開かせていただき光栄です

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評判

開かせていただき光栄ですの評価:

4.19/5点 レビュー 37件。 A ランク

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平均点4.19pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全71件 41〜60 3/4ページ
No.31
(5pt)

グロテスク

表題の通り、グロテスク、としか表現のしようがありません。
でも、とてもお気に入りです。
最初のページから腐臭が漂ってくるのですが、最後まで読み通すと、なんというか・・・青春ロマン?みたいな。
びっくりデスわ本当に。これを描いた方が80歳過ぎであるなんて。予備知識無しで読んだんですけど、本当に腰が抜けました。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.30
(5pt)

当時の出版事情やコーヒーハウスも、手に取るようなリアルさで…… 久々に完徹一気読み。

解剖教室の「ルパートの王子の暖炉」なる仕掛けの物体から想定外の死体が出現。
その導入部に、何とな〜くエラリー・クイーン『フランス白粉』や『ギリシャ棺』的な雰囲気を感じ……

場面切り替わり、古語を操る天才少年:ネイサンが登場、新たに発見された十五世紀の詩編を携え、ティンダル書店の扉をくぐり……
折り丁、仮り綴じ、高価な製本装丁 といった当時の出版事情も興味深く。

はじめ、並行して語られていた両者が、1点に重なり……

四肢切断遺体で発見された少年。
関係者(人一倍頭の切れる美青年と、その連れ)によって、何重にも巧妙に重ねられるフェイクとミスリード。
「なぜ? …何のために??」
読み進むうち、その謎のベールが1枚剥がれたと思いきや、下から現れるのは「次なるフェイク」。

そんな「虚言と捏造のミルフィーユ」状態な事件に、終始真摯に・どこまでも忍耐強く取り組み続けた
盲目の慧眼判事と、正直者の外科医。
↑ 冷静でクレバーなこの年長者二人の功績は大きい☆☆ と映った。

ちょっと“ブラウン神父とワトソン先生がコンビになったような感じ”??
若造たちがさかんに裏工作に走ってる事件に、信頼感と落ち着きを醸し……
渋くて◎。

本文433頁、一晩完徹でノンストップ一気読み。
この牽引力は、数年ぶり。
(自分的に、『天地明察』以来の出来事で)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.29
(5pt)

当時の出版事情やコーヒーハウスも、手に取るようなリアルさで…… 久々に完徹一気読み。

解剖教室の「ルパートの王子の暖炉」なる仕掛けの物体から想定外の死体が出現。
その導入部に、何とな〜くエラリー・クイーン『フランス白粉』や『ギリシャ棺』的な雰囲気を感じ……

場面切り替わり、古語を操る天才少年:ネイサンが登場、新たに発見された十五世紀の詩編を携え、ティンダル書店の扉をくぐり……
折り丁、仮り綴じ、高価な製本装丁 といった当時の出版事情も興味深く。

はじめ、並行して語られていた両者が、1点に重なり……

四肢切断遺体で発見された少年。
関係者(人一倍頭の切れる美青年と、その連れ)によって、何重にも巧妙に重ねられるフェイクとミスリード。
「なぜ? …何のために??」
読み進むうち、その謎のベールが1枚剥がれたと思いきや、下から現れるのは「次なるフェイク」。

そんな「虚言と捏造のミルフィーユ」状態な事件に、終始真摯に・どこまでも忍耐強く取り組み続けた
盲目の慧眼判事と、正直者の外科医。
↑ 冷静でクレバーなこの年長者二人の功績は大きい☆☆ と映った。

ちょっと“ブラウン神父とワトソン先生がコンビになったような感じ”??
若造たちがさかんに裏工作に走ってる事件に、信頼感と落ち着きを醸し……
渋くて◎。

本文433頁、一晩完徹でノンストップ一気読み。
この牽引力は、数年ぶり。
(自分的に、『天地明察』以来の出来事で)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.28
(4pt)

ミステリ初心者

ミステリは嫌いなのであまり読みませんし、途中でよく投げるのですが、
この本はそれ以外の内容で読むことができました。

ダニエルの愛弟子2人同士の話のかけあいです!
微妙に同性愛の雰囲気をかもしだしてていました。

それだけで十分だったのですが、期待に応えてついに出てきました。
そんなシーンが!皆川先生は私のような読者が読むことを意識していると思うので、
臆せず書きます。

質問とネタバレですが、
エドとナイジェルは店で寝ちゃっていたのでしょうか??

タイトルの意味?が言い換えだとしって驚きました。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.27
(4pt)

ミステリ初心者

ミステリは嫌いなのであまり読みませんし、途中でよく投げるのですが、
この本はそれ以外の内容で読むことができました。

ダニエルの愛弟子2人同士の話のかけあいです!
微妙に同性愛の雰囲気をかもしだしてていました。

それだけで十分だったのですが、期待に応えてついに出てきました。
そんなシーンが!皆川先生は私のような読者が読むことを意識していると思うので、
臆せず書きます。

質問とネタバレですが、
エドとナイジェルは店で寝ちゃっていたのでしょうか??

タイトルの意味?が言い換えだとしって驚きました。
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4152092270
No.26
(3pt)

日本人作

日本人が書いたとは思えない独特な雰囲気。ハリウッド映画として映像化されても不思議ではない。
それほど無理ない伏線とトリックで、最後まで一気に読ませるあたり。
この作家。他のものも読まないといけないでしょう。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.25
(3pt)

日本人作

日本人が書いたとは思えない独特な雰囲気。ハリウッド映画として映像化されても不思議ではない。
それほど無理ない伏線とトリックで、最後まで一気に読ませるあたり。
この作家。他のものも読まないといけないでしょう。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.24
(3pt)

個人的には好きではない

イメージしていたミステリーではない、と言う点で残念でした。時代設定がまったく自分の想像から違っていた点で、読書前に期待していたストーリー展開にならない為に「おもしろくなかった」が正直な感想です。ただ、何の先入観もなく、受け入れられるのであれば、ミステリーとしての魅力は充分にある作品だとは思いますが、好き嫌いは分かれる作品であることは否めないと思います。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.23
(3pt)

個人的には好きではない

イメージしていたミステリーではない、と言う点で残念でした。時代設定がまったく自分の想像から違っていた点で、読書前に期待していたストーリー展開にならない為に「おもしろくなかった」が正直な感想です。ただ、何の先入観もなく、受け入れられるのであれば、ミステリーとしての魅力は充分にある作品だとは思いますが、好き嫌いは分かれる作品であることは否めないと思います。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.22
(4pt)

続きが楽しみ

友人にすすめられ、ずっと読みたいと思っていたのがついに文庫に。

登場人物の多さに慣れるまでがちょっと大変でしたが、
ミステリとしての面白さはもちろん、18世紀のロンドンの雰囲気にひたりながら堪能しました。
死体解剖の部屋もロンドンの街も、臭いはすごそうですが……。

続編「アルモニア・ディカボリカ」が出たので、こちらも読もうと思ってます。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.21
(4pt)

続きが楽しみ

友人にすすめられ、ずっと読みたいと思っていたのがついに文庫に。

登場人物の多さに慣れるまでがちょっと大変でしたが、
ミステリとしての面白さはもちろん、18世紀のロンドンの雰囲気にひたりながら堪能しました。
死体解剖の部屋もロンドンの街も、臭いはすごそうですが……。

続編「アルモニア・ディカボリカ」が出たので、こちらも読もうと思ってます。
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4152092270
No.20
(3pt)

よくできたミステリーすぎて愉しむ前に読まされた感じがした

よくできたミステリーすぎて愉しむ前に読まされた感じがした。

物語は、18世紀ロンドン。
外科医ダニエル・バートンの解剖教室から、あるはずのない屍体、四肢を切断された少年と顔を潰された男性の遺体が発見された。
治安判事であるジョン・フィールディングは、その遺体が詩人志望の青年ネイサン・カレンではないかと突き止めるが...。

冒頭に事件が発生し、
四肢が切断されたネイサン・カレンの生前の話と謎解きの話を交互に展開しながら終末へと読者を誘う。

前半部分は、登場人物のかき分けが分かりにくく、グログロの解剖描写(私はあまり得意じゃない...)になっちゃうのかわからず、なかなか読みが進まなかった。
中程からは、ネイサン・カレンが破滅に向かっていくのではないかの興味と、さらなる事件を加えての謎解きも絡み合い、リズムよくページをめくるスピードがどんどんあがっていった。
結末も予想外だったし。

ミステリーの舞台と謎解きはよくできている。
でも登場人物への感情移入がしづらかった。
観客席から冷静にミステリー劇場を観覧していた感じで、勉強したような読後感。

ミステリーを勉強させていただきました。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.19
(3pt)

よくできたミステリーすぎて愉しむ前に読まされた感じがした

よくできたミステリーすぎて愉しむ前に読まされた感じがした。

物語は、18世紀ロンドン。
外科医ダニエル・バートンの解剖教室から、あるはずのない屍体、四肢を切断された少年と顔を潰された男性の遺体が発見された。
治安判事であるジョン・フィールディングは、その遺体が詩人志望の青年ネイサン・カレンではないかと突き止めるが...。

冒頭に事件が発生し、
四肢が切断されたネイサン・カレンの生前の話と謎解きの話を交互に展開しながら終末へと読者を誘う。

前半部分は、登場人物のかき分けが分かりにくく、グログロの解剖描写(私はあまり得意じゃない...)になっちゃうのかわからず、なかなか読みが進まなかった。
中程からは、ネイサン・カレンが破滅に向かっていくのではないかの興味と、さらなる事件を加えての謎解きも絡み合い、リズムよくページをめくるスピードがどんどんあがっていった。
結末も予想外だったし。

ミステリーの舞台と謎解きはよくできている。
でも登場人物への感情移入がしづらかった。
観客席から冷静にミステリー劇場を観覧していた感じで、勉強したような読後感。

ミステリーを勉強させていただきました。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
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4152092270
No.18
(5pt)

恐るべし皆川博子!

この人の作品を初めて読んだのは「聖女の島」で、頭をガンと殴られたような衝撃を受けた。
以降、皆川ファンを自認している自分だが、今作は特に面白かった。

18世紀ロンドンの解剖学や裁判制度など、一般の日本人はろくに知らないような世界を舞台にしながら、決して説明的ではなく、ユーモアあふれる登場人物の言動で自然に物語世界に惹きこんでいく。次々と湧いていく謎、そして時代背景を見事に生かした後半の展開、爽やかなラスト。

このたびこれが第12回本格ミステリ大賞に選ばれたと聞いたが、それも納得できる極上のミステリだ。

未読の方はぜひ読んでほしい。
そして、この作者を知らなかったというアナタ。
皆川博子がこの作品を出版したとき、80歳を超えていたという事実を知れば、きっとこのレビューのタイトルと同じように思うこと間違いなしだ。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.17
(5pt)

恐るべし皆川博子!

この人の作品を初めて読んだのは「聖女の島」で、頭をガンと殴られたような衝撃を受けた。
以降、皆川ファンを自認している自分だが、今作は特に面白かった。

18世紀ロンドンの解剖学や裁判制度など、一般の日本人はろくに知らないような世界を舞台にしながら、決して説明的ではなく、ユーモアあふれる登場人物の言動で自然に物語世界に惹きこんでいく。次々と湧いていく謎、そして時代背景を見事に生かした後半の展開、爽やかなラスト。

このたびこれが第12回本格ミステリ大賞に選ばれたと聞いたが、それも納得できる極上のミステリだ。

未読の方はぜひ読んでほしい。
そして、この作者を知らなかったというアナタ。
皆川博子がこの作品を出版したとき、80歳を超えていたという事実を知れば、きっとこのレビューのタイトルと同じように思うこと間違いなしだ。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.16
(4pt)

知的なグロテスク

グロテスクなものが苦手な方はご用心です。

が、かなり下調べをなさっているのがよくわかります。

ゴシックというほどではないのですが、雰囲気がとてもよく出ていて、素敵です。

どこに結末が落ちるんだろうと思いながら読んで、ほっと安心しました。結末に作家さんの人柄がにじみ出ておりました。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.15
(4pt)

知的なグロテスク

グロテスクなものが苦手な方はご用心です。

が、かなり下調べをなさっているのがよくわかります。

ゴシックというほどではないのですが、雰囲気がとてもよく出ていて、素敵です。

どこに結末が落ちるんだろうと思いながら読んで、ほっと安心しました。結末に作家さんの人柄がにじみ出ておりました。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.14
(5pt)

通の好みそうな、古き良きミステリ。

面白い。

作品の舞台となっている18世紀ロンドン。当然のことながら、そこがどんな世界かはわからないが、それでも作品世界の雰囲気がよく伝わってくる気がする。事件の有り様も含めて、ミステリ好きの好みそうな事件で、安心して読み進むことが出来る。「古き良き」ミステリの空気を持った作品。本の装丁も含めていい作品だと思う。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293
No.13
(5pt)

通の好みそうな、古き良きミステリ。

面白い。

作品の舞台となっている18世紀ロンドン。当然のことながら、そこがどんな世界かはわからないが、それでも作品世界の雰囲気がよく伝わってくる気がする。事件の有り様も含めて、ミステリ好きの好みそうな事件で、安心して読み進むことが出来る。「古き良き」ミステリの空気を持った作品。本の装丁も含めていい作品だと思う。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152092270
No.12
(4pt)

安心して読める「善意」小説

18世紀末、未だ解剖学が軽んじられていたロンドンを舞台に、ある熱心かつ優秀な解剖医とその弟子達が遭遇した事件を、ある天才少年詩人の運命と重ね合わせて描いた作品。作者のミステリーと言うと、幻想小説味あるいはM.ミラー風のサイコ・サスペンス味の濃いものが多いのだが、本作は綿密な時代考証の下で全編明るいタッチで描かれている。冒頭、解剖台の令嬢の死体が突如として両手両足切断された少年の死体に入れ替わっていたり、更に、顔面を潰された別の死体が忽然と現われたりとカーやタルボットを思わせる滑り出しだが、この謎をミステリー的に追求する(捻った解決を提供する)意図はなかった様である。

どちらかと言えば、当時のロンドンの雰囲気を背景とした時代風俗小説の要素を強く感じた。その中で、特に「善意」を描きたかったのだと思う。そう、最初から最後まで人間の「善意」を描いた作品なのである。ミステリー的要素は単なる遊びであるし、作者の余裕でもあるのだろう。解剖医を初めとし、その弟子達、探偵役を務める判事及びその助手を務める姪(!)等、キャラクター設定も良く出来ている。いつもの濃密さこそ感じられないものの、安心して読み進めれば、安心した結末が待っているという、楽しい一時を過ごせる一級の娯楽作品に仕上がっていると思う。
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) Amazon書評・レビュー: 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)より
4150311293