独房からは信じがたい静寂が漂ってきた。獄内の静けさを残らず集めたより深い静謐が。

第一次世界大戦で父と兄弟を喪い、母とふたりで生きていくため屋敷の部屋を貸すことにしたフランシス。

斜陽の領主一家と屋敷を静かに襲う、不幸な“事故”の数々。

1947年、ロンドン。

19世紀半ばのロンドン。17歳になる少女スウは、下町で掏摸を生業として暮らしていた。

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。

親友の夫だった医師アンドルー・モローと再婚したルシール。

１９世紀ロンドンの闇に潜む殺人者。

サーストン家で開かれたウイークエンド・パーティーの夜、突如として起こった密室殺人事件。

森の中で、袋に入れられて木から吊されていた三人。イカれたパーティーガール、変質者、そして狂気に冒された配給所の聖女。

1913年オーストラリアの港に、小さなトランクとともに取り残されていた少女ネル。トランクには、お伽噺の本が一冊。

愉快、痛快、奇々怪々、紀要、多彩で、怪力乱舞。ようこそ、奇想ワールドへ。

18世紀、ジャージー島。ジョンが想いを寄せる美しい子爵家令嬢の水浴姿を見てしまった父が、猟犬にズタズタに噛み殺される。

侍女のオブフレッドは、司令官の子供を産むために支給された道具にすぎなかった。

無実だとの叫びもむなしく、ビル・ホルトは冷酷な殺人犯として投獄された。

殺された画家、盗まれた絵画。

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。

クリスマス商戦のさ中、デパートのおもちゃ売り場でアルバイトをする十九歳の女性テレーズは、美しい人妻と出会う。

サンフランシスコ、夜。小柄でブロンドの美しい女がカフェに入ってきた。

密室で夫人が自殺して以来、奇怪な噂の絶えないダーンリーの屋敷。

北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ名物刑事、クルト・ヴァランダー。

迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。

『天国でまた会おう』三部作、第2弾! 莫大な遺産を相続した女に襲いかかる魔手。

1980年12月、イスタンブール発パリ行きのエアバスが墜落。ただ一人、生後間もない女の子が生存していた。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品 凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人の兄弟。