(短編集)

プラナリア

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

プラナリアの評価:

3.86/5点 レビュー 97件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.86pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全213件 101〜120 6/11ページ
No.113
(4pt)

捻くれている女性の典型例が満載!

本小説は、どこにでもいそうな女性の、捻くれた一面がよく分かる短編集である。
「プラナリア」は、乳癌になったことで自暴自棄になり、周りに迷惑を掛けていることを自覚しているが、それが制御できないでいる、所謂、かまってちゃんの話。人間は病気を持つと傲慢になるというのが何となく伝わった。
「どこかではないここ」は、リストラで収入の減った夫、大学生の息子、高校生の娘という家庭環境に囲まれた生活を営むパート主婦の、どこかこのカテゴリーの人間独特の醜さが伝わる話。ラストに現代的な悲劇があり、ちょっと可哀想にも見えるが、こういう展開も分からないではないと思えてしまう。
「囚われ人のジレンマ」は、心理学を専攻する大学院生の彼氏と愛のない付き合いを続けるOLが、自分勝手な振る舞い続ける話。この別れる理由も無く付き合い続ける関係を囚人のジレンマ状態に例えているのが面白い。

これらの短編にでてくる女性は、決して特別ではないと思う。女性なら、こういった捻くれた一面は必ず持っているはずだ。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.112
(4pt)

捻くれている女性の典型例が満載!

本小説は、どこにでもいそうな女性の、捻くれた一面がよく分かる短編集である。
「プラナリア」は、乳癌になったことで自暴自棄になり、周りに迷惑を掛けていることを自覚しているが、それが制御できないでいる、所謂、かまってちゃんの話。人間は病気を持つと傲慢になるというのが何となく伝わった。
「どこかではないここ」は、リストラで収入の減った夫、大学生の息子、高校生の娘という家庭環境に囲まれた生活を営むパート主婦の、どこかこのカテゴリーの人間独特の醜さが伝わる話。ラストに現代的な悲劇があり、ちょっと可哀想にも見えるが、こういう展開も分からないではないと思えてしまう。
「囚われ人のジレンマ」は、心理学を専攻する大学院生の彼氏と愛のない付き合いを続けるOLが、自分勝手な振る舞い続ける話。この別れる理由も無く付き合い続ける関係を囚人のジレンマ状態に例えているのが面白い。

これらの短編にでてくる女性は、決して特別ではないと思う。女性なら、こういった捻くれた一面は必ず持っているはずだ。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019
No.111
(5pt)

等身大の好短編集

直木賞を受賞した山本文緒の短編集である。
 5作中4作が女性の主人公であるが、背伸びをせず等身大のキャラクターが描かれており好感が持てる。いずれもストーリーそのものというよりも登場人物の境遇や心理の変化が作品の軸となっており、読者は感情移入しながら物語を読み進めることができる。
 例えば4作目の「囚われ人のジレンマ」は、長年恋人関係を続けている彼氏のプロポーズに戸惑う女主人公が描かれているが、彼女がどうするのかどうしたいのかは最後まで分からない。何とも煮え切らないストーリーが多いものの、読んでいて不快感はなく、女性読者の支持を得るのもそのためであろう。
 個人的に最も気に入ったのは5作目の「あいあるあした」であった。この作品だけ男性が主人公であり、他の作品に比べストーリー構成も緻密であるように思われる。
 主人公の「俺」は離婚後会社を辞め、小さな居酒屋を営んでいる。そこへ来た女性客の一人すみ江と同棲しているが、関係は微妙であり他の客にも内緒にしている。
 ある日俺は「人が来るから」と言って一時的にすみ江を追い出し、いつになくおめかしして「俺の女」を駅まで迎えに行く。三ヶ月に一度しか会えないその「女」とは……。
 不覚ながら涙が出そうになった。その後すみ江がいなくなり物語は一瞬緊張状態を迎えるが、最後はまずまずのハッピーエンドに落ち着く。自分ならすみ江がいなくなったところで物語を終わらせるだろうなと思いながらも、主人公への感情移入からハッピーエンドに安堵しているもう一人の自分もいる。読んでいて楽しい、良質な短編集である。
プラナリア Amazon書評・レビュー: プラナリアより
4163196307
No.110
(5pt)

等身大の好短編集

直木賞を受賞した山本文緒の短編集である。
 5作中4作が女性の主人公であるが、背伸びをせず等身大のキャラクターが描かれており好感が持てる。いずれもストーリーそのものというよりも登場人物の境遇や心理の変化が作品の軸となっており、読者は感情移入しながら物語を読み進めることができる。
 例えば4作目の「囚われ人のジレンマ」は、長年恋人関係を続けている彼氏のプロポーズに戸惑う女主人公が描かれているが、彼女がどうするのかどうしたいのかは最後まで分からない。何とも煮え切らないストーリーが多いものの、読んでいて不快感はなく、女性読者の支持を得るのもそのためであろう。
 個人的に最も気に入ったのは5作目の「あいあるあした」であった。この作品だけ男性が主人公であり、他の作品に比べストーリー構成も緻密であるように思われる。
 主人公の「俺」は離婚後会社を辞め、小さな居酒屋を営んでいる。そこへ来た女性客の一人すみ江と同棲しているが、関係は微妙であり他の客にも内緒にしている。
 ある日俺は「人が来るから」と言って一時的にすみ江を追い出し、いつになくおめかしして「俺の女」を駅まで迎えに行く。三ヶ月に一度しか会えないその「女」とは……。
 不覚ながら涙が出そうになった。その後すみ江がいなくなり物語は一瞬緊張状態を迎えるが、最後はまずまずのハッピーエンドに落ち着く。自分ならすみ江がいなくなったところで物語を終わらせるだろうなと思いながらも、主人公への感情移入からハッピーエンドに安堵しているもう一人の自分もいる。読んでいて楽しい、良質な短編集である。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.109
(5pt)

等身大の好短編集

直木賞を受賞した山本文緒の短編集である。
 5作中4作が女性の主人公であるが、背伸びをせず等身大のキャラクターが描かれており好感が持てる。いずれもストーリーそのものというよりも登場人物の境遇や心理の変化が作品の軸となっており、読者は感情移入しながら物語を読み進めることができる。
 例えば4作目の「囚われ人のジレンマ」は、長年恋人関係を続けている彼氏のプロポーズに戸惑う女主人公が描かれているが、彼女がどうするのかどうしたいのかは最後まで分からない。何とも煮え切らないストーリーが多いものの、読んでいて不快感はなく、女性読者の支持を得るのもそのためであろう。
 個人的に最も気に入ったのは5作目の「あいあるあした」であった。この作品だけ男性が主人公であり、他の作品に比べストーリー構成も緻密であるように思われる。
 主人公の「俺」は離婚後会社を辞め、小さな居酒屋を営んでいる。そこへ来た女性客の一人すみ江と同棲しているが、関係は微妙であり他の客にも内緒にしている。
 ある日俺は「人が来るから」と言って一時的にすみ江を追い出し、いつになくおめかしして「俺の女」を駅まで迎えに行く。三ヶ月に一度しか会えないその「女」とは……。
 不覚ながら涙が出そうになった。その後すみ江がいなくなり物語は一瞬緊張状態を迎えるが、最後はまずまずのハッピーエンドに落ち着く。自分ならすみ江がいなくなったところで物語を終わらせるだろうなと思いながらも、主人公への感情移入からハッピーエンドに安堵しているもう一人の自分もいる。読んでいて楽しい、良質な短編集である。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019
No.108
(4pt)

ものすごくリアル

冷徹な心理描写で綴られる、女性の孤独や空しさや生きることへに対する辛さ、諦め、そういった日常の、生きている限り終わらない「生活」を見事に表現している。
あまりにリアルで、もし同じような境遇の人が読むと、どよん、としてしまいそう。
救いや明るい未来の兆しはない。
でも、どこか笑ってしまう。悲劇と喜劇は紙一重だな〜と。
でも、それが、普通の人生、だよね。
プラナリア Amazon書評・レビュー: プラナリアより
4163196307
No.107
(4pt)

ものすごくリアル

冷徹な心理描写で綴られる、女性の孤独や空しさや生きることへに対する辛さ、諦め、そういった日常の、生きている限り終わらない「生活」を見事に表現している。
あまりにリアルで、もし同じような境遇の人が読むと、どよん、としてしまいそう。
救いや明るい未来の兆しはない。
でも、どこか笑ってしまう。悲劇と喜劇は紙一重だな〜と。
でも、それが、普通の人生、だよね。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.106
(4pt)

ものすごくリアル

冷徹な心理描写で綴られる、女性の孤独や空しさや生きることへに対する辛さ、諦め、そういった日常の、生きている限り終わらない「生活」を見事に表現している。
あまりにリアルで、もし同じような境遇の人が読むと、どよん、としてしまいそう。
救いや明るい未来の兆しはない。
でも、どこか笑ってしまう。悲劇と喜劇は紙一重だな〜と。
でも、それが、普通の人生、だよね。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019
No.105
(4pt)

買いですが・・・。

内面に欠損した部分があるために不可避的に周囲との齟齬を生じてしまう、数人の女性を主人公に据えた、いくつかの物語です。細部に読ませる工夫がいくつも仕込まれていて、読みながらかゆいところに手が届くような巧さが随所で光ってはいるのですが、読んだ後いつまでも記憶に残る作品であるかと問われれば、答えは否と答えざるを得ないように思います。
プラナリア Amazon書評・レビュー: プラナリアより
4163196307
No.104
(4pt)

買いですが・・・。

内面に欠損した部分があるために不可避的に周囲との齟齬を生じてしまう、数人の女性を主人公に据えた、いくつかの物語です。細部に読ませる工夫がいくつも仕込まれていて、読みながらかゆいところに手が届くような巧さが随所で光ってはいるのですが、読んだ後いつまでも記憶に残る作品であるかと問われれば、答えは否と答えざるを得ないように思います。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.103
(4pt)

買いですが・・・。

内面に欠損した部分があるために不可避的に周囲との齟齬を生じてしまう、数人の女性を主人公に据えた、いくつかの物語です。細部に読ませる工夫がいくつも仕込まれていて、読みながらかゆいところに手が届くような巧さが随所で光ってはいるのですが、読んだ後いつまでも記憶に残る作品であるかと問われれば、答えは否と答えざるを得ないように思います。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019
No.102
(4pt)

直木賞作家の山本文緒が綴るリアリスティックな女性論!

3年に及ぶ鬱病記録を大胆に日記風にまとめた『再婚生活』が刊行されたという記事を通じて初めて彼女の名前を知り、山本文緒の小説に興味をもった。新聞記事のインタビューで彼女は、「今の私に小説はプレッシャーです」と語っていた。本書は124回直木賞受賞作「プラナリア」を含む計5作品が所収されている。読み終えて、女性の心理や悩み・葛藤は尽きないものであり、それらは多くの女性が直面する問題であるとはいえ、男性にはなかなかその真意が分からないような気がした。「女性である(いる)こと」それ自体がすでにある種の悩みの源泉である以上、男性に理解し難いことが多いのは当然といえば当然だ。女性によく使われる「第六感」は男性には備わっているのだろうかと一人感慨に浸った。

 乳がんを患った女性、キャリアウーマンから一転して無職になり離婚も経験した女性、年頃の息子と娘をもちパートや介護にも余念がない主婦、社会人の女性と大学院生の男との結婚観の相違、離縁しても娘を「俺の女」と思い続ける居酒屋の男と風変わりな女との変哲のない生活ぶり、といった主題がとてもリアルに描かれている。いや、私にはリアルすぎた(第4作品の女性の貞操観念は私には理解しがたい)。作者は大学卒業後に一時期OLをやっていたそうだが、そうした自らの体験も作品に活かされているのかもしれない。

 個人的には最後のエッセイ「あいあるあした」が特に印象深かった。それ以外の作品は基本的に女性目線でストーリーが展開してゆくのに対して、本作品は36歳の男性のそれであるためか、妙に親近感が湧いたのであろう。それにしても本書所収の各エッセイはなかなか「幸せな結末」で終わらない。微妙に後味が悪いといえば悪いが、それも女性の心理は複雑でとても一筋縄ではいかないという作者のメッセージなのか。陸上選手の為末大が推奨していた『恋愛中毒』を読むのがなんだが恐ろしい(笑)。
プラナリア Amazon書評・レビュー: プラナリアより
4163196307
No.101
(4pt)

直木賞作家の山本文緒が綴るリアリスティックな女性論!

3年に及ぶ鬱病記録を大胆に日記風にまとめた『再婚生活』が刊行されたという記事を通じて初めて彼女の名前を知り、山本文緒の小説に興味をもった。新聞記事のインタビューで彼女は、「今の私に小説はプレッシャーです」と語っていた。本書は124回直木賞受賞作「プラナリア」を含む計5作品が所収されている。読み終えて、女性の心理や悩み・葛藤は尽きないものであり、それらは多くの女性が直面する問題であるとはいえ、男性にはなかなかその真意が分からないような気がした。「女性である(いる)こと」それ自体がすでにある種の悩みの源泉である以上、男性に理解し難いことが多いのは当然といえば当然だ。女性によく使われる「第六感」は男性には備わっているのだろうかと一人感慨に浸った。

 乳がんを患った女性、キャリアウーマンから一転して無職になり離婚も経験した女性、年頃の息子と娘をもちパートや介護にも余念がない主婦、社会人の女性と大学院生の男との結婚観の相違、離縁しても娘を「俺の女」と思い続ける居酒屋の男と風変わりな女との変哲のない生活ぶり、といった主題がとてもリアルに描かれている。いや、私にはリアルすぎた(第4作品の女性の貞操観念は私には理解しがたい)。作者は大学卒業後に一時期OLをやっていたそうだが、そうした自らの体験も作品に活かされているのかもしれない。

 個人的には最後のエッセイ「あいあるあした」が特に印象深かった。それ以外の作品は基本的に女性目線でストーリーが展開してゆくのに対して、本作品は36歳の男性のそれであるためか、妙に親近感が湧いたのであろう。それにしても本書所収の各エッセイはなかなか「幸せな結末」で終わらない。微妙に後味が悪いといえば悪いが、それも女性の心理は複雑でとても一筋縄ではいかないという作者のメッセージなのか。陸上選手の為末大が推奨していた『恋愛中毒』を読むのがなんだが恐ろしい(笑)。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.100
(4pt)

直木賞作家の山本文緒が綴るリアリスティックな女性論!

3年に及ぶ鬱病記録を大胆に日記風にまとめた『再婚生活』が刊行されたという記事を通じて初めて彼女の名前を知り、山本文緒の小説に興味をもった。新聞記事のインタビューで彼女は、「今の私に小説はプレッシャーです」と語っていた。本書は124回直木賞受賞作「プラナリア」を含む計5作品が所収されている。読み終えて、女性の心理や悩み・葛藤は尽きないものであり、それらは多くの女性が直面する問題であるとはいえ、男性にはなかなかその真意が分からないような気がした。「女性である(いる)こと」それ自体がすでにある種の悩みの源泉である以上、男性に理解し難いことが多いのは当然といえば当然だ。女性によく使われる「第六感」は男性には備わっているのだろうかと一人感慨に浸った。

 乳がんを患った女性、キャリアウーマンから一転して無職になり離婚も経験した女性、年頃の息子と娘をもちパートや介護にも余念がない主婦、社会人の女性と大学院生の男との結婚観の相違、離縁しても娘を「俺の女」と思い続ける居酒屋の男と風変わりな女との変哲のない生活ぶり、といった主題がとてもリアルに描かれている。いや、私にはリアルすぎた(第4作品の女性の貞操観念は私には理解しがたい)。作者は大学卒業後に一時期OLをやっていたそうだが、そうした自らの体験も作品に活かされているのかもしれない。

 個人的には最後のエッセイ「あいあるあした」が特に印象深かった。それ以外の作品は基本的に女性目線でストーリーが展開してゆくのに対して、本作品は36歳の男性のそれであるためか、妙に親近感が湧いたのであろう。それにしても本書所収の各エッセイはなかなか「幸せな結末」で終わらない。微妙に後味が悪いといえば悪いが、それも女性の心理は複雑でとても一筋縄ではいかないという作者のメッセージなのか。陸上選手の為末大が推奨していた『恋愛中毒』を読むのがなんだが恐ろしい(笑)。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019
No.99
(5pt)

愛おしい弱い人々

『プラナリア』です。直木賞受賞作。
「プラナリア」「ネイキッド」「囚われ人のジレンマ」「どこかではないここ」「あいあるあした」を収録した短編集です。
いずれの作品も、主人公は普通の一般人。どちらかといえば弱者の立場です。
考え方は自己中心的だけど、与えられた状況の中で一生懸命生きている。でもなんとなく運に恵まれなかったり注意が足りなかったりして、上手く行かないケースが多い。心の弱さなんてものは誰しも多かれ少なかれ抱えているものですし、それが読みやすい文章で的確に表現されていて、非常に共感できる内容でした。
更にこの作品集の作品はどれも、いまいちハッピーとはいえないエンディングを迎えます。素敵な王子様が出現して救ってくれることはありません。その辺のリアリティーも良かったと思います。

中でも特に印象的なのは表題作の「プラナリア」でしょう。他の作品よりも主人公の弱者ぶりが強力です。
主人公は乳がんになっちゃった弱者です。運も悪いけど、本人にもそれなりに非があってでも本人的には必死なのだけど、いまいち閉塞感を打破できないでいる。そんな心模様が巧みに描かれています。
ストーリーそのものも、小さな伏線がいくつも張られ、しっかり回収されていて、題材のプラナリアも上手く使われていて面白かったです。
プラナリア Amazon書評・レビュー: プラナリアより
4163196307
No.98
(5pt)

愛おしい弱い人々

『プラナリア』です。直木賞受賞作。
「プラナリア」「ネイキッド」「囚われ人のジレンマ」「どこかではないここ」「あいあるあした」を収録した短編集です。
いずれの作品も、主人公は普通の一般人。どちらかといえば弱者の立場です。
考え方は自己中心的だけど、与えられた状況の中で一生懸命生きている。でもなんとなく運に恵まれなかったり注意が足りなかったりして、上手く行かないケースが多い。心の弱さなんてものは誰しも多かれ少なかれ抱えているものですし、それが読みやすい文章で的確に表現されていて、非常に共感できる内容でした。
更にこの作品集の作品はどれも、いまいちハッピーとはいえないエンディングを迎えます。素敵な王子様が出現して救ってくれることはありません。その辺のリアリティーも良かったと思います。

中でも特に印象的なのは表題作の「プラナリア」でしょう。他の作品よりも主人公の弱者ぶりが強力です。
主人公は乳がんになっちゃった弱者です。運も悪いけど、本人にもそれなりに非があってでも本人的には必死なのだけど、いまいち閉塞感を打破できないでいる。そんな心模様が巧みに描かれています。
ストーリーそのものも、小さな伏線がいくつも張られ、しっかり回収されていて、題材のプラナリアも上手く使われていて面白かったです。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.97
(5pt)

愛おしい弱い人々

『プラナリア』です。直木賞受賞作。
「プラナリア」「ネイキッド」「囚われ人のジレンマ」「どこかではないここ」「あいあるあした」を収録した短編集です。
いずれの作品も、主人公は普通の一般人。どちらかといえば弱者の立場です。
考え方は自己中心的だけど、与えられた状況の中で一生懸命生きている。でもなんとなく運に恵まれなかったり注意が足りなかったりして、上手く行かないケースが多い。心の弱さなんてものは誰しも多かれ少なかれ抱えているものですし、それが読みやすい文章で的確に表現されていて、非常に共感できる内容でした。
更にこの作品集の作品はどれも、いまいちハッピーとはいえないエンディングを迎えます。素敵な王子様が出現して救ってくれることはありません。その辺のリアリティーも良かったと思います。

中でも特に印象的なのは表題作の「プラナリア」でしょう。他の作品よりも主人公の弱者ぶりが強力です。
主人公は乳がんになっちゃった弱者です。運も悪いけど、本人にもそれなりに非があってでも本人的には必死なのだけど、いまいち閉塞感を打破できないでいる。そんな心模様が巧みに描かれています。
ストーリーそのものも、小さな伏線がいくつも張られ、しっかり回収されていて、題材のプラナリアも上手く使われていて面白かったです。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019
No.96
(4pt)

身につまされる一冊

直木賞を受賞したことでも話題になった本ですが、読み返してみてあらためて感じるところの多い作品でした。

基本的に人物の描き方、物語の構成ともに非常にうまいです。

特にニート女性の中に共存する気楽さと苦しさ、明るさと暗さ、その両方の感情をサラッと行き来してしまうところなどは本当に見事です。

底知れぬ明るさの中に突如現れる虚無感や絶望感。

ついさっきまで穏やかな風景が広がっていたはずなのに、一歩進むと突然目の前に奈落の底が現れるような、そんな恐ろしさを持った作品でもあります。

でもその一方で、そうした不安を一気に吹き飛ばしてしまう気楽さもまた、どこからともなく根拠も無く現れるのです。

これはまさに現代のニートの本質を突いている、のかもしれません。

作品自体はとてもおもしろいのですが、読後感が悪いと言えば悪いかもしれません。

もちろんそうした読後感こそがこの作品の魅力なわけですけど。
プラナリア Amazon書評・レビュー: プラナリアより
4163196307
No.95
(4pt)

身につまされる一冊

直木賞を受賞したことでも話題になった本ですが、読み返してみてあらためて感じるところの多い作品でした。

基本的に人物の描き方、物語の構成ともに非常にうまいです。

特にニート女性の中に共存する気楽さと苦しさ、明るさと暗さ、その両方の感情をサラッと行き来してしまうところなどは本当に見事です。

底知れぬ明るさの中に突如現れる虚無感や絶望感。

ついさっきまで穏やかな風景が広がっていたはずなのに、一歩進むと突然目の前に奈落の底が現れるような、そんな恐ろしさを持った作品でもあります。

でもその一方で、そうした不安を一気に吹き飛ばしてしまう気楽さもまた、どこからともなく根拠も無く現れるのです。

これはまさに現代のニートの本質を突いている、のかもしれません。

作品自体はとてもおもしろいのですが、読後感が悪いと言えば悪いかもしれません。

もちろんそうした読後感こそがこの作品の魅力なわけですけど。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
B009DED92U
No.94
(4pt)

身につまされる一冊

直木賞を受賞したことでも話題になった本ですが、読み返してみてあらためて感じるところの多い作品でした。

基本的に人物の描き方、物語の構成ともに非常にうまいです。

特にニート女性の中に共存する気楽さと苦しさ、明るさと暗さ、その両方の感情をサラッと行き来してしまうところなどは本当に見事です。

底知れぬ明るさの中に突如現れる虚無感や絶望感。

ついさっきまで穏やかな風景が広がっていたはずなのに、一歩進むと突然目の前に奈落の底が現れるような、そんな恐ろしさを持った作品でもあります。

でもその一方で、そうした不安を一気に吹き飛ばしてしまう気楽さもまた、どこからともなく根拠も無く現れるのです。

これはまさに現代のニートの本質を突いている、のかもしれません。

作品自体はとてもおもしろいのですが、読後感が悪いと言えば悪いかもしれません。

もちろんそうした読後感こそがこの作品の魅力なわけですけど。
プラナリア (文春文庫) Amazon書評・レビュー: プラナリア (文春文庫)より
4167708019