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事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング(失踪.Com)
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事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング(失踪.Com)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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いろんな登場人物が出てきている。 途中「この時間は全てつながっているように思えるんです」というようなセリフがあり、これまで登場してきた人物などが全て繋がり伏線回収できると思いきや、全く繋がらず終了。最後の女は結局何? 不完全燃焼のまま終わった。なんか物足りないと言うかモヤモヤする。 ストーリー自体はサクサク読める。 | ||||
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ドラマ化もされた「一橋桐子の犯罪日記」でハマって最近立て続けに読んでいる原田ひ香作品。当然作品ごとに出来の良しあしはあるんだけど、この作品だけはどうにも擁護不可能。はっきり言う、駄作だ。なので以下はファンや関係者には聞きたくない言葉が並ぶと思うので傷付きたくないという方は避けられた方が良いかと。 物語は加島康江というアパート経営に携わる主婦が管理している不動産屋から入居者の様子がおかしいと不吉な報せを受け取る所から始まる。実父の物であったアパートを受け継いで本来の所有者である筈の夫は家事もアパート経営も康江に丸投げ。文句でも言おうものなら稼ぎ頭である事をタテに康江の至らなさを責めてくる始末。 仕方なしに不動産屋の担当者、保証会社の女性と連れ立って当の部屋へ向かった康江だったが、不動産屋が開けたドアの向こうに見えたのは一斉に飛び立つ真っ黒な蠅の群れ。ただでさえ収支がギリギリのアパートに事故物件が発生してしまった事で途方に暮れる康江だったが、そんな彼女の耳に入ってきたのは告知義務をクリアする為に事故物件となった部屋に一時的に雇った人間を住まわせる「ロンダリング」とそれを手掛けるという不動産屋の噂だったが…… いや、序盤は悪くなかったのよ。上に紹介させて頂いた序盤の主たる登場人物・康江の夫が原田ひ香でお馴染みのモラ夫だったのが「またか」となったのも事実だけど、「大島てる」なんかで話題になった事故物件や告知義務、ロンダリングと本作で取り扱うであろうお題がスピーディーに並べられて「この事故物件を謎めいた不動産屋がロンダリングする話か」と大いに期待させられた。 しかも第一章終盤ではモラハラ大全開な夫が浮気相手に妊娠させた事を知った康江がブチ切れて子供を連れ、事故物件となったアパートへ転居するという中々刺激的な展開が始まるし、ドラマとしての激しさも大いに期待させてくれた。 ところが第二章に入ると康江もその夫も、ロンダリングを生業にするという謎めいた不動産屋の話もどっかに行っちゃう。若い会社員がちょっと風変わりな同僚の失踪や、その同僚が勤め先に内緒で手掛けていた「影」と呼ばれるロンダリングの仕事、その部屋が事故物件になった原因の自殺者が会社員の高校時代の先輩だった事実が明かされたり、失踪者探しの専門業者が現れたり……ここもまあ面食らいはしたが期待はした。「第一章のアパート経営主婦とどう繋げるんだろうか?」という感じで大いに盛り上がった。 ところが第三章、度重なる浮気がバレた事でヨメから追い出された軽薄男の話が始まったあたりで流石にこれはおかしいと思うようになった。第一章、第二章と一見関係ないと思われる登場人物の置かれた状況が展開されて「その繋がりは?」と思ってたら第三章になっても続け様にまるで関係ない話が始まるので読者の側としては「このバラバラな話をどう繋げて読めば良いの?」「繋がりが見えないまま増えていく登場人物をどう覚えれば?」という不信感が芽生え始める。 そしてこの辺りからロンダリングを手掛ける古びた不動産屋「相場不動産」が登場するのだけど、第一章で謎めかして登場したのに女性店員のまあちゃんがまるで主役の様に描かれるわ、そのまあちゃんが巻き込まれた奇妙な社会学者による調査の様子が描かれるわという有り様で 「主役は誰?」 「メインのストーリーはどこ行った?」 「作者が描きたい物はいったい何なの?」 と読者の側は大混乱に陥り、もう収拾がつかない大混乱の中読み進める羽目になる。 その収拾の付かなさは収斂されるどころか読み進めれば読み進める程に拡散していき、序盤では謎めいた雰囲気で描かれていた「相場不動産」はただのガラの悪いおっさん社長が経営する小商いみたいにしか見えなくなるし、失踪者専門の調査業者・仙道がなぜか主役みたいに振る舞い始めるので頭の中に「???」とはてなマークが飛び交い始める有り様に。 とにかくメインとなるストーリーの軸もガタガタなら主役となる登場人物が誰であるかも不鮮明。群像劇にしては追うべき事象が明確でなく、終盤では何故か大手デベロッパーの東京五輪を巡る都庁を巻き込んだ事件みたいな物が唐突に放り込まれた挙句に投げっ放しの様に幕を閉じてしまう事に。 いや、作者の名誉の為に多少擁護めいた事を言わせて貰えば秋田出身の高卒女性であるまあちゃんを取り巻く状況や失踪者をとりまく状況みたいな部分が持つリアリティには作者の手腕が感じられて「その部分に限り」読めなくもない。でもそれがストーリーの中で活用されなければ意味は全く無い訳で残念ながら活用されていたとは言い難い。 小説を書こうと思ったら書くべき題材、際立たせるべき登場人物、読者に追って貰うべきストーリーの主軸みたいな部分を明確にする為に必要で無い部分を削ぎ落すのが基本中の基本だと思うのだが、この作品はその剪定作業が何一つなされていない。作者が思い付いた「書いたら面白くなりそうな要素」を取捨選択もろくにしないまま並べてみた、そうとしか思えない雑然さだけが際立っている。 最後まで読んでみて読者としては「これは誰が主役で、ストーリーはどこから始まって何をもって終わって、提示したいテーマは何だったのですか?」と作者に本気で問い質したくなる一冊であった。「一橋桐子」なんかはストーリーも明確だし、描きたいテーマもしっかり伝わって来たので大いに期待したのだが個人的に原田ひ香の株を大幅に下げてしまった残念な作品であったと言わざるを得ない。 | ||||
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これの序章にあたる前作「東京ロンダリング」が、よく言えば読みやすい、 悪く言えば深みや奥行に物足りなさが残る作品だったので、続編の本作も似たような テイストかと思ったら、だいぶ違って、人間の暗部や世間の苦味、不気味さといったものが 強く感じられる作品でした。 そこまではよかったのですが、不穏さや暗部をちりばめるだけちりばめ、 伏線を張るだけ張っておいて、ほぼ未回収というのが致命的にいただけません。 正直、「えっ、ここで終わり??」と思ってしまいました。 物語の余韻とか読者のご想像におまかせしますとかいう種類のものではなく、 まさかこれで回収したつもりじゃないですよね・・・。 「待て次作!」ってことなんでしょうか。 でもそれにしてもここで終わりはさすがに区切りが悪い気が。 これで次作もなくこれきりだったら☆さらにマイナスします。。。 | ||||
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