みちびきの変奏曲
評判
みちびきの変奏曲の評価:
4.33/5点 レビュー 3件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1〜3 1/1ページ
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みちびきの変奏曲の評価:
4.33/5点 レビュー 3件。 - ランク
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物語の中心となる人物が冒頭で既に死亡しており、知人たちが故人について思い出を語るという形で展開していく物語はいくつかあるが、その過程で故人が多面的に描かれ、意外な側面が浮かび上がってくるというのがこうした物語の定番だ。しかしこの小説はむしろ故人のメッセージを狂言回しとして、故人と関わりのあった人々が棚橋との対話を契機として、そして最後には棚橋自身も、それぞれ抱えていた鬱屈を解きほぐしていく過程を描いている。謎解きが軸になっているという意味ではこの作品はミステリとも言える。しかしミステリでは通常枝葉として深くは掘り下げられない、故人を語る人々の物語がメインとなっていると考えると、ミステリを補完する小説のようにも思える。
棚橋が話を聞きに行く相手ごとに章が立てられ、誰もが聞いたことのある「きらきら星」の意外に複雑な出自に呼応するかのように、章ごとに趣向が変わる。コミカルだったりサスペンスになったりと、語られるエピソードごとに異なる味わいが楽しめる。
最初のエピソードでは、相手の手に感情で変化する「色」が見える、園部りみあという女性が登場する。てっきりファンタジー小説になるのかと思ったけれども、あくまで一つのエピソードの中だけの扱いにとどまっていた。地味な能力ではあるけれど、共感力を可視化したうまい設定だと思う。もう少し彼女の話が読みたいように感じた。