革命の血
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30年スパン、平成の始めと終わりが交差する。 極左のセクトと公安。 ストーリーは二転三転とこねくり返してくる。 かつて学生でSだった公安警部。 30年の点と点を結び、ベールに包まれた真相が明らかに。 ”釣銭は必ず募金箱に入れる”は、この国への”希望”に向けてなのか。 | ||||
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1989年当時に横浜総合大学は極左組織全盛だったのだろうか?そのさらに10年前に都内の私立大学生でしたがキャンパスでは学生運動、極左セクトなどの影すら全く感じずに安閑と過ごしていました。全盛時代とすればさらにその10年以上前の安保条約改定のころではないかと思います。時代設定が20年ほどズレているのは多分、主人公が刑事になっても40年以上前だと現役ではなく定年退職してしまっているからでしょう。 公安警察モノとしては秀逸ですが、主人公に都合良く話をしてくれる登場人物ばかりでいったいなぜなの、という疑問は最後に解き明かされます。どうもリアルな感じがありません。もちろんだからこその「公安警察」なのかもしれません。 | ||||
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1989年。横浜総合大学教育学部二年生、沢木了輔は必修科目の単位欲しさにレポートを提出すべく教育学部の研究棟へと向かいます。そこで彼は或る人物と遭遇し、その人物も沢木が向かう非常勤講師、三森を訪ねると聞き、研究室へと連れて行きます。そこで発生する凄惨な爆破事件。 30年後の2019年。相模原市南区の閑静な住宅街の或る家の前に停められた古びたトヨタ・スターレットが起爆装置による爆弾によって爆発、男が宙に舞い、住宅本体も跡形もなく消え失せます。死者は、元神奈川県警警備部公安第三課課長、吾妻仁志。そして、第三課課長代理、沢木了輔が捜査にあたります。 一人の主人公による二つの時系列が混在しつつ(まるで読者を愚弄するかのように(笑))物語は進み、平成の三十年が「そうであったかもしれない<ノンフィクション>」のように描写されながら重厚で最後まで飽きさせない平成裏面史が構築されています。公安対セクト、オデッセイア。私は、もし他に読むものがなければ(笑)、再度1989年の物語を読み、その後に2019年の物語を読んでみたい。 ここではそのストーリーを詳述することはやめたいと思います。あまりにも密度の濃い物語が構築されていますので、私の筆力ではそのストーリーを纏めることすらできない(笑)。 よって、この物語によっていくつか触発された思いを記述したいと思います。 “Japan As No.1”は大いなる嘘だった。そして、当時私もまた浮かれていました。 米国ハードボイルドの真髄はチャンドラーではなく、「マルタの鷹」を書いた作者の著作の中にあった。 横浜がじっくりとハメットの著作のように描写されています。嗚呼、「オリジナル・ジョーズ」のラザニアが食べたい。もう少しディティールに「艶」があれば、最近音沙汰なしの矢作俊彦の<横浜>の著作を凌駕したかもしれません。別の観点から言うと、ハメットの著作に「艶」はいらなかったか(笑)。 そして、一気に本書を読み終えた後、作者(柏木伸介氏)の意に背く内容になるかもしれませんが、私はかつての国会中、故石原慎太郎衆議院議員が故安倍晋三前内閣総理大臣を前にして「靖国参拝」に纏わる質疑時に読み上げた或る人の歌を想起することにもなりました。 「かくまでも醜き国になりたれば、捧げし人のただに惜しまる」 小説に戻りましょう。本書は、かくまでも醜き国を描き上げた傑作だと思います。 私は、1980年代中期、横浜市神奈川区に住み、三沢競技場そばの月極駐車場に車を駐めていた時期があり、その30年後、配偶者が横浜にある某国立大学の大学院に通い始めたため、再三その場所を行き来することになりました。そのため、この小説の舞台の土地勘ありと自負しながら、何故か読書中ときめきが止まりませんでした。様々な思い出が蘇ります。良い思い出も、悪い思い出も(笑)。 □「革命の血」(柏木伸介 小学館) 2024/2/10。 | ||||
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