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正義のミカタ I'm a loser
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正義のミカタ I'm a loserの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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いじめや、各社社会など重いテーマを扱い、かつ一人称で進む主人公は、いじめられていた事が響き、超ネガティブ。なのに、著者本多さんの爽やかな文体の妙で、必要以上に重くもならず、400ページの分量がサクサクと読めます。ストーリー展開も上手で、「正義の味方」が「正義の見方」へと人との出会いを通じて、だんだんと深い話に展開して行きます。主人公の出す結論が気になり、ついつい一気読みしてしまいました。結末には賛否両論あるみたいですが、僕はあれで良かったと思いますし、逆に「カッコイイ」と感じてしまいました。お勧めです。 | ||||
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これまでの本多作品とはちょっと雰囲気違うかなぁ。でも、この本で思いついたことがある。彼の作品には、結論がない。そして、それは意図的と思ってきたのだけど、どうやら違うのでは、と。結論をわざと書かないのかと思っていたが、実は、彼もわからないのでは? と。わからないから書く。書いてみたけど、わからないまま話が終る。そんな気がしてくる。いまを生きる若者たちは、なんとも歪んだ社会で育ち、なんとも歪んだ気持ちを抱えている。その歪みを描きながらも、暗い雰囲気はなく、カラッとしていて、さわやかな印象さえ与えてしまう。その一方で、いじめに関する表現は生々しくもあり、抱えている問題の深さを知る。とことんまで、いじめられ続けて主人公は、大学入学とともに、これまでの自分を変えよう、というか、これまで以上に目立たない平凡な人間になろうと、慎ましやかな希望をもつ。そんな彼の夢も希望も入学一日目にして破れる。いじめっ子だった男が何故か同じ大学にいたのだ。さっそくこれまで通りの関係が続くと思ったその矢先、彼を助ける男がいた。正義の味方研究部。略してセイケン。なぜか彼もセイケンの一員になり、大学の“正義”を守る側人間になってしまう・・・。“正義”とは何か。究極に言えば、それについての物語。本多節とも言える飄々とした文体と、主人公の超悲観主義的妄想が、おもしろいアクセントになっている。さわやかで、ちょっと切なくて、結論のない物語。ま、ハッピーエンドだけどね♪ | ||||
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飛鳥大学、略して「スカ大」を舞台に繰り広げられる奇天烈キャンパスライフ。「正義の味方研究部」は、ヒーローオタクの会にあらず。なんと大真面目に正義の味方たらんとする人たちの集まりだった。その創部の歴史がちょっと感動モノだ。まさに、武勇伝、武勇伝、武勇デンデンデデンデン。部長は伝説そのものだったりする。 折り紙付きのイジメられっ子から抜け出す蓮見くんの姿にホッとする。 このまま伝説級のエピソードを連ねていっても、面白い小説になったろう。だが、そこは叙情系の描写にたけた本多さんだけに、少しずつ複雑に深みを増す。正義とは、理念であって、個人や特定の団体に張り付くものではない。正義の味方が固定化されれば、必ず矛盾を生じる。その時、その場面、その人によって正義は形を変える。 だが、やはり最後は少々難解だった。批判されようとも、明快にひとつの正義を実行しようとする部長の方が、ぼくは好きだ。本多さんも、そんな作品は軽いと批判されるのを恐れず、ユーモア小説で押し切っても良かったのじゃないだろうか。 | ||||
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10代後半〜20代前半で、多くの人が一度は考えそうなテーマ。 世の中の不公平さ、理不尽さ、そして正義。 正しさの真理とは? 正しさの正しさとはどこにあるのでしょう? 答えの見つからない疑問に悶々としながら、 人は自分らしさというものを見つけていくのでしょうね。 ぐるぐるまわってもとの位置にもどった時、 あなたの目に世界はどのように映っていますか? そう問いかけられているような気がしました。 正義のミカタは 正義の味方で、 正義の見方であり、 それは自分の在り方なんだなぁ、と思いました。 さあ、 主人公はいったいどんな自分を見つけたのでしょう? ちょっと気になりませんか? 特に若い人に読んで欲しい1冊。 400ページの分厚さも気になりません。 さすが本多さんです。 | ||||
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主人公の蓮見クンは(三流)大学新入生。あまり家族にも祝福されない入学ではあるものの、それでも新天地、心は少しは華やいでいてよいはずなのに、冒頭からドツボなまでに辛気くさい。・・・と言うのも蓮見クンは高校時代、というかその前からずっとイジメにあい、性格もすっかりネガティヴ一本槍になってしまっていたのでした。それでも大学までくれば過去の自分を知るひとはいない。ここなら新しい生活に希望をもって・・・と思ったら、自分を一番いじめていた奴(畠田)と学内でバッタリ!!アイツもここだったの!?お先真っ暗・・・。で、この畠田とずっと絡んでいくストーリーかと思いきや、さにあらず。ここからジェットコースターのようにストーリーが展開します。え?昔のいじめられっ子が急に強くなって畠田以下自分をいじめていたやつを全部ブチのめす??いえいえ、そんな陳腐・非現実的なハナシじゃございません。ネタばらしになっちゃうので詳しくは書きませんが、蓮見クンはある友人とひょんなことで出会い、その出会いをキッカケに部活をはじめたことで、それまでの"I'm a loser(おれは負け犬)"一辺倒の生活が劇的に変化し始めます。クラスで一番カワイイ子とデートとか昔の蓮見クンなら考えられないようなことも出来ちゃう。その部活って・・・??それは読んでのお楽しみ、なのですが、キョーレツな先輩とその部活に誘った友人・憧れのマドンナのキャラが一ヒネリも二ヒネリもされていて読んでいて唸らされること一度ならず・・。巧い。部活の先輩・友人やマドンナとの交流を通じ、蓮見クンには今まで見えていなかったものが少しずつ見えてきます。夢も希望も無くて当たり前、と思っていたのが、将来についてもボンヤリと考えるようになる。でも待てよ。この世は階級・格差社会、この大学を出たからって「底辺の底辺」から「底辺の上」にいく位の違いしかないのでは?世の中はどこまで不公平に出来てるんだい・・。ある先輩との会話から、自分のおかれた立場を少し客観的に見るようになる。人間はいつも上を見て生きていくもの。オレはこれでいいんだろうか・・・しょうがないじゃん?では、蓮見クンは自他共に認める"Loser"から脱出し、「上昇志向人間」へと脱皮するのか?蓮見クンの思考・「上昇思考先輩」との会話は実にウィット・含蓄に富んだもので、最後のほうは青春娯楽小説、というよりはシリアス純文学の様相・・・。で、ラスト。このエンディングにもしかしたら納得行かない読者もいるかもしれないけれど、僕にはピッタシはまりました。実は一瞬「?」と思ったけれど、最初からの展開を反芻すると・・・筋が一本通っている、と言うかコレしかないでしょう。実はネズミ講のハナシが出てくる後半はどうなることやら、とハラハラさせられもしたのですが最後はソーカイ。400ページ半日イッキ読み、大変面白い小説、是非一読を。 | ||||
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前半は主人公の蓮見君が正義の味方になって、悪を懲らしめる割と単純な図式で見れる読み物になっていますが、後半になると蓮見君はカイザー・ソゼのような人物と出会うことになり正義の在り方について懐疑的になります。その思索について共感できました。タイトルの「正義のミカタ」のミカタは”味方”と”見方”の二重の意味を持つんですよね。読み終わった後、そう思いました。前半で物足りなさを感じられた方、もう少しの辛抱です。後半から惹き込まれますよ。 | ||||
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この作家さんを初めて読みましたが、なんだか淡々と物事が進んでいくのに、少しずつちゃんと波がある。まあそれはあたりまえのことなのだけど、読み終わった後に違和感を少し感じる。話もちゃんと終わっているはずなのに、心の中に何かを残されたような違和感。普通なはずなのにーって言いたいけど、これがなんだか違うのだろうな・・・。わたしにもわかりませんが、とにかくだれもが通るであろう学生時代がそこに書かれている。たぶん。 | ||||
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