みちびきの変奏曲
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通り魔に殺された清藤真空の最期に偶々立ち会った棚橋泰生は、清藤が最後に伝えようとしたメッセージの意味を理解しようと、彼女と関わりのあった人を訪ね歩く。話を聞いた人に別の人を紹介され、その人からまた次の人を、と辿っていくうちに、小さな事柄が徐々に繋がりをなしていく。 物語の中心となる人物が冒頭で既に死亡しており、知人たちが故人について思い出を語るという形で展開していく物語はいくつかあるが、その過程で故人が多面的に描かれ、意外な側面が浮かび上がってくるというのがこうした物語の定番だ。しかしこの小説はむしろ故人のメッセージを狂言回しとして、故人と関わりのあった人々が棚橋との対話を契機として、そして最後には棚橋自身も、それぞれ抱えていた鬱屈を解きほぐしていく過程を描いている。謎解きが軸になっているという意味ではこの作品はミステリとも言える。しかしミステリでは通常枝葉として深くは掘り下げられない、故人を語る人々の物語がメインとなっていると考えると、ミステリを補完する小説のようにも思える。 棚橋が話を聞きに行く相手ごとに章が立てられ、誰もが聞いたことのある「きらきら星」の意外に複雑な出自に呼応するかのように、章ごとに趣向が変わる。コミカルだったりサスペンスになったりと、語られるエピソードごとに異なる味わいが楽しめる。 最初のエピソードでは、相手の手に感情で変化する「色」が見える、園部りみあという女性が登場する。てっきりファンタジー小説になるのかと思ったけれども、あくまで一つのエピソードの中だけの扱いにとどまっていた。地味な能力ではあるけれど、共感力を可視化したうまい設定だと思う。もう少し彼女の話が読みたいように感じた。 | ||||
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18の時から通っている本屋の内装がおしゃれな駅前風になっていた。懐かしいあのアダム書房みたいだった。ちょっとだけ心配。大変な時代だわ。アマゾンと併用しながら通えるだけ通います。ここの店員さん実はセンスいいんだよな~。この本目立たないようにしっかりアピールしてるとことか。これは見つけたら買うよな、本すきなひとは。一気に読んじゃった。ほっこり。 | ||||
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「琴線に触れる」という表現は本来「心の奥に秘められた感じやすい心情を刺激して,感動や共鳴を与える」ことを意味します。昨今、誤用が多い慣用句の代表例となっているこのフレーズを正しく美しく物語りにした、というのが私のこの小説の読後感でした。 心の奥に閉まった記憶や、思いが、ふとしたメロディによって突然導き出されるような経験を誰しも一度はしたことがあるでしょう。思いもかけず琴線に触れて溢れ出てしまった感情に当惑しながらも、そのメロディに身を任せながら過去の自分と向き合う時間は心地よいものです。 『みちびきの変奏曲』は、誰もが良く知るメロディによって導かれてゆく優しく切ない人間模様のドラマであり、そしてそれぞれの登場人物達の琴線にそのメロディが触れることで心の奥底にしまい込んでいた本当の自分へと導かれていく自分探しのドラマでもあります。 それにしてもこの作家の作品には、本当に善人しか出てきません笑 まぁ、この点については、好きずき別れるかも。私は好きですが。 | ||||
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