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錨を上げよ
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【この小説が収録されている参考書籍】
錨を上げよの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全198件 121~140 7/10ページ
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自伝ものが好きで手に取りますが今回百田先生を読んでみようと思い購入した。私は基礎的な知識もろくろくないし何ら語る資格のない者ですがレビューさせて下さい。大阪に生まれた主人公作田又三。当時の時代の背景が素直に浮かぶ。気性の激しい母と祖母の到底今では考えられない暮らし何故か私には懐かしく感じてしまう。過疎化した今の時代においてまだ日本人が日本人でいられた。喧嘩も普通にできもし又三が今の時代に来たらどう思うのかな?そう思いながら読んでも見る。又日本人の恥ずかしさとは何か?一括りにした恥ではなく。又三の少年期の純粋な恋心は素直に読めた。学業を諦めながらもそれではならないという葛藤した心。政治も教育も恋愛も混沌としている世の中。人間らしく生きることを思い出させてくれる。 | ||||
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単行本の上巻を読み終えた。 ため息しかでないほど、主人公の生き様が凄い。百田先生と言えども29歳当時のアマチュア時代に書いた処女作である。ケチのつけようがない完璧な作品。私も作田又三に生まれ変わり、一度、破天荒な人生を生きてみたい。果たして下巻の行方は… あなたの人生にお薦めの一冊です。 | ||||
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百田先生の中で一番文庫本化が遅い理由があるのか?とにかく、久しぶりに熱くなりました。どうしていままで文庫本にならなかったのが不思議です。良かった❗ | ||||
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ドン・キホーテのようなと言ったらいいだろうか。 まだ2巻目かと思うと、確かに長い、長すぎるくらい長いのだが、ストーリーが今後どうなるかということとは別に、ページ単位、段落単位でおかしくも刺激的で、十分楽しめている。 正直なところ、この本は結末がどうなるかは関係ないのではないか。その瞬間その瞬間の作田又三に驚き、呆れ、ため息をつく。そういう楽しみ方の本だと思う。 それがいつの間にやら結末までたどり着いたらラッキーと思って読むのがいいと思う。 | ||||
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本著作を50頁ほど読み終えた時、太宰治の「人間失格」の学園版か、という印象を受けたが、実は「学園」と いう「縛り」が百田ワールドの「味噌」を引き立てる調合材なのである。 時代設定からして大東亜戦争が終わって十年目とのこと。「作田又三」というその主人公、少年時代の成長期 の「荒れくれ一匹狼」的な人物描写には目を見張るものがある。今日の恭順化した学生とは一線を画す。 夏休みに入ると、単車に乗ってツーリングをするが、快適さと程遠い、警官に職務質問され「パク」られる。 あげく村人との暴力沙汰を起こし、執拗なまでに追跡されてしまう。その様相は、まさに北朝鮮から韓国へと 逃避する脱北者そのもののであった。 およそ、「彼」ほど、人生という荒野において無数の罠や落とし穴に引っかかり、その度に命からがらに這い 上がってきた獣はいない。波瀾万丈な人生を何故、少年時代から送ってきたのだろう。「運」や「環境」では 片付けることのできない、ニトログリセリン並みの「彼」の感情の起伏に由来するのである。 それでも偉大なる“神”は、「彼」に人生を賜うた。自然界の循環系の“片隅”で生きることをそっと“許して”いる のである。 “我”は“何者”でもなく、どこに“属す”るでもなく、どう“生きる”かも定かではない。 百田氏の作家として門出した、“初春の心情”を謳っているかのように思えた。 | ||||
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主人公の作田が百田尚樹さんの分身のような印象ですが、これが 若い頃に書かれた伝説の著作とは百田さんは凄い才能ですね。 もちろん、単行本も買ったのですが、今回の文庫化を機会に文庫も購入しました。 若い頃に書かれたものですが、知識量は凄いなと感心します。見所は多いのですが 序盤の同級生が 将棋の棋士を目指して上京するくだりなんか、よく出来た話だなーと思います。 百田さんの小説は、ほぼ、読了していますが、この作品は異色の作品ですね。 どこを読んでも面白いです。作田又三の性格や生き方が面白くて興味深いです。 | ||||
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まだ出航編読み終わりかけです。 時代はとても自分自身に近い事から、懐かしく思う事多く、ああこうだったな、こうだったなと自身とラップさせてしまう事多し。 世の中が適当な時期からドンドンと変わって行く状況がリアルに書かれているから、読みながら主人公頑張ってと、ついつい応援してしまう。 私にとっては、とっても身近な作品で、読んだ後に頑張って行こうと勇気を貰う作品の一つだと思う。 ありがとうとしか言えない。 | ||||
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百田尚樹の実質的な処女作なのだが、その内容は自身の自伝的な内容で、作田又三にありったけのエネルギーをぶち込んだピカレスクロマンである。人によっては全く理解できない、やたら長い作品で、こんな男の人生に魅力は感じられない、などという意見もあって興味深い。 私自身、主人公の作田又三と生まれた年はそれほど離れていないので、当時の政治・経済・社会などに関わる事故や事件、イベントなどは実際に見聞きし、経験してきたが、自分の人生についてはノンポリ学生だったこともあって深く突き詰めて考えたことはなかった。 その点で主人公の思いや行動にはついて行ける部分もあるが、その実、成長途上の人間が誰しも経験するであろう悩みや苦しみ、心の葛藤などを内に秘めた主人公が、暴力や女性関係など派手な見かけとは逆にナイーブでシャイな人間性を、その行為によって覆い隠そうとした結果の表れであるということが後にわかってくる。 これが、どこまでが実話でどれが脚色されたものであるかは著者自身にしかわからないが、過去にいろいろな経験を積んだことが現在の自分を形作ったことは間違いのない事実であり、そこにこの小説の神髄を見いだせるのだと思う。 | ||||
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主人公の人間味のある行動と、簡潔な文体が良いと思います。批判する人が多く大変だと思いますが、百田先生には今後も小説家を続けていただきたく思います。 | ||||
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百田作品をすべて持っています。一番好きな百田作品です。29歳の時に作者が初めて書いたというこの小説は荒削りだがものすごいエネルギーに満ち溢れています。 読むたびに又三の生き方に衝撃を受けます。 すでに2回読んでいましたが、今回単行本になるにあたり錚々たる方達が解説を書かれれているということなので購入しました。 まず、1巻末の幻冬舎社長の見城徹さんの解説を読みました。 本編を読むのが楽しみになります。 2巻の太田出版社長の岡聡さん、3巻の中瀬ゆかりさん、そしてなんといっても4巻解説の有本香さん解説が今から楽しみです。 | ||||
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嘘、偽り、奢り、優越感、、、そんなものが大嫌いな、そして愛国、人類愛、正直、素直、そんなものが大好きな今の百田さんがどのように形作られていったのか、この第1巻を読んで妙に納得してしまいました。昭和天皇の立派なお振る舞い、ラグビーワールドカップで試合後にお互いを称え合う姿を「立派だ」「美しい」とおっしゃる、そのまっすぐでしなやかな人としての姿は、昭和30年代の種々雑多(言い方は悪いですが)な人間たちに揉まれ、見守られたからこそ培われたものだと思いました。私は東京生まれですが、大阪の長屋にぐいぐい引き込まれてしまう、魅力溢れる作品。続きが楽しみすぎです。 | ||||
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「作田又三」というその主人公。一言で言えば、獣並みの洞察力と嗅覚をひた隠しする。 ある時には、職を辞退し、家庭教師のバイトを始めた。「作田先生はインテリで礼儀もよく知っている。」 との偶像を作り出し、「カモ」”る”こともできた。 また、ある時には、大学に入学して左翼思想の強い「ヨーロッパ文学研究会」なる学術会に入った。 「たじろく」ということはなかったが、親衛隊率いる「加納沢子」という女性に骨の髄まで夢中になってし まった。政治信条など埒外で、このときには、手ひどく「カモ」“られた”。 「彼」の人物像とは「合わせ鏡」で例えるなら、ひとえに「女」のことだけ終始し、この軸線にブレという ものを感じない。 では、「合わせ鏡」の反面には何が写し出されるのであろうか!? 読者心情からすると、”芯”を求める。 およそ「加納沢子」という「左翼まじき」に対抗言論をもちかける愚策にでてしまった。 それで「嫌われた」との虚像が膨らんでしまい、ストーカのごとく追い回す羽目となった。 そこに、サークル仲間を敵にしたあげく、集団リンチにあう。 それでも、急死に一生を得た。 相似する「一匹狼」同士の協調ともいうべきか、アルバイト先の「柿本」が「罠」から窮地を救ったからだ。 「作田又三」は、表層面だけを追い求めると、無数の罠や落とし穴に引っかかり、救いようがない。 親からの学費も刷り込み、母は俗物化し、父親は逝くにも立ち会えず、そこで、再度問う。 いったい、その対極に何が写し出されているか!? 「永遠なるゼロ」ではないか!!航海で例えるなら、とうに「座礁」している。 羅針盤もない航海ほど怖いものはない。はたして、読者を引きつける感情移入ができるのか!? より深く、「浸水」していくのである...。 | ||||
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タイトルは知っていたが、既読の友人らがこぞって「まったく面白くない」と言っていたので読んでいなかった。今回、文庫化にあたって書店で平積みしているのを見て衝動買いしてしまった。まだ第一巻の途中であるが若い頃にこれだけの長編を書き上げて、それが放置されていたことが驚きだ。また、冒頭から百田氏の知識量には圧倒される。 凡人の私には文学における芸術性の評価は難しい。 音楽や絵画においては専門家達がこぞって最高だ!との評価を下せば、それを理解できない凡人でも「最高なのか!」と信じる裸の王様状態である。そうでなければピカソ作ゲルニカなど子供の落書きにしか見えない。クラシックの良さが分からなくても流しで鑑賞できる。しかし、文学となるとそうもいかない。 音楽や絵画のように流し鑑賞ができないからだ。本を通じて作者と読者が鏡に向かい合うように1対1の対応になるために、読者にも相応のレベルが求められる。故に多くの本は大衆娯楽的な傾向にありラノベや恋愛物がブームになったりする。 本作は百田尚樹氏の魂のエネルギーがフル回転したような小説であり、これにどれだけの読者がついていけるかどうかは疑問である。読者置いてきぼりで突っ走ってしまうような気もする。 百田氏は自身の最高傑作だと述べているが、その通りであろう。 百田氏の作品には音楽のようにも感じる。繰り返しになるような表現があってもそれはくどさではなく、音楽のリズムのように心地よい。内面描写の細かさはどこかロシア文学を読んでいるような気分になってくる。 かつて浅田次郎氏の講演会にて氏が「これは大ヒット間違いなしの傑作だ!と思った作品が売れずに、意外な作品がヒットするものだ。」と述べていたのを思い出す。同じようなことは作曲家からも聞いたことがある。 創造者と読者との意識や琴線とのづれである。 百田氏は本書を単行本かする気はなかったと言ってた。廃版になるならそれでも良いとも。 それは、この作品については大衆迎合する気持ちはないということではないかと思う。 天才の仕事とはこうしたものか。 第四巻まで凡人の私が置き去りにならないか不安でもあり期待でもある。 | ||||
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いわずもがな。 ここからさらにワクワクさせてくれるなんて 最高ですね。 文字を読んでいるだけで、本当にリアルに物語を感じる。 いや~、面白くていっきに読みました。 大変にお勧めです。 | ||||
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読んでる間こんなに楽しい思いができた本は他にあっただろうか。この続編を書いてから引退して頂きたいと心から思う。 | ||||
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破天荒の極みのような男、作田又三の物語、その後編です。 社会人になってからも彼の奔放な生き様は変わることなく、本巻においてもその姿がスリリングに描かれています。 各地を転々とし、様々なトラブルを巻き起こし、あるいは巻き込まれ、傷つき、打ちのめされながらも、自らの思いや欲望に抗うことなく激情のままに生きていきます。 しかし、本書の後半過ぎ辺りから物語は大きな転換点を迎えることになります。 そのキーパーソンとなるのが、久子、保子、そして影山の3名のキャラクターです。 この3人を通じて、又三は自分が有する「愛」というものの正体について、その欺瞞性を知らしめられることになります。 決定打となったのが放浪中にタイで知り合った影山から投げつけられた言葉であり、これにより又三は、これまでの自分が如何に身勝手な感情を相手の女性たちにぶつけていたのかを思い知らされます。 それまでの人生において、自らの気持ちに嘘偽りなく、彼流の誠実さをもって多くの女性たちに愛を捧げてきた又三。 しかしながら、真に彼のことを愛したと思しき2人の女性に対し、彼の態度はあまりに無慈悲で冷酷で、身勝手なものでした。 風俗嬢として働いていた過去を持つ久子に対しては、その過去を受け入れること出来ず、酷い非難の言葉を浴びせかけた上で一方的に付き放してしまいます。 かと思えば、一度その怒りが収まると、今度は体よく復縁を迫ったりと、全く節操がありません。 唯一人結婚して幸せで満ち足りた生活をやっと手に入れたと思った保子に対しては、たった一回の過ちを赦すことが出来ず、泣きすがる彼女の話をまともに聞こうともせず、こちらも一方的に離婚してしまいます。 確かに、浮気現場を直接目にしてしまっては憤懣やるかたない激情に襲われるのは当然ではありますが、それじゃお前はどうなんだという思いが込み上げてきたりもして・・・ここでの又三の態度には本当に辟易させられました。 ・・・で、案の定後になってまたもや未練がましい想いを彼女に対して持ち続けたりもしています。 という具合に、とにかく彼の態度は終始身勝手なものであり、僕の個人的な感覚とは全く相容れないものでありました。 物語の終章になって登場した影山という男は、そんな僕のモヤモヤとした気持ちを一気に吹き払ってくれた存在であり、又三の「愛」の欺瞞性をものの見事に喝破してくれたのです。 ここに来てようやく、この物語全体が内包していた主テーマの一端が明らかにされたという思いを強く抱くことができました。 男性が女性に対して抱くありとあらゆる形での情愛。 その本質について熟考させるのが本作の大きなテーマのひとつである。 ・・・個人的には、本作についてそのような作品であったのではないのかと、思うようになりました。 ただし、それは明らかに本作を語る上での一側面にしか過ぎないであろうことは、僕も重々理解はしているつもりです。 本書には、又三が生きたこの時代に存在していた、ありとあらゆる社会的及び思想的な背景も網羅されており、著者は折に触れそうした諸々についても主人公を通じて再三に渡って浮かび上がらせています。 そうした部分も絡めながらこの作品は熟読していかないと、その奥深いところにある核心を知ることは出来ないと思うのです。 百田さんは、本作品を「純文学」として上梓されています。 上辺にある読みやすさだけにつられてさぁーっと読み切ってしまうと、とんでもない誤読を犯してしまう危険性を内包した作品であるとも思います。 本来は、何度も読み返すのがベストな作品であるとは思いますが、如何せん尺が長いため、おいそれとそういう訳にもいきません。 本作が有する真の主題_それは一つではないような気はしますが_、それを知悉するには、まだまだ長い長い時間が掛かりそうです。 | ||||
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この本は、作田又三という破天荒な男を主人公とする物語です。 とにかくバイタリティに溢れた男であり、その行動力たるやハンパじゃありません。 こうと決めたらとことんまでやり抜き、いくら叩きのめされようが足蹴にされようが、ゴキブリ並みの生命力で這い上がってきます。 自分の欲望に対しては極度に忠実であり、自制という行動規範はほぼ皆無に等しい面もあります。 不思議に人を惹きつける面もあるらしく、本人が思っているほど孤独が似合うような男でもありません。 但し、それは両極端な面も多分にあって、嫌われる人間にはとことん嫌われるという人でもあります。 要するに、極めて人間味に溢れた人物像が彼の中には存在していて、とにかく面白い人物であることは確かなのです。 そのぶっ飛んだ言動や行動力に、誰もが唖然とさせられる、そういった類の人物なのです。 しかしながら、そうした性格であるが故に、そこに起因するダークサイドもまた彼には厳然として存在しています。 身勝手、自己チュー、横柄、短気、下品、粗暴、すぐに手が出る・・・等々。 おまけに一度気が抜けると途端に怠け癖が出てきて、とてつもなくだらしない人間になってしまいます。 著しく安定性を欠いた性質の持ち主であり、傍目に映るその姿は、まさしく風来坊と言って良いでしょう。 本書は、そんな又三の半生を描いた物語であり、この上巻では出生から学生時代までが描かれています。 で、上述したようなそうした彼の性格でありますから、本書ではとにかく徹底的に暴れまくっています。 そしてその生き様というのはまさしく野生児そのもので、まるでジェットコースターにでも乗っているかの如くの目まぐるしいライフスタイルを目の当たりにすることが出来ます。 ・・・そして、そんな又三の姿がとにかく面白い! スリリングかつスピーディーなストーリー展開に、ハラハラドキドキさせられるのです! ページをめくる手が止まらなくなってしまうのです! ・・・しかしながら、読み進めていく内に、ハタと気付かされます。 「この物語の落としどころって、一体どこにあるのだろう?」 「面白いのは間違いないけど、正直何の感動も得られない物語だよな」 「大体、この主人公、確かに珍しいタイプの面白いキャラクターではあるけれど、全く共感できない!それどころか、あまりにも自分勝手な部分が目に付いて、うんざりさせられる!」 特に、女性に対する異常なまでの執着については、ほとほと辟易させられたりもします。 ・・・そう、彼は惚れた女性に対しては、他の何よりも欲望を丸出しにするタイプの男なのです。 何度も何度もぺしゃんこにさせられながらも、彼は不屈の精神力で(?)、女を求め続けるのです。・・・ ・・・最高に面白いけど、若干うんざりかな・・・ 例えようのない複雑な気持ちを抱えつつ、この上巻を読み終えたというのが、偽らざる僕の本音だったりします。 しかしながら、この物語の本分は下巻の方にこそありました。 本書はそこに至るための前振りであり伏線でしかなかったのです。 | ||||
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昭和三十年代の大阪が生き生きと描かれており、主人公である「作田又三」が著者の百田尚樹氏とダブルと思われる箇所も随所に鏤められている気がする。 社会背景など読者の実体験と重ね合わせて読み進むうちに、まるで本と”会話”をしているような感覚にさえなる。 主人公の「又三」が破天荒な振る舞いと、一人称で「ぼく」として描かれているのも興味がふかい。 多くの男性読者が大なり小なり「又三」と重なり合う経験は、まさに百田ワールドの面目躍如と感じました。 再読(読み返し)も楽しみな一編です。 | ||||
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上巻では比較的なじみのある昭和三十年代から下巻では昭和60年頃までの時代背景で描かれています。 残念ながら小説の風景が個人的には想像の域を超えることがなく上巻ほどの脳内視覚化は出来ませんでした。 はらはら、ドキドキのめちゃくちゃ「又三」ですが、女性に対する”愛”は、それなりに極めて真摯であることが書き上げられており、タイプの違う”女性愛”観も登場し、自分を省みると今は失くしてしまった”甘酸っぱい”感覚が甦ってきます。 エンターテイメント作品であれば読後に”プロット巧みさ”など、作品自体によって完結されると思うのですが、この「碇を上げよ」(上・下)では、作品と会話をして、読者自身が作品を補完して完成される感じました。 その意味から30歳で読まれた方と還暦を過ぎた昭和三十年生まれが読んだ場合では全体の感想は大きく異なるとおもいます。 又同じ読者でも作品のど真中の20代、30代で読まれた場合と60過ぎで読まれた場合では読後観は全く異なるのではないでしょうか。 私は昭和三十年生まれですが、高校同窓会で男同士で話題となる一冊となること請け合いです。 | ||||
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百田さんの自伝的純文学作品。もう読み出したらやめられない。作家・百田尚樹の原点、全てがある。特に70年代に中高生、大学生で、バブルも体験した世代にとっては、ぐっと来るエピソードがてんこ盛り。特に左翼の暴力話、当たり前のようにあったな。百田氏の小説、脳内に「映像として」残る感じ。8年前に読んだのに今でも体験した事実みたいにビビッドに脳内に甦る。本当に読んで良かった。 | ||||
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