(短編集)
霜月信二郎探偵小説選
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第二回幻影城新人賞佳作受賞の「炎の結晶」は中編級だが、他は短編である。 幻影城に掲載された作品は、「炎の結晶」「葬炎賦」、「密室のショパン」「黄金の小指」「消えた原稿」「運ばれた死体」の6編で、このうち「密室のショパン」「黄金の小指」「消えた原稿」「運ばれた死体」はシリーズキャラクターの女子大生白川エミが登場するため、今回電子書籍版に揃える形で「女探偵 白川エミの事件簿」の第一話~第四話として収録されている。 「女探偵 白川エミの事件簿」の「第五話 仮面の殺意」から「第十二話 消えた密室」までは2019年に40年ぶりに執筆復活されて、以後電子書籍版という形で発表された作品である。 最後のエッセイにたいへん残念な知らせが書かれている。1979年の乱歩賞最終候補作で、いつかは出版されると期待されていた著者の唯一の長編である『六方晶系の女』は、引っ越しの際に原稿を紛失され、もはや存在しないとのことである。何とか思い出して電子書籍出版していただけないか・・無理ですね。 私的感想 ○全十四篇の創作、楽しく読ませていただいた。 ○横井司氏の丁寧な解題がついていて、このほかに私が書けるようなことはほとんどないが、本筋でないことをちょっと書いてみると。 ○四十年の年月が過ぎても、女子大生白川エミさんはあまり変わっていないように見える。しかし、コング警部とゴリ松刑事の変化に引きずられる形で、エミさんもちょっと変化している。 ○コング警部の大きな変化はゴリ松刑事に対する激烈なパワハラ語が消滅したことである。第4話までは激烈なパワハラ語が並んでいたが(たとえば150~151頁)・・。それで、エミさんもゴリ松に対して激烈パワハラ語を使うことはなくなった。 ○もう一つ、第四話まではゴリ松はエミさんに対して肉体的接触を試み、3回のキスという実績を得ているのだが、40年を経た第五話以後は肉体的接触を諦めたようにみえることである。 ○いや、正確には、3回のキスのうち2回はエミさんのほうから誘ったことである。変化はエミさんのほうにあったというべきか。つまり、美人女子大生エミさんは40年の年月を経て、キスでゴリ松に期待をもたせることをやめたようである。 ○つまり、復活後の作品は二人のラブの関係が、実質的にはほぼ消滅したように思える。この点はちょっと淋しい。 ○私的なベスト3は第一位『炎の結晶』、第二位『運ばれた死体』(これはトリックが好き)、第三位『密室のショパン』(これはトリックよりも二人のラブが好き)、次点『あうん』。 追記 既発表全作品と書いてしまったが、現在電子書籍でエミの事件簿第十七話蒐集まで出ているので、この記述は正確ではない。アンリミテッドで十三話から十七話まで読ませていただいたが、どれも面白かった。ただ、エミとゴリ松のラブは希薄なまま。エミに対する関係では、コング警部がゴリ松に並んできたようで、ちょっと心配。 | ||||
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