第四の郵便配達夫
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 | 1988年11月01日 第四の郵便配達夫 (創元推理文庫) 1940年代、シカゴ。とある路地で、3人の郵便屋が相ついで殺されるという事件が発生した。弁護士マローンは飲み代欲しさに首を突っ込んだが、世の中そんな甘くはない。ただでさえ厄介なこの事件、例のごとく友人のジャスタス夫妻にかきまわされて、滅茶苦茶な様相を呈していったのだ!笑いとペーソスが彩るライスの秀作、待望の新訳決定版。 (「BOOK」データベースより) |
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| 一度事件に関わりだしたら食事も睡眠もなげうってシカゴ中を失踪する口八丁の弁護士探偵マローンと、その愉快でお騒がせな仲間たちが繰り広げる活劇を笑いながら、三人の郵便配達夫が立て続けに同じ地区で撲殺された謎を考える、二重の楽しみ！話の骨格自体は、恋と遺産相続、つまり「グリーン家殺人事件」など名作古典と同じながら、犯人も含めだれ一人として憎めない、ヒューマニズムあふれるミステリ。こういう作風を持つ作家はなかなかほかに見当たりませんよね。本書は、マローンが気づく郵便配達ミスの原因に一部納得しかねる部分はあるものの、トータルでは”ユーモア本格”の惹句に恥じない佳作と思います。事件解決後に明らかになるボブ・アレン氏の正体も、意外性のおまけというサービスぶりです。 | ||||
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| 何か居心地が良いライス世界、でもそーゆーのって実世界に違和感のある人の世界じゃないか、とも思うわけです。 ところで本作を読んでて感じたのですが、これって1940年代の世界というより1920年代風味(つまりノスタルジア系)なのでは？ だから懐かしさすら感じる世界観になってるのでしょうね。(O. ヘンリー的な人情話風でもあります) | ||||
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| 雪が舞う11月のシカゴ。三人の郵便配達人が殺され、億万長者の老人が容疑者として逮捕された事件を、刑事弁護人ジョン・J・マローンが調査していくユーモア・ミステリ。本書は、マローン、ヘレン、ジェイクの名トリオ（三人組）に、ビール好きの犬が加わって、ユーモラスで愉快な四重奏を奏でています。スラップスティックなどたばたコメディの面白さと同時に、しんみりとさせられるペーソスあふれるあたたかさが心地よいなあ。予想以上に楽しませてくれました。 なかでもおかしかったのは、オーストラリアン・ビア・ハウンドのワンちゃんが、マローンのお供をして行く先々で注目を集め、登場人物たちが「譲ってくれないか」とマローンに持ちかける場面。このシーンが繰り返し出てくるんですよね。「この台詞を耳にするのは何度目だろう」てな感じで、あちこちでくすくすしちゃったな。ハーキュリーズって名前のブラッドハウンド犬が活躍するライスの『暴徒裁判』とともに、とても魅力的な犬のキャラクターでしたよ。 水疱瘡にかかったジェイクの容態が気がかりなヘレンと、ヘレンにできるだけ心配をかけさせないように手を尽くすマローン。普段は軽口を叩き合う彼らの間に、相手を思いやる気遣いがしっかり流れているところがいいですねぇ。あたたかみのあるペーソスに、ほろりとしちゃいました。 2008年の今年が生誕100年にあたっているクレイグ・ライス。これまでに読んだ彼女の作品では、『暴徒裁判』『眠りをむさぼりすぎた男』とともに、格別の読みごたえを感じた一冊。 | ||||
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| 新訳とはあるものの、まさか途中とは知らなかった。まあ、何とか人間関係も分かったけど。 1940年代のシカゴ。主人公は弁護士のマローン。が、彼は法廷に立たない男。むしろ、探偵に近いようだ。 とある路地で三人の郵便配達夫が相次いで殺されるという事件。犯人と目されたのは、近所に住む大富豪。彼はタイタニックで死んだ婚約者からの手紙を待ち続け、それを届けてくれない配達夫を殺したと言うのだが……。タイタニックという時点で、何だか時代を感じます。マローンは小男だけど、結構ハードボイルド。なかなか弁護料を得られず、スカンピンな辺り！ 途中までは、嫌そうに仕事をしているマローンだが、突然事件の核心の一つを見抜いてしまったところで、一気に引き込まれました。明日辺りまで読むつもりだったのに。 脇役の「早く警官を辞めたい」殺人課の警部・ダニエル・フォン・フラナガンが結構好き 事件を引っ掻き回すジャスタス夫妻もなかなか（妻を心配させたいからって、水疱瘡なのに雪の中出かけて、凶器を拾ってくる辺り）。前の作品もぜひ読みたい。 この作品に限っては、野良犬が出てくるのだが、会う人会う人みんな譲ってくれと頼む。どんな犬だ？ 子犬らしいが。でもマローンから離れず、最後にはとうとう望ましい飼い主を見つける。これも名脇役か？ | ||||
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