街の灯

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初版刊行(参考)
種別
長編
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4,221回
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あらすじ

2002年12月31日 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。令嬢の“わたし”は『虚栄の市』のヒロインにちなんで、彼女をひそかに“ベッキーさん”と呼ぶ。そして不思議な事件が…。待望の新シリーズ。昭和七年“時代”という馬が駆け過ぎる。(「BOOK」データベースより)

評判

街の灯の評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク

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街の灯の総合評価:

8.06/10点 レビュー 36件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.36
(4pt)

ベッキーさんが気になって

舞台は昭和8年(1932年)の東京。

士族出身の某財閥のご令嬢 花村英子、女子学習院中等科在学中。 そして花村家のお抱え運転手 別宮みつ子が主人公だ。

別宮はベックと発音する。 名字も珍しいがこの当時女性が運転手をすること自体も珍しい。

彼女の素性については雇い主である父は知っているが、読者と英子お嬢さまには知らされていない。

きりりとした容姿、頭脳明晰、文武のどちらにも長けた謎の女性である。

このふたりが身近に(?)起きる殺人事件や、ちょっとしたなぞ解きに挑戦する。

推理小説と戦前の少女小説が合体したような、独特の雰囲気がおもしろい。

昭和8年と言えば、5.15事件(軍部将校による犬養首相暗殺)があった年で、日本が満州国を建国、

上海事変があり、白木屋デパートで火事があり、チャップリンが来日している。

世間はこんな情勢であっても、花村英子の日々の暮らしにはまだ翳りはないのである。

わたしの父は彼女と同じくらいに生まれている。 そのせいか物語の中の東京の風景は懐かしく

両親や祖父母から聞いた話しと うまい具合に混ざりあって実在感があった。

本格推理物ではないが、おっとりと楽しめる作品である。 この本には3編収録されているが、

別冊文藝春秋の連載小説のようだから、そちらを読めば先取りすることができるだろう。

なんといってもベッキーさん(別宮みつ子の渾名)の素性が気になって、そこがはっきりするまでは

読み続けるしかないではありませんか。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.35
(4pt)

映画化するときベッキーさん役は…

前にも読みました。
もし、ベッキーさんシリーズが映画化されるときはベッキーさん役は天海祐希さん、明日海りおさんなどの元宝塚トップスターがすごくぴったりです。柚香光さんが退団したらベッキーさん役をやってくれたらと思っています。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.34
(4pt)

映画化するときベッキーさん役は…

前にも読みました。
もし、ベッキーさんシリーズが映画化されるときはベッキーさん役は天海祐希さん、明日海りおさんなどの元宝塚トップスターがすごくぴったりです。柚香光さんが退団したらベッキーさん役をやってくれたらと思っています。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.33
(5pt)

なんと美しいお話でしょうか

北村薫氏の作品は初めてでした。どんな作風の方かも知らなかったのですが、読み始めてみれば、本当に美しいお話で。舞台が戦前の上流社会だということもあると思いますが。

まず出だしの文章からやられてしまいました。「家々の屋根のわずか上に、薄藍の雲の連山が見えていた。ちょうど空という水鉢に紺の絵の具を溶いて、それが沈んだような具合だった。雲の向こうはほのかな桜色に染まっていた」。なんと美しい風景描写でしょうか。
それから、ヒロインの花村英子と自家用車の運転手、園田、そしてお父様の会話が始まります。その言葉使いのまたはんなりしていること。当日は友人の有川伯爵令嬢から、雛の宴に招かれて行くところでした。これがまたなんとも言えない優雅さで、当時の上流階級というのはこんな暮らしをしていたのかと驚愕しました。集まってくる娘たちは、みな自家用車でお付の女性を連れて、雛祭にふさわしい柄の着物をまとっています。電気は切られて、篝火とぼんぼりの灯だけで屋敷が照らされ、大広間には歴代の何組もの雛人形が並べられ、桜の花びらを浮かせた白酒とお料理をいただく・・・。こういう催しが、公のもの、各界名士や大使夫人を招待したもの、そして今日の伯爵家姉妹の友人たちのためのものと、3,4日に渡って行われるのだそうです。
他にも、園遊会やら、銀座に運転手付の車で行く時にはお付もついてきて、買物をすればお付の女性が支払いをする、自分では財布を持ったこともないこと、夏になると最初は鎌倉の別荘で海水浴、8月になってさらに暑くなると軽井沢の別荘に避暑に行く、侯爵様の別荘は何万平米も広さがあって、ご自分の馬で軽井沢を散策される・・などなど、ため息が出そうな裕福ぶりです。まだ江戸や明治の気風も残っていたのでしょうか。使用人の側も、お殿様、お姫様と、はっきりと身分が違うという観念を持っていた様子です。

主人公、英子の家は華族ではなく、お父様が元士族で、財閥系会社の社長だということ、そのためか英子自身が言うように「うちはわりと開けているのだ」、と。当時としては画期的だった女性の運転手が英子に付くことになります。文武両道に秀でて、控えめだけれど思慮深い別宮、通称ベッキーさんと英子は、だんだんと心を通わせていきます。

一応ミステリ・ジャンルに分類されると思いますが、本格ミステリやもっとはらはらドキドキの小説を求める方には今ひとつかも。個人的には純文学に近いと感じました。三島由紀夫の「春の雪」を思い出しましたが、あちらが退廃と憂愁いう暗めの雰囲気なのに対して、こちらは明るくさわやかです。箱入り娘でお嬢様だけれど聡明なヒロインが、市中の事件や、軽井沢で避暑中に起きた不可解な出来事の真相を解明します。軽井沢の話は、身近で人が死ぬため緊迫感があります。そして、最初はおっとりのほほんと見えていたお話に、華やかな上流社会の息苦しさや冷たさなど裏面がちらりとほの見えてぎくりとさせられます。時代はこれから太平洋戦争に突入していくはず。先はどうなっていくのでしょうか。

古き良き日本の美しさに一時酔いしれることができました。2冊目、3冊目と話がどんどん展開するようですので、さらに続けて読んでいきたいと思います。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.32
(5pt)

なんと美しいお話でしょうか

北村薫氏の作品は初めてでした。どんな作風の方かも知らなかったのですが、読み始めてみれば、本当に美しいお話で。舞台が戦前の上流社会だということもあると思いますが。

まず出だしの文章からやられてしまいました。「家々の屋根のわずか上に、薄藍の雲の連山が見えていた。ちょうど空という水鉢に紺の絵の具を溶いて、それが沈んだような具合だった。雲の向こうはほのかな桜色に染まっていた」。なんと美しい風景描写でしょうか。
それから、ヒロインの花村英子と自家用車の運転手、園田、そしてお父様の会話が始まります。その言葉使いのまたはんなりしていること。当日は友人の有川伯爵令嬢から、雛の宴に招かれて行くところでした。これがまたなんとも言えない優雅さで、当時の上流階級というのはこんな暮らしをしていたのかと驚愕しました。集まってくる娘たちは、みな自家用車でお付の女性を連れて、雛祭にふさわしい柄の着物をまとっています。電気は切られて、篝火とぼんぼりの灯だけで屋敷が照らされ、大広間には歴代の何組もの雛人形が並べられ、桜の花びらを浮かせた白酒とお料理をいただく・・・。こういう催しが、公のもの、各界名士や大使夫人を招待したもの、そして今日の伯爵家姉妹の友人たちのためのものと、3,4日に渡って行われるのだそうです。
他にも、園遊会やら、銀座に運転手付の車で行く時にはお付もついてきて、買物をすればお付の女性が支払いをする、自分では財布を持ったこともないこと、夏になると最初は鎌倉の別荘で海水浴、8月になってさらに暑くなると軽井沢の別荘に避暑に行く、侯爵様の別荘は何万平米も広さがあって、ご自分の馬で軽井沢を散策される・・などなど、ため息が出そうな裕福ぶりです。まだ江戸や明治の気風も残っていたのでしょうか。使用人の側も、お殿様、お姫様と、はっきりと身分が違うという観念を持っていた様子です。

主人公、英子の家は華族ではなく、お父様が元士族で、財閥系会社の社長だということ、そのためか英子自身が言うように「うちはわりと開けているのだ」、と。当時としては画期的だった女性の運転手が英子に付くことになります。文武両道に秀でて、控えめだけれど思慮深い別宮、通称ベッキーさんと英子は、だんだんと心を通わせていきます。

一応ミステリ・ジャンルに分類されると思いますが、本格ミステリやもっとはらはらドキドキの小説を求める方には今ひとつかも。個人的には純文学に近いと感じました。三島由紀夫の「春の雪」を思い出しましたが、あちらが退廃と憂愁いう暗めの雰囲気なのに対して、こちらは明るくさわやかです。箱入り娘でお嬢様だけれど聡明なヒロインが、市中の事件や、軽井沢で避暑中に起きた不可解な出来事の真相を解明します。軽井沢の話は、身近で人が死ぬため緊迫感があります。そして、最初はおっとりのほほんと見えていたお話に、華やかな上流社会の息苦しさや冷たさなど裏面がちらりとほの見えてぎくりとさせられます。時代はこれから太平洋戦争に突入していくはず。先はどうなっていくのでしょうか。

古き良き日本の美しさに一時酔いしれることができました。2冊目、3冊目と話がどんどん展開するようですので、さらに続けて読んでいきたいと思います。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700

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