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手紙
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手紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全427件 321~340 17/22ページ
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兄は自分の欲望の為ではなく弟の学費欲しさに老婦人を殺害して しまいますが、老婦人には何の罪もなく理不尽にも殺害されてしま った訳ですから言いようのない怒りと悲しみに被害者の家族が 襲われるのは無理もありません。自分が被害者の家族の立場なら 加害者に対して憎しみしか生まれないでしょうから・・・。どんな 理由があっても人の命を奪うことは決して許されない事だという 事をこの小説では痛いほど教えてくれていますし・・・。 が、しかしこの弟が何らかの正当な方法で学費を借りて大学に行く 事が可能だったとしたら、兄は殺害に手を染めなくても済んだのでは ないかと思うと現在の日本の弱者に対して冷たいという図式がクッキリと 浮かび上がって私自身も弱者であるため切なくなってしまうのです。 ですから兄と弟の状況に対して自分だったらどのように生きて行ける のか・・・と考え込んでしまいました。 しかし弟の後に妻となる由実子という女性の一人の男性をどんな状況で あっても思い続ける優しさと強さは私では到底持てない資質であると 思いましたが、そう思いながらも陰で弟の職場の上司や獄中の兄に手紙を 書く彼女の優しさに涙が止まりませんでした。 でも、弟が新しく出来た家族や子供のためにやむなく兄に書いた別れの 手紙の内容、そして兄がその後に出した被害者の家族への手紙の内容が 一番切なく、悲しく、そして兄の奥底にある優しさが滲み出ていて この本を読み終わってもまだ涙が止まりませんでした。 色んな登場人物が出てくるんですが、どの人物に対しても「自分がこの人の 立場だったらどうするだろうか?」と真剣に考えさせられる物語となって いると思います。 そして手紙が持つとてつもない大きな重要性も・・・。 | ||||
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毎日新聞の日曜日に連載されていた小説で、毎週日曜朝になると一番に読んでいた。 『両親が健在でなく、唯一の兄弟が犯罪者』という主人公、その彼がさまざまな人に出会い、さまざまな環境で社会的な差別を目の当たりにする。 この物語はとにかく登場人物が全員リアル。よくフィクションに出てくるような、まるで悪い事を行うために生まれてきたかのような特別な悪役もいなければ、差別をまるでかえりみない釈迦のような人間もいない。ごく普通の人々の、ごく普通の『差別心』、そしてごく普通の『差別は良くない』という意識が読み進めるうちに伝わってきてとにかく切ない。 天津甘栗のエピソードが心に残って、栗を見るたびになんとなく思い出してしまう。栗はお金盗んだ後買えばよかっただろうに…などと本書のテーマとはずれているとわかっていながらも、不謹慎にも考えずにいられなかった。 | ||||
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同名映画の挿入歌に魅かれて、原作に関心を持ちました。テーマは、経済的な困難さから犯した兄の殺人の罪を、差別として受ける弟の葛藤の様子を通じて、兄弟の情愛を描いています。否、情愛を通じて葛藤の様子を描いているというのが適当かもしれません。読んだ直後は、兄弟愛や肉親の情の深さを感じましたが、時間が経つにつれ、本で描かれた差別を肯定するような世界には住みたくないという気持ちが強くなりました。「犯罪の抑制のために犯罪者の家族を差別する」という社長の言葉には矛盾がある。社長の論理は自分かわいさの人間ばかりの世界では通用するかもしれないが、そんな世界には誰しも住みたくないだろう。社長とは正反対の方向で関わるような骨のある人間が少なくなったという時勢の現れかとも感じました。 | ||||
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主人公直貴の度重なる苦悩に、胸が締め付けられる思いがしました。繰り返される周囲からの差別(逆差別)に、幾度も人との深い関わりを閉ざしてしまう姿が描かれ、読んでいて辛く感じることもありました。しかしその合い間に登場する由実子は、いつでも直貴の傍らで味方でいてくれている。主人公も僕も彼女の存在に助けられました。 | ||||
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肉親のいない二人っきりの兄弟。ふとした弾みで殺人者となってしまった兄、二人っきりの身内が犯罪者になってしまった弟。弟の苦悩がラストシーンで上手く切なく迫ってきます。 東野圭吾作品の中でたまたま最初にこの本を読みましたが、一気に読み上げてしまいました。 | ||||
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大絶賛のレビューが多い中、星4つをつけつつも感動でき なかったと書かれた方のレビューに共感しました。 かなり涙もろい私が、不思議と全く泣けませんでした。 ストーリー自体は面白く話しにどんどん入り込み一気に 読み終わる事ができました。 映画もすごく観たくなりました。 でも、泣くとかいう気持ちとは違うんです。 読む側の人生観の違いとかが関係しているのでしょうか。 それとも絶賛レビューが多かったので期待しすぎたせいも あるのでしょうか。 ただ、かなり色々と考えさせられる作品だと思います。 泣けませんでしたが、いい作品です。 | ||||
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弟の大学進学費用を手に入れるために強盗殺人を犯した兄。「殺人者の弟」という理由で様々な差別を受ける主人公・直貴。「この兄弟の間で交わされる手紙」と「他の登場人物」を交えて物語が進んでいく。 節目節目で主人公・直貴は「犯罪者の弟」という現実に直面し、その現実とどう向き合うか葛藤する。最終的に、主人公・直貴は、一つの答えを出す…しかし、その答えが正しいか否か…それは難しい問題である。 本書は一つの物語であるが、 ○犯罪加害者家族は、被害者家族とどう向き合うか? ○世間は、犯罪加害者家族とどう向き合うか? ○教育の機会はどうあるべきか? …etc、多くの問題提起をする。本作品をきっかけに、こういった問題を考えてみるのも悪くないであろう。 全体的には、内容が内容だけに、暗く重い話ではある。しかし、時に人間味あふれる優しさを交え、思わず涙するような場面もある。クオリティーの高い作品である。お勧めです。 | ||||
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この小説は,「強盗殺人犯の弟」として生きる運命を背負った主人公の苦難の物語である。 そこには,犯罪者の家族に対する社会の差別が渦巻いているが, だからといって,そういう差別をなくそう,と主張しているのではない。 犯罪というものが,犯す者だけでなく,その家族まで巻き込むものであることを 事実として淡々と伝えているのである。 犯罪者にとって,本当の更生とはどうあるべきなのか, 償いとは,どう形に表すべきものなのか。 さらには,人間とはどうあるべきなのか。 色々と考えさせられ,答えは未だにうまくまとまりません。 ものすごく重いテーマを抱えていますが, テンポのよいストーリーテリングが素晴らしく どんどん引き込まれます。 最後の数十ページは涙が止まりませんでした。 | ||||
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一気に読める本であることは間違いない。強盗殺人犯本人でなく,その弟の人生に焦点をあてた物語。 主人公に都合の良い設定,例えば頭脳明晰であること,歌がうまいこと,そして容姿が魅力的であること等が映画的ではあるが,だからこそ彼が疎外される状況が辛くのしかかる。 最後に主人公が兄に送った絶縁状,それを決断するまでの過程が描かれるが,説得力に欠ける気もした。電機屋の社長が彼に伝えたかったことが曖昧になってしまった。登場人物も,読者も,作者ですら迷う中での決断ではなかったか。 兄に同情しつつも罪の重さを実感せずにはいられない。そう思わせる筆者のねらいは充分達成される。さすがに殺人犯を赦す物語にはできまい。 | ||||
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犯罪者の弟となってしまった主人公と、弟に容易に降ろすことのできない十字架を背負わせてしまった兄という設定で語られる物語。 テーマとしてはもっと広く、病気、身体や精神の障害、被差別部落、人種、民族など、本人の選択によらない外的要因(そして、それは往々にしてその人をかたちづくる本質的要因であったりもする)を理由とする「差別」にあります。 主人公は理不尽な差別を受けるわけですが、周りには必ずしも特段の悪意がありわけではありません。(そこが問題だったりします。) | ||||
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久しぶりに泣ける小説だった。弟想いの兄が、弟を大学に行かす為に強盗し、殺人を犯してしまう。殺人者となった兄と殺人者の弟として生きることを強いられる弟。刑に服する兄と、世間で常に殺人者の弟として苦労して生きていく弟。その二人をつなぐ手段は唯一兄からの手紙だけ。しかし、兄は弟がどんなに苦労しているか知らない。弟も兄がどのような思いで手紙を書いているのかわからない。常にすれ違いの人生。そのすれ違いが、あるきっかけで手紙が届かなくなったとき、やっと交差する。長い長い時間をかけて…。本当に何度泣いたか分からない。心温まる小説だった。 | ||||
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東野さんの作品の中では珍しい感じかと思われます。 重い内容で考えさせられることが一杯ありました 自分の考えの甘さ、家族、兄弟のあり方。どうやって生きていくのか。 何を償いとするのか等々。 今簡単に起きている殺人事件。取り上げられるのは遺族。 加害者側の背負う現実をこのような形で描かれると自分の甘さは兄に似ているかもしれないと 痛感しました。今世の中はメールだの携帯だのと便利になりましたがこの「手紙」を読んで色々と考えてもらえたら。。少しは犯罪もなくなるのではないかと思います。 若い人たちに是非読んでいただきたい、一冊です。 立ち向かうという、罪を背負うという両面の難しさ。だから、犯罪は犯してはいけないことだと気づいて欲しいです。 | ||||
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最近自殺予告などがハヤリのように行われ、実際自殺してしまう人が多いですが、一度、コレを読んで、命を絶つことについて、真剣に考えてみて欲しいなと思います。 殺人はもちろん、自殺についても考えるところが多かったです。 | ||||
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読み終わって感じたことは、殺人を犯してしまったら、被害者・加害者・両親・職場上司・親戚・・全ての人達に影響を及ぼすということ。加害者一人が罪を償うというだけでは決してなく父母兄妹弟にまで一生肩身狭い生き方をせねばならないのです。 命の大切さ尊さを改めてこの小説を通じて感じました。命の大切さを感じながら登場人物についてあらためて考えてみると、兄、剛志の弟・直貴に対する思い、やさしさは屈折していると思う。他人から盗んだ金で弟・直貴は納得して大学進学するだろうか?兄、剛志は弟・直貴を大学にいかせる為にやるべきこと、すべきことがもっと他にあったのではないだろうか?もっと剛志は相談できる相手を見つけて相談すべきであったのではないだろうか。金を盗むことでも法的に処罰されるのに、最悪にも人を殺してしまい、弟には、「強盗殺人犯の弟」という現実を背負わせてしまった。手紙で詫びようが謝罪しようが死んだ人間は生き返らない。兄、剛志が自ら死を選び死んで詫びたとしても死んだ人間は生き返らない。亡くなられた方(殺された人)はどんなに詫びても償っても生き返ることは決してない。ゆえに、殺人は一生をもってしても償うことはできないのだ。また、殺人は近親者にも迷惑をかけてしまう(人生を大きく狂わせてしまう)ので殺人は絶対にしてはならない。友達も少なく相談できる相手もいない兄、剛志の自己中心的で勝手な行動のせいで弟・直貴がえらい迷惑しているのがひしひしとつたわってくる小説です。 | ||||
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人はふと殺意を覚えることがあります。 リミットを越えると衝動的であったり、何にせよ殺人を起こしてしまいます。 その後にどういったことが起こるか、大変考えさせられました。 加害者の家族はある意味で被害者になってしまう。 罪を犯す人間はそこまで考えるべきだと、作者は訴えているのでしょうか。 現代社会では毎日凄惨な事件が起こっていますが、確かにそこまで考える必要があるかもしれません。 もちろん被害者の家族もツライ人生を送らなくてはならない・・・ 今までのようにどんでん返しがあるのかと思っていましたが、そこは重要ではありません。 後半の手紙はとても悲しかったです。 人は確かに守りたいものがあります。 差別や逆差別が生まれるのもしょうがない気がします。 大げさですがこの本は教訓になります。 | ||||
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本書は犯罪加害者と、その身内の末路が中心の物語ですが、 さほど難しい言葉も使われていないので、一気に読むことが出来ました。 結局のところ、無差別な社会など幻想に過ぎない… 東野氏はそう言いたいのでしょうか。 物語中、良家の子女との結婚の破談のエピソードがありますが、 誰しも結婚相手が犯罪加害者の身内であれば、 (それ以外にも差別の類型はたくさんあるが) 身構えてしまうでしょう。 なぜなら、人は誰しもややこしいことに 関わりあいになりたくないからです。 もしその人と一緒になってしまったら、 同じレッテルを貼られてしまうからです。 物語中の中条の行動を誰も責められないはずです。 差別したくてしてる訳じゃない、 でも関わりたくはない… なんという重いテーマでしょうか。 本書では、差別から逃げるという答えが出ていますが、 それすら本当に正しいのか、浅学なぼくには分かりません。 ですが、この問題を考えるきっかけとして、 本書ほどふさわしい本をぼくは知りません。 | ||||
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直貴の言葉のなかに、「強盗殺人犯人の弟」という避けられない運命を背負い、生きてきた人間像がうまく表現されています。少し投げやりで、人と深く関わろうとしない、そして人にも深く関われない・・・どこか人生を諦めているような。自分の周りに直貴のような人がいたら、やはり私はこの作品のなかに描かれているように、接触を避けると思うのです。この人が犯罪者ではない、とわかっていても。そのようなことを考えながら読んで行くと、非常に後味が悪い。自分が責められているようで…おまえならどうする、と常に問いかけられているようで胸が痛みましたが、それが作者からのメッセージなのかな、と感じました。 | ||||
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テーマがテーマだけに重い内容。 主人公にもたらせる一筋の希望が、いつも殺人犯である兄の存在に断ち切られる。予想通りの差別(おまえの兄貴は殺人者だ)、予想外の逆差別(差別しないように気を使うことが差別になってしまう)。これだけ主人公はがんばっているのに、逃げ場はどんどんなくなっていく。 兄が殺人を起こした理由も同情されるべきことだし、本当は誰も悪くなんてない。でも周囲の反応もしょうがないとも思う。自分の立場だったら・・・。 だから読んでいる側もつらい。苦しい。そういうリアルな感情が伝わってくる本だった。 最後に主人公とその兄が選択した道が正しいのかどうかなんてわからない。でも、事実と正面切って向かい合った兄弟が苦しみながら選んだ結末だから、この先の道が幸せであることを祈りたい。 | ||||
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読む前も読み始めても、重苦しい重圧感は予想どおりだった。「強盗殺人犯の兄」をもった弟が、その後、どれだけ社会から差別や偏見を受けることは容易に想像できるから。。 でも、想像できるということは、自分の周りにそういう人がいたら、同じような目で見てしまうということなんだろうと自分自身で納得した。 1人の犯した罪は、実に多くの人たちに影響を与えるものだとあらためて思った。 理屈では理解しても実際にはできないことが多すぎる。悲しいかな、これが人間の性なんだと痛感する。 弟を想い罪を犯した兄。自分の家族を守るため兄を絶縁した弟。 それぞれの想いがつのる中で、兄は弟からの絶縁状をどういう気持ちで読んだか。心が痛くなる。 でも、それが罪を償う一つなのかもしれない。。 最後の結末に、やっぱり捨てきれない人間の情の深さを感じて文字がにじんだ。 | ||||
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長さはそこそこながらお勧めの本です。 ミステリィと感情がいつもしっかりとしていて私はこの作者の本が好きです。 今回もやはり謎は派手すぎず、しかし人をひきつける趣味のよさがあり、感情は大げさすぎず心にしみじみとはいってくるものです。 あらすじをいつも読むと違和感を感じずにはいられないので、私には書くことが出来ませんが昼に読み始めて気がつくと夕暮れだった、となるような小説です。 | ||||
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