霧の旗

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評判

霧の旗の評価:

4.27/5点 レビュー 51件。 B ランク

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平均点4.27pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全99件 81〜99 5/5ページ
No.19
(4pt)

娯楽小説とシリアスな社会派小説の見事な合体

 柳田桐子は死刑判決を受けた兄の無罪を信じて、高名な弁護士大塚に弁護を懇願するが、高額の弁護料を払えない彼女は全く取り合ってもらえなかった。兄は殺人犯の汚名を来たまま獄中で死に、桐子は大塚への復讐を始める。それは極めて周到な準備の元に実行されていく。
 実は大塚弁護士は決して非情でもないし、現代の司法制度の中では良心的な方だと言っても良いのである。
 むしろ桐子の執念が恐ろしくなり、異常なものに見え、桐子が一種のストーカーのように思える。
 しかし良く考えてみると、桐子から見れば、もし大塚弁護士が弁護していたら、兄が助かっていた可能性は極めて高いのである。だから、復讐は極めて正当なのだ。
 では一体誰が悪いのかという問題が出て来る。そこで松本清張のテーマである社会の矛盾が出て来る。
 日本では多くの文芸作家にとって社会の矛盾は大きなテーマになり得なかった。いろんな理由があるだろうが、彼らが社会の下層の生活と無縁だったことも大きな要素であると思う。貧しいが故にかなえられない願い、助からない命。それを実体験として知っているという点で松本清張は数少ない文芸作家と言えるだろう。
 桐子の恨みは大塚個人へと向けられているが、松本清張の中にははっきりと社会の不平等への怒りがあると思う。
 しかし松本清張の作品らしく、精密な状況描写があり、真犯人を求めるときの証拠の分析などは彼の能力が最大限に活かされている。読者を楽しませる娯楽小説とシリアスな社会派小説の見事な合体である。
霧の旗 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (新潮文庫)より
4101109206
No.18
(4pt)

娯楽小説とシリアスな社会派小説の見事な合体

 柳田桐子は死刑判決を受けた兄の無罪を信じて、高名な弁護士大塚に弁護を懇願するが、高額の弁護料を払えない彼女は全く取り合ってもらえなかった。兄は殺人犯の汚名を来たまま獄中で死に、桐子は大塚への復讐を始める。それは極めて周到な準備の元に実行されていく。
 実は大塚弁護士は決して非情でもないし、現代の司法制度の中では良心的な方だと言っても良いのである。
 むしろ桐子の執念が恐ろしくなり、異常なものに見え、桐子が一種のストーカーのように思える。
 しかし良く考えてみると、桐子から見れば、もし大塚弁護士が弁護していたら、兄が助かっていた可能性は極めて高いのである。だから、復讐は極めて正当なのだ。
 では一体誰が悪いのかという問題が出て来る。そこで松本清張のテーマである社会の矛盾が出て来る。
 日本では多くの文芸作家にとって社会の矛盾は大きなテーマになり得なかった。いろんな理由があるだろうが、彼らが社会の下層の生活と無縁だったことも大きな要素であると思う。貧しいが故にかなえられない願い、助からない命。それを実体験として知っているという点で松本清張は数少ない文芸作家と言えるだろう。
 桐子の恨みは大塚個人へと向けられているが、松本清張の中にははっきりと社会の不平等への怒りがあると思う。
 しかし松本清張の作品らしく、精密な状況描写があり、真犯人を求めるときの証拠の分析などは彼の能力が最大限に活かされている。読者を楽しませる娯楽小説とシリアスな社会派小説の見事な合体である。
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.17
(5pt)

これが本物の復讐だ!!

かくも恐ろしい歳若い女性の復讐劇である。
法曹界に君臨する賢いと思われている男たちを、
これでもかと思うくらいじわじわと追い詰めてゆく。

この女性を演じるとなれば誰がよいだろうかなどと考えながら、
清張作品に登場する女性像の妙に感動するばかりだ。

ミステリの新境地を開拓した本書に影響された作家も多いはず。

本書は清張作品の中でも一二を争う秀逸な出来で、
ストーリー展開や心理描写、
また供述書や鑑識発表を冷静に読み解いてゆく痛快さもある。

ぜひ一読しなければならない作品だ。
霧の旗 (1962年) (中央公論文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (1962年) (中央公論文庫)より
B000JALABY
No.16
(5pt)

これが本物の復讐だ!!

かくも恐ろしい歳若い女性の復讐劇である。
法曹界に君臨する賢いと思われている男たちを、
これでもかと思うくらいじわじわと追い詰めてゆく。
この女性を演じるとなれば誰がよいだろうかなどと考えながら、
清張作品に登場する女性像の妙に感動するばかりだ。
ミステリの新境地を開拓した本書に影響された作家も多いはず。
本書は清張作品の中でも一二を争う秀逸な出来で、
ストーリー展開や心理描写、
また供述書や鑑識発表を冷静に読み解いてゆく痛快さもある。
ぜひ一読しなければならない作品だ。
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.15
(5pt)

これが本物の復讐だ!!

かくも恐ろしい歳若い女性の復讐劇である。
法曹界に君臨する賢いと思われている男たちを、
これでもかと思うくらいじわじわと追い詰めてゆく。
この女性を演じるとなれば誰がよいだろうかなどと考えながら、
清張作品に登場する女性像の妙に感動するばかりだ。
ミステリの新境地を開拓した本書に影響された作家も多いはず。
本書は清張作品の中でも一二を争う秀逸な出来で、
ストーリー展開や心理描写、
また供述書や鑑識発表を冷静に読み解いてゆく痛快さもある。
ぜひ一読しなければならない作品だ。
霧の旗 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (新潮文庫)より
4101109206
No.14
(4pt)

復讐の黒い矢を放つ柳田桐子という女が忘れられない

弁護を断られたために、無実の罪を負って兄が獄死したと信じる女が、弁護の依頼を断った高名な弁護士に復讐するサスペンス小説。
 情に流されず、毅然として復讐していく柳田桐子(きりこ)の姿が、鮮やかに瞼に焼きつきました。暗い影を帯びた魅力的な女性が登場する作者の小説のなかでも、柳田桐子は、強い印象を残す女性ですね。芯の強い性格。きっぱりとした物言い。兄の無念を晴らす復讐の女を描いた清張の人物造型力が見事。
 後味は決してよくありませんが、ラスト一行の切れ味のよさには唸りました。
 1959年(昭和34年)から1960年にかけて、『婦人公論』誌に連載された作品。脂の乗り切った当時の清張作品では、『黒い画集』『影の地帯』『砂の器』といった小説、『日本の黒い霧』のノンフィクションとともに忘れられません。
霧の旗 (1962年) (中央公論文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (1962年) (中央公論文庫)より
B000JALABY
No.13
(4pt)

復讐の黒い矢を放つ柳田桐子という女が忘れられない

 弁護を断られたために、無実の罪を負って兄が獄死したと信じる女が、弁護の依頼を断った高名な弁護士に復讐するサスペンス小説。
 情に流されず、毅然として復讐していく柳田桐子(きりこ)の姿が、鮮やかに瞼に焼きつきました。暗い影を帯びた魅力的な女性が登場する作者の小説のなかでも、柳田桐子は、強い印象を残す女性ですね。芯の強い性格。きっぱりとした物言い。兄の無念を晴らす復讐の女を描いた清張の人物造型力が見事。
 後味は決してよくありませんが、ラスト一行の切れ味のよさには唸りました。
 1959年(昭和34年)から1960年にかけて、『婦人公論』誌に連載された作品。脂の乗り切った当時の清張作品では、『黒い画集』『影の地帯』『砂の器』といった小説、『日本の黒い霧』のノンフィクションとともに忘れられません。
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.12
(4pt)

復讐の黒い矢を放つ柳田桐子という女が忘れられない

 弁護を断られたために、無実の罪を負って兄が獄死したと信じる女が、弁護の依頼を断った高名な弁護士に復讐するサスペンス小説。
 情に流されず、毅然として復讐していく柳田桐子(きりこ)の姿が、鮮やかに瞼に焼きつきました。暗い影を帯びた魅力的な女性が登場する作者の小説のなかでも、柳田桐子は、強い印象を残す女性ですね。芯の強い性格。きっぱりとした物言い。兄の無念を晴らす復讐の女を描いた清張の人物造型力が見事。
 後味は決してよくありませんが、ラスト一行の切れ味のよさには唸りました。
 1959年(昭和34年)から1960年にかけて、『婦人公論』誌に連載された作品。脂の乗り切った当時の清張作品では、『黒い画集』『影の地帯』『砂の器』といった小説、『日本の黒い霧』のノンフィクションとともに忘れられません。
霧の旗 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (新潮文庫)より
4101109206
No.11
(4pt)

柳田桐子は印象的なのですが……

人間のもつ「怨念」の強さ、そして、
ふとした事から地獄に堕ちてしまう人生の恐ろしさを、
見事に描ききっています。
その点では、秀作といえるでしょう。
しかし!
本当に残念なことに、トリックが破綻しています。
作品末の殺人事件に関して、桐子が大塚弁護士をハメている
ことを示す決定的な証拠があるのですが、
筆者はそれを完全に見逃しています。
(作品後の「解説」でも、この破綻は指摘されていません。)
その証拠が何であるか、皆さんも読みながら考えてみて下さい。
注意して読めば、わかると思いますよ。
こういう読み方も面白いかも?!
霧の旗 (1962年) (中央公論文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (1962年) (中央公論文庫)より
B000JALABY
No.10
(4pt)

柳田桐子は印象的なのですが……

人間のもつ「怨念」の強さ、そして、ふとした事から地獄に堕ちてしまう人生の恐ろしさを、見事に描ききっています。その点では、秀作といえるでしょう。しかし!本当に残念なことに、トリックが破綻しています。作品末の殺人事件に関して、桐子が大塚弁護士をハメていることを示す決定的な証拠があるのですが、筆者はそれを完全に見逃しています。(作品後の「解説」でも、この破綻は指摘されていません。)その証拠が何であるか、皆さんも読みながら考えてみて下さい。注意して読めば、わかると思いますよ。こういう読み方も面白いかも?!
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.9
(4pt)

柳田桐子は印象的なのですが……

人間のもつ「怨念」の強さ、そして、ふとした事から地獄に堕ちてしまう人生の恐ろしさを、見事に描ききっています。その点では、秀作といえるでしょう。しかし!本当に残念なことに、トリックが破綻しています。作品末の殺人事件に関して、桐子が大塚弁護士をハメていることを示す決定的な証拠があるのですが、筆者はそれを完全に見逃しています。(作品後の「解説」でも、この破綻は指摘されていません。)その証拠が何であるか、皆さんも読みながら考えてみて下さい。注意して読めば、わかると思いますよ。こういう読み方も面白いかも?!
霧の旗 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (新潮文庫)より
4101109206
No.8
(4pt)

僕らも復讐されるかも

ストーリーは他のレビュワーの方が書いている通りで、兄の弁護を引き受けて貰えなかった桐子という女性が、弁護士に復讐するという話。桐子の復讐を受ける大塚弁護士は、最初は悪役(カネの亡者)のように描かれています。ところが、後半になるにつれて彼の人間味が描かれ、読者は彼が普通の人間であることを知ることになります。このことによって作者は、普通の人間が普通に暮らしていても誰かの恨みを買ってしまうことがあることの怖さを見事に描いています。
霧の旗 (1962年) (中央公論文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (1962年) (中央公論文庫)より
B000JALABY
No.7
(4pt)

僕らも復讐されるかも

ストーリーは他のレビュワーの方が書いている通りで、兄の弁護を引き受けて貰えなかった桐子という女性が、弁護士に復讐するという話。桐子の復讐を受ける大塚弁護士は、最初は悪役(カネの亡者)のように描かれています。ところが、後半になるにつれて彼の人間味が描かれ、読者は彼が普通の人間であることを知ることになります。このことによって作者は、普通の人間が普通に暮らしていても誰かの恨みを買ってしまうことがあることの怖さを見事に描いています。
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.6
(4pt)

僕らも復讐されるかも

ストーリーは他のレビュワーの方が書いている通りで、兄の弁護を引き受けて貰えなかった桐子という女性が、弁護士に復讐するという話。桐子の復讐を受ける大塚弁護士は、最初は悪役(カネの亡者)のように描かれています。ところが、後半になるにつれて彼の人間味が描かれ、読者は彼が普通の人間であることを知ることになります。このことによって作者は、普通の人間が普通に暮らしていても誰かの恨みを買ってしまうことがあることの怖さを見事に描いています。
霧の旗 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (新潮文庫)より
4101109206
No.5
(5pt)

ただの復讐ではない!

無実の兄を信じ高名な弁護士に調査を依頼する桐子。
金も無く、自分を頼りに来た桐子を素っ気なく断る弁護士。
しかし、桐子の緊迫した切実な姿を思い、独自に調査を始めた。
 結果、驚愕の事実が...
時すでに遅し、桐子の兄は汚名のまま獄中死。桐子の復讐は始まる。
想像を絶する容赦の無い、信じられない復襲撃に弁護士は?
桐子という一人の女性をここまで変えた心の思いの強さを実感しました。
男としては恐かったです。
霧の旗 (1962年) (中央公論文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (1962年) (中央公論文庫)より
B000JALABY
No.4
(5pt)

ただの復讐ではない!

無実の兄を信じ高名な弁護士に調査を依頼する桐子。金も無く、自分を頼りに来た桐子を素っ気なく断る弁護士。しかし、桐子の緊迫した切実な姿を思い、独自に調査を始めた。 結果、驚愕の事実が...時すでに遅し、桐子の兄は汚名のまま獄中死。桐子の復讐は始まる。想像を絶する容赦の無い、信じられない復襲撃に弁護士は?桐子という一人の女性をここまで変えた心の思いの強さを実感しました。男としては恐かったです。
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.3
(4pt)

こんな推理小説もある

兄の殺人という冤罪を晴らすべく、
その道で高名な大塚弁護士を頼みに上京する桐子だが、
弁護料の払えぬために断られ、兄は獄中で汚名を着たまま病死する。
桐子は大塚を恨み…。
世の中ほんとに正しいことって、実は無いのかもと思ったりする。
一方にとっては正義でも、
一方にとっては言いがかり以外の何ものでもなかったり、
実生活上ではそういうことが、結構しょっちゅうあるものなのだ。
謎も解けるとは限らないし、
解けたら気分がいいかというとそうとも限らない。
後味が爽快とはいかないが、ひどく考えさせられる作品である。
霧の旗 (1962年) (中央公論文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (1962年) (中央公論文庫)より
B000JALABY
No.2
(4pt)

こんな推理小説もある

兄の殺人という冤罪を晴らすべく、その道で高名な大塚弁護士を頼みに上京する桐子だが、弁護料の払えぬために断られ、兄は獄中で汚名を着たまま病死する。桐子は大塚を恨み…。世の中ほんとに正しいことって、実は無いのかもと思ったりする。一方にとっては正義でも、一方にとっては言いがかり以外の何ものでもなかったり、実生活上ではそういうことが、結構しょっちゅうあるものなのだ。謎も解けるとは限らないし、解けたら気分がいいかというとそうとも限らない。後味が爽快とはいかないが、ひどく考えさせられる作品である。
霧の旗 (中公文庫 A 9-12) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (中公文庫 A 9-12)より
412200201X
No.1
(4pt)

こんな推理小説もある

兄の殺人という冤罪を晴らすべく、その道で高名な大塚弁護士を頼みに上京する桐子だが、弁護料の払えぬために断られ、兄は獄中で汚名を着たまま病死する。桐子は大塚を恨み…。世の中ほんとに正しいことって、実は無いのかもと思ったりする。一方にとっては正義でも、一方にとっては言いがかり以外の何ものでもなかったり、実生活上ではそういうことが、結構しょっちゅうあるものなのだ。謎も解けるとは限らないし、解けたら気分がいいかというとそうとも限らない。後味が爽快とはいかないが、ひどく考えさせられる作品である。
霧の旗 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 霧の旗 (新潮文庫)より
4101109206