オススメ?ダメダメ? 推理小説(ミステリ)について読書管理や感想を書いていく書評サイトです。 はじめての方はこちらからどうぞ。 サイトの要望はこちらからどうぞ。
2026年度雑誌ランキング
会員機能
その他
テスト稼働中自由に遊んでみてください!
【長江俊和】
【この小説が収録されている参考書籍】
【この小説が載っている参考書籍】
出版禁止 死刑囚の歌の評価:
9.17/10点 レビュー 6件。 S ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点9.17pt
絞込み:
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
出版禁止 死刑囚の歌の感想
なかなか、読みごたえがありました。過去の出版記事やルポを並べて一つの小説を作り上げるという構成は、斬新で興味深かった。文体も平易で読み易い。一気読み必須である。事件の背景を丁寧に追い詰め、最後に、なるほどというオチを用意する。最後まで引っ張られました。もちろん、若干、強引な展開も見られなくは無く、また、オチもある程度は予見できる。 ▼以下、ネタバレ感想
個人的に社会派の作品は好みではありませんが、この作品はサクサク読めました。編纂されたルポや雑誌記事という体裁で、ある種の複数視点から事件が語られる形式により物語が進みます。これが上手いこと新事実を小出しにして、続きが気になるような構成になっていると感じました。推理小説のパターンなんて粗方出尽くしたと思っていましたが、こういう作品を読むと、まだまだ推理小説にも新しい可能性があるのかなと思います。
これは傑作。ルポルタージュを用いたミステリとして素晴らしい完成度でした。報告文学のミステリを体験したい場合、本書は非常におすすめです。『出版禁止』シリーズとして2作目となりますが、前作を読む必要はありません。本書単品で楽しめます。シリーズ共通項は、"作者の長江俊和が実在する事件のインタビュー記事や資料をまとめて世に出した。"という体裁の作品です。1作目の『出版禁止』では報告書を読んでノンフィクションの事件を体験する怖さを味わえるのですが、真実が結局わからずモヤモヤするリドルストーリー作品でした。面白い試みでしたが、読者が深読みしてどれだけ楽しめるかという読み手の行動に委ねられる作品でもありました。そんな訳で2作目は敬遠していましたが、世の中の評判から読んでみると当たり。前作の不満点が解消され、真相が書かれていなくても、全てを読むと真実が見える作りとなっています。このバランスが巧いです。個人的好みですと最終章『渡海』はカットするか袋とじにした方が謎の難易度が上がってより話題になっただろうなと思いました。ただ著者ファンを広げるにあたり、普段ミステリを読まない読者層を視野に考えると優しいぐらいが丁度良いかもしれないとも思う悩ましい匙加減を最後に感じました。というわけで、前作読んでいるが結末が好きになれず2作目を躊躇している方は手に取って損はないです。ルポルタージュ形式について。本書は必然ある作りに唸らされます。小説における、作者=神の視点で正しい真実が書かれる約束が、他人の記事をまとめたもの設定により信憑性が薄まるのです。前作はノンフィクションを装う効果が主体でしたが、今作はそれプラス、ミステリの楽しさに繋がっています。読者はいくつかの記事を読んでいくと書かれていない繋がりに気づく事でしょう。作者=神の視点ではなく、読者=神の視点となる作品なのです。読んだ方はわかると思いますが、この感覚が非常に面白くて、どんどん謎が頭の中で繋がる感覚を得る為、読むことが止められず一気読みでした。また、視点を変えて本書のルポ形式について感想を述べると、単体のルポだけでは真実が見えない危うさを感じます。世の中のTVや新聞で垂れ流されている日々の事件のニュース。それ単体は偏った報告であり真実とは限らないのです。そういう風刺も感じました。雰囲気としては事件の記事なので重いです。そこだけは万人に薦められるものではないですが、必然的なルポ形式で完成されたミステリは他にパッと思いつかないのでこの手の作品を体験したい方へは非常におすすめです。 ▼以下、ネタバレ感想
幼い姉弟2人を殺害した罪で、死刑囚となったホームレスの男・望月。 動機の見えぬ殺人と潔い自首の謎、多くを語らなかった彼が唯一残したのは獄中で詠んだ短歌。 数多の記事から真実を読み解くことはできるだろうか・・・。 出版禁止シリーズの第二弾。 ノンフィクション作家の取材紀行やルポ記事の羅列で構成されたモキュメンタリー作品。 そこにホームレスという社会的弱者による無差別な凶行や獄中歌人という現実的要素を取り合わせることでフィクション作品であると理解しながらも現実の事件を解き進めるような気分にさせられます。 終わり方も既存の禁止シリーズとは毛色の違う感じで・・・、★は9つ。 ▼以下、ネタバレ感想
ここまで惹き込まれる作品は久々です。おそらく長江氏ならではのルポルタージュ風の体裁が、まるで実際に起きた事件を扱っているかのように組まれているのも要因のひとつ。また伏線の張り方が素晴らしく、最後まで一気に読まないと「真実」が見えてこない気持ちにさせる。最近毎日のように世間を騒がせているニュースを彷彿とさせるストーリーになっているのもひとつのメッセージなのでしょうか。「真実」の応募期間は終了していたので、サイトで真実のまとめを公開していた人の見解を拝見して納得。最後は感涙ものです。どうか↑の「世間を騒がせているニュース」がなくなりますように、というのが本作を読んで感じた最も大きな私の願いです。
なかなか、読みごたえがありました。
過去の出版記事やルポを並べて一つの小説を作り上げるという構成は、斬新で興味深かった。
文体も平易で読み易い。一気読み必須である。
事件の背景を丁寧に追い詰め、最後に、なるほどというオチを用意する。
最後まで引っ張られました。
もちろん、若干、強引な展開も見られなくは無く、また、オチもある程度は予見できる。
▼以下、ネタバレ感想