蘆屋家の崩壊

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評判

蘆屋家の崩壊の評価:

4.32/5点 レビュー 38件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.32pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 41〜60 3/4ページ
No.26
(5pt)

極上の酒のような味わい

著者は、すばらしい音楽をよく「極上の酒」と表現している。私にとって、この文体の心地よさこそが極上の酒である。ストーリーの巧みさや展開の小気味よさは精密な機械を思わせる。これらの作品を仕上げるのにどれだけの言葉を選び、推敲を重ねたのか、その苦労に思いを馳せてしまう。漢字の使われ方ひとつにも筆者の並々ならぬ美意識が窺える。わずか半日で読了してしまい申し訳ない。しかし、その時間で読めてしまうのも、創作段階でよく練られているからだと思う。至福のときをありがとう。
蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)より
4480429484
No.25
(5pt)

不思議な魅力

ホラーだと思って手にしたけれどそれだけでは無くて新鮮だった。

思わず笑わされる軽妙なユーモアと、気味の悪さやおぞましさが

しっかり同居している。可笑しいのに気持ち悪いという複雑な読後感。

作者のほかの作品も読んでみたくなりました。
蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)より
4480429484
No.24
(5pt)

面白い!

重苦しいようで軽い文章の中にとぼけた味わいがあってまずそれが魅力。
 内容はホラー。一見リアルっぽい描写なのに、何気に非現実的要素をたくみに取り寄せている。
 感心したのは、現実と非現実とのバランスの取り方がめちゃくしゃ上手いこと。リアルの中にありえないだろ、と思われる話が入ってくるんだけど、これが全然違和感がなくて素直に引き込まれていく。
 キャラクタ造形も抜群である。蟹の話が個人的に馬鹿馬鹿しくて好き

蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)より
4480429484
No.23
(5pt)

不思議なのは当たり前だ。フィクションなんだから。

まあオカルトだと言ってしまっても間違いではないとは思うが、そう簡単にラベルを貼ってしまいたくない内容になっている。
 別にリアリティがある、とかいうわけじゃなくて、「そんなばかな」というオチばっかりなのだが、これがいける。 いける。 読後感は、「恐怖」ではなく「不思議な話だなぁ」に近い。「めちゃくちゃ非現実的だよな」と思ってるにも関わらず、である。そしてその「不思議」に乗せて、やりきれなさや恐ろしさ、安堵などが連れてこられる。 文体が特に特殊であるというわけではなく、ただムダがない。推理小説やホラーにありがちな、情景説明的なムダのなさではなく、読む者のイメージを喚起するのに過不足がない、ということだと言っておきたい。 人間の心の奥に眠る狂気が、だとかそんな小難しいことを考えさせられるわけではない。ただ勝手な幻想世界を設定しておいて、そこに文章力だとかキャラクターだとか情景描写だとかで読者を納得させる。 小説の世界に飲み込まれて、巻末でピュッと吐き出された感じだ。こんな体験はなかなかない。

蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)より
4480429484
No.22
(5pt)

珠玉の名作

全部で七編からなるホラーミステリー。
話によっては幻想小説といった方が相応しいものもありますが、
そのどれもが珠玉の出来映えです。
これだけのレベルの高さを誇った短編集など、そうはないでしょう。
作家の見識の深さと、主人公・猿渡の軽妙な語り口には
とにかく魅了されます。鳥肌が立つ程に。キャラクターも実に魅力的。怪異を愛する伯爵と、怪異に日常的に関わってしまう猿渡。
伯爵が隣にいてくれると、
ふらふらとあっち側に行ってしまいかける猿渡を
ちゃんと呼び戻してくれるので読んでいる側も非常に安心です。
まさにベストコンビ。リアルな人物造形でありつつも、
変な生々しさがないのもまた良いです。
世界観とのバランスが非常によく取れています。「水牛群」でストーリーはキレイに終わっているかのように
思えますが、このコンビの活躍はまだまだ見たいところです。文庫も出ていますが、装幀の美しさと作者の後書きで
こちらの方を私はお勧めします。
蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)より
4480429484
No.21
(4pt)

割と普通です

猿渡という主人公が、豆腐好きが縁で出会ったホラー作家さんと、色々な怪しい事件に出会う幻想短編集。前半は、設定が空回りしてる感じで、今いち、という感じですが、後半は、まとまりも良くなり、なかなか面白かったです。タイトルは、パロディものっぽいですが、割とマジメな内容です。不思議系の入ったホラーものが好きな方には、オススメできそうな一冊です。
蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)より
4480429484
No.20
(5pt)

ここまでくると好みの問題なのです

フリーターと怪しい作家のコンビが遭遇する不思議な出来事の数々。
日本的な怪奇小説とミステリー小説が好きな方にはお薦めの連作短編集です。

得体の知れない非日常へと度々足を踏み入れてしまう主人公達。
どこか不気味な世界観と、どこか気の抜けたような二人の空気感が絶妙に混ざり合い、
読者を幻想的な風景へといざないます。
一冊に配置された各話のバランスがとても良く考えられており、毎回新鮮な読後感に
浸ることができるでしょう。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.19
(5pt)

ここまでくると好みの問題なのです

フリーターと怪しい作家のコンビが遭遇する不思議な出来事の数々。
日本的な怪奇小説とミステリー小説が好きな方にはお薦めの連作短編集です。

得体の知れない非日常へと度々足を踏み入れてしまう主人公達。
どこか不気味な世界観と、どこか気の抜けたような二人の空気感が絶妙に混ざり合い、
読者を幻想的な風景へといざないます。
一冊に配置された各話のバランスがとても良く考えられており、毎回新鮮な読後感に
浸ることができるでしょう。
蘆屋家の崩壊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)より
4087474259
No.18
(5pt)

説明できない…

「妖都」が全く私には合いませんでした。不快感のみが残り、再読出来ず早々と捨てました。なのに同作者のこの本を買ったのは、「男性二人の呑気なオカルト短篇集」なのかと思わせる作品紹介がされていたからです。豆腐。
まあ結果お笑い小説では無かったんですが。



短篇集ですが、一作目から「いい本買ったかも」と思いました。
ともかく主人公の怪異遭遇率高すぎ。
しかしご都合主義には感じず、
シリーズ化する気は無い、この一作が面白ければそれでいいと言わんばかりのはじけっぷりに、もう読者は夢中。
無理に耽美を演出している所もなく、読みやすい。
文章がいいのか展開が早いせいか、がんがん作品世界に入り込めて嬉しい。

…しかし「妖都」みたいな作品は苦手なんだよなあ。次に買うのは何にしたらいいんだろ…。

蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.17
(5pt)

もっと読み続けたい

表題の『蘆屋家の崩壊』を含む8編からなる短編集。
三十路を過ぎても定職に就けない猿渡と怪奇小説家の伯爵との豆腐好きコンビが行く先々で怪異怪奇、珍妙奇妙、奇々怪々な事件に遭遇していくという筋書きであり、その他にも数名話をまたいで登場する者もいるが一話一話に関連性はない。
書評に関係ない事だが自分も豆腐好きで、文庫版の「豆腐がこの不思議な世界に云々」といううたい文句となにやらよくわからぬ表紙の絵になんとはなしに魅入られて購入した。つまり口コミや書評といった予備知識を何ら仕入れずに、それこそ短編であるという事も知らず無垢のままこの本を手に取って読み始めた事になる。
このため一話目の『反曲隧道』を読み終えた時不覚にも「なんだこれは」と思ってしまった。なにやらわかったようなわからぬような不思議な後味の残る話だったため、もしかしてこれはミステリー小説なのかと二話目の『蘆屋家の崩壊』を読み出してみると数行で関連性がない短編集であることを漸く理解する。しかし一話目の後味を引きずっているため「これは失敗したかな」との念も生じたのだが、なんのなんの、それこそが杞憂だった。読み終えてみるとその各話の順番・構成も計算されたものであった事がよくわかる。
つらつらと続く文と過剰気味な漢字変換が、古典的で個性的な文章を作っているためか、始め私には癖があると思えた文章だった。しかし読み進むうちに津原泰水の表現・文体・文章力にぐいぐいと引っ張られていく。筆者の掌に軽々と転がされている自分を認識しつつその心地よさについつい身を任せて読みふけってしまった。
気付けば脳内を不思議な想像力が支配し、もっともっと読み続けたいという欲求が涌き出てくる。読み終えて自室の書棚に返してしまうのが惜しくなる短編集だった。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.16
(4pt)

日本のアッシャー家

とても怖いです。
豆腐好きで結びつくという、特殊な友人関係のふたり。ふたりといっても伯爵が出てこない話もありますが・・・
そんなふたりが巻き込まれる、他にない事件の短編集です。
とくに怖かったのは「猫背の女」。ぜひ映像化してほしいストーカー物語です。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.15
(4pt)

優しい世界

1999年に出た単行本の文庫化。「超鼠記」が新たに加えられている。
 著者は「津原やすみ」名義で少女小説家として長く活躍してきた人物。1997年頃から「津原泰水」の名で怪奇小説も発表しはじめたのだとか。前者としては、ルピナス探偵団のシリーズで知っている人も多いだろう。
 本書は、8つの短篇を集めたもの。一応、一貫した主人公がおり、何編かには「伯爵」という固定キャラクターも出てくる。しかし、実質的にはバラバラの8編を集めたもの。内容、テーマ、小説作法はバラバラで、舞台・人物設定にもズレがある。「怪奇小説」というものを自由に発想して、思いつくままに書いていった一冊と見るべきだろう。
 どの作品もなかなかレベルが高い。怖い話も、不思議な話も、それぞれに見るべきところがある。結末の落とし方も様々で気が抜けない。
 通底するのは、優しさとユーモア。柔らかい口当たりの物語ばかりなのだ。そのあたり、少女小説家としての経験が生きているのだろう。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.14
(3pt)

名前にひかずに読んで下さい

主人公は、ちゃんとした定職につかずにあれやこれやのやっつけ仕事をしている男で、彼がひょんなことから知り合った「伯爵」という綽名を持つ色白の怪奇小説家と旅をすると、なぜだか決まって怪異現象がついてきます。それこそ人死にや行方不明は当たり前の怪奇現象のオンパレード、果ては夢の中までそれは続きます。 こう書くと、すわ「伯爵」は吸血鬼かなにかなのかと思われそうですが、そんなことはまるでなく、伯爵が言うには主人公自身が不思議を呼び起こす体質にすぎなすしのこし。実際、この短編では主人公が伯爵と出会う以前に体験した怪異も描かれて、主人公ではなくてあくまで伯爵が怪異を呼び起こすのだと名言されています。
 とはいえ、この二人が行くところには怪異がこれでもかと起こり、二人はそういう不思議な事件に立ち会います。そして、どちらが原因かはわからないものの、二人が旅先で出会う幻想的かつ怪奇な物語を綴ったのがこの短編連作小説ということてで、その一遍一遍がバランスも奇妙さ具合も実にいい味を出していて、ひさしぶりに味のある短編を読んだなと満足感が高かったです。
 今流行りのサイキックアクションも、特殊な護符も、霊能力の発動もなく、あくまで等身大の主人公が、悩み苦悩し翻弄されるさまがとても昔懐かしく正しい幻想小説ぽくて良かったです。
 日本霊異記みたいなんて書くと言い過ぎだけれど、主人公が夢にとりこまれてしまう掌編は、なかなかせつなく泣かせるシーンもあったりしてお薦めの仕上がり具合です。この方も遅筆であまり見ない作家さんですので、手にいれられるうちに読んでみてください。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.13
(5pt)

面白い!

重苦しいようで軽い文章の中にとぼけた味わいがあってまずそれが魅力。
 内容はホラー。一見リアルっぽい描写なのに、何気に非現実的要素をたくみに取り寄せている。
 感心したのは、現実と非現実とのバランスの取り方がめちゃくしゃ上手いこと。リアルの中にありえないだろ、と思われる話が入ってくるんだけど、これが全然違和感がなくて素直に引き込まれていく。
 キャラクタ造形も抜群である。蟹の話が個人的に馬鹿馬鹿しくて好き

蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.12
(5pt)

不思議なのは当たり前だ。フィクションなんだから。

まあオカルトだと言ってしまっても間違いではないとは思うが、そう簡単にラベルを貼ってしまいたくない内容になっている。
 別にリアリティがある、とかいうわけじゃなくて、「そんなばかな」というオチばっかりなのだが、これがいける。 いける。 読後感は、「恐怖」ではなく「不思議な話だなぁ」に近い。「めちゃくちゃ非現実的だよな」と思ってるにも関わらず、である。そしてその「不思議」に乗せて、やりきれなさや恐ろしさ、安堵などが連れてこられる。 文体が特に特殊であるというわけではなく、ただムダがない。推理小説やホラーにありがちな、情景説明的なムダのなさではなく、読む者のイメージを喚起するのに過不足がない、ということだと言っておきたい。 人間の心の奥に眠る狂気が、だとかそんな小難しいことを考えさせられるわけではない。ただ勝手な幻想世界を設定しておいて、そこに文章力だとかキャラクターだとか情景描写だとかで読者を納得させる。 小説の世界に飲み込まれて、巻末でピュッと吐き出された感じだ。こんな体験はなかなかない。

蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.11
(5pt)

珠玉の名作

全部で七編からなるホラーミステリー。
話によっては幻想小説といった方が相応しいものもありますが、
そのどれもが珠玉の出来映えです。
これだけのレベルの高さを誇った短編集など、そうはないでしょう。
作家の見識の深さと、主人公・猿渡の軽妙な語り口には
とにかく魅了されます。鳥肌が立つ程に。キャラクターも実に魅力的。怪異を愛する伯爵と、怪異に日常的に関わってしまう猿渡。
伯爵が隣にいてくれると、
ふらふらとあっち側に行ってしまいかける猿渡を
ちゃんと呼び戻してくれるので読んでいる側も非常に安心です。
まさにベストコンビ。リアルな人物造形でありつつも、
変な生々しさがないのもまた良いです。
世界観とのバランスが非常によく取れています。「水牛群」でストーリーはキレイに終わっているかのように
思えますが、このコンビの活躍はまだまだ見たいところです。文庫も出ていますが、装幀の美しさと作者の後書きで
こちらの方を私はお勧めします。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.10
(4pt)

割と普通です

猿渡という主人公が、豆腐好きが縁で出会ったホラー作家さんと、色々な怪しい事件に出会う幻想短編集。前半は、設定が空回りしてる感じで、今いち、という感じですが、後半は、まとまりも良くなり、なかなか面白かったです。タイトルは、パロディものっぽいですが、割とマジメな内容です。不思議系の入ったホラーものが好きな方には、オススメできそうな一冊です。
蘆屋家の崩壊 Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊より
4087744124
No.9
(5pt)

説明できない…

「妖都」が全く私には合いませんでした。不快感のみが残り、再読出来ず早々と捨てました。なのに同作者のこの本を買ったのは、「男性二人の呑気なオカルト短篇集」なのかと思わせる作品紹介がされていたからです。豆腐。
まあ結果お笑い小説では無かったんですが。



短篇集ですが、一作目から「いい本買ったかも」と思いました。
ともかく主人公の怪異遭遇率高すぎ。
しかしご都合主義には感じず、
シリーズ化する気は無い、この一作が面白ければそれでいいと言わんばかりのはじけっぷりに、もう読者は夢中。
無理に耽美を演出している所もなく、読みやすい。
文章がいいのか展開が早いせいか、がんがん作品世界に入り込めて嬉しい。

…しかし「妖都」みたいな作品は苦手なんだよなあ。次に買うのは何にしたらいいんだろ…。

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)より
4087474259
No.8
(5pt)

もっと読み続けたい

表題の『蘆屋家の崩壊』を含む8編からなる短編集。
三十路を過ぎても定職に就けない猿渡と怪奇小説家の伯爵との豆腐好きコンビが行く先々で怪異怪奇、珍妙奇妙、奇々怪々な事件に遭遇していくという筋書きであり、その他にも数名話をまたいで登場する者もいるが一話一話に関連性はない。
書評に関係ない事だが自分も豆腐好きで、文庫版の「豆腐がこの不思議な世界に云々」といううたい文句となにやらよくわからぬ表紙の絵になんとはなしに魅入られて購入した。つまり口コミや書評といった予備知識を何ら仕入れずに、それこそ短編であるという事も知らず無垢のままこの本を手に取って読み始めた事になる。
このため一話目の『反曲隧道』を読み終えた時不覚にも「なんだこれは」と思ってしまった。なにやらわかったようなわからぬような不思議な後味の残る話だったため、もしかしてこれはミステリー小説なのかと二話目の『蘆屋家の崩壊』を読み出してみると数行で関連性がない短編集であることを漸く理解する。しかし一話目の後味を引きずっているため「これは失敗したかな」との念も生じたのだが、なんのなんの、それこそが杞憂だった。読み終えてみるとその各話の順番・構成も計算されたものであった事がよくわかる。
つらつらと続く文と過剰気味な漢字変換が、古典的で個性的な文章を作っているためか、始め私には癖があると思えた文章だった。しかし読み進むうちに津原泰水の表現・文体・文章力にぐいぐいと引っ張られていく。筆者の掌に軽々と転がされている自分を認識しつつその心地よさについつい身を任せて読みふけってしまった。
気付けば脳内を不思議な想像力が支配し、もっともっと読み続けたいという欲求が涌き出てくる。読み終えて自室の書棚に返してしまうのが惜しくなる短編集だった。
蘆屋家の崩壊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)より
4087474259
No.7
(4pt)

日本のアッシャー家

とても怖いです。
豆腐好きで結びつくという、特殊な友人関係のふたり。ふたりといっても伯爵が出てこない話もありますが・・・
そんなふたりが巻き込まれる、他にない事件の短編集です。
とくに怖かったのは「猫背の女」。ぜひ映像化してほしいストーカー物語です。
蘆屋家の崩壊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)より
4087474259