情事の終り

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評判

情事の終りの評価:

4.23/5点 レビュー 26件。 A ランク

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平均点4.23pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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未読の方はご注意ください

全26件 21〜26 2/2ページ
No.6
(5pt)

ものすごく面白い

最初から最後まで1行たりとも無駄なくどっぷり浸かってさらに繰り返し読んでも飽きません。
特に、ユーモア(黒々としています)にやられました。旦那をののしったり(もちろん心の中で)、
子供探偵と、愛人と目星をつけた男に会いに行ったり、サラが神様にあてた手紙を読んで(もちろん
愛人あてだと誤解している)、自分たちの情事は玉ねぎになぞらえていたよと自嘲したり、
極めつけは、唐突に登場するサラのお母さん!お下劣で、読んでてひっくり返りました。
こんなに面白い小説、読んだことがない!ユーモアがこんな形で表現されてしまうともう全く
まいったとしかいえません。
情事の終り (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 情事の終り (新潮文庫)より
4102110011
No.5
(4pt)

素直に感情移入できない

グリーンの代表作ということですが、読後の感想は正直微妙です。

人妻と不倫していた作家が、彼女の心変わり後もあきらめきれず、探偵を雇って彼女の新たな恋人が誰なのかを探るという話ですが、読み進むにつれ、人間の愛情と神の愛という、宗教的な話になっていってしまいます。
言ってしまえば、作家は神に嫉妬していたという結末なのですが、「自分の愛はあなたの愛に勝つ」といった感じで、彼は最後まで神にケンカを売り続けます。
キリスト教徒でない私にとっては、この心理はいまひとつ腑に落ちない感じです。
決して話がつまらないのではないのですが、登場人物に感情移入できないというのは、読んでいて少々辛いものがありました。

英文自体はそう難度は高くないのですが、宗教関係の用語とか、ヒロインの夫の勤務先である役所のしくみとか、いまいちよく知らないので、こんな感じかな、と推測しながら読みました。

もう少し時間を置いて再読すれば、持ち味がじっくり味わえる小説なのではないかと思いました。
情事の終り (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 情事の終り (新潮文庫)より
4102110011
No.4
(5pt)

神の前に永遠の愛を誓われたあなたへ

ブックカバーの背面に、「激しい恋が、始めと終わりのある“情事”へと変貌したとき、“あなた”は出現した。“あなた”はいったい何ものか。・・・絶妙の手法と構成を駆使して、不可思議な愛のパラドクスを描き、カトリック信仰の本質に迫る」とある。浮気、情事、不倫・・・いろいろあろう。その趣も様々であろう。物語の中で窺い知るカソリックの倫理感は新鮮である。また強く、深いものを感じる。生きることに、これほど悩まぬ自分に気づく。「存在するかもしれない何か」(本文から)をこの物語のように感じるだろうか。胸のうちでの自身との対話の中に、異なる意見を超えた“もう一人の自分”を感じることはある。何とも不可思議な体験であろう。未熟で読むのに手こずった。おそらく半分も理解していないだろう。再読する本。
情事の終り (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 情事の終り (新潮文庫)より
4102110011
No.3
(5pt)

深く重い主題

神の愛と信仰と、主人公のモリス・ベンドリクスが友人ヘンリ・マイルズの妻のセラ(サラ)とする不倫が主題です。この本は辛い恋愛を体験したすぐ後に読みました。ですので、モリスとセラの気持ちが痛いほど心に染みました。Graham Greeneは大人になってから、自分の意志で、聖公会からカトリックに改宗した人です。カトリックの聖人のダミアン神父、この方はハンセン病の施設に派遣され、自身もその病になりましたが、プロテスタント側から「彼はもともと女性関係に甘いところがあり、病気に感染したのはそれが原因である」とする批判があり、Greeneはそれに対して、少し記憶が曖昧ですが、「もしもそうだとしても、そこにこそ神の栄光がある」と反論していたと思います。品行方正な人たちと神の愛ではなく、世間では蔑まれる不倫をする男女と神の愛という、一見矛盾するようでありながら、深く重い主題を扱っています。親鸞聖人の「言わんや悪人をや」に通じるところがあるのではないでしょうか。神の考えは人間の理解を超えた深いところにあると思うからです。以上、原著のThe End of the Affairのレビューに書いたことを、こちらに転記しました。原著のGreeneの文体はとても美しいのです。ですが、日本語と英語の語順の違いから、これを翻訳で再現するのは不可能だと思います。原文はそれほど難解ではないので、初めて読む英語の小説としても良いと思います。
情事の終り (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 情事の終り (新潮文庫)より
4102110011
No.2
(5pt)

「信仰の始まり」

小説のタイトルは「情事の終わり」だが、内容は「信仰の始まり」ともいうべきもの。キリスト教は日本人からみると逆説に満ちているが、特に「奇跡」は理解しづらい。そういう点で、この小説はカトリック信仰に関心のないひとには不向きだ。しかし、カトリックの信仰を理解しようとするひとには、フランスの作家ベルナノスとならんでグリーンはとても面白い。特に、本書は「奇跡」を扱っているので、両作家を比較するのも興味深いかもしれない。グリーンには『権力と栄光』という傑作もあるので、併せ読みたい。 以下は、私的な感想。 サラァは神と出会ったことにより、情事を終えざるをえなかった。自分の意志ではなくとも、神と対話を始めてしまってからサラァの心は神に奪われてしまったといってよい。その意味では、ベンドリクスが恋敵のように神を憎むのは正当である。サラァの心を得ることの出来なかった男たちは、神を憎む必要はなかったから、サラァによって神に導かれる・・・・(小説には結果が書かれていないけれども)。ベンドリクスの「愛」は与えるものではなく、あくまでも得るためのものであるから、しかも、自ら言うようにサラァの心ではなく「肉体がほしかった」ゆえに、遂にサラァ(神)を理解することはできなかった。いや、あるいは薄々気づいていたのかもしれない。ベンドリクスの反論する、サラァが跳躍したように跳躍することによって、みんな聖人になれるではないか、「もしきみが聖人なら、聖人になることはそんなにむずかしくはないではないか。それは彼がわれわれのうちの誰にでも要求できることだ。跳躍。」という言葉に、おそらく作家の真意があるのだろう。
情事の終り (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 情事の終り (新潮文庫)より
4102110011
No.1
(5pt)

十字の物語

グリーンの傑作とも言うべき作品。この作品は、サラとベンドリクスが別れた「情事の終わり」から始まる。サラはある日、「愛は終わるものではありませんもの」という言葉を残し、忽然とベンドリクスの前から姿を消す。ベンドリクスは、サラが姿を消した真相を探るため探偵を雇う。探偵は、サラの紙屑箱に捨てられていた一片の紙を盗み出すことに成功するが、そこには恋人へと宛てられたと思われるサラの大胆な愛の言葉が綴られていた。サラの新しい恋人に嫉妬したベンドリクスは、彼を探し出すことを決意する。サラの新しい恋人は一体何者なのか?サラの別れの理由は一体何なのか?グリーンが仕組んだ意外な結末は、作品を読んでからのお楽しみである。情事という愛欲に耽っていた男女の「情事の終わり」から始まる物語、作品を読めばこの開かれた世界を感じることができるはずである。
情事の終り (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 情事の終り (新潮文庫)より
4102110011