薔薇の名前
評判
薔薇の名前の評価:
4.19/5点 レビュー 117件。 B ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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薔薇の名前の評価:
4.19/5点 レビュー 117件。 B ランク
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言い表しづらいのですが、面白いには面白いし、ドラマチックだし、読み進めてしまうんだけど、何となく最後まで読んだ時にはそこまで釈然としない・・・みたいな作品でした。
中世ヨーロッパやらキリスト教史に詳しくはないながらも興味がありますし、僧院で起こる謎に満ちた連続殺人事件…と、ページをどんどんめくりたくなるのですが、この小説のジャンルは何なのかなと考えると「謎解き」ではないのだなと。
謎めいた伏線風のものがたびたび張り巡らされてるわけですが、結局その伏線をたどって自分で答えを見通せるのかというと「それは無理だろう」ということになる。
こういうジャンルを何と呼ぶのか知りませんが何というか・・・派手な血みどろとカオスつきの感傷小説みたいな感じもあるなという気もします。
充分面白かったし、余韻もあるのですが、冷静になると「かいつまむとこの話なんだ?」という気がしなくもないという。
そのように感じてしまう理由を考えるとまずは一つには「そもそも別に推理小説ではない」ということだと思います。ウイリアムという師と見習い修道士である書き手という構図と冒頭の推理シーンのせいで「推理小説なのかなワクワク」と思ってしまうのですが読み終わってみると別にそうではないです。
謎解きの要素はありますが若干ご都合主義。
犯行の背景の動機も早い段階でほのめかされてるわけですけど・・・いやいや、結局そういうオチになるなら何十年も前にそうしておけば良かったのでは?的な・・・。それじゃあ犯人頭悪いことになってしまう気がする。
殺人トリック?的なのも割と早い段階で「そうじゃないかな」って想像したのが「やっぱそうなんだね」的な。
「いや、でもそれでは説明できないこういう要素は・・・」と思ってたところはまさかの偶然という。
このご都合主義というか偶然を「神の意図なのか」とか小難しく読むものなのかもしれない。
そんなわけで「推理小説」として読むのであればあまりにもあまりにもなのです。
多分薔薇の名前上下巻の20-30%くらいのページ数で書けちゃうかなと思われます。
そうではなくて時代背景とか当時の考え方とかを読み込んでこの若き修道僧の世界を体験するというのがむしろ主眼なのかなと思います。
だから他の方も言っているように、背景説明がやーたら長くて「ほんとに必要ですか?」とは思うかもしれない。キリスト教徒なら面白いのかもしれませんがさすがにページを割きすぎな感じはありました。
それからこの若い見習い修道士が晩年に筆をとっているという体裁なのですが「フォトグラフィックメモリーかよ」くらいの重たい描写なので(延々入り口を説明された時はさすがに途中からページをめくる手が速くなりました。夢の話が延々続いた時も途中から「あいわかった、みなまでいうな」的な気持ち)こう世界を延々味わいたい人の方が楽しめるかもしれない。ただ、そこまで覚えてるって作品のリアリティ的にどうなんだという感じがしました。
最初の方に「その人がどんな見た目なのかとか言うことは退屈だから書きたくない」という主旨の断り書きがあるのですが、いやいや、ドアの説明するならそこ説明してくれよ、登場人物が横文字ばっかりで、さらに見た目の描写もないから頭の中で描きにくくて大変だよ!だいぶ読んでから「ああ、Aさんの方がBさんより年齢上で、Bさんはどうやらだいぶ若いのね」ってわかるという。
この書き手が見て明白な設定の事は書いてくれよ。みたいな。
そんなわけで、面白いのですけど、その面白いのは若干の物珍しさ、ジャンル的な独自性みたいなのが勝ってるのかなぁと思いました。
若い時代の感傷みたいなものは共感するところがあったし、終わり方は素敵なんですけどね。
そんな作品でした。