初恋温泉
評判
初恋温泉の評価:
3.64/5点 レビュー 36件。 B ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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初恋温泉の評価:
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この短編集は「温泉とカップル(しかも子供のいない)」しばりの連作なんだけど、いきなりどアタマの作品の舞台が熱海「蓬莱」で、おまえは田中康夫か秋元康か小山薫堂かってバブリー感もある。そうした田舎者、成金批判もちゃんと想定内って気もするけど。
「たとえばさ、自分が一番幸福な瞬間を見せたいって思うような男、お前にはいる?別に付き合ってなくてもいいんだよ。遠くでその瞬間を喜んでくれるだけでもいいんだけど」って言葉が出てくる。片思いや遠距離恋愛は、離れているからこそ「幸福」が保たれるのかもしれない。「幸福」って独りよがりな“気持ち”であって、二人の“関係”ではないのかもしれない。でも、人は独りでは生きていけないから二人の関係、状態に幸福を見出そうとする。難しいんだよなぁ“気持ち”と“関係”はリンクしないから。そして“気持ち”も“関係”も持続しないから。最後に収められている短編「純情温泉」の高校生カップルが5年後、いや3年後、1年後に今の“気持ち”と“関係”を保っているとは思えない。
5つの短編は男女の“気持ち”と“関係”のズレを巧妙に描いている。
主題とはズレるけど「ほら、基本的に主人公って鈍感な人間じゃない」「鈍感だから、事件に巻き込まれたり、不倫したり、されたりするわけでしょ?」っていう小説論は結構鋭い。あと、いつもながらの観察眼。新幹線の電光掲示板ニュースとかね。今回はそれと、「風が見えた」だったり、逆に無音状態だったり、山のにおい、波の音だったり...といった5編に通底した自然に対する観察、表現もうまいなぁと思った。軽く読めるけど、結構深い短編集である。