霧越邸殺人事件

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評判

霧越邸殺人事件の評価:

3.79/5点 レビュー 76件。 B ランク

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平均点3.79pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全163件 101〜120 6/9ページ
No.63
(5pt)

なるほど外伝。作者の館シリーズとは異なる到達点。

【あらすじ】
猛吹雪に遭遇した劇団「暗色天幕」。彼らは吹雪をしのぐ為に、不思議な館「霧越低」で吹雪が空くのを待つのだが、曲者ぞろいの住人たちに疎まれる中、次々に殺人が起きていく。
恐れ戦く劇団メンバーだったが、その館には真犯人ですら制しがたい「館」の意志が巡っていた……

【感想】
作者は「十角館の殺人」をはじめとする館シリーズの作者であるが、本作品は館シリーズの狂言回し的な存在である島田潔も中村青司も登場しないノン・シリーズであるが、その存在感から館シリーズの外伝的作品と位置付けられている。

古き良き古典本格ミステリを愛する作者らしい、外連味たっぷりの舞台設定、分けありの登場人物による人間ドラマ、意外な結末に彩られた内容は今までの館シリーズより遥かに鮮烈に示されている。

何より、本書を傑作たらしめているのは「館」というオブジェクトの存在感である。
単なる建造物である館であり、本編のストーリーや推理に影響を与える事は無いが、まるで生き物のようにその中に居る住人達に干渉し続ける姿は後の作者の幻想小説風味の作品群に通じるモノが有る。
非常に広い意味でのメタ・フィクションともいえ、作品全体を覆う超常の力が作品全体になんともいえない独特の雰囲気を醸し出している。

正直な所、その辺は自分の好みとは異なりますが傑作である事には違いないです。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.62
(5pt)

なるほど外伝。作者の館シリーズとは異なる到達点。

【あらすじ】
猛吹雪に遭遇した劇団「暗色天幕」。彼らは吹雪をしのぐ為に、不思議な館「霧越低」で吹雪が空くのを待つのだが、曲者ぞろいの住人たちに疎まれる中、次々に殺人が起きていく。
恐れ戦く劇団メンバーだったが、その館には真犯人ですら制しがたい「館」の意志が巡っていた……

【感想】
作者は「十角館の殺人」をはじめとする館シリーズの作者であるが、本作品は館シリーズの狂言回し的な存在である島田潔も中村青司も登場しないノン・シリーズであるが、その存在感から館シリーズの外伝的作品と位置付けられている。

古き良き古典本格ミステリを愛する作者らしい、外連味たっぷりの舞台設定、分けありの登場人物による人間ドラマ、意外な結末に彩られた内容は今までの館シリーズより遥かに鮮烈に示されている。

何より、本書を傑作たらしめているのは「館」というオブジェクトの存在感である。
単なる建造物である館であり、本編のストーリーや推理に影響を与える事は無いが、まるで生き物のようにその中に居る住人達に干渉し続ける姿は後の作者の幻想小説風味の作品群に通じるモノが有る。
非常に広い意味でのメタ・フィクションともいえ、作品全体を覆う超常の力が作品全体になんともいえない独特の雰囲気を醸し出している。

正直な所、その辺は自分の好みとは異なりますが傑作である事には違いないです。
霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル)より
4396207409
No.61
(2pt)

吹雪の山荘でありえない不自然、緊迫感の欠如

この作品には決定的に欠けているものがあります。それは緊迫感です。吹雪の山荘もの、ではありますが登場人物が多く、なによりこの事件を早く解決しなければ自分も殺されてしまう、周りの、大切な人が殺されてしまう…といったような緊迫感、感情の動きがまるで感じられませんでした。例えば、あなたに本当に愛している人がいたとして、すでに殺人が行われている場所において、もしその愛する人が次の犠牲者になるかもしれない…と露程でも予感できる出来事が起こったとして何の対策も講じないでしょうか?つかず離れず、一緒にいようとは思わないでしょうか?少なくとも愛する人を守るため、何らかの行動を起こすでしょう。そういった行動が一切ないままではあなたは本当にその人のことを愛しているのか?と疑われても仕方ありません。主人公の行動は、そういった点で理解しがたく、常識的に考えて不自然です。また、ミステリを多少なりとも読んだことがある、と紹介されている登場人物たちが邸で出される珈琲や茶を少し緊張を解いたぐらいで飲んでしまう…犯人はわかっていないというのに、今宵も誰かが殺されるかもしれないというのに。出されたものをそのまま出所も確認せず。睡眠薬が存在していて、それが誰にでも盗める状況にあって、かつそれを登場人物達が知っていて、それでいて出される珈琲を飲む。そんな馬鹿な。神経質なぐらい毎回疑っても当然の状況でしょう。一体主人公たちはどんなミステリを読んできたのか。それはこの作品最大の謎といっても過言ではありません。そもそも一人殺されたと確定された時点でお互いに一箇所で見張りあおう、などという議論がなされて当然です。なぜ毎度毎度普通のことのように各自の部屋へ戻っていくのか…防衛の観念すらないのでしょうか?この作品には全編通して「命を守ろう(自他ともに)」という、殺人への抵抗意思がまるで感じられません。とても不自然です。上記のことから緊迫感など望むべくもありません。扱われる命があまりにも軽いのです。文章が長いわりにそのスペースの殆どを蘊蓄の羅列に使ってしまったのは、作品にとって不幸である以上に読者にとって不幸です。
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.60
(2pt)

吹雪の山荘でありえない不自然、緊迫感の欠如

この作品には決定的に欠けているものがあります。それは緊迫感です。吹雪の山荘もの、ではありますが登場人物が多く、なによりこの事件を早く解決しなければ自分も殺されてしまう、周りの、大切な人が殺されてしまう…といったような緊迫感、感情の動きがまるで感じられませんでした。例えば、あなたに本当に愛している人がいたとして、すでに殺人が行われている場所において、もしその愛する人が次の犠牲者になるかもしれない…と露程でも予感できる出来事が起こったとして何の対策も講じないでしょうか?つかず離れず、一緒にいようとは思わないでしょうか?少なくとも愛する人を守るため、何らかの行動を起こすでしょう。そういった行動が一切ないままではあなたは本当にその人のことを愛しているのか?と疑われても仕方ありません。主人公の行動は、そういった点で理解しがたく、常識的に考えて不自然です。また、ミステリを多少なりとも読んだことがある、と紹介されている登場人物たちが邸で出される珈琲や茶を少し緊張を解いたぐらいで飲んでしまう…犯人はわかっていないというのに、今宵も誰かが殺されるかもしれないというのに。出されたものをそのまま出所も確認せず。睡眠薬が存在していて、それが誰にでも盗める状況にあって、かつそれを登場人物達が知っていて、それでいて出される珈琲を飲む。そんな馬鹿な。神経質なぐらい毎回疑っても当然の状況でしょう。一体主人公たちはどんなミステリを読んできたのか。それはこの作品最大の謎といっても過言ではありません。そもそも一人殺されたと確定された時点でお互いに一箇所で見張りあおう、などという議論がなされて当然です。なぜ毎度毎度普通のことのように各自の部屋へ戻っていくのか…防衛の観念すらないのでしょうか?この作品には全編通して「命を守ろう(自他ともに)」という、殺人への抵抗意思がまるで感じられません。とても不自然です。上記のことから緊迫感など望むべくもありません。扱われる命があまりにも軽いのです。文章が長いわりにそのスペースの殆どを蘊蓄の羅列に使ってしまったのは、作品にとって不幸である以上に読者にとって不幸です。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.59
(2pt)

吹雪の山荘でありえない不自然、緊迫感の欠如

この作品には決定的に欠けているものがあります。それは緊迫感です。吹雪の山荘もの、ではありますが登場人物が多く、なによりこの事件を早く解決しなければ自分も殺されてしまう、周りの、大切な人が殺されてしまう…といったような緊迫感、感情の動きがまるで感じられませんでした。例えば、あなたに本当に愛している人がいたとして、すでに殺人が行われている場所において、もしその愛する人が次の犠牲者になるかもしれない…と露程でも予感できる出来事が起こったとして何の対策も講じないでしょうか?つかず離れず、一緒にいようとは思わないでしょうか?少なくとも愛する人を守るため、何らかの行動を起こすでしょう。そういった行動が一切ないままではあなたは本当にその人のことを愛しているのか?と疑われても仕方ありません。主人公の行動は、そういった点で理解しがたく、常識的に考えて不自然です。また、ミステリを多少なりとも読んだことがある、と紹介されている登場人物たちが邸で出される珈琲や茶を少し緊張を解いたぐらいで飲んでしまう…犯人はわかっていないというのに、今宵も誰かが殺されるかもしれないというのに。出されたものをそのまま出所も確認せず。睡眠薬が存在していて、それが誰にでも盗める状況にあって、かつそれを登場人物達が知っていて、それでいて出される珈琲を飲む。そんな馬鹿な。神経質なぐらい毎回疑っても当然の状況でしょう。一体主人公たちはどんなミステリを読んできたのか。それはこの作品最大の謎といっても過言ではありません。そもそも一人殺されたと確定された時点でお互いに一箇所で見張りあおう、などという議論がなされて当然です。なぜ毎度毎度普通のことのように各自の部屋へ戻っていくのか…防衛の観念すらないのでしょうか?この作品には全編通して「命を守ろう(自他ともに)」という、殺人への抵抗意思がまるで感じられません。とても不自然です。上記のことから緊迫感など望むべくもありません。扱われる命があまりにも軽いのです。文章が長いわりにそのスペースの殆どを蘊蓄の羅列に使ってしまったのは、作品にとって不幸である以上に読者にとって不幸です。
霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル)より
4396207409
No.58
(1pt)

蘊蓄とこじつけの塊

なんでこんな駄作が?と思いますよ。本当に。どこがいいんだろう?幻想的?なら著者が常日頃言っている『謎とその論理的解明を主軸とした物語』が本格ミステリならば、これはただのファンタジー小説そのものではないか!蘊蓄にもウンザリしたし、トリックもつまらない。というよりトリックなんて無いじゃないか!読むとバカをみます。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.57
(1pt)

蘊蓄とこじつけの塊

なんでこんな駄作が?と思いますよ。本当に。どこがいいんだろう?幻想的?なら著者が常日頃言っている『謎とその論理的解明を主軸とした物語』が本格ミステリならば、これはただのファンタジー小説そのものではないか!蘊蓄にもウンザリしたし、トリックもつまらない。というよりトリックなんて無いじゃないか!読むとバカをみます。
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.56
(1pt)

蘊蓄とこじつけの塊

なんでこんな駄作が?と思いますよ。本当に。どこがいいんだろう?幻想的?なら著者が常日頃言っている『謎とその論理的解明を主軸とした物語』が本格ミステリならば、これはただのファンタジー小説そのものではないか!蘊蓄にもウンザリしたし、トリックもつまらない。というよりトリックなんて無いじゃないか!読むとバカをみます。
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4396207409
No.55
(5pt)

異変と殺人が交叉する。吹雪の山荘で装飾殺人が開幕した

物語は、四年前の連続殺人事件を回想する形で始まる。
槍中率いる劇団「暗色天幕」は、猛吹雪の中山荘にたどり着いた。
吹雪を避けるため屋敷を訪れていた開業医。
訪問者に無愛想に接する屋敷の住人。
殺人事件は、ごく一般的なミステリー小説ばりに始まった。
探偵役を任された槍中は、持ち前の考察力で犯人へと迫る。
が、普通のミステリーと違うのは、屋敷の中で怪現象が起こること。
訪問者の未来を映す鏡ともいわれ、さらに形態形成上の理論とも取れる屋敷の異変。
登場人物達の性格や哲学も個性的で面白い。
それが、読んでいる方を錯乱させる要素でもある。
ミステリーの基本を押さえたうえで、じわりじわりと進む説明不可能な現象を書いた綾辻流の推理小説。
単調に物語が進んで、犯人を探し出すだけのミステリに飽きた方にお勧め。
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.54
(5pt)

異変と殺人が交叉する。吹雪の山荘で装飾殺人が開幕した

物語は、四年前の連続殺人事件を回想する形で始まる。
槍中率いる劇団「暗色天幕」は、猛吹雪の中山荘にたどり着いた。
吹雪を避けるため屋敷を訪れていた開業医。
訪問者に無愛想に接する屋敷の住人。
殺人事件は、ごく一般的なミステリー小説ばりに始まった。
探偵役を任された槍中は、持ち前の考察力で犯人へと迫る。
が、普通のミステリーと違うのは、屋敷の中で怪現象が起こること。
訪問者の未来を映す鏡ともいわれ、さらに形態形成上の理論とも取れる屋敷の異変。
登場人物達の性格や哲学も個性的で面白い。
それが、読んでいる方を錯乱させる要素でもある。
ミステリーの基本を押さえたうえで、じわりじわりと進む説明不可能な現象を書いた綾辻流の推理小説。
単調に物語が進んで、犯人を探し出すだけのミステリに飽きた方にお勧め。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.53
(5pt)

異変と殺人が交叉する。吹雪の山荘で装飾殺人が開幕した

物語は、四年前の連続殺人事件を回想する形で始まる。
槍中率いる劇団「暗色天幕」は、猛吹雪の中山荘にたどり着いた。
吹雪を避けるため屋敷を訪れていた開業医。
訪問者に無愛想に接する屋敷の住人。
殺人事件は、ごく一般的なミステリー小説ばりに始まった。
探偵役を任された槍中は、持ち前の考察力で犯人へと迫る。
が、普通のミステリーと違うのは、屋敷の中で怪現象が起こること。
訪問者の未来を映す鏡ともいわれ、さらに形態形成上の理論とも取れる屋敷の異変。
登場人物達の性格や哲学も個性的で面白い。
それが、読んでいる方を錯乱させる要素でもある。
ミステリーの基本を押さえたうえで、じわりじわりと進む説明不可能な現象を書いた綾辻流の推理小説。
単調に物語が進んで、犯人を探し出すだけのミステリに飽きた方にお勧め。
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4396207409
No.52
(4pt)

幻想世界が広がる

この小説においての真犯人の示し方は、クイーンの「エジプト十字架の謎」と同様。決定的なヒントが読者にあからさまに提示されるが、坂口安吾の「不連続殺人事件」と同様に、小説世界の異常な雰囲気(幻想的な恐怖世界)が見事にそれを覆い隠す。読後も霧越邸の不思議な余韻がいつまでも残り、作者のベスト作品と言えるだろう。
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.51
(4pt)

幻想世界が広がる

この小説においての真犯人の示し方は、クイーンの「エジプト十字架の謎」と同様。決定的なヒントが読者にあからさまに提示されるが、坂口安吾の「不連続殺人事件」と同様に、小説世界の異常な雰囲気(幻想的な恐怖世界)が見事にそれを覆い隠す。読後も霧越邸の不思議な余韻がいつまでも残り、作者のベスト作品と言えるだろう。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.50
(5pt)

皆さんがいわれる 本格かどうか?なんて僕にはどうでもいいんですよね 大切なのは面白いかどうか?じゃないの?。ただアラを探して何になるんだ?そんなつまらない読み方しか出来ない人間は哀れだよ本の楽しみ方が分かってないなって感じ綾辻さんの作品には美がある ミステリーとしても申し分ないし現実と幻想の狭間に漂っているような世界観が大好きです 館を想像するのがとても楽しいこんな館があれば行ってみたいなって、いつも思う今作の館も最高だった物語が終わってしまうのが悲しいと思えるくらい。買って良かった!! ('∀`)
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.49
(5pt)

皆さんがいわれる 本格かどうか?なんて僕にはどうでもいいんですよね 大切なのは面白いかどうか?じゃないの?。ただアラを探して何になるんだ?そんなつまらない読み方しか出来ない人間は哀れだよ本の楽しみ方が分かってないなって感じ綾辻さんの作品には美がある ミステリーとしても申し分ないし現実と幻想の狭間に漂っているような世界観が大好きです 館を想像するのがとても楽しいこんな館があれば行ってみたいなって、いつも思う今作の館も最高だった物語が終わってしまうのが悲しいと思えるくらい。買って良かった!! ('∀`)
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.48
(5pt)

眩惑させられる、もう一つの「館」

遭難者達が迷いこんだ豪雪に閉ざされた洋館。そこで彼らを襲う狂気の連続見立て殺人。最早ミステリではお定まりの図式なのだが、これが綾辻行人の筆致にかかれば一転、壮美なファンタジックサスペンスに変貌する。 事件の発端からその終結まで、その全てを暗示した麗しき「祈りの邸」を舞台に、「幕間」を挟みながら劇団員達の死を描く、芝居がかった構成。それを飾る、アールヌーボーの意匠の調度、北原白秋や西條八十の詩。 陰惨な血みどろの殺戮劇にもかかわらず、高雅とも思える静櫃な物語…などと感じてしまうのは、この小説の犯人へのシンパシーでは、無論ない。それはひとえに、極限状況でのエロスとタナトスを問うた著者の才気に感服して、である。 「十角館」以来ご多分に漏れず、愕然とするどんでん返しで予想を裏切ってくれる綾辻作品の中にあっても、「霧越邸」のラストの疾走感は圧巻だ。願わくは、一人でも多くのミステリフリークが、この、中村青司の手に成らない「館」を探訪する為に、本書を手にされんことを…。
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.47
(5pt)

眩惑させられる、もう一つの「館」

遭難者達が迷いこんだ豪雪に閉ざされた洋館。そこで彼らを襲う狂気の連続見立て殺人。最早ミステリではお定まりの図式なのだが、これが綾辻行人の筆致にかかれば一転、壮美なファンタジックサスペンスに変貌する。 事件の発端からその終結まで、その全てを暗示した麗しき「祈りの邸」を舞台に、「幕間」を挟みながら劇団員達の死を描く、芝居がかった構成。それを飾る、アールヌーボーの意匠の調度、北原白秋や西條八十の詩。 陰惨な血みどろの殺戮劇にもかかわらず、高雅とも思える静櫃な物語…などと感じてしまうのは、この小説の犯人へのシンパシーでは、無論ない。それはひとえに、極限状況でのエロスとタナトスを問うた著者の才気に感服して、である。 「十角館」以来ご多分に漏れず、愕然とするどんでん返しで予想を裏切ってくれる綾辻作品の中にあっても、「霧越邸」のラストの疾走感は圧巻だ。願わくは、一人でも多くのミステリフリークが、この、中村青司の手に成らない「館」を探訪する為に、本書を手にされんことを…。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110
No.46
(5pt)

カバー装画は奥さん。

もうひとつの「館」シリーズ(続編出てないけど)ともいうべき、綾辻さんの代表的長編作品。
時期を近くして(翌年だったかな…)刊行された『時計館の殺人』と並ぶ他の追随を許さぬ完成度と、白眉ともいえるその妖しく美しい仕上がりは、全綾辻作品の中でも一際異彩を放っております。
で。
この作品が上梓された時、ファンが戸惑ったのがラストのオチのつけ方。
当時綾辻さんはファンにとって、所謂「新本格」の代表選手《フラッシュポイント》にして、「本格・正統派」の系譜を真っ当に継いで行くであろう、というか継いでくれている希望の星だった訳で、
まあこれは現在でも基本的には変わらない世評ではあるのでしょうが、
つまり、揺るがぬ鉄の掟であった筈の「破綻のない論理的帰結」を、最後に少しずらしてみせた本作の結末は、一体どう落とし所を見付けたものか、判断を保留したファンの人も多かったというか。
ですが。
今思えば、実は非常に綾辻さんらしかった訳で。
『殺人鬼』なんかもそういう事だと思いますが。
念の為申し添えておくと、本格ミステリとしての構成力、リーダビリティでは、綾辻作品中最高峰に位置する逸品ですので、「変格」はあんまり…という方にも無問題。
欲求はこれでもかと満たされます(筈)。
「ミステリ」作家・綾辻行人、渾身の傑作。是非どうぞ。
霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル)より
4396207409
No.45
(5pt)

カバー装画は奥さん。

もうひとつの「館」シリーズ(続編出てないけど)ともいうべき、綾辻さんの代表的長編作品。
時期を近くして(翌年だったかな…)刊行された『時計館の殺人』と並ぶ他の追随を許さぬ完成度と、白眉ともいえるその妖しく美しい仕上がりは、全綾辻作品の中でも一際異彩を放っております。
で。
この作品が上梓された時、ファンが戸惑ったのがラストのオチのつけ方。
当時綾辻さんはファンにとって、所謂「新本格」の代表選手《フラッシュポイント》にして、「本格・正統派」の系譜を真っ当に継いで行くであろう、というか継いでくれている希望の星だった訳で、
まあこれは現在でも基本的には変わらない世評ではあるのでしょうが、
つまり、揺るがぬ鉄の掟であった筈の「破綻のない論理的帰結」を、最後に少しずらしてみせた本作の結末は、一体どう落とし所を見付けたものか、判断を保留したファンの人も多かったというか。
ですが。
今思えば、実は非常に綾辻さんらしかった訳で。
『殺人鬼』なんかもそういう事だと思いますが。
念の為申し添えておくと、本格ミステリとしての構成力、リーダビリティでは、綾辻作品中最高峰に位置する逸品ですので、「変格」はあんまり…という方にも無問題。
欲求はこれでもかと満たされます(筈)。
「ミステリ」作家・綾辻行人、渾身の傑作。是非どうぞ。
霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027216
No.44
(5pt)

カバー装画は奥さん。

もうひとつの「館」シリーズ(続編出てないけど)ともいうべき、綾辻さんの代表的長編作品。
時期を近くして(翌年だったかな…)刊行された『時計館の殺人』と並ぶ他の追随を許さぬ完成度と、白眉ともいえるその妖しく美しい仕上がりは、全綾辻作品の中でも一際異彩を放っております。
で。
この作品が上梓された時、ファンが戸惑ったのがラストのオチのつけ方。
当時綾辻さんはファンにとって、所謂「新本格」の代表選手《フラッシュポイント》にして、「本格・正統派」の系譜を真っ当に継いで行くであろう、というか継いでくれている希望の星だった訳で、
まあこれは現在でも基本的には変わらない世評ではあるのでしょうが、
つまり、揺るがぬ鉄の掟であった筈の「破綻のない論理的帰結」を、最後に少しずらしてみせた本作の結末は、一体どう落とし所を見付けたものか、判断を保留したファンの人も多かったというか。
ですが。
今思えば、実は非常に綾辻さんらしかった訳で。
『殺人鬼』なんかもそういう事だと思いますが。
念の為申し添えておくと、本格ミステリとしての構成力、リーダビリティでは、綾辻作品中最高峰に位置する逸品ですので、「変格」はあんまり…という方にも無問題。
欲求はこれでもかと満たされます(筈)。
「ミステリ」作家・綾辻行人、渾身の傑作。是非どうぞ。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧越邸殺人事件 (新潮文庫)より
4101386110