火星に住むつもりかい?
評判
火星に住むつもりかい?の評価:
3.63/5点 レビュー 105件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 81〜94 5/5ページ
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火星に住むつもりかい?の評価:
3.63/5点 レビュー 105件。 A ランク
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一度引っ張られて生きて帰った人はいない。泣く子も黙る平和警察に敢然と立ち向かうヒーローが現れた。
奇妙な行動を続けるヒーローの目的と正体は?
作者は以前から、公権力が暴走したときの恐ろしさを主張していた。同様のテーマの作品は以前にも書いているが、本作はその完成型ではないだろうか。特高警察か魔女狩りを思わせる平和警察の残忍さには寒気がする。
何より怖いのは、市民が密告制度に協力していること。そして平和警察を嫌って『いない』ことだ。
ネット上で人権や平和を訴える人に、「非国民」「売国奴」など意味も理解せず旧軍用語を使って罵倒する連中を見ていると、本作をあながち夢想とは思えなくなる。「お上大事」の従順さと草の根サディズムが合体すると、この世は地獄と化する。テロリストの爆弾より、こっちのが怖いような。
緊密に構成されたプロットと過不足のない達者な文体は、いつも通りの伊坂作品だ。ヒーローが素晴らしく魅力的だ。
行動する動機といい能力のユニークさといい、新しいタイプのスーパーヒーローと言っても過言ではない。
敵対する警察側のキャラ造形も秀逸だ。後半は追う側と追われる側の双方に視点が行き来する。
ラスト50ページほどは心臓が鷲掴みにされるような緊迫感だった。小説でこんなに興奮したのは久しぶりだ。
伊坂幸太郎の優れた部分が存分に味わえる。ファンはもちろん必読だが、初読みの入門書にも適している。