暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss
評判
暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kissの評価:
9.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
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暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kissの評価:
9.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
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久しぶりの氏の作品。氏の作品はどれもそうだけれどお話自体が楽しめる。ミステリ度がどうのトリックがどうのという話ではない。それが氏の作品に対する自分の認識。軽妙で洒落た文章、多少ハードボイルドチックで楽しい会話。
楽しい夢を見させてくれる数少ない作家だ。「ゾラ・一撃・さようなら」と同じ探偵・頸城悦夫が主人公の物語。彼を取り巻く連中も面白い人物ばかりで、その他の作品も全部がそうだけれどキャラクターの造形が上手い。
読んでいて楽しいのは一番に登場人物たちの面白さだ。この主人公の人物像もフワフワと生きているような感じだが、古い記憶の底に沈殿しているものは若さが作った苦々しいものでちょっと影がある人物といった設定。ハードボイルド・チックにしている関係上このような人物が好ましいとしても、とりまく女性たちとの距離が絶妙だ。それは頸城悦夫という探偵のキャラクターの良さが上手く機能し、またそのように書く氏の筆の確かさ故だろう。
二作書かれた。この後も探偵頸城悦夫の物語を期待してよいのだろうか。そうだとしたらとても楽しみだ。