■スポンサードリンク
首なし騎士と五月祭
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
首なし騎士と五月祭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ペニーフットホテル・シリーズ第4弾です。夏のハイ・シーズン前のまだ静かなバジャーズ・エンドの村、ロンドンからやってきたのは貴族の御一行様、シェルボーン卿をはじめとするボスコム家3兄弟とその奥方たち。長男のシェルボーン卿は美貌の妻バーバラと人をもうらやむラブラブ状態です。 ある晩、パブに飲みに出たホテルの常連客フォーテスキュー老大佐は帰路に道に迷ってしまいます。ホテルとは逆方向の草原で遭遇したのは、馬を駆って疾走してくる首のない騎士。そして五月祭用のメイ・ポール(森から切り出された木にリボンや花を飾ったもの)に縛りつけられた女性の死体。パニックになってホテルに駆け込むも、またいつもの大ボケだと誰も相手にしません。ところが、妻が昨日から行方不明だとシェルボーン卿に訴えられたホテルのオーナー、セシリーは、この一件が大佐の話と結びついているような気がして、自ら調査に乗り出します・・というお話です。 忌み嫌われていたジプシーたちが森にやってきて住みつき、村人たちは不安を感じていたばかり。ジプシーは当時、魔法を使ったり、人を呪う得体の知れない集団として恐れられ排斥されていました。そして、首のない騎士と言えば、アメリカの作家ワシントン・アーヴィングが1820年に発表した小説「スリーピー・ホロウの伝説」がまず思い出され(ジョニー・デップ主演で映画化もされました)、また、かつてはケルト民族の祭であった五月祭とメイ・ポールなど、フォークロアな怪奇色が濃厚で、これまでとは少し展開が違うのでわくわくしました。ただ、残念ながらこれらをうまく生かしきれなかった感あり。ごく凡庸な殺人事件とその犯人で終わってしまったのは正直残念でした。 また先の巻では、メイドのガーティと厩舎番のイアンが結婚してめでたしめでたしで終わりましたが、なんとそのイアンは名前を偽っていて、しかもロンドンですでに妻がいたことがわかってしまい、ガーティはどん底に突き落とされます。この先いったいどうなるのか?そして、任地のインドからセシリーの息子マイケルが戻ってくるという知らせが。これらは次巻に引き継がれるようです。 毎度、正直ミステリとしてはたいしたことないなあ・・と思うのですが、1900年代初頭の英国の雰囲気が心地よく、また、登場人物たちの先行きが気になって、ついつい続けて読んでしまいます。ひとつ心配なのは、日本語訳が2012年出版の5巻目(1995年著)までで終わっていることです。シリーズは現在、母国で20巻も出ているようなのに。最近、儲けが出ないとみなされると、それ以上翻訳出版されないものがとても多いような気がして残念です。アン・ライスなんかもまったく出なくなってしまいましたし・・・。出版社様、採算ばかりでなく、待っている読者のために、どうか引き続き出版をお願いいたします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
紹介されて読みました。推理小説としても卓越していますが、周囲の雰囲気がいい。いかにも英国の片田舎という気がします。特にヒロインと執事の雑妙さも、それからホテルの従業員も可愛らしい。珠玉の一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大好きなシリーズです。ホテルの従業員の人生が少しづつわかってきて、シリーズが進むにつれそちらの楽しみもありあっという間に読み終えてしまいました。勿論 セシリーとバクスターのこれからも大変楽しみなところです。 優雅なセシリー逹の時代背景をイメージしながら読むのも好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今は昔20世紀初めの英国老舗旅館ペニーフット・ホテルを舞台に夫亡き後も気丈に女主人を務めるセシリーと彼女を盛り立てる個性的な仲間達が巻き起こす推理と人情のドラマを描く大人気シリーズ第4弾です。本書ではペニーフット・ホテルで働くお馴染みのレギュラー陣に悲しい大きな事件が起きるのですが、でも回を重ねるにつれてお互いの気心が知れて上辺だけでない人間性の理解も進み昔からの家族の様に絆が深まって行く温かな人間ドラマが心癒されるシリーズの一番の読み所だと思います。 1907年の春の事、平和なバジャーズ・エンド村の森にジプシーの集団がやって来て不穏な空気が漂う。そして、ある夜ペニーフット・ホテルの常連宿泊客のフォーテスキュー大佐が村の酒場からの帰り道に奇怪な首なし騎士と遭遇しメイポールに縛られた女の死体を目撃する。女主人セシリーは最初また酔った耄碌じいさんの世迷言かと片付けていたが、翌朝ホテルの宿泊客のボスコム家三兄弟夫妻の一夫人がいなくなったとの知らせを受け俄かにその関連性に思い至るのだった。 本書のミステリーの部分では冒頭の怪奇的な趣が次第に尻すぼみになるのが少々残念ですが、警察を初めとする全ての人々がジプシーを疑う中で我らのセシリーが偏見のない確かな洞察力を発揮して被害者の親族達への聞き込みから消去法により真相を導き出す手際が鮮やかな見事さです。毎回楽しみな笑いあり涙ありの人間ドラマは、苦笑を誘われる耄碌じいさんフォーテスキュー大佐の頓珍漢な昔話の数々、メイデー(五月祭)を盛り上げる為のメイポール・ダンスを村の娘達に教え鍛える催し物係フィービの奮闘振り、部屋に閉じこもったまま食事にも出て来ない宿泊客の老人の謎と衝撃の真相、そしてめでたく結婚したガーティーとイアン夫婦に訪れる嬉しい吉報と逆にびっくり仰天の悲しい凶報です。最後のガーティーの不幸はセシリーやミセス・チャッブや料理人ミシェルのみんなが優しい心遣いで助けてくれるのできっと大丈夫でしょう。気になるセシリーの恋の行方の方はと言うと、まだ重大な進展はありませんがどうやらハンサムな新任医師のブレストウィックよりも支配人バクスターの方に分がありそうです。医師はセシリーと十分に心が通じておらず何だか不似合いに思えますし、身分の違いはあっても悲しい過去を持つ苦労人のバクスターを私は応援してあげたいです。さて、次回は恐らく今回お休みだった魔女と噂される装花係マデラインが戻って来るのと帰省するセシリーの息子マイケルが登場してどんな面白いドラマを繰り広げる事となるのか次作が紹介される日を楽しみに待ちましょう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!