わたしたちが孤児だったころ

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わたしたちが孤児だったころの評価:

4.00/5点 レビュー 80件。 E ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全126件 81〜100 5/7ページ
No.46
(4pt)

カズオ・イシグロ氏は巧い。

普通(なのかな?)ある作家に惚れこむと処女作から時系列で読んでいく傾向があるが、僕はカズオ・イシグロ氏の作品を逆順に読んでいる。本作は『わたしを離さないで』の前作に当たるが、まず著者の小説作りの巧さが冴えている。本作はエンタテイメント寄りの作品に仕上がっているが、イシグロ氏のストーリテラーとしての巧みさと文章の洗練度は相当なものだ。個人的な嗜好として、ヨーロッパを中心とした上流階級を設定にした端正さよりもアップデイトなモチーフで書かれた小説が好みなのだが、著者の腕にかかるとそういった趣味を超えて小説の面白さを十二分に堪能できる。超絶的名作『わたしを離さないで』の次に読んだためやや食い足りない読後感があるが、著者の懐の広さを堪能できる作品だ。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.45
(4pt)

カズオ・イシグロ氏は巧い。

普通(なのかな?)ある作家に惚れこむと処女作から時系列で読んでいく傾向があるが、僕はカズオ・イシグロ氏の作品を逆順に読んでいる。本作は『わたしを離さないで』の前作に当たるが、まず著者の小説作りの巧さが冴えている。本作はエンタテイメント寄りの作品に仕上がっているが、イシグロ氏のストーリテラーとしての巧みさと文章の洗練度は相当なものだ。個人的な嗜好として、ヨーロッパを中心とした上流階級を設定にした端正さよりもアップデイトなモチーフで書かれた小説が好みなのだが、著者の腕にかかるとそういった趣味を超えて小説の面白さを十二分に堪能できる。超絶的名作『わたしを離さないで』の次に読んだためやや食い足りない読後感があるが、著者の懐の広さを堪能できる作品だ。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.44
(4pt)

子供の頃の記憶、母親への思慕・・・。

正直、主人公の思いつくままの回想に付き合わされているようで、3分の2くらい読み進むまであまり面白いとは思わなかった。探偵もの、ミステリーとしても面白さがあるわけでもなく、謎の真相も何やら通俗的な感じがするし、幼なじみアキラとの関係や探偵として世界の混沌の責任を負っているかのような主人公の気負いも奇妙に思えて違和感があった。はっきり言うと理解できないというべきか。ただ、エピローグ的な香港でのエピソードの最後の言葉に、どっと涙が出てしまった。太平洋戦争前の不穏な上海を舞台にしていますが、あくまでも物語の背景にすぎず、作者は子供の頃の記憶、母親への思慕を描きたかったのかなと思いました。自分もふっと思い出す子供の頃の母親の姿や彼女はどんなことを思っていたのか、なんていうような一瞬の回想が切り取られたかのような・・・読後感が残る本でした。

 なんとなくですが、ロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督が母親についての記憶を抽象的に描いた「鏡」という映画を思い出しました。なんとなくですが・・・。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.43
(4pt)

子供の頃の記憶、母親への思慕・・・。

正直、主人公の思いつくままの回想に付き合わされているようで、3分の2くらい読み進むまであまり面白いとは思わなかった。探偵もの、ミステリーとしても面白さがあるわけでもなく、謎の真相も何やら通俗的な感じがするし、幼なじみアキラとの関係や探偵として世界の混沌の責任を負っているかのような主人公の気負いも奇妙に思えて違和感があった。はっきり言うと理解できないというべきか。ただ、エピローグ的な香港でのエピソードの最後の言葉に、どっと涙が出てしまった。太平洋戦争前の不穏な上海を舞台にしていますが、あくまでも物語の背景にすぎず、作者は子供の頃の記憶、母親への思慕を描きたかったのかなと思いました。自分もふっと思い出す子供の頃の母親の姿や彼女はどんなことを思っていたのか、なんていうような一瞬の回想が切り取られたかのような・・・読後感が残る本でした。

 なんとなくですが、ロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督が母親についての記憶を抽象的に描いた「鏡」という映画を思い出しました。なんとなくですが・・・。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.42
(4pt)

過去の記憶と「今」の断片

この前の日中戦争の直前・戦中そして戦後における父と母そして彼らと「私」を取り巻く人々の記憶の断片を辿る「孤児」日記。 でも何か物足りない。 何かすっきりしない。  イシグロの作品の中でもレヴェルの低い作品かな、と思う。 ただ単に長いだけで、最後までぐいぐいと読ませる力量は認めるとしても、やはり物足りない。 途中で「なんでやねん!」「???」と突っ込みたい箇所が多々、多々ある。    「英米で非常に高く評価され、ベストセラーになった」と文庫のカバーにはあるが、この作品はなんらかの文学賞を受賞してないんだな、何かおかしいんだ、これ以外の作品とは違うんだ・・・・・
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.41
(4pt)

過去の記憶と「今」の断片

この前の日中戦争の直前・戦中そして戦後における父と母そして彼らと「私」を取り巻く人々の記憶の断片を辿る「孤児」日記。 でも何か物足りない。 何かすっきりしない。  イシグロの作品の中でもレヴェルの低い作品かな、と思う。 ただ単に長いだけで、最後までぐいぐいと読ませる力量は認めるとしても、やはり物足りない。 途中で「なんでやねん!」「???」と突っ込みたい箇所が多々、多々ある。    「英米で非常に高く評価され、ベストセラーになった」と文庫のカバーにはあるが、この作品はなんらかの文学賞を受賞してないんだな、何かおかしいんだ、これ以外の作品とは違うんだ・・・・・
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.40
(5pt)

いろんな意味で探偵小説

夏目漱石でいうと、「それから」「彼岸過迄」「こころ」みたいに、ミステリ、推理小説の構造になってる。

出生のなぞがふくらんでいって、最後に訳知りの叔父さんがすべてを解き明かすっていう。

「わたしを離さないで」と同じですね。

けど、技巧が冴え渡ってる。こんな複雑な筋と多数の登場人物をよく処理できたなと。

最後知らんでよかったことまで解き明かされてもうて、スッカラカンになるわけだけど、それでも生きていくんや、酸いも甘いも噛んでいくしかないやろ的なアティテュードが落ち着いていて、読後感は悪くない。

まあ、とくに感動はしなかったけど、非常に面白い作品であることは確か。

姪との関係性、距離感もなんかええかんじ。

あ、アヘン戦争を扱っていて、イギリスにおいてはわりと勇敢な行為だったのではないかなと思いました。

麻薬で他国民をダメにしたっていう史上最悪の犯罪行為ですからね。

それを批判するでもなく淡々と描写する方法が良かったと思います。

っていうかあんま言うことないな。他の作品が良すぎるんで
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.39
(5pt)

いろんな意味で探偵小説

夏目漱石でいうと、「それから」「彼岸過迄」「こころ」みたいに、ミステリ、推理小説の構造になってる。

出生のなぞがふくらんでいって、最後に訳知りの叔父さんがすべてを解き明かすっていう。

「わたしを離さないで」と同じですね。

けど、技巧が冴え渡ってる。こんな複雑な筋と多数の登場人物をよく処理できたなと。

最後知らんでよかったことまで解き明かされてもうて、スッカラカンになるわけだけど、それでも生きていくんや、酸いも甘いも噛んでいくしかないやろ的なアティテュードが落ち着いていて、読後感は悪くない。

まあ、とくに感動はしなかったけど、非常に面白い作品であることは確か。

姪との関係性、距離感もなんかええかんじ。

あ、アヘン戦争を扱っていて、イギリスにおいてはわりと勇敢な行為だったのではないかなと思いました。

麻薬で他国民をダメにしたっていう史上最悪の犯罪行為ですからね。

それを批判するでもなく淡々と描写する方法が良かったと思います。

っていうかあんま言うことないな。他の作品が良すぎるんで
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.38
(4pt)

他の読者と感想を交換したくなる作品でした。

カズオ・イシグロの作品は数冊読んだ程度ですが、不思議と主人公に魅力を感じず、読後他の登場人物のことばかりを考えていることがあります。主人公は他の人を際立たせるための存在なのかと思えるほど。この作品もそうでした。主人公は設定では優秀で名声のある探偵ということになっているのですが、描写からはとても平凡で鈍い印象すらあります。それよりも、自ら思う正義のために戦い敗れた人、耐え難い屈辱を生きた人、時代に愛に翻弄された周囲の人々が実に人間くさく、印象に残るのです。さまざまな詳細を秘めたままにしてしまうイシグロ氏の作品ですから、周囲の人物の心についてあまり紙幅は割かれていません。読後に考えるという楽しみを残してくれます。書かれていなかったあれやこれやについて他の人はどう思ったのだろう、と感想を交換したくなる作品でした。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.37
(4pt)

他の読者と感想を交換したくなる作品でした。

カズオ・イシグロの作品は数冊読んだ程度ですが、不思議と主人公に魅力を感じず、読後他の登場人物のことばかりを考えていることがあります。主人公は他の人を際立たせるための存在なのかと思えるほど。この作品もそうでした。主人公は設定では優秀で名声のある探偵ということになっているのですが、描写からはとても平凡で鈍い印象すらあります。それよりも、自ら思う正義のために戦い敗れた人、耐え難い屈辱を生きた人、時代に愛に翻弄された周囲の人々が実に人間くさく、印象に残るのです。さまざまな詳細を秘めたままにしてしまうイシグロ氏の作品ですから、周囲の人物の心についてあまり紙幅は割かれていません。読後に考えるという楽しみを残してくれます。書かれていなかったあれやこれやについて他の人はどう思ったのだろう、と感想を交換したくなる作品でした。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.36
(5pt)

幻想的な余韻

何年も前に誘拐された両親を探しだす、しかも間には戦争が勃発。
ただでさえ、混沌とした当時の上海で、見つけ出すなんて、何を非常識な。と思いながら読んでいたのだが、ましてや、スラムと化した戦地の空き家に今も両親が拉致されているって考える、主人公。登場人物もそれに疑問をもつことなく、捜査をはじめるので、感覚がおかしいのは自分の方かと思った。ここでかなりの困惑を読者に持たせることが狙い?
そしてあんなに見つけ出すことに執着して、責任を持って命を救うとアキラに約束したのに、あっさり、引渡し、何もなかったように、アキラについてその後言及しない。
読み終わった後は、不思議な余韻に包まれた、そもそも本当にアキラだったのか怪しい。極限状態の二人には正常な判断ができない?
ましてや、なんだかそもそも本当にそんな危ない地域を二人で進んだとういうそんなシーン事体、あったのか?幻覚をみせられたのは、読者である私の方だったのか?
なんとも不思議な感覚を読書後に覚えました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.35
(5pt)

幻想的な余韻

何年も前に誘拐された両親を探しだす、しかも間には戦争が勃発。
ただでさえ、混沌とした当時の上海で、見つけ出すなんて、何を非常識な。と思いながら読んでいたのだが、ましてや、スラムと化した戦地の空き家に今も両親が拉致されているって考える、主人公。登場人物もそれに疑問をもつことなく、捜査をはじめるので、感覚がおかしいのは自分の方かと思った。ここでかなりの困惑を読者に持たせることが狙い?
そしてあんなに見つけ出すことに執着して、責任を持って命を救うとアキラに約束したのに、あっさり、引渡し、何もなかったように、アキラについてその後言及しない。
読み終わった後は、不思議な余韻に包まれた、そもそも本当にアキラだったのか怪しい。極限状態の二人には正常な判断ができない?
ましてや、なんだかそもそも本当にそんな危ない地域を二人で進んだとういうそんなシーン事体、あったのか?幻覚をみせられたのは、読者である私の方だったのか?
なんとも不思議な感覚を読書後に覚えました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.34
(5pt)

ブッカー賞作家、カズオ・イシグロが綴る「追想」の冒険譚

英語圏で最高の権威を誇る文学賞「ブッカー賞」を『日の名残り』で’89年度に受賞した、現代英国文学界を代表するカズオ・イシグロの’00年発表の第5長編。

おもな舞台は不安定な中国情勢・国際情勢の中での上海の外国人特別区“租界”。‘わたし’ ことクリストファー・バンクスは10才の時、父母が共に謎の失踪を遂げて孤児になった。長じて父母を捜すために探偵となり、数々の難事件に関って名を成し、社交界にデビューする。

本書は、全部で7つの章から成り立っていて、それぞれ1930年、1931年、1937年、1958年と、異なる時点から過去を振り返る‘わたし’の「追想」小説である。少年時代の父母の思い出、隣家の日本人少年アキラとのいたずらなどの遊びの思い出、名を成してからのサラ・ヘミングスとの淡い恋、養女ジェニファーとの関係などが抒情的・自省的に綴られてゆくが、常に‘わたし’の心にあったのは父母を探し出し、救出することだった。第6章の1937年時の追想は日本軍と中国共産軍、蒋介石の国民軍が入り乱れる上海の戦闘区域で、負傷した日本軍兵士であるアキラと再会して父母を救出するべく執念の探索行が描かれている。このくだりは圧巻であり、リーダビリティーにあふれている。そしてついに明かされる衝撃の真相と、それを知ったのちの‘わたし’のなんとも名状しがたい心の動き。

本書を探偵小説と見るむきもあるが、私は‘わたし’の記憶と過去をめぐる切ない青春小説であり、「追想」の冒険譚であるように思った。
ところでタイトルの『わたしたちが孤児だったころ』であるが、なぜ「わたしが・・」ではなく、「わたしたちが・・」なのだろうか。ここに、読者を物語に巻き込むイシグロの意図がうかがえるような気がする。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.33
(5pt)

ブッカー賞作家、カズオ・イシグロが綴る「追想」の冒険譚

英語圏で最高の権威を誇る文学賞「ブッカー賞」を『日の名残り』で’89年度に受賞した、現代英国文学界を代表するカズオ・イシグロの’00年発表の第5長編。

おもな舞台は不安定な中国情勢・国際情勢の中での上海の外国人特別区“租界”。‘わたし’ ことクリストファー・バンクスは10才の時、父母が共に謎の失踪を遂げて孤児になった。長じて父母を捜すために探偵となり、数々の難事件に関って名を成し、社交界にデビューする。

本書は、全部で7つの章から成り立っていて、それぞれ1930年、1931年、1937年、1958年と、異なる時点から過去を振り返る‘わたし’の「追想」小説である。少年時代の父母の思い出、隣家の日本人少年アキラとのいたずらなどの遊びの思い出、名を成してからのサラ・ヘミングスとの淡い恋、養女ジェニファーとの関係などが抒情的・自省的に綴られてゆくが、常に‘わたし’の心にあったのは父母を探し出し、救出することだった。第6章の1937年時の追想は日本軍と中国共産軍、蒋介石の国民軍が入り乱れる上海の戦闘区域で、負傷した日本軍兵士であるアキラと再会して父母を救出するべく執念の探索行が描かれている。このくだりは圧巻であり、リーダビリティーにあふれている。そしてついに明かされる衝撃の真相と、それを知ったのちの‘わたし’のなんとも名状しがたい心の動き。

本書を探偵小説と見るむきもあるが、私は‘わたし’の記憶と過去をめぐる切ない青春小説であり、「追想」の冒険譚であるように思った。
ところでタイトルの『わたしたちが孤児だったころ』であるが、なぜ「わたしが・・」ではなく、「わたしたちが・・」なのだろうか。ここに、読者を物語に巻き込むイシグロの意図がうかがえるような気がする。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.32
(4pt)

ミステリーという垣根を越えて。ともかく前向きな生き方が素敵!

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)
1900年代の初め、
上海で両親と共に豊かに暮らしていたイギリス人の少年クリストファーは、
立て続けに両親が失踪するという奇妙な事件に遭遇する。

以来、イギリスに帰国し、
名門大学を出て、順調に探偵となり、
社交界にデビューする一方で
養女を養うほど
知性と富と慈悲にあふれた人柄を備え、
人生を歩み始めている。
(欠点は女性が苦手なところ。)

そんな彼が自分の不確かな記憶と探偵としての資質を武器に
両親の失踪の秘密を探り、
彼らを捜し出そうと再び(日中戦争が勃発しようとしている)上海を訪れる。

荒削りだけれど、自分の成し遂げようとする事柄に、
後先考えずに真正面から向かっていく主人公が、
なんだかほほえましく
ミステリーという垣根を越えて、
楽しく文字を追いました。

さらにエンディングの
探し出した母と母の環境に理解を示し、
養女の提案を曖昧に享受していく箇所は物語の終点にふさわしく穏やかで素敵。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.31
(4pt)

ミステリーという垣根を越えて。ともかく前向きな生き方が素敵!

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)
1900年代の初め、
上海で両親と共に豊かに暮らしていたイギリス人の少年クリストファーは、
立て続けに両親が失踪するという奇妙な事件に遭遇する。

以来、イギリスに帰国し、
名門大学を出て、順調に探偵となり、
社交界にデビューする一方で
養女を養うほど
知性と富と慈悲にあふれた人柄を備え、
人生を歩み始めている。
(欠点は女性が苦手なところ。)

そんな彼が自分の不確かな記憶と探偵としての資質を武器に
両親の失踪の秘密を探り、
彼らを捜し出そうと再び(日中戦争が勃発しようとしている)上海を訪れる。

荒削りだけれど、自分の成し遂げようとする事柄に、
後先考えずに真正面から向かっていく主人公が、
なんだかほほえましく
ミステリーという垣根を越えて、
楽しく文字を追いました。

さらにエンディングの
探し出した母と母の環境に理解を示し、
養女の提案を曖昧に享受していく箇所は物語の終点にふさわしく穏やかで素敵。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.30
(5pt)

ミステリアス

日本生まれのイギリス文学者カズオ・イシグロの作品。1930年から1940年代。ロンドンと上海を舞台にしている。イギリスの植民地支配時代の空気を出しています。途中までは、抑制のきいた深い物語進行ですが、途中から急転直下の話の進行に頭がついていけなくなります。ミステリーの謎とき張りの進行です。途中までは、カズオ・イシグロの「日の名残り」のような作品らしいのですが、後半はついていけませんでした。私は作品としては、「日の名残り」の方がおさまり良く、ジーンと胸にしみて、好きでした。好きな作家の作品の一つとして読みました。随所にその良さを見つけることはできました。カズオ・イシグロには、今後も期待しています。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.29
(5pt)

ミステリアス

日本生まれのイギリス文学者カズオ・イシグロの作品。1930年から1940年代。ロンドンと上海を舞台にしている。イギリスの植民地支配時代の空気を出しています。途中までは、抑制のきいた深い物語進行ですが、途中から急転直下の話の進行に頭がついていけなくなります。ミステリーの謎とき張りの進行です。途中までは、カズオ・イシグロの「日の名残り」のような作品らしいのですが、後半はついていけませんでした。私は作品としては、「日の名残り」の方がおさまり良く、ジーンと胸にしみて、好きでした。好きな作家の作品の一つとして読みました。随所にその良さを見つけることはできました。カズオ・イシグロには、今後も期待しています。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.28
(5pt)

再読に堪えうる作品

「日の名残り」「浮世の画家」に続き、私にとってイシグロ氏3作目の小説ですが一番面白く読みました(前記2作品も好きですが)。主人公の独白を基本とし、各章の小見出しだけを追えば時間の流れに沿いつつ、途中回想や過去のエピソードをふんだんに交えることでその世界に引き込まれる点は3作品とも共通していました。しかし本作品はスケールの大きさで過去2作品の比でなく、そこに大きな魅力を感じました(まあ、この点は評価の分かれる点でしょうけど)。前記2作品では「あの人はその後どうなったんだろう、あの事はどういう意味があったんだろう、もう少し詳しく解説(謎解き?)してほしい」と思ったものでしたがこの作品を読むことで、「書き過ぎない」ことがイシグロ氏のスタイルではないかと考えるようになりました。つまり「タネ証し」と「読者の想像力を刺激し続ける」こととのバランスの取り方がこの人の真骨頂なのではないでしょうか。再読すれば、1回目では読み取れなかった“仕掛け”の発見や違った読み方ができそうなので、少し時間をおいて挑戦しようと思っています。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.27
(5pt)

再読に堪えうる作品

「日の名残り」「浮世の画家」に続き、私にとってイシグロ氏3作目の小説ですが一番面白く読みました(前記2作品も好きですが)。主人公の独白を基本とし、各章の小見出しだけを追えば時間の流れに沿いつつ、途中回想や過去のエピソードをふんだんに交えることでその世界に引き込まれる点は3作品とも共通していました。しかし本作品はスケールの大きさで過去2作品の比でなく、そこに大きな魅力を感じました(まあ、この点は評価の分かれる点でしょうけど)。前記2作品では「あの人はその後どうなったんだろう、あの事はどういう意味があったんだろう、もう少し詳しく解説(謎解き?)してほしい」と思ったものでしたがこの作品を読むことで、「書き過ぎない」ことがイシグロ氏のスタイルではないかと考えるようになりました。つまり「タネ証し」と「読者の想像力を刺激し続ける」こととのバランスの取り方がこの人の真骨頂なのではないでしょうか。再読すれば、1回目では読み取れなかった“仕掛け”の発見や違った読み方ができそうなので、少し時間をおいて挑戦しようと思っています。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347