奇術師の密室
評判
奇術師の密室の評価:
4.00/5点 レビュー 14件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「トワイライト・ゾーン」、「激突!」、「ある日どこかで」といったTV/映画業界で幻想と恐怖の世界を長年描いてきたリチャード・マシスンの1994年の作品「Now You See It...」の翻訳です。昨2006年にようやく日本で出版され、「このミス2007」のベスト10にも選ばれました。
私は30年来のマシスン・フリークで、彼の作品が数えるほどしか日本語で紹介されていないことにしびれを切らし、この20年はロンドンやニューヨークの古書店で彼の原作本を買い集めてきました。本書の原作も持っています。ですから近年、彼の作品が遅ればせながら翻訳されたり復刻されたりしているのは、ファンとして大変喜ばしいことだと思っています。
しかし、残念ながら本書はマシスンにとって、円熟期を過ぎた頃の作品です。読者を震え上がらせ、めまいを起こさせるような異界をつきつけてくれた(1950〜1970年代の)作品を知る私にとって、本書はマシスン翁(68歳)のちょっとした片手間仕事にしか見えないのです。こうしたどんでん返しや化かし合いの物語は類似のものが数多くあり、本書の展開は新奇さに欠けます。映画化された「悪魔のような女」、「探偵スルース」、「デストラップ 死の罠」などの傑作に比べると、もう本書は古いといわざるをえません。
マシスンの作品は本書よりも「13のショック」や「地獄の家」がやはりお勧めです。
*ひとつ誤訳がありました。
「いまは十九世紀だぞ」(72頁)→「いまは1980年だぞ」