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逆転ペスカトーレ



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【この小説が収録されている参考書籍】
逆転ペスカトーレ
逆転ペスカトーレ (祥伝社文庫)

逆転ペスカトーレの評価: 3.38/5点 レビュー 8件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

人間の匂い、料理の匂いが立ち上る

舞台は東京の小さなイタリアンレストラン。
主人公は、すでに亡くなっているオーナーシェフの娘のあきら。あきらは実は料理の才能を秘めているのですが、人生の目的を見つけられずにふらふらしている二十代女子。
レストランはあきらの姉のみゆきが引き継ぎ、優秀な雇われシェフとタッグを組んで切り盛りしてきましたが、大家からは家賃の値上げを迫られ、近くには大手チェーンが出店してくることになり、一気に厳しい状況へ。そこへ追い打ちをかけるように、シェフが辞めることに、、、。
あきらはこれを機に店を手放せばいいと投げやりですが、みゆきは大事な父の味を守っていこうとかえって闘志をかきたてます。あきらはしぶしぶながらそんな姉に協力しはじめます。
そんなところへ現れた謎の客。タチの悪いクレーマーと思いきや、じつは凄腕の料理人ということが分かり、なんと新シェフに収まってしまいます、、、。

知ってる人はだれでも三谷幸喜の傑作テレビドラマ『王様のレストラン』を思い浮かべてしまう設定ではないでしょうか。物語自体はミステリなので、『王様』とは全然違うのですが、テンポのいい展開、緊張感のある立体的な人間関係は、『王様』の向こうを張ります。登場人物のキャラは『王様』ほど立っていませんが、その分リアルさがあります。じつにおもしろい。ぐいぐい引き込みます。

ところが、九割方物語が進んだあたりで、ミステリの種明かしのようになり、それで緊張感のある人間関係も一気に弛緩し、笑点のようなゆるい大団円を迎えてしまうんですわ。なんだかなー。他のレビューの方も書いてますが、もったいない終わり方だと思います。筆者はどうしてもミステリとしてまとめたかったのかな。ミステリの要素なんて味付け程度で済ませてしまっても、全然おもしろいのに。方向間違ってないかー?
客のセリフにもありますが、こういうレストラン、近くにあったらいいのにな。いい感じで人間の匂いが、料理の匂いが、立ち上っています。

最後の手前までだったら☆五つです。ぜひぜひ次を期待してます。
逆転ペスカトーレ (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:逆転ペスカトーレ (祥伝社文庫)より
4396337523

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