恋愛中毒

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評判

恋愛中毒の評価:

3.92/5点 レビュー 202件。 B ランク

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平均点3.92pt

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全406件 341〜360 18/21ページ
No.66
(5pt)

恋愛小説では最高の部類。タイトルも秀逸

読書というのは、読んだときの年齢や自分が置かれている場によって、同じ本でも受け止め方、感じ方が全く違うものになります。その意味で再読が必要なのです。再読によって自分の変化を感じることができるからです。しかし再読に堪え得る作品はそんなにないのが現実ですが。
本作は数年ぶりの再読。今回もやはり終盤にきて作者にやられてしまいました。恋愛を扱った物語のなかでも秀逸な出来栄えです。恋愛物はビタースゥィートに限ると思っておりますが、本作はビターのなかのビターだけを純粋に抽出して取り出した、常人には真似できない作品となっています。読んでるそばから頭の中を映像が駆け巡ります。恋愛は怖い、人間をダメにする無限の力が秘められている魔物です。ちょっとのお互いの感情のすき間からその恐怖は広がっていきます。その先に何があるのか、本作はそこを追求しています。その追求は真剣であるからこそ読者である我々は目が離せなくなるのです。
20代後半以降の男女は必読です。物語の波に乗っていくことも出来るし、自分だったらと考えながら読むこともできます。そこに新たな「自分」を発見することが出来うる物語であると思います。
林真理子さんの解説も本物の「解説」です。物語を読み終えてから、解説を読むと物語の理解が深まること間違いなしです。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.65
(5pt)

自分の恋愛傾向を知りました

初めてこの本を読んだのは旅行に行く飛行機の中でした。

当時の私は不倫を終わらせたばかりで、まだ覚醒状態だったのだと思います。

あまり期待もせず暇つぶしにと手にとった本でしたが、みるみるうちに引き込まれ、

読み終えた後はなんともいえぬ喪失感というか・・・。

そのくらいパワーを持った本でした。

主人公の女性の言動や行動にとても共感できました。

実際に行動に起こすか否かは別として、私の中に確実に彼女のような考えがあります。

それに気づき、「ここまで方向性を誤ってはいけない」と認識するきっかけとなりました。

あとがきの林真理子さんのコメントもとても興味深いです。

あとがきまで楽しめる読み応えのある1冊でした。

今でもたまに読み返しますが、面白さはかげることなく健在です。

ぜひお勧めです。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.64
(5pt)

身を削って書く小説家部門一位

これは傑作。

身を削って書くタイプの作家はいろいろいるが、山本文緒は、「削り度」が最も高く、その代表選手と言える。

この作品では、主人公が次に何をやらかすか、どんな重大な隠し事をしているか、がキモである。一人称で語りながらこれをやるというのは、犯人が主人公の推理小説と同じであるから、その腕が問われる代わりに、読者の驚きも大きくなるので、効果抜群である。

まだ駆け出しといっていいこのころの山本が、これを仕上げたのは驚嘆する。

島崎今日子のインタビューにあった、高校時代に女の子を殴ったことがある、という事実から、「やっぱり身を削っていた」と再確認した。

「恋愛中毒」でその場面を読んだときには、「体験か?想像か?」と半信半疑だったが。

ということは、これに限らず他の場面や作品においても、「体験」が形を変え、散りばめられているということだ。そういう意味では身を削った鷺沢萌や昔の林真理子よりもフィクション性が低く、実体験が生かされていると思われる作家である。

この主人公についても、山本の分身度が高いと思われるのだが、その特徴はなにより「突然キレる」である。普通に話していたかと思うと、凶暴な行動に出る。

これが山本の腕にかかると、より話が面白くなるわけだが、「突然キレる」の理由は「不器用だから」である。

「不器用」とは「交渉ができない」である。

おそらく著者本人の特徴でもあるのだろうが、他人に直接要求したり、交換条件を出したり、押したり引いたりコネを使ったりという、ネゴシエイト能力がゼロなのである。

「要求する」という行為が「正当な権利」と思えないところから、こうなる。それで、鬱屈がたまって突然キレる。

もともと「我慢に弱い」タイプの「キレる奴」なのではない。

ネゴシエイト能力の欠如は自己評価の低さによる。

そうした己の眼をそむけたい部分を逆手にとって、傑作を書いた山本は大した女だ。
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4041970105
No.63
(4pt)

「恋愛中毒」中毒

見事にハマってしまいました。

読み始めたら止まらず、一気に読破。

普通の恋愛小説をイメージして読み始めたのですが、純恋愛小説とは全く違う上に、読者をあっと驚かせるしかけもたくさんあって、みるみるそのワールドに引きずり込まれました。

途中からはほとんど「恋愛中毒」中毒みたいな感じで、貪り読んでました(笑

おもしろいです。

状況設定や展開はちょっと現実にはありえない気もしますが、主人公の水無月の心の動き、それも次第に崩壊していく心の動きがとてもリアルなのには驚きます。

僕は男なので完全には感情を共有できませんが、きっとたくさんの女性が「わかるわかる」と主人公の感情を共有しながらこの本を読んでいることでしょう。

正直、水無月の行動や考えには男としては時折うんざりさせられることもあります。

でも冷静に彼女を切り捨てることは、どうしてもできません。

「もっと賢くなれよ」と声をかけたいけれど、でもそうすると水無月らしさがなくなってしまうようで、つい「このままでいいよ」と思ってしまいます。

そして、その「狂気」も全部まとめて愛してあげる、と言ってしまいそうになります。

これもある種の恋愛中毒なのでしょうかねえ (^^;
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4041970105
No.62
(5pt)

恋愛小説の傑作

何度も何度も読み返しています。私の愛読書です。恋愛小説でこんなに何度も読み返しても楽しめ、そして読むごとにまた違う感想を持つ本はなかなかないと思います。

恋愛って深い、、と思い知らされる作品。でも誰にでもこういう感覚っておおかれすくなかれあるものではないのかな?と考えさせられます。
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4041970105
No.61
(5pt)

山本さんの最高傑作だと思います。

女心の一面を鋭く捉えていて、名作だと思います。

主人公ほどではありませんが、私自身も過去に、男を深く愛しすぎて泥沼に陥ってしまったことがあります。この作品は、そういった過去の心の襞をはっきりと思い出させるもので、胸が痛くなりました。

今分析するに、主人公や私が泥沼にはまってしまった原因は、多分自分に自信がなかったり、愛されたという実感がなかったこと、「愛と性を結びつける日本の教育と、現実がそうではないという事実」にあるように思います。

私も主人公同様、もう二度と恋愛はしないと誓い、今では子供と自分を愛する事に徹しています。恋愛を素晴らしいものだと、私は決して思いません。恋愛を賞賛する作品が多い中、恋愛の真実を書いているという点で、私はこの作品を高く評価します。
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4041970105
No.60
(4pt)

素晴らしい・・・恋愛小説の傑作といえる。

吉川英治文学新人賞を受賞した作品で今年の6月に文庫本化されたので、読んでみた。かなりページ数の多いだが、決して長さを感じさせない作品である。

心理描写が巧みで、物語にどんどん吸い込まれていく。

主人公の女性心理描写が素晴らしかった。

恋愛小説の傑作の一つだろう。
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4041970105
No.59
(5pt)

とにかく単純に面白い小説。

「本を読む」楽しさを思う存分に味わせてくれる、まさに傑作です。
小手先の美しさやテクニックではなく、人の心の襞を丹念に、正直に、ストレートに描ききっています。しかもストーリー構成も抜群。
読者を煙に巻くような自意識過剰な作家が多い昨今、読者に対するこの真っ正直さがとても心地よい。

完全燃焼できる小説です。
きっと作者も完全燃焼したんじゃないかな(笑)。
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4041970105
No.58
(5pt)

中毒

人を愛するということはこんなにも人を変えてしまう。

1人の人を愛してしまう時に静かに動き出す嫉妬心が、ここまで膨らむとは…

怖いな…と思いつつ、主人公の感情に妙に納得できる自分もいる。

長編があまり得意じゃない私でもすんなりと読み進めていくことができました。

愛しすぎてしまう怖さとともに主人公の気持ちが痛いほどわかるからこそ、この本の世界にどんどん引き込まれていきました。
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4041970105
No.57
(4pt)

それでも恋をする、何度も人は。

自分よりキレイ・かわいい・若い女たちへの羨望が嫉妬をうみ、

好きなオトコへの執着が嫌がらせへと発展する。

それが醜い、こわい、最低だとは言い切れない。

なぜなら私にだってそんな一面がないわけじゃないから。

ここまでイっちゃうひとはあまりいないとおもうけど

誰だって少しくらいこんなきもちになることあるんじゃないかな。

私自身はこの本に出てくるイツジ先生のようなタイプを好きになることが多く

たとえそれが不倫でも自分が本命の彼女でも

どちらの立場にいたってこんなオトコとつきあうのはどんなにたいへんか

苦しいかある程度わかってるつもり。

そんなときに自分を救ってくれるのはともだち。

それが水無月さんにはちょっとばかり足りなかったかもしれない。

私みたいにただひたすら耐えて平気なフリしてるのもけっこう大変だけど

水無月さんくらい したたかに好きな男に執着(粘着)していくのは

それはそれで大変なことだとおもうしすごいことだおもう。

それでもまた人を好きになるのは人の弱さであり強さなのだろう。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.56
(5pt)

大人の女性に是非読んで欲しい1冊

始めと終わり以外は回想録になっています。

ストーリーの展開がとにかくうまい!!

話の途中までは主人公と一緒になって進んでいる気になっているのに、途中から内面が垣間見えてくると主人公が遠ざかっていくような、そんな錯覚に陥りました。

従来手法の読み込んでいくうちに感情移入や共感したりするのとは逆で、とても新鮮です。

男の人に固執してしまうあまりストーカーにまで及んでしまう主人公、愛だの恋だのだけでは付き合えないことを知っている女性達が対照的に描かれていて、人物設定もおもしろいです。

単純な感想としては、同性ながら女性って怖いです。
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4041970105
No.55
(5pt)

恋愛小説

の最高傑作近い作品。正真正銘の傑作である。

 文章のとぼけた味わい、そして的確な心理描写。振り回される中、それでもずるずるいってしまう、あたし何やってんだろう的な戸惑いと切なさ。そして、何より主人公の駄目っぷり。まわりの女性達のいやらしさと関係。それを含めて魅力的に見せる技はどうであろう。

 それに、何より上手いのは構成。徐々に徐々に主人公の内面が明らかになっていくのだが、それが上手い。ホラー作家でもミステリ作家でもないくせに、こんな構成をどかんとやられたら他の作家もたじたじではないだろうか。

 とても素晴らしかったと思います。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.54
(3pt)

共感はできないけれど…

登場人物の誰にも共感はできなかった.

でも,小説として面白いと思うのは,やはり作者の力量だろうと思う.

ただひたすら思うのは,こんなふうにしか人を愛せなかったら辛いだろうなぁ,苦しいだろうなぁ,ということ.

たいがいの人は,自分が傷つく一歩手前でなんとかして気持ちをストップさせるから,ストーカーにも犯罪者にもならずに,自分に合った恋愛と,恋人を見つけることができるのだろうけど,この主人公は違う.

とことん人を好きになって追い詰めて,挙句の果ては自らも追い込んで,深く深く傷つく.そしてそれを繰り返す.

うーん,思い出してもやっぱり怖いなぁ.

恋愛小説じゃないですね.怖い小説です.でもぐいぐい読んでしまう一冊.
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4041970105
No.53
(4pt)

奥が深い!

実は私は、ドラマを観てから原作を読んだのですが、原作の方にすっかりひきつけられてしまいました。今となっては、ドラマは原作からただ設定を借りてきて、多くの人にわかりやすくストーリーを変えただけのようにすら思えます。

偶然が重なるところは残念ながら「やっぱり小説なんだな」と思いますが、ヒロインの心情の繊細さ、激しさ、一見した矛盾性、そして「本当の敵」が現れた時、とうとう爆発する狂気!

今まで読んだ本の中で、このヒロインが一番魅力的です。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.52
(3pt)

魅力的なキャラクター

先日、「プラナリア」を読んだとき世の中に対するひねくれた視点が
全く私には合わないと思ったこの著者の作風ですが、
こちらのデビュー作もやはりネガティブ系の女性が主人公。彼女の卑屈さや、
両親に対する屈折した思い、別れた旦那へのねっとりとした未練などに、やはり
共感できない・・・と思いつつも面白かったです。
それは、彼女が惹かれていく作家でありタレントでもある創路がなかなかに魅力的だから。
豪快で傍若無人、女性が大好きで、わがままま放題、気のむくままに生きている大男。
そのくせ、常識的な気遣いなどは心得ていて、根は悪い人ではない。
私個人は好みのタイプではありませんが、彼のセリフや、行動がすごくイキイキと
描かれていて、「あ~、こういう芸能人いそう!」と思えるキャラクターです。
普通の女性がこういう人のペースにあらがえずに、気が付いたらはまってしまっている・・・
というシチュエーションがすごくわかるなあ、と主人公の人柄や行動にではなく、
そんな状況に共感しながら読みました。
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4041970105
No.51
(4pt)

自分自身の恋愛における弱さに気付くことができるかもしれない

読みはじめは、愛に到達することができないことへもどかしさや悔しさを感じながらも、どうしようもない恋愛から抜け出せずにいる、というよくある恋愛話かと思った。
 ところが読後、あーそうゆーのあるある、つらいねー。よくわかってんじゃん。などという、自分に重ねては安堵する恋愛小説特有の感想は持たなかった。苦しくなった。自分が見て見ぬふりをして蓋をし、気づかれないよう日々苦心している部分がこの物語のテーマだった。嫉妬、弱さが狂気へと変わってゆき、実際に行動に移してしまう主人公に、哀れみの念を抱きながらも、どこか羨ましく、格好いいとすら感じた。
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4041970105
No.50
(4pt)

膜一枚の隔たり

山本さんは文章がすごく特徴的で、心理描写が的確で共感できる箇所が沢山ある。にもかかわらず、核が見えない。
感情の表現方法にばかりに気を取られてしまうが、よく考えると結局どう思っているのかがどことなくぼやけていることに気がつく。
読む側は、なるほどなるほどと思っても、どこかしら淡々としていて、ゆったりした空気を見つけてしまう。
感情の起伏、喜怒哀楽の付け方に重点を置いていないからなのか、最後のところでガツンと心に響いてこなかった。
また、シリアスなテーマであるにも関わらず、萩原という水無月を助けてる存在があることと、水無月が恋をする先生の性格が妙にからんとしていて深刻さがないせいか、伝わってくる「危機感」が薄かった。
しかし逆にいえば、事実主人公が抱えている歪みはまがいもない狂気であり、なんでもない日常に転がっている恐怖、人が抱えている闇を見せ付けられたようでぞっとした。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.49
(4pt)

女性の弱さと狂気

いつも誰かに恋してないといられない。そんな淡い恋愛中毒なのかと思って読んだが,実際は自分から離れた男を自分が嫌われた理由を理解しようともせず,いつまでも病的に追い続ける中毒患者の悲しくて怖い内容だった。
ただし,物語の巻末近くに来るまでは,30歳を過ぎた離婚歴ありで心に傷を持つゆえに,二度と傷つくことは避けようと思いながらも,現状の小さな優しさや自分の居場所を守るために,好きな男に嫌われないようにとり続ける行動は,女性の弱さと強さの両面を描いていて頷ける部分も多かった。ただ,読んでいて彼女の心のどこかが病んでいるような,こだわりや自己保身が感じられたことは決して間違っていなかった。
「どうしてきらわれたのか分からない」学生時代から,結婚,そして現在に至るまで一貫して消えない彼女の心の病巣であろう。
女性の弱さと怖さが紙一重であることに何か重い宿題を課せられたような後味の悪い作品だった。そういう意味ではすごいと思う。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.48
(5pt)

吐き気がする、読んでいて心が腐りそうな苦しさ

一言でいうと、ストーカー女性の内面を追った作品。中毒のように恋愛にはまっていく女性の狂気を丹念に描いている。けっこう長くて、しかも救いがない内容でカタルシスがないので、「何を期待して読むか?」が僕には疑問だが、ただテーマとしては興味深い。この作品では、主人公の水無月が、
1)なぜそのような狂気に苛まれる動機を持つに至ったか?
2)この後、彼女はどう生きていくのか?
が、つまりは原因と結果がまだ「描ききられていない」ので、このテーマの次の作品が見たいと思う読者や評論家は、多いと思う。だから多分僕は、彼女の作品は、いくつか読むと思う。
ただ、このテーマを描くにあたって、同時代性や女性の共感を当てにしすぎていて「言葉による描写」というのは存外少ない。作者はもう少し勉強が必要な気がする。たぶん、時代的に「あーこれって私みたい」と思う女性は多いと思う。ただ、そういう共感という名の感性に支えられた作品は、時代を超えない。だから、もう一歩と思う。まだこのレベルで、大きな賞をあげるのは、早い気がする。といっても、この作品がいつの発表なのかとか文壇での地位は全然知らないで書いているんだけど。
また読んでいて、この主人公の被害者意識とこずるさに吐き気がした。
まず「全部受身」「男性と付き合うことがすべて自分自身のセラピー」
それは、甘すぎるよ。もっと世界と戦って、正々堂々と自分自身のほしいものを獲得すべきだ。全力で、野蛮ではあるけれども自分のほしいものを偽らず獲得しようと戦っている創路を、非常に「大人だ」と水無月が評するシーンがあるが、そのとおり。それが大人なんです。欲しいものは、自分で奪うしかないの。それを、主人公は頭でっかち(だから頭は中途半端に良いのだと思う)に考えてばかりいる。頭で考えすぎる人間は、心が狂うパターンがよくある。人間とは、頭と身体と感情の三位一体で構成されているといったのは、コリンウィルソン だが、主人公(=著者)は中途半端に頭に偏っている。だから、これだけ恋愛の話であるにもかかわらずSEX描写のシーンが、ほとんどなく、頭ではなく身体が感じる描写のシーンが物凄く少ない。これは、将来著者の最大の弱点になるような気がする。
とはいえ、全体としては、いい小説でした。個人的に、出てくる登場人物の性格が、ほとんど大嫌い(笑)なだけでした。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105
No.47
(4pt)

作者は恋愛の達人?

大人の小説。読んでいてそう感じた。恋愛をする女性の心理をここまで細やかに描いているなんて!作者は恋愛の達人では?きれいな恋愛の話ではない。どこか現実味のある話だから、引きつけられるのではないだろうか。しかし、女性遍歴豊かな男性にそこまで振り回されることもないのでは?読んでいてじれったい面もあった。
恋愛中毒 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 恋愛中毒 (角川文庫)より
4041970105