく。そして、事件の真相は解明されたように思えた。しかし、最後の最後でどんでん返しがある。それは、主人公・緒方雅男にとってみれば「夢にも思わない」ことだった…それが本作品のタイトルになっているのだろうか?
最終的な結末は、作者なりのメッセージが込められているように感じる。ただのミステリー作品で終わらせなかったところが、「さすが、宮部ゆみき!」といった感じがした。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021
No.12
(4pt)

「いい子」って?

 夏に一家で大騒動に巻き込まれた緒方雅男くん、秋に入ったばっかりで、またもやトラブルに巻き込まれる。今度は、殺人事件。
 
 事件に絡めて雅男くんの淡い恋なんかも描かれていて、結末自体は後味が悪くなりそうな内容なのに、どこかさわやかな風を感じてしまうのは、さすが宮部作品。私の大好きな”少年もの”(少年が主人公の作品)です。 今では、売春どころか”援助交際”と称して堂々と体を売り、それに全く罪悪感を感じない子どもがいる時代、ちょっと道を踏み外した少女がこういった世界に入っていくこと自体、それほど珍しいことではないのかもしれない。だから、ストーリーの展開自体は、それほど目新しいものではないのだけど、やはりキャラクターが魅力だし、それぞれの”心”がよく描けていると思う。主人公の雅男&島崎コンビはちょっと頭が良すぎる気もするが、こんな中学生だっているに違いない、と思いたい。
 雅男くんが思いを寄せるのは、最初は”被害者”だと思われたクドウさん。売春組織と関わりがあった従姉に執拗に迫られていて、危ないところだったようなのだが・・・。悪いことだとわかっていてもそこから抜け出せない少女たちと、フツウの世界に住む少女たちとの違いは何だろう?いい子と悪い子の違いって何だろう?見た目で判断できるものか?いろんなことを考えさせられるラストでした。私も親だから、ついつい自分のこと照らし合わせて考えてしまいます。どうしたら、本当の意味の”いい子”になれるだろうって。服装がちょっと派手でも、とても心の優しい子もいれば、成績優秀、一見おしとやかな女の子でも、人として何かが欠けている子もいる。ストーリーとは関係のないところで、問題を与えられたような気がしました。
 主人公と同じ中学生が読んだ場合と、大人が読んだ場合では、視点が違って、いろいろな感想が生まれそうな作品です。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021
No.11
(5pt)

悲しいボーイ・ミーツ・ガール

悲しいボーイ・ミーツ・ガールでした。
少年が一歩大人になった。確かに一歩階段を踏みしめた音が聞こえてきそうな作品。
悲劇にせずにこれを書けるのはちょっとすごいと思いました。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021
No.10
(4pt)

惜しい!

主人公が同い年ってこともあってサクッと読めそうなので買ったんですが……中学生じゃないなぁと思いました。軸になる二人がいいヤツで今の中学生っぽくはなかったけれど、そこには好感持てました。それに感情の起伏が激しいのも、思春期独特の感じがでててよかったし、大人になると出てくるであろうちょっとすれたというか、諦めたというかそういう部分もなくてそこはらしいと思いました。ただみんな頭良すぎかなぁ。確かに思考力の高い中学生もいるだろうとは思うし、売春とかに対してショックを受ける人ももう少ないでしょう。でも中学生は中学生であって、やっぱり子どもなんだと思います。親に養ってもらってる立場ですから。それをかんがえると年齢設定は、せめてバイトやってる高校生ぐらいがよかったかなぁ。だって俺ここまで達観出来ないもん(笑)でもそこを除けばかなり面白かったです。文章も簡単だし。人が内面に持っているだろう、様々な感情がきれいに描かれていました。メンタル面ではかなり共感できる部分も多く、負の部分だけでなく、正の部分もあり良かったです。(個人的には、いつも冷静な島崎君が怒りをこらえて眼鏡をふくシーンが好き)りづめの構造には感心して、流石宮部さんって感じでした。最後の主人公がどうしても許せなかった、思いやりの天秤ばかり、それがしょうがないと納得できない、大人になるにつれてきえていきがちな感情なのかなぁ(緒方くんの姿をみて、その感情は守り続けたいと感じました。)いつかきっと現れるであろう、緒方くんの大切な人、俺もいつか見つけたいなぁ。長文失礼しました。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021
No.9
(4pt)

最後の最後で

主人公の中学生、緒方君の語りで、読みやすく事件もそれほど難解でなく、一泊の出張旅行にはぴったりの推理小説でした。がしかし。最後の最後で、あまり事件に関係のないようで、よくよく考えると発端になるような些細な出来事が、ずっと心に残って後味が悪いのなんの。これが大人のしたことならここまで私の心に残らなかったのでしょうが、中学生が引き起こしたこと-現実でないことはわかっていますが、ありえるようでつらい世の中だなあ、と、ただの推理小説で終わらないところが、さすが宮部みゆき!いきなりシリーズ2作目から読んでしまいましたので、「今夜は眠れない」も読みます。本書にときどきでてくるので、1作目から読むことをお勧めします。
夢にも思わない (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夢にも思わない (角川文庫)より
4043611021