中部ヨークシャーの人里離れた谷間の小村エンスクーム。

1963年、アメリカでケネディ大統領が暗殺され、イギリスでは大政治スキャンダル“プロヒューモ事件”が国を揺るがしていたころ、ヨークシャーの貴族の邸宅で泊まり客の一人が死体となって発見された。

ヨークシャーの炭坑町で三年前に起きた幼女失踪事件は、当時つぎつぎと幼女を暴行し、殺害していた殺人鬼の仕業だと考えられていた。

祖母の葬儀に参列したパスコー主任警部は、第一次世界大戦に従軍した曾祖父が謎の死を遂げていることを知った。

パスコーは、疑念を拭い切れないでいた。前科者から学生、研究者へと更正の道を歩んでいる青年フラニー。

サンディタウンの町は生まれ変わろうとしていた。

発端は、図書館に届いた短篇コンクールの応募原稿だった。

【あの警視が死んだ!? そんなこと、信じられない!】 通報してきたのが無能で鳴らすヘクター巡査でなかったら、 通報を受けたのが無頼で鳴らすダルジール警視でなかったら、 事件の様相はまったく違っていたかもしれない。

ダルジール警視は周囲の反対を押し切って職場に復帰した。しかし体調はすぐれず、仕事の勘も戻らない。

ダム工事のため湖底に沈む山里の村で、相次いで二人の少女が失踪した。

ある寒い晩、3人のひとり暮しの老人が死んだ―パリンダーは運動場の泥濘に倒れ、ディークスは入浴中を何者かに襲われ、自転車に乗ったウェスタマンは車に衝突し、息を引き取る前にこう罵った。

彼女は力をこめて、男の股間に膝を突き上げた。男の顔が血の気を失う。

中年男パルの頭を吹っとばされた死体は、内側から鍵のかかった書斎で発見された。

休暇でリンカンシャーの田舎を訪れたダルジール警視は、そこで知りあった未亡人ボニーの大邸宅に滞在することになった。

コペンハーゲン警察の特捜部Qは未解決事件を専門とする部署だ。ある日ここに一本の電話が入った。

之島のホテルで梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺と断定。

イングランド北西部の小村イルスウェイト。何百年も続くこの村を偶然二人の男女が訪れた。

遺産は1944年にイタリア戦線で従軍中に行方不明となった一人息子のアレグザンダーへ―大富豪ヒュービイ家の未亡人が残した風変わりな遺書に、彼女の埋葬に立ち合っていた親威一同は、胸のうちに秘めた驚きと悔しさを隠しきれなかった。

仕事を解雇され、やむなく私立探偵となった冴えない中年男、ジョー・シックススミス。

ダルジール警視は窓から目撃した光景に愕然とした。男が銃を手に女に迫っていたのだ。

雪の予感がする早朝、小さな村から異変を告げる急報が入った。駆けつけた刑事を待っていたのは、凄惨な光景だった。

ベッドフォードシャーの工場町ルートンに住むジョー・シックススミスは、そろそろ四十に手が届こうかという中年男。

匿名の電話の警告を無視してフリーダは婚約者の実家へ向かうが、その夜のパーティで殺人事件が起こる。

リンダ・ヴァランダー、まもなく30歳。

ヘイスティングズは親友ポアロの招待で懐かしきスタイルズ荘を訪れた。

名ヴァイオリン職人のジャンニは、ヴァイオリン製作学校の講師でもある。

ペレス警部が参列したささやかな葬儀の最中、大きな地滑りが発生。

父親は大金持ち、本人は大学の講師と交際している札つきの問題児――そんな学生バーバラの誘拐計画が進行中だという怪しげな話が、大学当局に飛びこんでくる。

かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。

イングランドから越してきた家族が住むシェトランド本島の家の納屋で、相次いでふたつの死体がみつかる。

夕闇のせまるオックスフォード。なかなか来ないウッドストック行きのバスにしびれを切らして、二人の娘がヒッチハイクを始めた。

九十キロを越す巨体、無作法、口の悪さは超一級―そんな型破りの“アンチ・ヒーロー”、ダルジール警視は、その桁外れの魅力でミステリ・ファンの圧倒的な支持を受けてきた。