わたしたちが孤児だったころ

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評判

わたしたちが孤児だったころの評価:

4.00/5点 レビュー 80件。 E ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全126件 21〜40 2/7ページ
No.106
(5pt)

ラストのエグさに気をつけて。若すぎる人は読まないように

こんなラストなら、読まなかった。
残念すぎるし、やはりそうなのかと虚しさが抑えきれない。

でも読まずにはいられないほど、静かに世界観に引き込まれてしまう。
訳が素晴らしいのもあると思います。

一人称で書かれているものは、気をつけないと視点が一点(自分だけ)になるのは当然で、そこを意識して読んでみると作品の深さがより感じられる。
単純に、深さを感じなくても十分読み応えはもちろんあります。

ハタチそこそこで『テレーズ・デスケルウ』が絶望的で最後は読めなかった自分の若さを、久々に思い出しました。
人の欲望、ひがみの醜さ恐ろしさは正直フィクションでも目にしたくはないけど、フィクションだから、所詮本の中の事で良かったと思えるほどに自分も歳を重ねてきたんだなぁと思えました。
それにしても、やはり結末はグロい。
結末直前の惨状の描写もかなりのヘドを催すものがあるも、軽く読み飛ばせます。
しかし。人は誰しも母親から生まれてきており、その母のある姿は、子どもにとって重要だとそんな当たり前の事にも気がつかされる。

ノーベル賞とるだけの作家の作品は一度だけではなく、二度三度読んでいくと毎度違う視点を与えてくれる、多くの人が自らのそれぞれのこれまでの生き方やら考え方に新たな視点を与えてくれる深いものなのだと。

次はまた数年後、数十年後に読んでみたいなと。
グロさが和らいで読めるくらい、人の色んな心を受け止められるくらいに落ち着いていたいものだと思います。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.105
(5pt)

ラストのエグさに気をつけて。若すぎる人は読まないように

こんなラストなら、読まなかった。
残念すぎるし、やはりそうなのかと虚しさが抑えきれない。

でも読まずにはいられないほど、静かに世界観に引き込まれてしまう。
訳が素晴らしいのもあると思います。

一人称で書かれているものは、気をつけないと視点が一点(自分だけ)になるのは当然で、そこを意識して読んでみると作品の深さがより感じられる。
単純に、深さを感じなくても十分読み応えはもちろんあります。

ハタチそこそこで『テレーズ・デスケルウ』が絶望的で最後は読めなかった自分の若さを、久々に思い出しました。
人の欲望、ひがみの醜さ恐ろしさは正直フィクションでも目にしたくはないけど、フィクションだから、所詮本の中の事で良かったと思えるほどに自分も歳を重ねてきたんだなぁと思えました。
それにしても、やはり結末はグロい。
結末直前の惨状の描写もかなりのヘドを催すものがあるも、軽く読み飛ばせます。
しかし。人は誰しも母親から生まれてきており、その母のある姿は、子どもにとって重要だとそんな当たり前の事にも気がつかされる。

ノーベル賞とるだけの作家の作品は一度だけではなく、二度三度読んでいくと毎度違う視点を与えてくれる、多くの人が自らのそれぞれのこれまでの生き方やら考え方に新たな視点を与えてくれる深いものなのだと。

次はまた数年後、数十年後に読んでみたいなと。
グロさが和らいで読めるくらい、人の色んな心を受け止められるくらいに落ち着いていたいものだと思います。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.104
(4pt)

過去を知ることで辛くなる現実

主人公は上海育ちのイギリス人で突然孤児になってしまった10歳の出来事を起点に探偵としての地位を活かして両親に何が起こったのかを探っていくストーリーです。舞台はアヘン戦争中の上海で子供時代の郷愁を感じる記憶と現在の謎を探るパートで主に構成されています。さらにその現在すら郷愁を感じる過去の記憶となる数十年後も併せて描写されており、過去の真実を知ることに執着したことで今の幸福になりえたかもしれない選択肢を捨ててしまうことになります。ですが、主人公は使命に生きており、結果的には必然だったと感じさせる内容でした。

主人公の目的を最優先させ、時には協力者を罵倒する姿勢には正直やり過ぎだと感じましたが、それも率直に生きてきた人生、そして探偵としての職業がそうさせたのかもしれません。

読後は重厚な過去を受け入れたおじいさんのような感覚になりました。一人の人生を味わった感覚です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.103
(4pt)

過去を知ることで辛くなる現実

主人公は上海育ちのイギリス人で突然孤児になってしまった10歳の出来事を起点に探偵としての地位を活かして両親に何が起こったのかを探っていくストーリーです。舞台はアヘン戦争中の上海で子供時代の郷愁を感じる記憶と現在の謎を探るパートで主に構成されています。さらにその現在すら郷愁を感じる過去の記憶となる数十年後も併せて描写されており、過去の真実を知ることに執着したことで今の幸福になりえたかもしれない選択肢を捨ててしまうことになります。ですが、主人公は使命に生きており、結果的には必然だったと感じさせる内容でした。

主人公の目的を最優先させ、時には協力者を罵倒する姿勢には正直やり過ぎだと感じましたが、それも率直に生きてきた人生、そして探偵としての職業がそうさせたのかもしれません。

読後は重厚な過去を受け入れたおじいさんのような感覚になりました。一人の人生を味わった感覚です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.102
(4pt)

崩れゆく租界

主人公クリストファーは1900年前後の上海租界に生まれた。

父はアヘン貿易によって財をなしたイギリス人だが、同じイギリス人である母は英領インドから流れ込むアヘンによって心身を蝕まれていた中国人に対して、イギリス人として自責の念を感じ、現地中国のナショナリストたちと手を組んで反アヘン・キャンペーンに関わっていた。

その両親が何らかの事件に巻き込まれて行方不明となり、孤児となったクリストファーは本国イギリスに住む親戚に引き取られることになる。

やがて本国イギリスで探偵として身を立てた彼は失踪した両親の行方を探しに上海に舞い戻ることを決意する。

しかし、そこで彼が目にしたものは中国ナショナリズムの台頭と日本の侵略によって行き場を失ってゆく租界のイギリス人たちの斜陽化する社会だった。

今後われわれ日本人が日本の旧植民地を舞台に小説を書く上で、この小説はお手本ともなれば乗り越える対象ともなるだろう。

そもそも「わたしたちが孤児だったころ」というタイトルが意味する「わたしたち」とは誰のことだろうか?
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.101
(4pt)

崩れゆく租界

主人公クリストファーは1900年前後の上海租界に生まれた。

父はアヘン貿易によって財をなしたイギリス人だが、同じイギリス人である母は英領インドから流れ込むアヘンによって心身を蝕まれていた中国人に対して、イギリス人として自責の念を感じ、現地中国のナショナリストたちと手を組んで反アヘン・キャンペーンに関わっていた。

その両親が何らかの事件に巻き込まれて行方不明となり、孤児となったクリストファーは本国イギリスに住む親戚に引き取られることになる。

やがて本国イギリスで探偵として身を立てた彼は失踪した両親の行方を探しに上海に舞い戻ることを決意する。

しかし、そこで彼が目にしたものは中国ナショナリズムの台頭と日本の侵略によって行き場を失ってゆく租界のイギリス人たちの斜陽化する社会だった。

今後われわれ日本人が日本の旧植民地を舞台に小説を書く上で、この小説はお手本ともなれば乗り越える対象ともなるだろう。

そもそも「わたしたちが孤児だったころ」というタイトルが意味する「わたしたち」とは誰のことだろうか?
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.100
(4pt)

基本的な世界に対する信頼感(ネタバレ有)

カズオ・イシグロがイギリスのいわゆる正統系の作家だというのは、納得できる気がする。
この「私たちが孤児だったころ」や、「私を離さないで」などのイシグロ氏の長編小説を読んでいて一番感じるのは、
なんというべきか、「主人公が基本的に、世界に対するもっともな信頼感を抱いている」のである。
この「私たちが孤児だった頃」にしても、主人公のバンクスは両親の人生にただただ翻弄される形で
唐突に孤児になってしまうが、全てが明らかになって母親と再開を果たした後もその両親の過去の選択を受け入れ、
(それは自分ではどうしようもできない大きな政治や社会の流れを受け入れるということでもある)
探偵としての自分がどう生きるべきかという選択を考慮した末に孤児の新しい女の子を引き受けることにする。
彼は、自分自身の悲劇は置いておいて、新しく受け入れる養子に彼なりに手を差し伸べる。それはほぼ無償の愛に近い。
物語の最後には、探偵として生きてきたバンクスの最後の心の揺らぎが示される。
ロンドンで今までのように事件を調査しつつ、ここで残りの人生の時間を過ごすのか、それとも、
養子にしたジェニファーと田舎で暮らすかどうか....
という老年期に差し掛かった探偵の穏やかな迷いの独白での幕引きはなかなか味わい深いものがある。

私がカズオ・イシグロの小説を定期的に手にとり、その世界に触れたいと思うのは、
イシグロの小説の人々(主に主人公)が感じる、
「自分を取り巻く世界に対する信頼感」を彼らの目線を通じて同じように感じたいからなのかもしれないと時に思う。
過去の様々な物事を語る時に、それが曖昧になる(いわゆる信頼できない語り手になる)というのは、
自分の都合の良いように過去を改変して再構築しているのだと言える。けれどもそれは言い方を変えれば、
複雑で、捉えどころのなく、バラバラになってしまっている現実を、もう一度信頼のできる形に捉え直そうとする
ある意味で誰しもがする普遍的で重要な試みだとも言えるのではないか。
そのような重要な試みを、カズオ・イシグロは描いているのではないかと時に感じる。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.99
(4pt)

基本的な世界に対する信頼感(ネタバレ有)

カズオ・イシグロがイギリスのいわゆる正統系の作家だというのは、納得できる気がする。
この「私たちが孤児だったころ」や、「私を離さないで」などのイシグロ氏の長編小説を読んでいて一番感じるのは、
なんというべきか、「主人公が基本的に、世界に対するもっともな信頼感を抱いている」のである。
この「私たちが孤児だった頃」にしても、主人公のバンクスは両親の人生にただただ翻弄される形で
唐突に孤児になってしまうが、全てが明らかになって母親と再開を果たした後もその両親の過去の選択を受け入れ、
(それは自分ではどうしようもできない大きな政治や社会の流れを受け入れるということでもある)
探偵としての自分がどう生きるべきかという選択を考慮した末に孤児の新しい女の子を引き受けることにする。
彼は、自分自身の悲劇は置いておいて、新しく受け入れる養子に彼なりに手を差し伸べる。それはほぼ無償の愛に近い。
物語の最後には、探偵として生きてきたバンクスの最後の心の揺らぎが示される。
ロンドンで今までのように事件を調査しつつ、ここで残りの人生の時間を過ごすのか、それとも、
養子にしたジェニファーと田舎で暮らすかどうか....
という老年期に差し掛かった探偵の穏やかな迷いの独白での幕引きはなかなか味わい深いものがある。

私がカズオ・イシグロの小説を定期的に手にとり、その世界に触れたいと思うのは、
イシグロの小説の人々(主に主人公)が感じる、
「自分を取り巻く世界に対する信頼感」を彼らの目線を通じて同じように感じたいからなのかもしれないと時に思う。
過去の様々な物事を語る時に、それが曖昧になる(いわゆる信頼できない語り手になる)というのは、
自分の都合の良いように過去を改変して再構築しているのだと言える。けれどもそれは言い方を変えれば、
複雑で、捉えどころのなく、バラバラになってしまっている現実を、もう一度信頼のできる形に捉え直そうとする
ある意味で誰しもがする普遍的で重要な試みだとも言えるのではないか。
そのような重要な試みを、カズオ・イシグロは描いているのではないかと時に感じる。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.98
(5pt)

イシグロ的英国ミステリ

久しぶりに“身が入る”読書を楽しんだ。カズオ・イシグロはもう一冊、世界的なベストセラーになった『わたしを離さないで』を読んだだけだが、あれも面白かった。そのほかの作品のあらすじに目を通してみると、多彩な作風を持つ作家らしいので、一概には言えないかもしれないが、わたしが読んだ2作は間違いなく圧倒的な物語が展開する小説だった。

本書には、意外な作家の影響も見受けられる。本当に本当に意外なのだが、それはアガサ・クリスティーである。このことをわたしが知ったのは、しばらく前に読んだ平井杏子という人が書いた紀行エッセイ『アガサ・クリスティを訪ねる旅』(大修館書店)のあとがきでだった。以下、それを少し引用してみよう。

“じつは打ち明けると、この旅に私を誘ってくれたのは、カズオ・イシグロというひとりの作家でした。(中略)人間心理の奥底に深く分け入るイシグロ文学に魅せられ、著書やさまざまな資料に目を通していた私は、長編第五作目の『私たちが孤児だったころ』(原文ママ)のことを、イシグロ自身が「アガサ・クリスティのパスティーシュ」と語ったインタビュー記事に行き当たりました。……”

パスティーシュとは模倣のことである。あらためて思い巡らすまでもなく本書の主人公は探偵だし、過去と向き合い、ケリをつけようとする物語は確かにクリスティー的だ。もちろんクリスティーとイシグロの作風はまったく異なるが、イギリスにはディケンズの『エドウィン・ドルードの謎』のように文豪がミステリを手がける伝統があり、本書もその系譜に連ねてよいのではないか。もっと言えば、イシグロのストーリーテラーぶりはディケンズ的でもあると思う。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.97
(5pt)

イシグロ的英国ミステリ

久しぶりに“身が入る”読書を楽しんだ。カズオ・イシグロはもう一冊、世界的なベストセラーになった『わたしを離さないで』を読んだだけだが、あれも面白かった。そのほかの作品のあらすじに目を通してみると、多彩な作風を持つ作家らしいので、一概には言えないかもしれないが、わたしが読んだ2作は間違いなく圧倒的な物語が展開する小説だった。

本書には、意外な作家の影響も見受けられる。本当に本当に意外なのだが、それはアガサ・クリスティーである。このことをわたしが知ったのは、しばらく前に読んだ平井杏子という人が書いた紀行エッセイ『アガサ・クリスティを訪ねる旅』(大修館書店)のあとがきでだった。以下、それを少し引用してみよう。

“じつは打ち明けると、この旅に私を誘ってくれたのは、カズオ・イシグロというひとりの作家でした。(中略)人間心理の奥底に深く分け入るイシグロ文学に魅せられ、著書やさまざまな資料に目を通していた私は、長編第五作目の『私たちが孤児だったころ』(原文ママ)のことを、イシグロ自身が「アガサ・クリスティのパスティーシュ」と語ったインタビュー記事に行き当たりました。……”

パスティーシュとは模倣のことである。あらためて思い巡らすまでもなく本書の主人公は探偵だし、過去と向き合い、ケリをつけようとする物語は確かにクリスティー的だ。もちろんクリスティーとイシグロの作風はまったく異なるが、イギリスにはディケンズの『エドウィン・ドルードの謎』のように文豪がミステリを手がける伝統があり、本書もその系譜に連ねてよいのではないか。もっと言えば、イシグロのストーリーテラーぶりはディケンズ的でもあると思う。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.96
(4pt)

長い夢を見ていたような作品

英国の著名な探偵、クリストファー・バンクス。
彼の回想という形で、本書は構成されている。
どこまでが真実で、どこからが虚構と感じるかは読み手に委ねられるだろう。
独特の世界観を楽しみたい一冊。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.95
(4pt)

長い夢を見ていたような作品

英国の著名な探偵、クリストファー・バンクス。
彼の回想という形で、本書は構成されている。
どこまでが真実で、どこからが虚構と感じるかは読み手に委ねられるだろう。
独特の世界観を楽しみたい一冊。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.94
(5pt)

他人の犠牲の上に成り立つ繁栄

物語の舞台は主に、1930年代のイギリスと上海である。
上海生まれのイギリス人である本書の主人公は、ある日突然孤児となる。イギリスで成人して探偵となった後は、やらなければならないことがあるという使命感から、上海に行く。
自分の使命が常に優先されており、他人の苦悩や痛みには思いを及ぼさない。ところどころ、読んでいて驚かされるほど、あまりに自己中心的な発言もする。そして、自分の恵まれた地位や特権が、多くの人の犠牲の上に成り立ってきたことにも気づかず、また、気づいた後も、自分を正当化し続ける。

作者はさらに物語の中に隠喩として、先進国で裕福に暮らす人々への批判も含めているように思う。
主人公と相似の関係にあるものとして、列強各国の富裕層がある。その中でも特に、中心的存在である大英帝国に対して、作者の厳しい目が向けられているように感じる。使命感を持って帝国主義の行動を起こし、自分たちの恵まれた社会や国が他国民の犠牲の上に成り立っていることに気づかずに(あるいは故意に無視して)人生を謳歌している。この国民みんなが、タイトルの「わたしたち」に含まれるのではないだろうか。
そしてこの「わたしたち」は、昔だけの話ではなく、現代の先進国に生きる私たちの問題でもある。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.93
(5pt)

他人の犠牲の上に成り立つ繁栄

物語の舞台は主に、1930年代のイギリスと上海である。
上海生まれのイギリス人である本書の主人公は、ある日突然孤児となる。イギリスで成人して探偵となった後は、やらなければならないことがあるという使命感から、上海に行く。
自分の使命が常に優先されており、他人の苦悩や痛みには思いを及ぼさない。ところどころ、読んでいて驚かされるほど、あまりに自己中心的な発言もする。そして、自分の恵まれた地位や特権が、多くの人の犠牲の上に成り立ってきたことにも気づかず、また、気づいた後も、自分を正当化し続ける。

作者はさらに物語の中に隠喩として、先進国で裕福に暮らす人々への批判も含めているように思う。
主人公と相似の関係にあるものとして、列強各国の富裕層がある。その中でも特に、中心的存在である大英帝国に対して、作者の厳しい目が向けられているように感じる。使命感を持って帝国主義の行動を起こし、自分たちの恵まれた社会や国が他国民の犠牲の上に成り立っていることに気づかずに(あるいは故意に無視して)人生を謳歌している。この国民みんなが、タイトルの「わたしたち」に含まれるのではないだろうか。
そしてこの「わたしたち」は、昔だけの話ではなく、現代の先進国に生きる私たちの問題でもある。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.92
(4pt)

いい本です。

今でこそ有名なカズオ・イシグロですが、なかなか良い本を書いていました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.91
(4pt)

いい本です。

今でこそ有名なカズオ・イシグロですが、なかなか良い本を書いていました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.90
(4pt)

クローン人間のこと

不思議な、内容だった。イギリスで実際にあったことなのか作者の完全なフィクションなのか?
内容に付いていくのに時間がかかった。
結末が、不思議!
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.89
(4pt)

クローン人間のこと

不思議な、内容だった。イギリスで実際にあったことなのか作者の完全なフィクションなのか?
内容に付いていくのに時間がかかった。
結末が、不思議!
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.88
(5pt)

夢を見ていた

突然の両親の失踪にも動じなかった主人公は、心はずっと孤児のまま、大人になってもずっと、両親に会えると信じ、探し続けていた。
その間、世界は激変し、幼友達や恋人が過酷な運命に巻き込まれていく。
そして、彼が夢から覚めた時に見たものは…,

後半の、戦火に踏みにじられた人々の生活の凄惨さ、愛犬を守ろうとする少女の運命に思いをはせ、涙が出そうになった。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.87
(5pt)

夢を見ていた

突然の両親の失踪にも動じなかった主人公は、心はずっと孤児のまま、大人になってもずっと、両親に会えると信じ、探し続けていた。
その間、世界は激変し、幼友達や恋人が過酷な運命に巻き込まれていく。
そして、彼が夢から覚めた時に見たものは…,

後半の、戦火に踏みにじられた人々の生活の凄惨さ、愛犬を守ろうとする少女の運命に思いをはせ、涙が出そうになった。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425