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列島融解
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列島融解の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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以前に購入したのと同じのを注文してしまったので★二つ。 情けない。 | ||||
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本書の内容は最後まで読むと納得できる箇所もそれなりに多くあります。 しかし、途中の原子力エネルギーに関しては著者の知識、考察に稚拙な面が目立つので、その部分がとても残念です。 原子力エネルギーの最大の課題は、3点だと考えています。 (1)電力生成効率 (2)産業廃棄物 (3)生活様式に適用させた柔軟な電力生成変動(可変型発電能力) だと私は考えています。 (1)に関しては、重油、ガスの石化燃料による発電効率は非常に高いです。 しかし、原子力発電では、原子力によって発生させるエネルギーの30%程度しか発電に利用できていません。 残る70%は放出して捨てています。 著者が養殖に利活用できると記していますが、その利活用を考えても捨てている熱量(エネルギー)がはるかに多いです。 このエネルギー利用の効率化は技術力によって改善できると思いますので、安全性の向上と並行して早急に取り組み メイドイン日本の高効率発電を実現させる必要があると思います。 (2)産業廃棄物に関しては、一般に放射性廃棄物として知られており、福島原発での事故においても、1号機~4号機の ほかに使用済み核燃料を貯蔵しておく貯蔵プールが存在していたことをみなさんも知ったことと思います。 この燃料貯蔵プールで完全に冷却されたのち再利用されることになっていますが、現在の再利用も効率が悪く、大半は 放射性物質を含んだまま廃棄する必要があります。 このため、現在は地下深くに廃棄する方法がとられていますが、この地下廃棄の場所を作るエネルギーや費用を考えると 原子力発電は必ずしも効率のよい発電方法とはいえません。 端的にいえば、かなり効率の悪い、割りに合わない発電方法なのです。 (3)福島原発の事故で皆さんもご存知のとおり、原子力発電は核燃料棒の中でを核分裂させた際に発生する熱を蒸気に 変えて蒸気タービンによって発電する方式です。 核分裂の制御には制御棒と呼ばれる核分裂の際に発生する中性子を吸収し、分裂反応の速度を調節して発電量を調節 します。(制御棒は基本的に発電量を調節する目的だとは誰も考えていませんけど。。。) 制御棒を使って核分裂を抑制する場合でも、数分、数時間の単位で核分裂反応を制御して、発熱量を調整できるものではなく 基本的に定期点検など数ヶ月、数週間の期間をかけて調整する仕組みです。 しかし、私たちの電力消費は、昼間に非常に多く使われ、夜間は少ないという時間変動がかなり大きいです。 原子力発電での発熱量調整は、この生活様式にあわせた周期での制御が難しいため、原子力発電所とは別に新たに 揚水式発電所を建造し、原子力発電での夜間の余剰電力で揚水式発電所の下から上へ水をくみ上げ、電力消費の大きな 昼間には水を上から下へ落とすことで水力発電を行います。 したがって、原子力発電の場合は、かかるコストは原子力発電所の建造のみならず、この揚水式の水力発電所も併設しなければ さらに効率の悪い発電方式となってしまいます。 ここまで説明すれば皆さんもわかって頂けると思いますが、原子力発電は非常にコストパフォーマンスの悪い発電方式です。 ですから、著者が言っているよりもはるかに原子力依存度を早急に解消しなければ、効率の悪い電力を買わされ続ける訳です。 つまり、原子力エネルギーは本格的に商用に投入されるような代物ではなく、緊急避難的に特別仕様として利用されるような 発電方式だといえます。 しかし、石化燃料を原料とする発電の後継として、国を挙げて推進してきたものが原子力発電しかないため、今の生活水準や 工業生産性を維持するためには、緊急的に原子力に一時依存せざるを得ません。 著者が述べているよりもはるかに可及的速やかな脱原子力発電が必要なのです。 しかし、原子力の技術がすべて悪い訳ではありません。 今の核分裂方式には限界がありますが、放射性廃棄物を大量に発生せず、石化燃料ベースの発電と同等レベルの高効率な 方式があれば、原子力発電の魅力は大きく変わります。 日本の技術、英知を終結して、その方式を開発し運用していくことも選択肢としてはあると考えています。 このあたりをもう少し深く掘り下げて主張して頂けるなら、とても面白い小説になったことと思います。 これは著者の責任のみならず、編集者ももう少し科学技術を勉強し、著者の知識、技術の不足している部分は補うなどの工夫が あれば、このような稚拙な部分を露呈しなくてもよかったのではないかと思っています。 | ||||
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