流転: 越境捜査

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種別
長編
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あらすじ

2022年04月21日 流転 越境捜査

12年前、富豪一家3人を惨殺し20億円もの資産とともに国外逃亡した男が横浜市内で目撃された。さっそく警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼が捜査に乗り出すが・・・・・・。昨年11月に急逝した著者の代表的シリーズ「越境捜査」、その最新刊にして最終刊。(「BOOK」データベースより)

評判

流転: 越境捜査の評価:

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流転: 越境捜査の総合評価:

9.33/10点 レビュー 3件。

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3
(4pt)

料理描写が少なめ

悪への経済制裁と同時に料理が魅力の一つであるシリーズだったが、いつもより料理はあっさり描写。

ストーリー自体は過去の未解決殺傷事件へとつながるプロットがしっかりしており、展開は面白い。
捜査に関して現実的な科学捜査も踏まえて、丁寧な警察ものとして仕上がっている。
やや唐突に都合よい展開はあるが、全体を損なうようなものでもなく、いつものキャラもそれぞれの役割を踏まえて展開している。
通常の刑事の枠からはみ出す面々の痛快さの魅力がある本シリーズが今後読めないのは残念である。
流転 越境捜査 Amazon書評・レビュー: 流転 越境捜査より
4575245089
No.2
(5pt)

武骨で生真面目で優しい作風、練りに練られたプロット!

『越境捜査』のレビューを書いたのは2008年。それから早や14年が経っている。シリーズを読み続けることなく、いつしか笹本作品から離れてしまっていたのだが、昨年作者が亡くなってしまったと聴き、かつてデビューから追っていた笹本稜平という作家の、これが最後の作品か、と無沙汰を心で詫びながら読ませて頂いた。

 変わらないなあ、との想いに頬が緩む。とにかく書き方が丁寧なのである。石を積み上げてケルンを作るかのようだ。丁寧にそこに合う石を置いてゆく、武骨ささえ感じさせるほどの生真面目で力を抜かぬ作風は、やっぱり本書でも変わっていなかった。

 ぼくは山岳会上がりなので、若い頃は山の本ばかり読んでいた。その後も影響があってか、冒険小説が好きになり、スケールの大きな作風の笹本稜平に出くわしたときは、日本作家なのにこの人のスケールは凄い、と思って感心頻りだった。その後、冒険小説風味から警察小説へと作風が徐々に変わってきた段階で、ぼくも味のある表現などのハードボイルド系作品が主となってゆき、この生真面目で固い作風から離れてしまっていた。

 こんなに間を空けて、しかもシリーズの途中を飛ばし、最新の作品を丁寧に読ませて頂いて、やはり変わらぬ武骨で丁寧な作風と描写の繊細さに触れて、ああ、変わっていないなあと、これを書いた作家が今はもういないのだと寂寥感とともに感じてしまう。

 越境捜査シリーズは、その後単発TVドラマとして三作ほど上映され、主役の鷺沼を柴田恭兵、やくざな半端刑事・宮野を寺島勉が演じているそうであるがサスペンス系のファンである妻が最近でも観ていた記憶はあるのに自分はとんと無沙汰している次第。

 寺島勉の宮野は、読書中も頭の中でぴったりはまってしまい、ああ、彼はいい俳優なんだなと改めて感じたり、楽しく想像を羽ばたかせてもらった。真面目な作風にしては、宮野のキャラは異色で、本シリーズにユーモア・ミステリーの彩りを加えているほどだ。

 本書では、12年前の血腥い一家斬殺事件を軸に、当時既に死刑が確定している外国人実行犯の二人、海外に逃走した日本人教唆犯一人という半分未解決事件が扱われる。警視庁や所轄などとは別動となる特捜チーム、と言えば聞こえは良いが、寄せ集め班であり、司法制度に変わって経済的制裁をと目論む汚い部分も含む。現代版必殺仕事人のような面も窺われるが、その仕掛けで9作まで書いてきた本作品群は、作家にとってはかけがえのない当たりシリーズと言っていいだろう。

 はぐれ者刑事たちによる捜査シリーズ、その最終話にも関わらず、はぐれ切らない正義感、という辺りがまどろっこしいくらい堅物なのだが、プロットはやはりいつも通り練りに練られた傑作であった。やはり王道をゆく笹本らしく、武骨で生真面目で優しい作風である。そんな不変の一作を、今さらながら、大事に抱きしめるように読ませて頂きました。合掌。
流転 越境捜査 Amazon書評・レビュー: 流転 越境捜査より
4575245089
No.1
(5pt)

遺作

ドラマ「駐在刑事」から笹本稜平氏を知り、小説「駐在刑事」1・2→小説「越境捜査シリーズ」と読み進めました。シリーズ1作目、2作目がもっとも読みごたえがあり、その後は途中から結論が見えるような作品もありましたが、遺作であるこの作品はミステリー感が増し、最後まで楽しめました。
社会の趨勢か、コンプライアンスの厳格化のためか、刑事による経済的な制裁についてだんだんと扱いが小さくなっていきました。個人的には残念ですが、現実との乖離を小さくするためには必要だったのでしょう。
このシリーズが、もう読めなくなってしまうのが残念でありません。合掌。
流転 越境捜査 Amazon書評・レビュー: 流転 越境捜査より
4575245089

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