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生、なお恐るべし
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生、なお恐るべしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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麻薬の運び屋の男がそのブツの受け取りに失敗し・・・というお話。 やたらと緊張感が感じられる、全編金縛り状態になるハイテンションのクライム・ノヴェルで、そのヴァイオレンスもリチャード・スタークやジム・トンプスンといった大御所すら想起させる壮絶な仕上がりで、これが処女作とは信じられない出来。ちょっと前にはやった。「シンプル・プラン」をも凌駕するのではないかという血の流れ方、鮮血の迸り方に圧倒されること請け合いの小説。キャラクター造形も巧みで麻薬の運び屋、それを追跡する殺し屋、巻き込まれた保安官補、それぞれに実在感があり、やはり小説はどういうものでも人間が描けてなければならないということを改めて認識しました。キング御大が絶賛したのも頷ける事実です。 まだ若い著者のこれからが楽しみな力作。機会があったら是非ご一読を。 | ||||
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人物、情景、暴力。これらの緻密な描写が魅力とされているけど、私は過剰に感じた。冒頭で登場する刑務所から出たばかりの若者。彼が刑務所に入った理由までこまごまと描写するので重要な登場人物かと思ったらすぐに死んでしまった。彼が刑務所に入った理由もその場限りで後々本筋に絡んでくるようなことも無い。 途中、主人公がキッチンの流しで水を出しっぱなしにして出来た渦を見つめるくだりがある。やってみたらわかるが、流しにいくら勢い良く水を流しても渦はできない。著者はまだ若いようだが文章から著者の人生経験の薄さが透けて見える。想像力を働かすのは良いけど、全く事実の裏づけが無いとすべてがただの絵空事に思えて感情移入できない。 私はこの作品の主題を、服役中の父と主人公のハントをダブらせることで自分と父との関係を見つめなおす若き保安官補の葛藤だと読んだのだが、訳者あとがきによると著者はハントという人物を描いてみたくてこの作品を書いたそうだ。ハントを描きたいのなら別のテーマを持ってきた方が良かったし、このテーマを書きたいのなら保安官補を主人公にしたほうが良かったと思う。 | ||||
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作品のみの評価としては星三つが妥当かと思う。 麻薬取引で下手を打った中年男を追う殺人鬼、中年男と殺人鬼を追う警察、さらには消えた麻薬を追う組織と、入り組んだ筋立てはかなり魅力的だが、いわゆるチェイス物にしては、物語が結末へ収斂していく緊迫感がやや乏しい。追う者と追われる者を多視点で描く手腕は見事だが、凄腕なのか間抜けなのかよく分からない殺人鬼を始め、登場人物の彫りが中途半端なのも惜しい。 とはいえ、これらの不満は作者に力量があるからこそ生じるものであって、まだ若い新人にはハードルの高い要求かもしれない。才気走ったきらいはあるが、次作への期待を込めてプラス星一つ。 また、本作が単行本を経ずに文庫として刊行されたことは意義深い。エンタメとして一定の水準には達しているので文庫なら買いだ。この方式での刊行が定着し作家と作品数が増えれば、いずれは名作も生まれるのではないか。そこでプラス星一つ。これで都合五つとなった。 | ||||
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刑事でも探偵でもない人が主人公。 ダメな人が主人公の本が好きです。 追手が非常に怖いです。。 また視点が主人公だけでなく変わるので、読んでいて飽きません。 主人公の中途半端な人柄がまたリアルでいい感じです。 地味ながら面白い作品でした。 登場人物の話をもっと内容を濃くして、上下巻に分けてもいいんじゃないかと思いました。 作者の今後の作品に期待したいです。 | ||||
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読み終えて、最初に思ったこと。今の日本で、このレベルに達するミステリー小説(かな?)を書ける作家が何人いるだろうか。つい先日も、このAmazonレビューで、某日本人作家の作品を酷評したばかりである。 主人公の過去との向き合い方、副主人公のまわりの人物描写などで、ちょっと甘いかなと感じる点はあったが、いやいや、このストーリーテラーぶりはたいしたものだ。息をもつかせぬテンポと緻密な構成力は読んでいて、全く飽きさせない。 若干31歳か2歳で、よくもこんな小説が書けたものだ。54歳の男の悲しみを書いて、それが結構説得力がある。いや、これだけでも読む価値はある。ラストも結構おしゃれだ。 スティーブン・キングが絶賛するだけのことはある。悪いことは言わないので、冒険小説好きの方には一読をお薦めしたい。 | ||||
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初めの1/3ほどはそれなりのスピード感もあり、いけるかな?と期待した。 半分ほど読み進んだところから、一挙に失速。最後の1/3は斜め読み。 解説にいみじくも記されているように、主人公の描写はそれなりに良く、 50を過ぎた主人公というのも珍しい。 「運び屋」と「調理人」、そこに「アジアンマフィア」と「弁護士」が 絡み、自分の父を反面休教師とした警察官も登場。 なかなかの筆力と思ったら、途中で散漫な描写が続き嫌気がさした。 プロット自体はいいと思うのだが、登場人物の描写が異常に粗雑。 主人公と警察官以外はまるで存在感がない。 「主人公を描きたかった」という作者の意図が分からないではないが、 登場人物が内面描写もろくになく、たんなる「主人公の周辺の一部」に しか過ぎない。 「調理人」もおどろおどろしいが、「怪物」でも「プロ」とも思えぬ、 一時の感情に走り自滅。 面白いどんでん返しもなく、ただ殺戮場面が続くだけ。 まだ若い(32才?)作者なので、即断は危険だが、まず大成することはない。 お勧めしません。 | ||||
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牧場を営む傍ら、麻薬の密輸に手を染めるフィル・ハント。 麻薬の運び屋で逮捕された父を持ち、それがトラウマになっている保安官ドレイク。 麻薬の輸送をドレイクに邪魔され、組織に消されることになったハント。始末を依頼された''調理師''クレイディ。 麻薬組織も麻薬を回収すべく、動き出し、熾烈な戦いが始まった。 上記3人を軸に話が進む。ある意味、「血と暴力の国」を彷彿とされる逃避行劇。 ハントの人生の再生を懸けた戦いは成功するのか。濃密な描写と、特異なキャラで読ませる。 お勧めの一作。著者は2011年現在、31歳の若手。今後の作品の翻訳も期待したい。 | ||||
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