わたしを離さないで

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評判

わたしを離さないでの評価:

4.11/5点 レビュー 714件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.11pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,119件 401〜420 21/56ページ
No.719
(5pt)

心にズシリと

ノーベル賞受賞と聞いてすぐにKindleで読み始めました。
そのため何の前知識もなく、いきなり不思議な世界観に放り出されました。
なんというか、たった一人でこの物語と対峙するにはなかなかヘビーでした。
何かとても重いものを背負わされたような、好む好まざるに関わらず、心への響き方が半端なかったです。
個人的には村上春樹さんと同じテイストを感じましたが、村上さんなら物語の閉じ方は違ったかもなどと思いました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.718
(5pt)

登場人物の性別が分かりづらい

話の内容に関しては他の人に評価は委ねますが、個人的にはとても面白かったです。
独特の世界観がありますね。

さて、読んでいて一番困惑したのが、登場人物の性別。

例えばルースにしても、最初は女の子なのか男の子なのか分からなかった。
ルーシー先生もその描写から最初は男性かと思った。
いまだに分からないのがジェラルディン先生。

原作では「she」とか「he」とか「her」とか「him」という表現で分かるのでしょうし、
また欧米圏の人ならルースといったら女の子の名前であるとか、すぐに性別が分かるのでしょうが、この辺私には分かりづらかったです。
それから先生を(おそらく)ファースト・ネームで呼ぶのでしょうか?
エミリー先生とか言われても、もしかしたら苗字かもしれないから、エミリー=女性とは限らないな、などと最初は思ってしまい、物語を読み、登場人物を想像する上でとても戸惑いました。

このあたりはもう少し翻訳の時に工夫していただきたかったです。
(たまに「彼女」とか「彼」という表現を入れていただけるだけで分かったのですが、それがまったくない・・・)
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.717
(5pt)

心にズシリと

ノーベル賞受賞と聞いてすぐにKindleで読み始めました。
そのため何の前知識もなく、いきなり不思議な世界観に放り出されました。
なんというか、たった一人でこの物語と対峙するにはなかなかヘビーでした。
何かとても重いものを背負わされたような、好む好まざるに関わらず、心への響き方が半端なかったです。
個人的には村上春樹さんと同じテイストを感じましたが、村上さんなら物語の閉じ方は違ったかもなどと思いました。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.716
(5pt)

登場人物の性別が分かりづらい

話の内容に関しては他の人に評価は委ねますが、個人的にはとても面白かったです。
独特の世界観がありますね。

さて、読んでいて一番困惑したのが、登場人物の性別。

例えばルースにしても、最初は女の子なのか男の子なのか分からなかった。
ルーシー先生もその描写から最初は男性かと思った。
いまだに分からないのがジェラルディン先生。

原作では「she」とか「he」とか「her」とか「him」という表現で分かるのでしょうし、
また欧米圏の人ならルースといったら女の子の名前であるとか、すぐに性別が分かるのでしょうが、この辺私には分かりづらかったです。
それから先生を(おそらく)ファースト・ネームで呼ぶのでしょうか?
エミリー先生とか言われても、もしかしたら苗字かもしれないから、エミリー=女性とは限らないな、などと最初は思ってしまい、物語を読み、登場人物を想像する上でとても戸惑いました。

このあたりはもう少し翻訳の時に工夫していただきたかったです。
(たまに「彼女」とか「彼」という表現を入れていただけるだけで分かったのですが、それがまったくない・・・)
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.715
(4pt)

独特すぎて新鮮

テレビドラマからこっちに来ました
読むのはわりと早いほうだと思っていましたが、これはなかなか読み進みません
難しいですが、じっくり読むとどっぷり世界に浸かれます
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.714
(4pt)

独特すぎて新鮮

テレビドラマからこっちに来ました
読むのはわりと早いほうだと思っていましたが、これはなかなか読み進みません
難しいですが、じっくり読むとどっぷり世界に浸かれます
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.713
(4pt)

受賞直後でしたので手に入りづらくて。

文学賞受賞直後でこの本を見つけられませんでしたので、中古にて手に入れました。(とてもきれいな状態でした)

最初は原作の方を読み始めてみたのですが、すぐには内容を理解しづらく感じた為テレビドラマの方をhuluで先に全てを視聴した後こちらを読み進めていくととても理解が早かったです。(根本的に現実離れした設定がありますので)

初めて読む作家さんは映画やドラマにて映像化された作品を観た後に読み進めることが多く、映像よりも原作の方がとても楽しめることが大半でしたが、
こちらの原作はドラマでの日本を舞台としたものと原作の外国での舞台とではキャラクターの役名にギャップがありすぎて、原作とドラマとを繋ぎづらく感じました。でも、ストーリーの内容としてはドラマを先にご覧になられた方がとても理解しやすいと思います。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.712
(4pt)

受賞直後でしたので手に入りづらくて。

文学賞受賞直後でこの本を見つけられませんでしたので、中古にて手に入れました。(とてもきれいな状態でした)

最初は原作の方を読み始めてみたのですが、すぐには内容を理解しづらく感じた為テレビドラマの方をhuluで先に全てを視聴した後こちらを読み進めていくととても理解が早かったです。(根本的に現実離れした設定がありますので)

初めて読む作家さんは映画やドラマにて映像化された作品を観た後に読み進めることが多く、映像よりも原作の方がとても楽しめることが大半でしたが、
こちらの原作はドラマでの日本を舞台としたものと原作の外国での舞台とではキャラクターの役名にギャップがありすぎて、原作とドラマとを繋ぎづらく感じました。でも、ストーリーの内容としてはドラマを先にご覧になられた方がとても理解しやすいと思います。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.711
(5pt)

特殊で難しい

先日からカズオ・イシグロの『私を離さないで』を手に取り、つい今しがたそのすべてを読み終えた私は、その感想をどう書くべきか――あるいは書かないべきか――ほとほと困り果ててしまいました。それと言うのも、噂には聞いていたとおりにこの小説はあまりにネタバレが望ましくない、主人公の語りとともに霧の中をさ迷い歩くように読むのが望ましい、そんな小説だったからです。何かを掴もうと無邪気に所在なさげに切望する幼子のように、ぶっきらぼうに腕をできるかぎりに前方に突き出しよたよたと歩みを進めるような、そんな読み方がきっともっとも相応しい、そんな小説であるように私には思えたからです。だから私にこの小説の多くを語ることはできません。何より気をつけなくてはならないのは、この小説で私が感じたことを伝えたいという気持ちが昂ずるあまりに未だこの小説を読んでいない誰かの楽しみを奪ってしまってはいけないということです。不安に駆られる霧の中を誰の導きもなしに一人歩き果せたということが、きっと誰にとっても後々ささやかな誇りとなり、その誇りこそが人の傷ついた心を慰める助けになるのでしょうから。ですから私は、極めて慎重にお世辞にも雄弁とは言いがたい調子でこの小説の感想を綴らなくてはなりません。しかし私にそれをやり遂げるだけの能力があるものかどうか、決して小さくない不安を抱いてることもここに記さなくてはなりません。結局、どれだけもったいつけた前口上を述べてどれだけ蛮勇な決意表明を高らかに叫んだところで、未熟な私は最初の段落の最後には「ネタバレ要素を含むかもしれないので閲覧は自己責任でお願いします」と忠告するより仕方がないのです。

 ここで私自身は恐らく肝となるネタバレを受け容れた状態でこの小説を読み進めたことを告白しなくてはなりません。どこでそのネタバレを目にしたか? それは今となっては私にもよくわからないことです。私はテレビや映画などで優れたように思える俳優について、ふと思い出したようにwikipediaでその俳優の舞台経験を確認したがるという手癖のようなものがありました。その時々の舞台を日々チェックすることができればそれが一番であることは心得てはいるのですが、頻繁に足を運ぶことはなかなか難しい舞台についての情報をいつも網羅しようというのはなかなかに骨が折れる作業になってしまうものですから、このような順序で俳優さんの舞台経験を辿ることになるのは致し方ないことです。もしかすると多部未華子さん――あの娘自身はとてもかわいらしいのですが、多部未華子似という危なっかしい言葉もまた同時に生まれました――について調べていた時に蜷川幸雄演出の舞台の感想を見かけてしまったのかもしれません。あるいはまるで思いもよらない全く違うところで私は見知っていたのかもしれません。ともあれ私は恐らく多くの感想で散見される「ネタバレ」の部分をまるで「あらすじ」の一部であるように了解してこの小説を読み進めていたのです。しかし幸いなことに少なくとも私にとってはこの読書体験の質を大きく損なう結果にはつながりませんでした。もちろん戸惑いはありました。何より私の心を乱したのは、私の知っているこの要素があらすじの範疇であるのかネタバレであるのか、これ以上のより核心的なネタバレが他にあり既にこの本を読み終えたみなさんが指してネタバレと呼んでいる要素はそちらの方ではないのか、その一切の事情が私には判別できなかったことです。だからと言ってここでそれを明らかにしようとGoogle先生に窺いを立てるようでは、まるで鳥餅にかかった羽虫のようにより一層のネタバレに触れるほかありません。それこそ幼子が霧の中を歩くようによたよたとページを繰る以外、私の辿るべき道は残されていなかったのです。今になって思えば、これくらいの環境が私にはむしろ良かったのかもしれません。

 物語への言及を避けたままこの小説の手触りを伝えようとすると、どうしてもこの小説に触れた私周辺のお話をすることになってしまいます。読むほうにとっては私の稚筆も手伝いあまりに退屈に感じられるかもしれませんが、この小説自身もまたそのような語りを用いて何かとても大きなものの輪郭を何度も何度も少しずつ指でなぞりながら形作っていくような、そんな小説なものですから、それを読む練習だと思ってどうかもう少しだけお付き合いください。

 私がこの小説に触れて味わったささいながらも稀有な体験として一つ、行き帰りの通勤時間で読み進めた文量が極めて多かったという不思議があります。と言いますのも、私は隙間時間の読書というものがもともと苦手で、細かな移動時間ではどうにも本を開く気がなかなか起きず結局寝る間を削って作ったまとまった時間でその大部分を読み果せてしまうことが常でした。しかしこの小説に限っては――もちろん最後の100ページほどは家で食い入るように読み終えましたが――毎日の隙間時間で手に取ることがまったく苦にならず、10ページ読んではカバンにしまい、またある時に取り出しては5ページだけ読み進め、そんな風に読み進めることができました。思えば、これほどまでに物語とともに生活するという経験は私にとってほとんど初めてのことだったかもしれません。私にそれをさせたのはきっと、このカズオ・イシグロという作家の精緻な文体であったことには疑う余地もないでしょう。またそういった文体こそが、本来であればヒステリックに人の感情を揺さぶることも可能であったこの物語を、その日その日の空気の匂いを感じるかのように終始穏やかな気持ちで読ませることを可能にしているのでしょう。少しとっつきにくい回りくどい文体ではありますが、しばらくするとそれが当たり前のように、私たちがいつもそうして物を見、聞き、感じているように、やがて主人公の語りが身体に流れ込んでくるようになることでしょう。

 私の最もお気に入りのシーンは――主人公である彼女もそこをやがて訪れることはかなり序盤で告白しているのでさしたる問題にはならないでしょう――やはりノーフォークの街を歩く二人の描写に尽きます。私にとってはほとんどあそこがピークでした。もう少し、何か書こうかなとも思いましたがこれ以上はやめにしましょう。既にこの小説を読み終えた人に、あるいは万が一にもこれをきっかけにこの小説を手に取った人があればまた読み終えた後に、何かしらを思ってもらえたらきっとそれだけで十分です。

 極めて特殊な設定でありながら極めて普遍的な物語、なんとも不思議な読後感のなか、こうしておずおずと感想を綴り始めたわけですがそれももうどうやら限界のようです。残念ながら私にはこれ以上を語ることができそうにもありません。いつもと異なる語り口を採用した結果、落としどころもほとんど見失っている有様です。それでも、人生はそうした出来事の連続で、失敗は失敗として、思い出は思い出として、擦れ違いは擦れ違いとして、愛情は愛情として、そのすべてを引きずったりあるいは忘れたりしながら、それを繰り返していくほかきっとないのでしょう。その真実を受け入れ、その真実に膝をつき手を合わせれば、それだけで何もかもに納得できるものなのか、それは私にはわかりません。しかし、きっとそれは生きるということへの向き合い方の一つであることは私には疑いようもなく、今はめったに開くこともなくなった宝箱の奥底にこの物語もそっとしまいこむと、私はまた今日からを生きていこうと考えるのでした。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.710
(5pt)

Y・M

とても良い本でした、まだ読み始めですがとても良い本です、購入して良かったです。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.709
(5pt)

特殊で難しい

先日からカズオ・イシグロの『私を離さないで』を手に取り、つい今しがたそのすべてを読み終えた私は、その感想をどう書くべきか――あるいは書かないべきか――ほとほと困り果ててしまいました。それと言うのも、噂には聞いていたとおりにこの小説はあまりにネタバレが望ましくない、主人公の語りとともに霧の中をさ迷い歩くように読むのが望ましい、そんな小説だったからです。何かを掴もうと無邪気に所在なさげに切望する幼子のように、ぶっきらぼうに腕をできるかぎりに前方に突き出しよたよたと歩みを進めるような、そんな読み方がきっともっとも相応しい、そんな小説であるように私には思えたからです。だから私にこの小説の多くを語ることはできません。何より気をつけなくてはならないのは、この小説で私が感じたことを伝えたいという気持ちが昂ずるあまりに未だこの小説を読んでいない誰かの楽しみを奪ってしまってはいけないということです。不安に駆られる霧の中を誰の導きもなしに一人歩き果せたということが、きっと誰にとっても後々ささやかな誇りとなり、その誇りこそが人の傷ついた心を慰める助けになるのでしょうから。ですから私は、極めて慎重にお世辞にも雄弁とは言いがたい調子でこの小説の感想を綴らなくてはなりません。しかし私にそれをやり遂げるだけの能力があるものかどうか、決して小さくない不安を抱いてることもここに記さなくてはなりません。結局、どれだけもったいつけた前口上を述べてどれだけ蛮勇な決意表明を高らかに叫んだところで、未熟な私は最初の段落の最後には「ネタバレ要素を含むかもしれないので閲覧は自己責任でお願いします」と忠告するより仕方がないのです。

 ここで私自身は恐らく肝となるネタバレを受け容れた状態でこの小説を読み進めたことを告白しなくてはなりません。どこでそのネタバレを目にしたか? それは今となっては私にもよくわからないことです。私はテレビや映画などで優れたように思える俳優について、ふと思い出したようにwikipediaでその俳優の舞台経験を確認したがるという手癖のようなものがありました。その時々の舞台を日々チェックすることができればそれが一番であることは心得てはいるのですが、頻繁に足を運ぶことはなかなか難しい舞台についての情報をいつも網羅しようというのはなかなかに骨が折れる作業になってしまうものですから、このような順序で俳優さんの舞台経験を辿ることになるのは致し方ないことです。もしかすると多部未華子さん――あの娘自身はとてもかわいらしいのですが、多部未華子似という危なっかしい言葉もまた同時に生まれました――について調べていた時に蜷川幸雄演出の舞台の感想を見かけてしまったのかもしれません。あるいはまるで思いもよらない全く違うところで私は見知っていたのかもしれません。ともあれ私は恐らく多くの感想で散見される「ネタバレ」の部分をまるで「あらすじ」の一部であるように了解してこの小説を読み進めていたのです。しかし幸いなことに少なくとも私にとってはこの読書体験の質を大きく損なう結果にはつながりませんでした。もちろん戸惑いはありました。何より私の心を乱したのは、私の知っているこの要素があらすじの範疇であるのかネタバレであるのか、これ以上のより核心的なネタバレが他にあり既にこの本を読み終えたみなさんが指してネタバレと呼んでいる要素はそちらの方ではないのか、その一切の事情が私には判別できなかったことです。だからと言ってここでそれを明らかにしようとGoogle先生に窺いを立てるようでは、まるで鳥餅にかかった羽虫のようにより一層のネタバレに触れるほかありません。それこそ幼子が霧の中を歩くようによたよたとページを繰る以外、私の辿るべき道は残されていなかったのです。今になって思えば、これくらいの環境が私にはむしろ良かったのかもしれません。

 物語への言及を避けたままこの小説の手触りを伝えようとすると、どうしてもこの小説に触れた私周辺のお話をすることになってしまいます。読むほうにとっては私の稚筆も手伝いあまりに退屈に感じられるかもしれませんが、この小説自身もまたそのような語りを用いて何かとても大きなものの輪郭を何度も何度も少しずつ指でなぞりながら形作っていくような、そんな小説なものですから、それを読む練習だと思ってどうかもう少しだけお付き合いください。

 私がこの小説に触れて味わったささいながらも稀有な体験として一つ、行き帰りの通勤時間で読み進めた文量が極めて多かったという不思議があります。と言いますのも、私は隙間時間の読書というものがもともと苦手で、細かな移動時間ではどうにも本を開く気がなかなか起きず結局寝る間を削って作ったまとまった時間でその大部分を読み果せてしまうことが常でした。しかしこの小説に限っては――もちろん最後の100ページほどは家で食い入るように読み終えましたが――毎日の隙間時間で手に取ることがまったく苦にならず、10ページ読んではカバンにしまい、またある時に取り出しては5ページだけ読み進め、そんな風に読み進めることができました。思えば、これほどまでに物語とともに生活するという経験は私にとってほとんど初めてのことだったかもしれません。私にそれをさせたのはきっと、このカズオ・イシグロという作家の精緻な文体であったことには疑う余地もないでしょう。またそういった文体こそが、本来であればヒステリックに人の感情を揺さぶることも可能であったこの物語を、その日その日の空気の匂いを感じるかのように終始穏やかな気持ちで読ませることを可能にしているのでしょう。少しとっつきにくい回りくどい文体ではありますが、しばらくするとそれが当たり前のように、私たちがいつもそうして物を見、聞き、感じているように、やがて主人公の語りが身体に流れ込んでくるようになることでしょう。

 私の最もお気に入りのシーンは――主人公である彼女もそこをやがて訪れることはかなり序盤で告白しているのでさしたる問題にはならないでしょう――やはりノーフォークの街を歩く二人の描写に尽きます。私にとってはほとんどあそこがピークでした。もう少し、何か書こうかなとも思いましたがこれ以上はやめにしましょう。既にこの小説を読み終えた人に、あるいは万が一にもこれをきっかけにこの小説を手に取った人があればまた読み終えた後に、何かしらを思ってもらえたらきっとそれだけで十分です。

 極めて特殊な設定でありながら極めて普遍的な物語、なんとも不思議な読後感のなか、こうしておずおずと感想を綴り始めたわけですがそれももうどうやら限界のようです。残念ながら私にはこれ以上を語ることができそうにもありません。いつもと異なる語り口を採用した結果、落としどころもほとんど見失っている有様です。それでも、人生はそうした出来事の連続で、失敗は失敗として、思い出は思い出として、擦れ違いは擦れ違いとして、愛情は愛情として、そのすべてを引きずったりあるいは忘れたりしながら、それを繰り返していくほかきっとないのでしょう。その真実を受け入れ、その真実に膝をつき手を合わせれば、それだけで何もかもに納得できるものなのか、それは私にはわかりません。しかし、きっとそれは生きるということへの向き合い方の一つであることは私には疑いようもなく、今はめったに開くこともなくなった宝箱の奥底にこの物語もそっとしまいこむと、私はまた今日からを生きていこうと考えるのでした。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.708
(5pt)

Y・M

とても良い本でした、まだ読み始めですがとても良い本です、購入して良かったです。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.707
(5pt)

面白かったです

面白かったです。ノーベル文学賞とるような小説って難しいのかと思ってましたが、そんなことは無く、21世紀の文学ってこういうものなのかなって思いました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.706
(5pt)

読了感がよい

はじめに物語の背景が明かされていないので、引き込まれていきます。ドナーになることが義務付けられていると知ってからは、どんな運命を辿るのかやきもきしながら読み進みました。ポシブルと再会とか逃避行とか心中とか、そういった大衆文学的な出来事は起こりません。ただ運命を受け入れて終わります。なので皮肉じみてるし普遍性を残していて面白いと思いました。登場人物たちの他愛ない日常の精緻な描写が物語に説得力を足しています。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.705
(5pt)

繊細複雑な心理描写を分かりやすく

ノーベル賞作家の作品は、書物はどこでも増版待ち。電子データなら、すぐに手に入る。繊細複雑な心理描写を分かりやすい文で、流れるようにザクザク読める。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.704
(5pt)

面白かったです

面白かったです。ノーベル文学賞とるような小説って難しいのかと思ってましたが、そんなことは無く、21世紀の文学ってこういうものなのかなって思いました。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.703
(5pt)

読了感がよい

はじめに物語の背景が明かされていないので、引き込まれていきます。ドナーになることが義務付けられていると知ってからは、どんな運命を辿るのかやきもきしながら読み進みました。ポシブルと再会とか逃避行とか心中とか、そういった大衆文学的な出来事は起こりません。ただ運命を受け入れて終わります。なので皮肉じみてるし普遍性を残していて面白いと思いました。登場人物たちの他愛ない日常の精緻な描写が物語に説得力を足しています。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.702
(5pt)

繊細複雑な心理描写を分かりやすく

ノーベル賞作家の作品は、書物はどこでも増版待ち。電子データなら、すぐに手に入る。繊細複雑な心理描写を分かりやすい文で、流れるようにザクザク読める。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.701
(5pt)

誠実に

相手と世界と命と誠実に向き合う主人公たちにしみじみと愛しさが募る。素晴らしい。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.700
(5pt)

世界へ入り込んで浸って読める

静謐な世界で無機質な絶望を生きる。
現実の世界とシンクロさせてしまう時に
後戻り出来ない様な感覚に襲われます。
それでも生きて行く、と言う
良い意味での諦観もまた不思議な感覚でした。
浸って読める美しい文章
訳者の方へも敬意を感じます。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517