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デッドクルージング



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デッドクルージングの評価: 3.58/5点 レビュー 12件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.58pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

ごちゃごちゃ……

作者の、このままだと日本はこんな荒廃した末期国家になるぞ、いや、もうなってるぞ!という怒りと、強い女性が暴れるのを見たい、できればいっそ殺されたいという願望と、日本の街中で特にカッコよくもない見慣れた車に乗りながら銃をぶっ放して見たい、という夢がみっちり詰まった作品で、深町氏と同じ願望の持ち主なら楽しめること間違いなしです。

馳星周などのようなノワール小説を、現代の価値観に合わせてより悲観的に作り直したAKIRAのような未来観で展開するような感じです。

ただ、息の詰まるような完成度を誇ったダウンバイローや果てしなき渇きに比べると、作者は夢を詰め込むのに夢中だったのか、どうにも雑な印象の作品です。

スラム化した東京、荒廃から目を逸らす"勝ち組"層、末期的な様相の政治、それに反旗を翻す右翼フィクサー達、その部下である愚連隊都市ゲリラ、彼らの陰謀に巻き込まれる重要人物、それを追う中国人グループ、彼らへの復讐に燃える怪物的な女特殊部隊員、それらの全てを裏から操るパチンコ業界のドン……書きたかったのであろうこれらの要素を厚くはない文庫一冊に詰め込みまくった結果、展開がドタバタしたものになっています。

好意的な意見では、息もつかせない、とか、ジェットコースター、などと褒める向きもありますが、展開や心情描写が雑な割に、銃撃戦や拷問シーンが濃密で、クライマックスになる頃には展開がかなりバタバタしています。構成のバランスが異常に悪いです。

いや、そもそも銃撃戦や拷問シーンのための小説なんだから、と言われればそれまでなんですが、深町氏の作品群の中では完成度的にはかなり下の方だと感じられます。
深町氏の作風が好きだ!というファンの方ならともかく、八神瑛子シリーズをよんではまったような方は、これより先に何はともかくダウンバイローなどの傑作を読むことをお勧めします。
デッドクルージング (宝島社文庫)Amazon書評・レビュー:デッドクルージング (宝島社文庫)より
4796687041

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