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指名手配 特別捜査官七倉愛子
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指名手配 特別捜査官七倉愛子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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長年にわたって逃亡していたオウム真理教の特別手配犯が捕まったということもあり、指名手配犯を見つけ出す「見当たり捜査班」を描いたこの小説に興味を持った。しかし、読後の感想は、残念ながら今一つ。なにせ、状況設定が甘く、突っ込みどころ満載なのだ。 まず、最初に出てくる手配犯・藤森への捜査であるが、長野県で起きた空き巣事件の犯人に対して、警視庁がそこまでの捜査体制をしくのであろうか。日本全国で、窃盗事件は年間何十万件も起きているのに……。これでは、見当たり捜査班は、何十万人もの容疑者を記憶しておかなければならなくなる。実際の見当たり捜査は、事件の軽重によって、優先順位をつけているはずだ。それに第二話の「連れ去り」だが、これも、単に夫婦間における子供の連れ去りに対して、警察がこれだけの初動捜査をすることはないだろうと思う。こんなことにいちいち対応していたら、警察官が何人いても足りない。 最後の場面、逃走犯に真実を知らせるために指名手配ポスターにシールを張るという方法についても、まったく理解できない。殺人事件という大事件になったのだから、マスコミに流せば、すぐに報じてくれるはずなのに。 また、登場する人物たちの心理描写もあまり現実味がない。たとえば、物語の後半に出てくる坂井瑞江という女性に関する記述。その女性は、過去に空き巣をはたらいた人間を無意識のうちに匿っていたことになるのだが、「彼女は自分の犯した罪の大きさに恐れおののいていたに違いない」という表現はあまりにも大袈裟ではないか。 また表現でいえば、「ドキッとして」「ホッとした」「ハッとして」など、中学生の作文のような言葉が頻繁に使われており、何作もの小説を世に送り出している著者の文章とはとても思えない。 さらには、本筋とは全く関係のない余計な文章や会話があり、それも物語の伏線的なものと思いきや、まったくそうではないのである。これは冗漫以外のなにものでもない。 いずれにせよ、ただあらすじをなぞっただけというような物足りない小説だった。人間関係があっさりとしすぎて、なにか重みに欠けるのだ。 | ||||
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