ゼロの戦術師
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一つの大陸を分かつアスガルズ王国とアンドヴァリ連邦という二つの冷戦状態の国が存在し、 人々の能力が可視化できる《刻印(ルーン)》が存在する世界。 王立軍学校に通う少年エルヴィンと幼馴染みのアーデルハイトは若き中将セルベリアの命に より国境近くの山岳地帯の村に住み、治癒の能力を持つのみならず、聖女エイルの力を 継承した特別な存在である可能性がある少女ネージュを王都まで連れてくることになるが、 秘匿され地上に住む多くの人がその存在を知らないどころか、二つの国を争わせて弱体化 させたところで陸を制覇しようと目論み、ネージュを手に入れんとする天空国家ヴァルハラ帝国に より追われる羽目になり――というのが序盤のストーリー。 『大陸を分かつ二つの大国の対立』『周囲に能力者がゴロゴロいるのに自分だけが無能力者だが その代わり……』という設定ではあるが、二世代にわたる話でもなければその幻想が ぶち殺される話ではなく、軍学校(おそらく士官学校のようなものだろう)の作戦立案の エキスパートを目指す隠れ優等生と彼の幼馴染みの少女が、将来的には軍人への道を歩むにせよ 学生のみでありながら命を受けて任務に就き、大国の思惑に翻弄されつつ、持ち前の 天才的頭脳と機転の良さで道を切り開いていくという、言ってしまえば王道的なストーリーで あるが、主人公の設定をうまく生かした伏線の張り方とその消化のしかたが秀逸。 ヴァルハラ帝国の中尉という立場にありながら地上の人間を蛮族扱いする本国の考え方と、 偶然邂逅したエルヴィンやアーデルハイドの人間性との間で板挟みになるヘンリエッテの 姿や他者を凌駕する能力を持つセルベリアに裏があることを示唆する表現そしてエピローグに 登場した新たな登場人物の存在から、続刊を出す前提であることが推察できる。 また、作品世界においてはほとんどの人が持っている何かしらの種類の魔法のような能力を 持たない代わりに、天才的な頭脳による作戦の構築と遂行能力そして機転の良さを持つという 主人公の特長を描ききるということもあり、電撃小説大賞の最終選考での拾い上げでありながら、 入賞者とは本当に紙一重であったことが分かる。 惜しむらくは、あくまで自身の主観ではあるが、ハンバーグという現実世界の食べ物を出したり、 ヤード・ポンド法や独自の単位系ではなくメートル法を採用していたりすることによって 物語世界のリアリティを減衰させてしまっている感じを抱いたこと、『獣道』の誤用(馬車は 獣道を通ることができない)、文体に似合わぬ『ガチな山』という一義的ではない浮いた表現 そして『うっちゃる』という東京方言(著者のプロフィールを見たところやはり東京出身であり、 標準語と誤認したものと思われる)が使われていることがマイナスに作用しており、 残念ながら出版社の校閲がちゃんと仕事をしていないところだ。 | ||||
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面白かったです。まずこれが大前提。評価点と気になった点を3点ずつ挙げていきます。 評価点: 【テンポが良い】アーデから任務を受けるシーンあたりから、最後まで中弛み感がなく、テンポよいストーリー展開だと感じました。重いシーンも必要最低限の描写で進行していたので、ストレスフリーで読み切れました。 【各キャラの活躍機会】「そのキャラクターがメインのシーンなはずなのに、別なキャラ(よくありがちなのが、作者が推すキャラ)の引き立て役になってしまっている」といったことがなく、目立つべきシーンでしっかり目立っていたのが好印象でした。 【伏線の張り方が綺麗】伏線の撒き方や回収までの速度、量などがちょうどよかったです。あとがきでミステリーが得意分野とあり、それでかと納得したものです。 気になった点: 【必要なシーンだけしかなさすぎる】テンポが良いの裏返しになりますが、ネージュとの合流以降展開スピードが早すぎるように感じました。理由を少し考えてみましたが(エルとアーデの二人がお仕事で来ている以上仕方のない部分もありつつ)ストーリー進行に必要なシーンのみでページが埋まっているのが原因かなと思いました。たとえば、ネージュの家や、その後宿で休んでいる間での絡みをもう少し増量してもよかったかなと 【最後に薄れた戦術ゲーム要素】過度なネタバレになる点なので詳細は記載しませんが、クライマックスで戦術要素が薄れたなと感じました。 【エルヴィンの紹介】重箱の隅ですが。巻頭にてひねくれものという性格とありましたが、実際に読んでみるとひねくれもの(=相手からの言葉を素直に受け取れない)要素はほとんど無いように感じました。冷静沈着や、芯が強いといった説明の方が適しているかなと。 | ||||
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