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閉店時間
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閉店時間の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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『隣の家の少女』や『オフシーズン』のような 胸糞悪くなるグロテスクホラーが有名なケッチャム。 こちらの中編4編を読むと、グロテスク一辺倒ではなく、 引き出しの多い作家だと再確認させられます。 『川を渡って』は、めちゃくちゃかっこいい西部劇で、おすすめです。 表題作の『閉店時間』も秀作ですよ。 | ||||
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スティーブン・キングが絶賛したという「川を渡って」は、マカロニウエスタン文学の傑作です。 現代社会の歪みや矛盾を暴力を通して表現してきたケッチャムがウエスタン?と読むまではギャップを感じていましたが、そもそも残虐なシーンも余すことなく描き出すマカロニウエスタン映画は、ケッチャムの作風に通ずるところがあり、読み終えた今は、読み終えるのが惜しいと思えるほどの余韻を味わっています。 残虐ホラー映画を文学にした「オフシーズン」からすでにケッチャムの作品は映像的でしたが、「川を渡って」も上手く演出できれば良い映画になるのではないでしょうか。 「ヒッチハイク」も映像的で、毒をもって毒を制すといった内容と言えるでしょうか。 善良な一家が乗る車を襲撃した悪党どもが、家族が聞こえるそばで 「殺るしかねえよ・・しょうがねえな。で、ガキはどうする?」 と、レストランで割り勘の相談をしているように自分たちを殺すかどうかを話し合っている。 なんとも実に恐ろしいシーンだ。 それだけに、悪党どもには「ささやかなフロンティアの正義」が待っています。 上記のとおり子どもまで容赦なく殺害されるシーンをえがくケッチャムですので、どうしても嫌悪感をぬぐえないという方は少なくないかもしれません。 特に「雑草」などは、ケッチャム自身が「これまでに書いたうちでもっとも不快な作品」と述べているほどです。 しかしながら、この作品も実際の事件の犯行状況をそのまま再現した部分があるといいますから、現実は小説よりも恐ろしいということでしょうか。 | ||||
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こほ閉店時間には全部で閉店時間・ヒッチハイク・雑草・川を渡って の 4作品が収められています。個人的には一作目の閉店時間が一番好きなのですが ここまで運が悪いことって重なるもんなんだなあ、と唸ってしまいます。 読んでる途中から結末が分かってしまうのですが、それでも読み続けていくと やっぱりねー、的な結末が待ってます。グロイ表現はなくて読みやすかったです。 ヒッチハイクに関しては、もうアンダーグラウンド満載でウンザリします。 登場人物のイカレっぷりが耐えられない。 でも最後主人公がどうなるか気になって必死で読んでましたw。 意外な結末でした。まあ一応ハッピーエンド?なのかしら・・・。 後の2作品はご自分の目でご確認下さい。 | ||||
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収録の「河を渡って」は、 全ケッチャム作品の中で二番目に好き。 これを読むと残酷残虐非道、一つ休んでまた残酷の ケッチャムが、実は何を書きたいのか、が伝わってくる。 登場人物の誇りや虚飾や命の尊厳も含めた何もかもを剥ぎ取る ケッチャムのスタイルは、 その先の純度の高い人間の気高さに近づくための 手段なのではないか、という気すらする。 この短編が収録されている、という理由だけで、 ★五つ。ええ。偏ってますとも。 | ||||
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短編集とは知らずに購入。 一話目を読んで『いまいちだなぁ』って 思いつつも先を読み進めると 2話、3話でいつものケッチャム感が出てきてる感じでした。 でも、やっぱり長編の方が好きかもな。 キャッチャムファンは読んで損はない作品。 | ||||
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ケッチャムの中短篇4編を収めています。 1 閉店時間 2 ヒッチハイク 3 雑草 4 川を渡って ケッチャムの、これでもかこれでもかと残虐グロテスクシーンが続く長編を読む前に、この中の「雑草」あたりで、お試しをしてみてはいかがでしょうか。大丈夫そうだったら、『地下室の箱』にすすみ、平気だったら、『隣の家の少女』、もっと過激なものを、という方は『オフシーズン』に挑戦してみてください。 4「川を渡って」が一番気に入ったという方は、長編の中では『老人と犬』を薦めます。 | ||||
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現時点での、ケッチャムの中編集の邦訳は本書だけだと思います。ケッチャムといえば、現実の事件としても起こりそうな作品と、すでに一般の人間とはいえない生き物(異形態?)が登場する作品に分かれると思います。この中編集で扱われている作品は一応全て前者です(「ヒッチハイク」の後半と「川を渡って」の一部はやや後者の雰囲気もありますが)。 長ければいいというような風潮(しかも中盤からダレダレ)の作品が多い中、言葉を研ぎすました中編にこそ創作意欲が高まるというケッチャムですので、残りの「閉店時間」「雑草」も読み応えがあります。ただ、「雑草」は史実をヒントに書かれ、異形態は登場しない作品であるにもかかわらず、人間そのものが異形態になりうる恐ろしさを感じます。胸くそ悪くなる人もおられると思いますのでご注意を。 | ||||
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「閉店時間」 これはケッチャムにしては非常におとなしい作品。本書の導入部として万人に受け入れられる作品だと思う。また9.11以後のニューヨークを描いた作品を読んだのも初めてだったので、新鮮だった。閉店間際のバーを狙う強盗と不倫の関係を断った男女が絡み合い、最後には真っ赤な花が二つ咲く。 「ヒッチハイク」 題名からも不穏な雰囲気が溢れているが、この作品は予想以上にフルスロットルで爆走するバイオレンス・アクションだ。あの〈ナイトヴィジョン〉に書き下ろされた作品ということで、本書の中でも一番長い作品なのだが、あっという間に読み終わってしまう。告白すると、嗚咽を洩らしそうになったのはこの作品。いまでもその場面を思い出すと、気持ちが萎えてくずおれそうになってしまう。 「雑草」 女性を監禁してレイプしまくるカップルを描いたケッチャムの本領発揮の一作。まったく救いのないストーリーがいっそ清々しい。感覚がおかしくなってしまったのか、そこはかとないユーモアさえ感じてしまった。勧善懲悪になってないところがミソである。 「川を渡って」 この中篇集の中で「ヒッチハイク」と競うリーダビリティなのがこの作品。めずらしいことに、これはウェスタンである。だがそこはケッチャム、ただのウェスタンではなくそこにはホラーが侵蝕してくる。ウェスタンとホラーという相反する二つの要素を見事に融合させる手腕もさることながら、それをこれだけ完成された娯楽作にまとめあげてしまう豪腕に脱帽。これは傑作である。 というわけでこの中篇集、万人に薦められる本ではないがホラーとミステリがなにより好きで、鬼畜系にも怖気をふるわないというツワモノの方には自信をもってオススメする次第であります。 | ||||
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全体的に良く出来た中篇集です。 『閉店時間』『ヒッチハイク』『雑草』の三作はなんと言うか、ジャック・ケッチャムらしい残酷でありながらも哀愁のある作品になっています。 しかしながら、今回もっとも目を惹くのは最後を飾る「川を渡って」でしょうか。 ジャック・ケッチャムと言えば、現代のアメリカを舞台に犯罪と人間をテーマにしたような作品が殆どだったが、 これはウェスタンを舞台にカウボーイと記者が売春を斡旋する団体との戦いを描いた作品です。 設定には意表をつかれましたが、新しい世界観ながらもジャック・ケッチャムらしさを存分に発揮した秀作です。 | ||||
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アメリカ・ニューヨークに在住するバイオレンス・ホラーの巨匠ケッチャムの最新の傑作中編四編を収録した日本オリジナル作品集です。本書を読んで容易に察せられる著者の作風は、ホラーとはいっても超自然的な怪物や魔物を登場させるような類の物語ではなく、あくまで人間が狂気や生来持っている性質としてどこまで凶悪で残虐な所業に走る事が出来るのかを追求する醜悪ですが全て真実の物語です。 『閉店時間』:2001年の9.11テロに衝撃を受けた事が契機となって書かれた作品です。閉店間際のバーを狙って拳銃で脅して盗みを働く男が偶然に選んだ標的は、妻子ある男との不倫に倦み疲れた女性店員だった。不倫相手の男が女の事が忘れられずに店を訪れた為に不幸な凶事を招きます。『ヒッチハイク』:女性弁護士が仕事帰りに車がガス欠になり、偶然高校時代の同級生の女の車に助けられる。しかし女は勝手に彼女をバーに連れて行き、そこで元犯罪者の三人の男が犯した殺人を目撃した為に拉致されてしまう。警察に追われる彼らの必死の逃亡劇が迎えた凄まじい結末とは?『雑草』:夫婦で次々に女性を捕らえてレイプし残虐に殺して死体を隠匿して来た連続殺人犯が遂に発覚して逮捕される。夫は死刑となり妻は警察と取引して出所するが、行く手に恐ろしい運命が待ち受けていた。『川を渡って』:ホラーの帝王キングが絶賛した傑作ウエスタン・アクションです。メキシコ人が誘拐した女性を使って無法に商売する山中の売春施設から逃げて来た女性が、捕われた妹を助けようと三人の男達と共に施設に引き返し奇襲攻撃を掛ける。大迫力の凄絶な戦闘シーンに血がたぎり心が痺れます。 著者は凶悪な犯罪者の前では弱者は犠牲にならざるを得ない現代社会を冷徹に描いており、あまりの残酷さに胸が悪くなる部分もありますが、それでも極悪人に無慈悲な報いを与えて成敗する著者の真意を読み取って頂きたいと思います。 | ||||
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