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4.37/5点 レビュー 119件。 B ランク

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全283件 181〜200 10/15ページ
No.103
(4pt)

小池真理子の世界が集約した作品

直木賞受賞作であり,
作者の小池真理子さん自身,この小説を着想したときのことを
「神が降りた」と言っている。
この作品のプロット,たとえば,作中小説を背景音楽のように使ったり,
核となる事件から何十年後かの様子を第三者に語らせる手法は,
後の彼女のほかの小説でも再び使われており,
彼女の小説世界が集約し,凝縮したような作品である。
恋愛の対象となる男性が,理知的で,病み疲れたような美しさを持っているのも
いつものとおりだなあ,と満足させる。

内容は,作中小説「ローズサロン」さながら,退廃的・官能的な性の営みを繰り広げる
主人公たちの関係が,ある日,その1人が現実的な普通の恋愛に目覚めたことから
崩壊する,というもの。
そりゃ,退廃的・幻想的な世界はいつかは崩壊するじゃないか,それなのに
幻想世界をいつまでも現実のものとして維持したいと願い,しがみつこうとするあまり
気が狂ったような行動をとったこの主人公はいったい何者だ,
とやや冷めた目で見てしまい,★をひとつ減らそうとする私は,
この小説を読む資格がなかったのかもしれない。
しかし,そう言いながら他方でこの幻想世界の結末の付け方に感服もしている。
この小説の設定は,70年代の学生闘争の時代であり,
前半,主人公の女子大学生の周囲にも,革命マルクス運動だのの理想世界を夢見て闘争する
学生がたくさん出てくる。
その学生運動を終結させ,現実に引き戻した事件が浅間山荘事件であり,
同じ日に,主人公の狂気の行動により,主人公らの退廃世界も終結する。
このあたりの二重唱のつむぎ方はとてもうまくて,小説としての完成度が高く
さすがだなぁと思った。
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.102
(4pt)

幻想と狂気の物語

 最近、『望みは何と訊かれたら』を上梓された小池真理子さんだが、その原点はまさにこの『恋』にある。正直言って、小池さんと私は、ほぼ同世代に当たり、幻想と狂気が一部の人々(学生等)を支配していた1970年代前半、すなわち「或る種の幻想に浸っていられた時代」(本書P.310)をくぐり抜けてきた訳だ。この幻想と狂気を一組の夫婦と女子大生の関係性に布置、仮託し、出来上がった作品が本書であろう。
 ロマンチックな題名とは違って、凄惨なラストを迎える小説であるけれども、幻想と狂気は混沌を生み、その混沌そのものを愛し、恋するが故に、女子大生・矢野布美子は己の「生(性)の秩序」たらしめようとした。しかし、本来的に混沌を秩序と擬制することは不可能であり、結局、「ありふれた生(性)の秩序」の現出によって、「混沌とした生(性)の秩序」は終止符を打たれ、悲劇的な幕切れとなってしまうのであった。
 「ありふれた生(性)の秩序」に「混沌とした生(性)の秩序」を対置しようとした矢野布美子の想念は、あの時代、ブルジョア的な日常性=関係性の否定を試みた<革命運動>のそれと類似しなくもない。<革命運動>も、それ自体、混沌を目指すものだからだ。ただし、秩序とはなり得ない。そして秩序も、実は共同的な幻想と排他的な強制とで成り立っており、それ故、異端的な幻想と破壊的な狂気を徹底的に排除するのである。
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.101
(4pt)

幻想と狂気の物語

 最近、『望みは何と訊かれたら』を上梓された小池真理子さんだが、その原点はまさにこの『恋』にある。正直言って、小池さんと私は、ほぼ同世代に当たり、幻想と狂気が一部の人々(学生等)を支配していた1970年代前半、すなわち「或る種の幻想に浸っていられた時代」(本書P.310)をくぐり抜けてきた訳だ。この幻想と狂気を一組の夫婦と女子大生の関係性に布置、仮託し、出来上がった作品が本書であろう。
 ロマンチックな題名とは違って、凄惨なラストを迎える小説であるけれども、幻想と狂気は混沌を生み、その混沌そのものを愛し、恋するが故に、女子大生・矢野布美子は己の「生(性)の秩序」たらしめようとした。しかし、本来的に混沌を秩序と擬制することは不可能であり、結局、「ありふれた生(性)の秩序」の現出によって、「混沌とした生(性)の秩序」は終止符を打たれ、悲劇的な幕切れとなってしまうのであった。
 「ありふれた生(性)の秩序」に「混沌とした生(性)の秩序」を対置しようとした矢野布美子の想念は、あの時代、ブルジョア的な日常性=関係性の否定を試みた<革命運動>のそれと類似しなくもない。<革命運動>も、それ自体、混沌を目指すものだからだ。ただし、秩序とはなり得ない。そして秩序も、実は共同的な幻想と排他的な強制とで成り立っており、それ故、異端的な幻想と破壊的な狂気を徹底的に排除するのである。
恋 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ文庫JA)より
4150306133
No.100
(4pt)

幻想と狂気の物語

 最近、『望みは何と訊かれたら』を上梓された小池真理子さんだが、その原点はまさにこの『恋』にある。正直言って、小池さんと私は、ほぼ同世代に当たり、幻想と狂気が一部の人々(学生等)を支配していた1970年代前半、すなわち「或る種の幻想に浸っていられた時代」(本書P.310)をくぐり抜けてきた訳だ。この幻想と狂気を一組の夫婦と女子大生の関係性に布置、仮託し、出来上がった作品が本書であろう。
 ロマンチックな題名とは違って、凄惨なラストを迎える小説であるけれども、幻想と狂気は混沌を生み、その混沌そのものを愛し、恋するが故に、女子大生・矢野布美子は己の「生(性)の秩序」たらしめようとした。しかし、本来的に混沌を秩序と擬制することは不可能であり、結局、「ありふれた生(性)の秩序」の現出によって、「混沌とした生(性)の秩序」は終止符を打たれ、悲劇的な幕切れとなってしまうのであった。
 「ありふれた生(性)の秩序」に「混沌とした生(性)の秩序」を対置しようとした矢野布美子の想念は、あの時代、ブルジョア的な日常性=関係性の否定を試みた<革命運動>のそれと類似しなくもない。<革命運動>も、それ自体、混沌を目指すものだからだ。ただし、秩序とはなり得ない。そして秩序も、実は共同的な幻想と排他的な強制とで成り立っており、それ故、異端的な幻想と破壊的な狂気を徹底的に排除するのである。
恋 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 恋 (新潮文庫)より
4101440166
No.99
(4pt)

女性の視座

一組の夫婦とそこに入り込んだ女子大生のある意味「退廃」した生活の中で少しずつ歪ができ、ある男の登場で、その関係が崩壊する物語。崩壊したがある意味、夫婦も女子大生も「再生」の希望が描かれている。人間は「退廃」「官能」を突き詰めるとどうなるか?どこかにやはり「道徳」がその突き詰めていく作業を邪魔する。だからこそ人間であるのだと思う。その先には「清」が待っている。ある意味突き詰める作業を行ったからこそ、その境地にいけるのだが。そのプロセスを退廃した雰囲気を行間に滲ませながら、物語はすすんでいく。直接的な表現は少ないが、すごくエロティックである。恋愛は奇麗事では済まされないのである。
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.98
(4pt)

女性の視座

一組の夫婦とそこに入り込んだ女子大生のある意味「退廃」した生活の中で少しずつ歪ができ、ある男の登場で、その関係が崩壊する物語。崩壊したがある意味、夫婦も女子大生も「再生」の希望が描かれている。人間は「退廃」「官能」を突き詰めるとどうなるか?どこかにやはり「道徳」がその突き詰めていく作業を邪魔する。だからこそ人間であるのだと思う。その先には「清」が待っている。ある意味突き詰める作業を行ったからこそ、その境地にいけるのだが。そのプロセスを退廃した雰囲気を行間に滲ませながら、物語はすすんでいく。直接的な表現は少ないが、すごくエロティックである。恋愛は奇麗事では済まされないのである。
恋 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ文庫JA)より
4150306133
No.97
(4pt)

女性の視座

一組の夫婦とそこに入り込んだ女子大生のある意味「退廃」した生活の中で少しずつ歪ができ、ある男の登場で、その関係が崩壊する物語。崩壊したがある意味、夫婦も女子大生も「再生」の希望が描かれている。人間は「退廃」「官能」を突き詰めるとどうなるか?どこかにやはり「道徳」がその突き詰めていく作業を邪魔する。だからこそ人間であるのだと思う。その先には「清」が待っている。ある意味突き詰める作業を行ったからこそ、その境地にいけるのだが。そのプロセスを退廃した雰囲気を行間に滲ませながら、物語はすすんでいく。直接的な表現は少ないが、すごくエロティックである。恋愛は奇麗事では済まされないのである。
恋 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 恋 (新潮文庫)より
4101440166
No.96
(4pt)

侵食されるような感覚

小池真理子さんの作品は
今までにも読んだことはありましたが
それらは1冊をのぞき全て
ミステリーとかホラーとか呼ばれるジャンルのもの。
好きなのです。
この方独特の大袈裟でない
わずかずつ、歯車と軸の回転が狂っていくような
浸したハンカチに、じわじわと水がのぼっていくような
静かに隙間を広げていく暗闇が…
今までと違い、新境地を開いたと
どこかで、この本についての紹介を目にしましたが
読み始めて数ページ…
あの独特の感覚は
息をつめながらも、行間に漏らす溜息の中
確かに感じられます。
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.95
(4pt)

侵食されるような感覚

小池真理子さんの作品は
今までにも読んだことはありましたが
それらは1冊をのぞき全て
ミステリーとかホラーとか呼ばれるジャンルのもの。
好きなのです。
この方独特の大袈裟でない
わずかずつ、歯車と軸の回転が狂っていくような
浸したハンカチに、じわじわと水がのぼっていくような
静かに隙間を広げていく暗闇が…
今までと違い、新境地を開いたと
どこかで、この本についての紹介を目にしましたが
読み始めて数ページ…
あの独特の感覚は
息をつめながらも、行間に漏らす溜息の中
確かに感じられます。
恋 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ文庫JA)より
4150306133
No.94
(4pt)

侵食されるような感覚

小池真理子さんの作品は
今までにも読んだことはありましたが
それらは1冊をのぞき全て
ミステリーとかホラーとか呼ばれるジャンルのもの。
好きなのです。
この方独特の大袈裟でない
わずかずつ、歯車と軸の回転が狂っていくような
浸したハンカチに、じわじわと水がのぼっていくような
静かに隙間を広げていく暗闇が…
今までと違い、新境地を開いたと
どこかで、この本についての紹介を目にしましたが
読み始めて数ページ…
あの独特の感覚は
息をつめながらも、行間に漏らす溜息の中
確かに感じられます。
恋 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 恋 (新潮文庫)より
4101440166
No.93
(4pt)

なぜ「恋」なのか?

あまりにも昼ドラな世界だわ、と言ってしまえばそれまでなのですが、いわゆる一人の女と一人の男の間に発生する一般的な恋愛の物語ではないので、(それならば作者はこのタイトルはつけなかったでしょう)主人公のふうちゃんが恋していたものは何だったのか、という部分に思いを巡らせてみると少しせつなくなります。
そもそも恋ってなんだろう?恋はどんなふうに人の心を支配し、突き動かすのか、などとしみじみ考えてしまう
作品でした。
ひとつの恋には、やはりいつかひとつの終わりが訪れるのでしょうね。
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.92
(4pt)

なぜ「恋」なのか?

あまりにも昼ドラな世界だわ、と言ってしまえばそれまでなのですが、いわゆる一人の女と一人の男の間に発生する一般的な恋愛の物語ではないので、(それならば作者はこのタイトルはつけなかったでしょう)主人公のふうちゃんが恋していたものは何だったのか、という部分に思いを巡らせてみると少しせつなくなります。
そもそも恋ってなんだろう?恋はどんなふうに人の心を支配し、突き動かすのか、などとしみじみ考えてしまう
作品でした。
ひとつの恋には、やはりいつかひとつの終わりが訪れるのでしょうね。
恋 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ文庫JA)より
4150306133
No.91
(4pt)

なぜ「恋」なのか?

あまりにも昼ドラな世界だわ、と言ってしまえばそれまでなのですが、いわゆる一人の女と一人の男の間に発生する一般的な恋愛の物語ではないので、(それならば作者はこのタイトルはつけなかったでしょう)主人公のふうちゃんが恋していたものは何だったのか、という部分に思いを巡らせてみると少しせつなくなります。
そもそも恋ってなんだろう?恋はどんなふうに人の心を支配し、突き動かすのか、などとしみじみ考えてしまう
作品でした。
ひとつの恋には、やはりいつかひとつの終わりが訪れるのでしょうね。
恋 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 恋 (新潮文庫)より
4101440166
No.90
(4pt)

ぐーっと引き込まれる倒錯した世界観

文章が本当に上手いなぁ、と関心してしまう。引き込まれる倒錯した世界観。
読み終えた後、今、自分がどこにいるのか、どういう人を愛しているのかを
つかの間忘れてしまうほど。
人の心はかくも複雑に出来ているものか。
そして求めるものは、いたってシンプル。
本の力を思い知らせてくれる1冊です。是非!!
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.89
(4pt)

ぐーっと引き込まれる倒錯した世界観

文章が本当に上手いなぁ、と関心してしまう。引き込まれる倒錯した世界観。
読み終えた後、今、自分がどこにいるのか、どういう人を愛しているのかを
つかの間忘れてしまうほど。
人の心はかくも複雑に出来ているものか。
そして求めるものは、いたってシンプル。
本の力を思い知らせてくれる1冊です。是非!!
恋 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ文庫JA)より
4150306133
No.88
(4pt)

ぐーっと引き込まれる倒錯した世界観

文章が本当に上手いなぁ、と関心してしまう。引き込まれる倒錯した世界観。
読み終えた後、今、自分がどこにいるのか、どういう人を愛しているのかを
つかの間忘れてしまうほど。
人の心はかくも複雑に出来ているものか。
そして求めるものは、いたってシンプル。
本の力を思い知らせてくれる1冊です。是非!!
恋 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 恋 (新潮文庫)より
4101440166
No.87
(5pt)

恋愛小説の第一人者の選ぶ俳優たち

ここのところ、無性に映画が観たくなり、敬愛する小池女史の好きな映画はどういったものなのか、また、誰なのか知りたくなり、購入しました。
おそらくかなりの数の映画を観ているであろう小池氏のことなので、人気のありすぎる俳優たちよりは、コアな俳優について解説されているのだろうと思っていたら、これがそうでもなく、日本でも熱狂的な人気を誇るハリウッド俳優たちについても非常に鋭い観察眼でもって見つめている。その俳優の外見的特徴から、実際にスクリーンに映った時どのように「活きて」くるのかまで、(その映画や俳優たちを)何も知らないこちらにをも納得させる解説がなされており、興味深かった。
またこれで観たい映画が増えました。あまり映画に興味がなかった人も、是非読んでみることをおすすめします。
映画は恋の教科書(テキスト) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 映画は恋の教科書(テキスト) (講談社文庫)より
4062749491
No.86
(5pt)

何度読んでも涙が出てくる、いい本だ。

 小池真理子の代表作なのであろう。しかし、あの学生時代の背景といい、
禁断の恋といい、最後の結末といい、完成された作品である。
テーマは悲しい恋なのだが、ストーリーの展開が素晴らしい。
この本ですっかり小池真理子のファンになった。
恋 (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152079630
No.85
(5pt)

何度読んでも涙が出てくる、いい本だ。

 小池真理子の代表作なのであろう。しかし、あの学生時代の背景といい、
禁断の恋といい、最後の結末といい、完成された作品である。
テーマは悲しい恋なのだが、ストーリーの展開が素晴らしい。
この本ですっかり小池真理子のファンになった。
恋 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 恋 (ハヤカワ文庫JA)より
4150306133
No.84
(5pt)

何度読んでも涙が出てくる、いい本だ。

 小池真理子の代表作なのであろう。しかし、あの学生時代の背景といい、
禁断の恋といい、最後の結末といい、完成された作品である。
テーマは悲しい恋なのだが、ストーリーの展開が素晴らしい。
この本ですっかり小池真理子のファンになった。
恋 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 恋 (新潮文庫)より
4101440166