あなたが消えた夜に

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あなたが消えた夜にの評価:

3.46/5点 レビュー 50件。 B ランク

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平均点3.46pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全98件 61〜80 4/5ページ
No.38
(5pt)

面白く読みました

罪と罰のような話。難しいテーマを複雑な構成で深く、でも分かりやすく書かれています。
ミステリー仕立てがなかなかうまく生きているのではないでしょうか。
昔から今も、こういう小説が読みたいんだよなあとあらためて思いました。
伊坂幸太郎さんや角田光代さんとどこか共通するものを感じます。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.37
(5pt)

面白く読みました

罪と罰のような話。 難しいテーマを複雑な構成で深く、でも分かりやすく書かれています。 ミステリー仕立てがなかなかうまく生きているのではないでしょうか。 昔から今も、こういう小説が読みたいんだよなあとあらためて思いました。 伊坂幸太郎さんや角田光代さんとどこか共通するものを感じます。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.36
(2pt)

新聞連載で読みました

当時、毎日新聞をとっていたため、毎回結構楽しみにして読んでいました。
今回単行本となり、買ってあらためて読んでみました。
正直言っていまひとつです。この作者の作品を読んだのは2つ目ですが、同じような感想です。
物語が表面的で浅いです。
きわどいテーマを描きたいのであれば、もっと読者の心を深くえぐるような、描写や表現が欲しいです。
そこは小説家の力量だと思います。例を挙げれば、現時点では阿部和重には遠く及びません。
新聞連載にはもってこいの物語でしたが、新聞連載のイラストがよかったのでせめて単行本でも載せてほしかったです。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.35
(3pt)

これはミステリーか文学か?

中村文則さんを読んだのはこれが3冊目で、前の2冊は文学の方。だからミステリー作品はこれがはじめてです。
最初の方は刑事物らしく、次から次に謎また謎で、これはいったいどうやって解決するのかとドキドキするんです。ところが、話が進むにしたがって文学か心理小説的になっていく。そして全ての謎はまあ一応解決するけど、なんつうか解決の仕方が刑事物らしくない。こういうものは最後に刑事が「犯人はあなただ!」と名指すのが定石だろうと思うんだけど、刑事がそこに至る前に、実に純文学的な方法で事件が解決する。
心理小説としてはとても面白いんだけど、そんなら刑事はいらなかったんじゃ?主人公は刑事なのか犯人なのか、ミステリーなのか文学なのか迷う作品でした。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.34
(2pt)

新聞連載で読みました

当時、毎日新聞をとっていたため、毎回結構楽しみにして読んでいました。 今回単行本となり、買ってあらためて読んでみました。 正直言っていまひとつです。 この作者の作品を読んだのは2つ目ですが、同じような感想です。 物語が表面的で浅いです。 きわどいテーマを描きたいのであれば、もっと読者の心を深くえぐるような、描写や表現が欲しいです。 そこは小説家の力量だと思います。 例を挙げれば、現時点では阿部和重には遠く及びません。 新聞連載にはもってこいの物語でしたが、新聞連載のイラストがよかったのでせめて単行本でも載せてほしかったです。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.33
(3pt)

これはミステリーか文学か?

中村文則さんを読んだのはこれが3冊目で、前の2冊は文学の方。だからミステリー作品はこれがはじめてです。
最初の方は刑事物らしく、次から次に謎また謎で、これはいったいどうやって解決するのかとドキドキするんです。ところが、話が進むにしたがって文学か心理小説的になっていく。そして全ての謎はまあ一応解決するけど、なんつうか解決の仕方が刑事物らしくない。こういうものは最後に刑事が「犯人はあなただ!」と名指すのが定石だろうと思うんだけど、刑事がそこに至る前に、実に純文学的な方法で事件が解決する。
心理小説としてはとても面白いんだけど、そんなら刑事はいらなかったんじゃ?主人公は刑事なのか犯人なのか、ミステリーなのか文学なのか迷う作品でした。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.32
(1pt)

ミステリーではない

純文学作家がミステリー小説へ挑戦した今作だが、ミステリーとしては成立しておらず、純文学としても散漫な印象。中盤から視点や書き方の印象ががらっと変わり、展開が不明。ひらがなが多くスムーズに読みやすいが、内容に乏しい。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.31
(1pt)

ミステリーではない

純文学作家がミステリー小説へ挑戦した今作だが、ミステリーとしては成立しておらず、純文学としても散漫な印象。 中盤から視点や書き方の印象ががらっと変わり、展開が不明。 ひらがなが多くスムーズに読みやすいが、内容に乏しい。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.30
(3pt)

[ネタバレ含む]ミステリー好きはご注意を。

まず、内容が重すぎて正直胃もたれする感じでした。
また、登場人物が多すぎて、誰が誰だか分からなくなるのも大変でした。
最後の犯人の独白(手紙の部分)は、読むのがキツかった。これでもかと人間の狂気を突き付けられるので、後味が悪すぎる。
純文学や重たい話が好きな方に合ってる作品ではないかと思います。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.29
(3pt)

[ネタバレ含む]ミステリー好きはご注意を。

まず、内容が重すぎて正直胃もたれする感じでした。 また、登場人物が多すぎて、誰が誰だか分からなくなるのも大変でした。 最後の犯人の独白(手紙の部分)は、読むのがキツかった。 これでもかと人間の狂気を突き付けられるので、後味が悪すぎる。 純文学や重たい話が好きな方に合ってる作品ではないかと思います。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.28
(5pt)

一番好きかも

前半までは、「これは本当に中村作品なのだろうか」と、不思議に思いながら読んでいたが、
後半……「来たー!」(笑)
これぞ中村文則!一気に読んでしまった。
中村さんの自問自答を繰り返す独白が大好きだ。胸の奥のどろどろしたものを全て掻き出してくれているようで、すっとする。
読み終わったあと、心が洗われたような気分になる。
こんな自分も歪んだ人間なのだろうが、中村作品を楽しめる自分で良かったと思う。
小橋さんも良い味出してる!
こんな作家がいてくれることに感謝。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.27
(4pt)

5分の4までは、最高

魅力的。実に魅力的な謎が、次々と、これでもかと、これでもかと、襲ってくる。お決まりの人物のトラウマ、悲劇的な過去のエピソードあり。キリスト教の狂気的な雰囲気あり。主人公たちのあり得ないほどに面白い会話あり。5分の4までは、何百冊に及ぶミステリ読書歴の中でも、トップ級の面白さ。登場人物が複雑になってきたところで、初めて登場人物一覧が出るという、気配りもただただ感心! それだけに、ラスト5分の1の、脱力系解決編は、驚異的といえるほど。登場人物が次々と、なんでこんなことするんだろう? と独白するんじゃ、そりゃ、謎になるわ。犯人の心理も、作者が頑張りすぎちゃって、理解不能。感情移入不能。新聞の連載小説と知って、なるほどと。毎回、毎回、楽しませなくちゃいけないものね。でも、5分の4まで、最高に幸せな読書時間をいただけたので、星4つ。幸せな時間をありがとうございました。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.26
(4pt)

中村ワールドの到達点

ジョン・ル・カレのスパイ小説がそうであるように、優れたエンターテイメント小説には文学の薫りが漂っている。作者初の刑事ものである本作は、ほどよい緊張感と舞台転換が合わさって、良い出来に仕上がっている。多分、単体としての評価は満点でも良い。しかし、中村ワールドに親しんだ読者にとっては、大きな不満が残る。文体に変化がないのだ。この間の作品には、文体上の斬新さがない。あえて文体という迷路を避けているのだろうか。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.25
(5pt)

「神は,よそ見をしているのか」

ミステリー小説,警察小説に、「思想性」というスパイスをきかせている。。
作品は、ドストエフスキーの『罪と罰』や旧約聖書「エゼキエル書」(十六)も参考にして
いるのだろうか。

 構成は一、二、三部、エピローグとなっている。登場人物が多く、いわゆる「多声部小説
(ポリフォニー)」であり、人物関係が多層的に表現されているし、作者自身の複雑な心理
が各登場人物に配分されている。

 「エゼキエル書」の「姦淫の女」を彷彿とさせる、三女性を中心に物語が進展していく。
夫の暴力から身を持ち崩していく横川佐和子、精神科医から洗脳され多くの男と関係を持つ
椎名めぐみ、愛に生きたいが押し通せない科原さゆり。それぞれ不幸な出自がありもがき
苦しんでいる女たちを取り巻く巷の男たち。そして、殺人、傷害事件が数件発生する。
 
警視庁のバツイチ刑事、中島(本人も出自に不幸をしょっている)とエリート女刑事、
小橋が、警察組織に翻弄されながら事件解決に奔走する。複雑な人間関係や事件の全貌
は熟読しないと理解できない。
しかし、これらの事件は物語のさわりにすぎない。
 中島が過去に取り調べた男(野川)から、「人間の堕落の不思議は語れない」「真実は
いつも表層に隠れる」と嫌味を言われる。すなわち、罪を犯した人間の深層心理まで解明
されようとしないで、「真実」はわかりやすさの中で語られていく、という。

 小説の後半は「姦淫の女」と男たちの関係が明らかにされ、「真実」(各登場人物
の深層心理、犯罪の動機、手段等)が解明されていく。
「真実」の解明のなかで、「神の存在」について吉高亮介と椎名めぐみに語らせる。
『罪と罰』のラスコーリニコフとソーニャのように。「だが、それで神はきみに何
をしてくれた」、「だって、わたし神さまの御意(みこころ)を知ることはできませんもの・・・・」。
  そして、予審判事のポルフィーリーがラスコーリニコフに「自殺するつもりなら告白文を
数行残しておけ」と云った如く、吉高亮介は、「あなたが消えた夜に」すなわち「あなたに
見捨てられた夜」に、燃やして「天」から「神」に届くようにと「手記」を二通残して自殺をする。

  「あなた」の意味は「神」であり「めぐみ」でもある。
「神はすべてを見ながら、なぜ世界は悲劇にまみれているのか」「神はよそ見をしている」
と吉高に言わせる。

 神はありやなしや。人間の幸福は、小さな幸福を分かち合うことなのか、不幸をともに
分かち合って生きることなのか。一人では生きていけない。「もう一度、誰かのやしさに
触れたい。生きていきたい。」と科原さゆりは中島刑事の
携帯電話に出ようとしている。
 
 全編を通して「愛」について、「神」について考えさせる感動的な小説である。
作者は『銃』からますます進化している。中島と小橋両刑事の「愛」はどうなるのだろう。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.24
(5pt)

「神はありや。よそ見をしているのか。」

ミステリー小説でも警察小説でもない。日本のドストエフスキーたらんとし、その可能性が十分にある作家が書いた思想的な作品である。
中村作品はドストエフスキーの『罪と罰』から最後の『カラマーゾフの兄弟』まで、五長編小説を土台に刻み込んでいる。
本作品は、特に『罪と罰』が底流に音を立てて流れている。
また、本書に採り入れられているが、旧約聖書「エゼキエル書」(十六)も参考になる。

構成は一、二、三部、エピローグとなっている。登場人物が多く、いわゆる「多声部小説(ポリフォニー)」であり、人物関係が多層的に
表現されている。作者自身の複雑な心理が各登場人物に分配されている。
「エゼキエル書」の「姦淫の女」三人を中心に物語が進展していく。
夫の暴力から身を持ち崩していく横川佐和子、精神科医から洗脳され多くの男と関係を持つ椎名めぐみ、愛に生きたいが押し通せない
科原さゆり。それぞれ不幸な出自がありもがき苦しんでいる女たちを取り巻く巷の男たち。
そして、殺人、傷害事件が数件発生する。
 警視庁のバツイチ刑事、中島(本人も出自に不幸をしょっている)とエリート女刑事、小橋が、警察組織に翻弄されながら事件解決に
奔走する。複雑な人間関係や事件の全貌は熟読しないと理解できない。
しかし、これらの事件は物語のさわりにすぎない。
 中島が過去に取り調べた男(野川)から、「人間の堕落の不思議は語れない」「真実はいつも表層に隠れる」と嫌味を言われる。
すなわち、罪を犯した人間の深層心理まで解明されようとしないで「真実」はわかりやすさの中で語られていく。
 小説の後半は「堕落の女」と男たちの関係が明らかにされ、「真実」(各登場人物の深層心理、犯罪の動機、手段等)が解明されていく。
「真実」の解明のなかで、「神の存在」について吉高亮介と椎名めぐみに語らせる。『罪と罰』のラスコーリニコフとソーニャの
ように。「だが、それで神はきみに何をしてくれた」「だって、わたし神さまの御意(みこころ)を知ることはできませんもの・・・・」
そして、予審判事のポルフィーリーがラスコーリニコフに「自殺するつもりなら告白文を数行残しておけ」と云った如く、
吉高亮介は、「あなたが消えた夜に」すなわち「あなたに見捨てられた夜」に、燃やして「天」から「神」に届くようにと「手記」
を二通残して自殺をする。「あなた」の意味は「神」であり「めぐみ」でもある。
「神はすべてを見ながら、なぜ世界は悲劇にまみれているのか」「神はよそ見をしている」と吉高に言わせる。

 神はありやなしや。人間の幸福は、小さな幸福を分かち合うことなのか、不幸をともに分かち合って生きることなのか。
一人では生きていけない。「もう一度、誰かのやしさに触れたい。生きていきたい。」と科原さゆりは中島刑事の携帯電話に
出ようとしている。
 全編を通して「愛」について、「神」について考えさせる感動的な小説である。
中村文則は『銃』からますます進化している。中島と小橋両刑事の「愛」はどうなるのだろう。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.23
(4pt)

5分の4までは、最高

魅力的。実に魅力的な謎が、次々と、これでもかと、これでもかと、襲ってくる。お決まりの人物のトラウマ、悲劇的な過去のエピソードあり。キリスト教の狂気的な雰囲気あり。主人公たちのあり得ないほどに面白い会話あり。5分の4までは、何百冊に及ぶミステリ読書歴の中でも、トップ級の面白さ。登場人物が複雑になってきたところで、初めて登場人物一覧が出るという、気配りもただただ感心! それだけに、ラスト5分の1の、脱力系解決編は、驚異的といえるほど。登場人物が次々と、なんでこんなことするんだろう? と独白するんじゃ、そりゃ、謎になるわ。犯人の心理も、作者が頑張りすぎちゃって、理解不能。感情移入不能。新聞の連載小説と知って、なるほどと。毎回、毎回、楽しませなくちゃいけないものね。でも、5分の4まで、最高に幸せな読書時間をいただけたので、星4つ。幸せな時間をありがとうございました。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.22
(4pt)

中村ワールドの到達点

ジョン・ル・カレのスパイ小説がそうであるように、優れたエンターテイメント小説には文学の薫りが漂っている。 作者初の刑事ものである本作は、ほどよい緊張感と舞台転換が合わさって、良い出来に仕上がっている。 多分、単体としての評価は満点でも良い。 しかし、中村ワールドに親しんだ読者にとっては、大きな不満が残る。 文体に変化がないのだ。 この間の作品には、文体上の斬新さがない。 あえて文体という迷路を避けているのだろうか。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.21
(5pt)

生への希求

この小説は、一つ前に出された小説「教団X」の後半とほぼ同時期に書かれており、その為いくらか互いに影響しあっているように感じる。
「教団X」の方は作者にとって最も長い長編小説となっており、大きな試みをしているためか、少々無理があるように感じたが、
この「あなたが消えた夜に」はとてもスムーズに読め、こちらの関心を捉えて放さないような強い吸引力がある。
ミステリーとしての魅力を十分に備えていながら、人の暗部や生きることへの強い希求など、人間というものの存在意義を問いかけるような強い
テーマ性を有している。

主人公といえる刑事の中島にある暗く重い罪の十字架、共に事件の捜査にあたる小橋の人生を大きく変えたつらい過去の記憶、そして事件に関わった人間たちが与えられた神の悪戯のような運命、それらのエピソードの重々しさと痛みは、私たち読者の傷の痛みを撫でていく。
最後の最後、救いようのない現実にやるせなさを感じ息苦しさを覚えたとき、最後の一行によっておそらくあなたは救われるだろう。

中村文則氏の小説には、常にほの暗い翳がつきまとう。
それは光が存在するとき、必ず存在する影のようだ。
その影が暗ければ暗いほど、光の美しさは際立つ。
人間の暗部を描けば描くほど、彼らが求める光、生への渇望が際立っていく。

私は過去、いつも「死にたい、死にたい」と考えていた。
しかし、この小説を読んで、それは逆に「生きたい、生きたい」と願っていたのかもしれないと気づかされた。
中村氏はいつも、小説のテーマに悪や孤独を置いていると感じていたが、なぜそれを執拗に描くのか考えていたのだが、
この小説を読んでいると、それは生への希求なのだと思わされた。

私は一度、氏の「何もかも憂鬱な夜に」で、この生きづらさから救われたのだが、
今回もまた、この「あなたが消えた夜に」で救われたような気がする。
氏はいつも、あとがきの最後に、「共に生きましょう」と書いてくれる。
私はいつもそれをお守りのように大切にしている。
夜に、人は朝を望む。
明けない夜はないはずだ。
私もまた、朝に向かって共に生きてみよう。
これからも、中村文則氏が書き続ける小説を読み続けよう。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234
No.20
(5pt)

生への希求

この小説は、一つ前に出された小説「教団X」の後半とほぼ同時期に書かれており、その為いくらか互いに影響しあっているように感じる。
「教団X」の方は作者にとって最も長い長編小説となっており、大きな試みをしているためか、少々無理があるように感じたが、
この「あなたが消えた夜に」はとてもスムーズに読め、こちらの関心を捉えて放さないような強い吸引力がある。
ミステリーとしての魅力を十分に備えていながら、人の暗部や生きることへの強い希求など、人間というものの存在意義を問いかけるような強い
テーマ性を有している。

主人公といえる刑事の中島にある暗く重い罪の十字架、共に事件の捜査にあたる小橋の人生を大きく変えたつらい過去の記憶、そして事件に関わった人間たちが与えられた神の悪戯のような運命、それらのエピソードの重々しさと痛みは、私たち読者の傷の痛みを撫でていく。
最後の最後、救いようのない現実にやるせなさを感じ息苦しさを覚えたとき、最後の一行によっておそらくあなたは救われるだろう。

中村文則氏の小説には、常にほの暗い翳がつきまとう。
それは光が存在するとき、必ず存在する影のようだ。
その影が暗ければ暗いほど、光の美しさは際立つ。
人間の暗部を描けば描くほど、彼らが求める光、生への渇望が際立っていく。

私は過去、いつも「死にたい、死にたい」と考えていた。
しかし、この小説を読んで、それは逆に「生きたい、生きたい」と願っていたのかもしれないと気づかされた。
中村氏はいつも、小説のテーマに悪や孤独を置いていると感じていたが、なぜそれを執拗に描くのか考えていたのだが、
この小説を読んでいると、それは生への希求なのだと思わされた。

私は一度、氏の「何もかも憂鬱な夜に」で、この生きづらさから救われたのだが、
今回もまた、この「あなたが消えた夜に」で救われたような気がする。
氏はいつも、あとがきの最後に、「共に生きましょう」と書いてくれる。
私はいつもそれをお守りのように大切にしている。
夜に、人は朝を望む。
明けない夜はないはずだ。
私もまた、朝に向かって共に生きてみよう。
これからも、中村文則氏が書き続ける小説を読み続けよう。
あなたが消えた夜に Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜により
4620108170
No.19
(3pt)

ミステリーよりも事件が生まれた背景が凄い

本書の紹介等から警察小説やミステリーを期待して読むと、後半やや期待外れの感じがします。三部構成となっており、第一部は通り魔事件が発生し、それを所轄と捜査一課のコンビが追う展開でミステリー色は満載です。

第二部に突入しても、事件は意外な広がりを見せ真相そのものに興味がそそられます。しかし、第三部では世界が一変し、ミステリーでは無く、男女の愛や心の闇が、それも意外な人物から語られます。

それが非常に濃密で、事件の奥深いところに繋がっていくので、まさしくミステリーと純文学の融合になると思います。
あなたが消えた夜に (毎日文庫) Amazon書評・レビュー: あなたが消えた夜に (毎日文庫)より
4620210234