ジミー・ハワードのジッポー
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2019年のベトナムの描写が物足りない。 日刊誌Thoi Tre勤務の女性(昔の恋人。28歳頃。)が主人公の待つホテルに現れるのだが、仕事帰りで白いアオザイ姿。白いアオザイは高校生の制服、または観光客を相手にするサービス業の制服が多い。仕事帰りなら普通にブラウスとスカートじゃないかなあ。 日曜日の青いアオザイ。これも28歳ならありえないセンス。ツアーガイドなら制服としてありそうだが、休日に昔の恋人を案内してるわけだし。なぜ青いアオザイ??? 主人公が飲むビールは判を押したように333。実際にはサイゴンビールのほうがよく飲まれていて、レストランで333はあまりみかけない。 などなどが気にかかって物語に入り込めないです。 | ||||
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星三つかな?それとも四つ?まぁ楽しめたから五つでも良いか。 柴田哲孝の著書を、過去に何度も「大甘のハードボイルド」とレビューしてきたが、その柴田哲孝の文体を知った上で読むのなら、満足のいく作品だと思う。本作も、所々アラが散見され、それが冒頭の星三つ?四つ?と書き出した理由であるが、それでもトータルでは満足出来た。 本書の表紙絵を見れば想像がつくように、物語はベトナム戦争当時に米軍兵士が残していったジッポー社製のライターがキーワードになる。ライターには自分の名前、所属する部隊の部隊章、使用した火器、軍用車、戦争を皮肉った文言などが刻まれている。 様々な道具を紹介する総合情報誌などを読んでいると、相当な頻度でベトナム戦争当時のジッポー特集が組まれているので、知っている人も多いと思う。当然、後世に作られたまがい物も数多く出回り、現地でも “本物” と称して近年に作られた偽物が数多く売られている。 物語は主人公がベトナム旅行の際に手に入れた “本物” のジッポーに刻まれた所有者と思われる名前をアメリカに問い合わせた事から始まり、現在のアメリカ、現在のベトナム、戦争当時のベトナムのシーンなどスケールの大きい作品となっている。因みに日本は主人公がメールや電話の受け答えでの場所のみで、日本でのシーンはほぼ無い。 さて、上に書いたアラとは何か? まずは近年の柴田哲孝の著書に必ずと言って良いほど出てくるアイフォーンの表記。日本国内の日本人向けのHP、雑誌、店頭ポスターでも、全てiPhone表記かアイフォン表記。毎回読むたびに苦笑してしまう。特に本書では珍しくスマートフォンの記述が出てくる。スマホは “フォン”、アップル社製品は “フォーン”(笑)。綴りは一緒なんだけどな。 他の著書でも、本作でも唐突に出てくるマックダーナルズ。日本人が日本人向けに書くのだからマクドナルドで良いのでは?と思う。そもそも片仮名が完璧に読めるネイティブスピーカーが居たとしても、マックダーナルズがMcDonald’sの事とは類推解釈でもしない限り想像もつかないだろう。マックダーナルズも、所詮日本人が使う “英語風” 日本人発音に過ぎない。アクセントの位置が示されていないしね。 物語の佳境、現地に乗り込んだ際に出会うアメリカ総領事館の職員パトリック・モンゴメリ。会話が進む中で、「(と)モンゴメリが言った」と書かれるが、会話本体では唐突にパットとなる。最初の自己紹介の際に「パットと呼んでくれ」とか「パットと呼んで良いか」などを挟めば、もっとスムースに読み手側は読めると思う。 極めつけは、Wi-Fi。恐らく著者は Wi-Fiが何かを全くわかっていないのでは?ジミー・ハワードのジッポーが発見された村は、舗装もされていない山道を奥深く行ったジャングルの中に有る茅葺屋根の小屋が並ぶ村。村には電気が無く携帯電話が通じないと書かれている。村の村長が天気の良い日だと携帯電話が通じる事が有ると伝え丘の上に行くのだが、そこでかすかにWi-Fiがつながると書かれている。 確かに見晴らしがよいと直進性の高い高帯域の電波を受信し易くなるが、それはWi-Fiでは無い。 著者も恐らくはスマートフォンは持っているだろう。そこに表示される扇形のピクトグラム(Wi-Fi受信時に表示)と数本の高さの異なる棒のピクトグラム(携帯通信網受信の強弱)ぐらい見ていると思うのだが。 最後にジミー・ハワードのジッポーを買った主人公の職業が小説家という点。主人公は小説のネタ探しも兼ねてベトナムを訪問したのだが、物語の結末として、「ジミー・ハワードのジッポー」という長編小説を書き上げる。この設定は不要だと思う。当たり前だが、著者柴田哲孝を連想してしまう。時間や期間に縛られる事無く好きな時にベトナムに行け、日本を拠点にしなくても良い職業である事は必要条件かも知れないが、それなら金融トレーダーとか他の職業の方がよかった。 他にも、 多額の金が手に入っても才覚がなければその財産を何十年も保てないのに、才覚については全く触れていない、 そもそも論になるが権力者が調査している者を転属させれば手を汚さずに済んだ、 など、アラが多い作品だが総じては楽しめた。 | ||||
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柴田哲孝を読むのは、「野守虫」(2020/1月)以来になりますが、「ジミー・ハワードのジッポー」(U−NEXT)を読み終えました。 1968年、ヴェトナム戦争、クアンチでの或る出来事から、2019年、ホーチミンへと時系列が飛び、主人公であり、小説家の桑島は、一軒の店で「ジミー・ハワードのジッポー」を手に入れます。そのジッポーは、本物なのか? そして、米国、ジョージア州、コロンバス、フォートベニング基地。アメリカ陸軍第四七歩兵連隊に所属するアライアの下へ、そのジッポーが届けられることになります。引き起こされる殺人事件。1968年1月22日、戦火のヴェトナムで一体何があったのか? 桑島の視点とアライアとその恋人・ジェイソンの視点によって、ヴェトナム戦争時のアメリカ軍の"MIA"と或る謀略が骨太なストーリーによって語られていきます。残念ながら、そのミステリの根幹を語るわけにはいきません。 特に、米国側を描き込むディティールに支えられながらの違和感のないストーリーは読ませますが、一方、昨今のより複雑なストーリー展開による欧米のスリラーを読み慣れた読者からするとその「謎」は少し物足りないと感じられます。凄みを感じさせる部分があるとすれば、それは「ヴェトナム戦争」というマテリアルの凄みであって、ストーリーテリングにあるわけではないと言っていいかと思います。 | ||||
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