秘密

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評判

秘密の評価:

3.92/5点 レビュー 12件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.92pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 21〜23 2/2ページ
No.3
(5pt)

上下巻あるが久々の一気読み

小拙の方針としてあまりプロの評論家でもないので、下手に乾燥をかくとネタばれになるので、娘ローレルの利発さと、戦中と現在の交互の内容の展開。まあすぐ買ってよんでみて、おもしろいから。
秘密<上> Amazon書評・レビュー: 秘密<上>より
4488010083
No.2
(5pt)

「人の営みは科学じゃないってことを教える」(下巻25頁)小説

1961年夏、英国サフォークで暮らす16歳の少女ローレルは、突然現れた見知らぬ男を母ドロシーが刺し殺す場面を目撃してしまう。抱えていた幼い息子に男が手をかけようとしたから、と主張する母。事件は正当防衛として処理され、死んだ男も当時近在の人々を不安に陥れていた変質者と判断された。
 それから半世紀。いまやイギリスを代表する性格俳優となったローレルは、余命いくばくもない老母のため故郷へ戻ってくる。そして思い出す。あのとき死んだ男は母をドロシーと名前で呼びかけていたことを。母と男は顔見知りだったのでは? それならば、母が男を刺した本当の理由とは…?

 『忘れられた花園』のケイト・モートン、待望の新刊です。翻訳を待った甲斐がありました。『忘れられた花園』を上回る展開が読者である私を問答無用の力で牽引し続けました。ページを繰るのももどかしい書とはまさにこのことをいうのでしょう。

 異なる時代と空間を交互に描きながら、薄皮を徐々にはぎとっていくかのように真相へとたどりつく物語構成。それは前回の『忘れられた花園』を踏襲したものです。ですが、前作以上に時代が現在に近いせいか、真相解明の途上でインターネットの検索作業が登場するなど、物語はより身近な印象を与えます。

 実は私は、母ドロシーの抱えていた<秘密>がどんなものであるか、下巻に入ったあたりでおおよそ予想がつきました。類似の<秘密>を抱えた小説は決して珍しくないからです。
 ですが、そのことが私の読書の興を削ぐことは一切ありませんでした。確かにこの小説はミステリーの部類に分けられるものでしょうし、東京創元社というミステリーの老舗出版社から出ていることもあって、謎解きの醍醐味を味わいたいという読者が数多く手にすることでしょう。とはいえ、謎が明らかになった後に、この上下巻あわせて600頁を超える大部の物語で、女性たちの抱えた悲しい歴史を思い返し、こぶしを握り、奥歯をかみしめる思いを抱くことこそが、この小説が与えてくれる真の醍醐味だと思うのです。

 そして決して忘れてはならないのは、前回に続いてほれぼれするような日本語でこの物語を届けてくれた訳者・青木純子氏の存在です。
 『忘れられた花園』のレビューで私は、青木氏がsurvivorという単語にあてた「へこたれない子」という訳語に強く眼を惹かれました。そして今回、同じsurvivorに氏は「頑張り屋さん」(上巻56頁および同176頁)という言葉を当てています。そう、このように日本語ではなかなか決まりの訳語を見出しづらいsurvivorこそが、前回と今回の小説の肝の部分なのです。登場する女性たちがいかに過酷な時代と社会をsurvive、つまり<へこたれることなくがんばって生き抜いた>か、そのことを思い切り味わい、登場人物たちとともに歩む小説、それがケイト・モートンの作品なのです。

 大変見事な小説でした。

*訳者をほめておきながらこう書き添えるのも気がひけますが、上巻の169頁に若い娘が「whatever」と書かれたTシャツを着ているという場面の翻訳だけが気になりました。青木氏はこのTシャツの文字を<なんなりと>と訳していますが、現代の若者が使う「whatever」は<別にぃ><どうでもいいけどぉ>という、ちょっと世の中をなめた感じのニュアンスがあり、大人が顔をしかめる言葉として知られているものだと思います。ですからあたかも執事が主人に申し上げるような<なんなりと>という訳語はふさわしくないと感じました。
秘密〈下〉 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密〈下〉 (創元推理文庫)より
448820208X
No.1
(5pt)

「人の営みは科学じゃないってことを教える」(下巻25頁)小説

1961年夏、英国サフォークで暮らす16歳の少女ローレルは、突然現れた見知らぬ男を母ドロシーが刺し殺す場面を目撃してしまう。抱えていた幼い息子に男が手をかけようとしたから、と主張する母。事件は正当防衛として処理され、死んだ男も当時近在の人々を不安に陥れていた変質者と判断された。
 それから半世紀。いまやイギリスを代表する性格俳優となったローレルは、余命いくばくもない老母のため故郷へ戻ってくる。そして思い出す。あのとき死んだ男は母をドロシーと名前で呼びかけていたことを。母と男は顔見知りだったのでは? それならば、母が男を刺した本当の理由とは…?

 『忘れられた花園』のケイト・モートン、待望の新刊です。翻訳を待った甲斐がありました。『忘れられた花園』を上回る展開が読者である私を問答無用の力で牽引し続けました。ページを繰るのももどかしい書とはまさにこのことをいうのでしょう。

 異なる時代と空間を交互に描きながら、薄皮を徐々にはぎとっていくかのように真相へとたどりつく物語構成。それは前回の『忘れられた花園』を踏襲したものです。ですが、前作以上に時代が現在に近いせいか、真相解明の途上でインターネットの検索作業が登場するなど、物語はより身近な印象を与えます。

 実は私は、母ドロシーの抱えていた<秘密>がどんなものであるか、下巻に入ったあたりでおおよそ予想がつきました。類似の<秘密>を抱えた小説は決して珍しくないからです。
 ですが、そのことが私の読書の興を削ぐことは一切ありませんでした。確かにこの小説はミステリーの部類に分けられるものでしょうし、東京創元社というミステリーの老舗出版社から出ていることもあって、謎解きの醍醐味を味わいたいという読者が数多く手にすることでしょう。とはいえ、謎が明らかになった後に、この上下巻あわせて600頁を超える大部の物語で、女性たちの抱えた悲しい歴史を思い返し、こぶしを握り、奥歯をかみしめる思いを抱くことこそが、この小説が与えてくれる真の醍醐味だと思うのです。

 そして決して忘れてはならないのは、前回に続いてほれぼれするような日本語でこの物語を届けてくれた訳者・青木純子氏の存在です。
 『忘れられた花園』のレビューで私は、青木氏がsurvivorという単語にあてた「へこたれない子」という訳語に強く眼を惹かれました。そして今回、同じsurvivorに氏は「頑張り屋さん」(上巻56頁および同176頁)という言葉を当てています。そう、このように日本語ではなかなか決まりの訳語を見出しづらいsurvivorこそが、前回と今回の小説の肝の部分なのです。登場する女性たちがいかに過酷な時代と社会をsurvive、つまり<へこたれることなくがんばって生き抜いた>か、そのことを思い切り味わい、登場人物たちとともに歩む小説、それがケイト・モートンの作品なのです。

 大変見事な小説でした。

*訳者をほめておきながらこう書き添えるのも気がひけますが、上巻の169頁に若い娘が「whatever」と書かれたTシャツを着ているという場面の翻訳だけが気になりました。青木氏はこのTシャツの文字を<なんなりと>と訳していますが、現代の若者が使う「whatever」は<別にぃ><どうでもいいけどぉ>という、ちょっと世の中をなめた感じのニュアンスがあり、大人が顔をしかめる言葉として知られているものだと思います。ですからあたかも執事が主人に申し上げるような<なんなりと>という訳語はふさわしくないと感じました。
秘密<下> Amazon書評・レビュー: 秘密<下>より
4488010091