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燃える地の果てに



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燃える地の果てにの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

気持ちよくダマされましょう

1995年から98年までに雑誌連載された、700ページを越える長編作品。スペイン現代史という逢坂剛の得意の舞台で繰り広げられる、豪華な政治アクション小説である。
1966年、スペイン上空で米軍機同士が衝突し、爆撃機に搭載されていた核爆弾4基が放出された。うち3基は地上で回収されたのだったが、残りの核爆弾1基は海中に没したらしく、米軍の必死の捜索でも見つけることができなかった。事実を隠しながら核爆弾を探す米国、その事実を暴露し、あわよくば核爆弾を入手しようとするソ連側のスパイが、スペインの田舎町で激しい神経戦を繰り広げ、この町に住むギター製作者・ディエゴのもとを訪れてギター製作を依頼し、出来上がるのを待っていた日本人・古城も否応無く、その争いに巻き込まれて行った。
1995年、新宿ゴールデン街でバーを営む・織部は、イギリス人ギタリスト・ファラオナのコンサートで彼女のギターに心を奪われ、彼女を店に招待する。店を訪れたファラオナは、古城と自分のギターが同じディエゴの作品であることに驚き、ディエゴに会うために一緒にスペインへ行こうと古城を誘ってきた。そして翌年、核爆弾墜落から30年が経ったスペインの田舎町で、二人は幻のギター製作者・ディエゴを探し始めたのだったが・・・。
スペイン現代史、情報戦、ギター、史実をベースにした現在と過去の並行した話の展開など、これぞ逢坂剛の世界という要素がびっちり詰まった超重量級の作品である。最終盤で、極めて重要な仕掛け(トリック?)が明かされるのだが、「それは無いだろう」とはならない。気持ちよくダマされた快感が味わえる。
逢坂剛ファンには文句なしのオススメ。スパイミステリー、軽いアクション小説のファンにもオススメだ。

iisan
927253Y1

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