エンドレス・リセット 最果ての世界で、何度でも君を救う
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10年前に突然悪魔と呼ばれる、通常兵器の効かない異形存在が出現し、人類を捕食し都市を 破壊し始めた。時を同じくして人類にも天使と呼ばれる特殊能力者が出現し、悪魔に干渉す ることで人類は滅亡を免れた。そんな世界の、左手を悪魔に浸食された少年の話だ。 ある少女の死をきっかけに繰り返す世界、少しずつずれる事象。少年も捨て犬のような印象 の影のある存在だが、少女は人類の未来を照らすための触媒であり、贄であった。 少年の命を賭した行動と発想の転換によって事態は収束するけど、新たな謎も生まれてまた 次巻。不明なところは置いておいて、結局主人公の身体的特徴もとい悪魔の左手はチンピラ 脅すときくらいしか使い道は無く。少女は命こそ救われたけれど貴重な実験動物で、これか らも苦痛に満ちた行為が繰り返されるだろう。最後の謎存在はともかく、救いはあったのか ? 生きているだけで100点満点という主観だろうか。あー、主人公の寿命は延びたのか。 そういえば、通常兵器は効かないのに、能力で操っている炎・氷、ましてや金属は効くのか? | ||||
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十年前。《サタナエル》と呼ばれる異形の怪物に親しい人々を皆殺しにされ、左手を 食いちぎられながらも辛うじて生き残った少年・四ノ森イザヤ。 世界各地で同様の事態が発生するも、為す術もなくこのまま人類は座して死を待つのみで あるかに思えたが、これらの悪魔に対して対抗できる子供たちである《天使》あるいは 《アイオーン》が現れたことがきっかけで研究がはじまり、今では最初に事件が発生した 新宿が特区となり、イザヤの後見人である少々マッドネスなサイエンティストである 檻神エカテリーナが学長を務め、《天使》たちを養成する神智学園が設立された。 だがイザヤは天使としての見込みが無いにもかかわらず、周囲に訝しがられながらも なぜか天使科に属している。放課後、イザヤは新宿の街中で誰かに追われていると 思しき少女・明星アナと邂逅し、どういうわけかデートのようなことをすることになるが、 どういうわけか彼女は命を狙われていて――が序盤のあらすじ。 イザナによる、唐突に現れた明星アナへの説明を通じてうまく読者への世界観の説明に 代えているのが分かるとともに、二人の身体が何者かに穿たれて死んだ瞬間、同じ日の 授業終了直後に戻るとともに、トライアルアンドエラーを繰り返すことで徐々に真相と 最適解に近付くさまを手を抜くことなく描いている。果たして、黒服たちや御手洗ナツメに 『世界の敵』とまで言われた明星アナとは何者なのかという謎と緊張感を醸し出している。 文も上手く、なぜループし続けることができたのかと、『契約』を結んだのは一体誰なのか という次巻以降に解答を出すであろう謎を除き、すべての謎と伏線もちゃんと回収されて おり、構成もしっかりしているのだが、どうにも★★★★★を出すのに少し抵抗を覚えて しまう自分がいた。 ではなぜそう思ってしまったのか。本書を読み終え、しばらく考えを巡らせた結果、 作者が本作を誰に読んでもらいたかったのかが分からなかったこと――具体的には、 主人公の少年・四ノ森イザヤに感情移入できた読者がどれだけいたのか、そして一体誰に 読んでもらいたかったのかが分からなかったのだ。 母親や仲の良かった人を殺した《サタナエル》に対する強い怒りが無いどころか、 まるで死期の近い年寄りのように『悪魔』と化した左腕の存在や、ハイソフィアの能力が 無いにもかかわらず、同級生に皮肉られながらも天使科に属している自分自身を受け入れて しまっているが、十代の少年が自身の死期が近いと悟ったら、年寄りのようにそれを自身の 運命として素直に受け取ることができるだろうか。否。死に対して人一倍恐怖を抱くのが 普通ではなかろうか。にもかかわらず、目の前に現れた明星アナは自らを犠牲にしてでも 守りたいという行動原理そして檻神エカテリーナという科学者で学長であり、母親の後輩 でもある存在が後見人となり、彼女の保護の対象となっているとともに、ブラコン気味の妹・ カナンという味方の存在は果たして一貫性があるのだろうかという疑問を覚えた。 (もっと踏み込んだ言い方をすれば、美人だから助けたのであって、ブスだったらガン無視 して引き続き死を迎えるその時まで厭世的な生き方を送っていたんだろ。と身も蓋もない ことを思ってしまった) また、『ループもの』に限らず、手垢のついたジャンルを扱うことそのものは問題ないのだが、 さすがにパクりとまでは言わないものの、どこかで読んだことがあるような内容のものを うまい具合にマッシュアップさせたような感覚を読後に得てしまったのだ。 おそらく、『ループもの』かつ『人類の敵と戦う』という意味では桜坂洋『All You Need Is Kill』 (集英社:スーパーダッシュ文庫)があるし、『ループもの』かつ『学園もの』という意味では 鴨志田一『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』(電撃文庫)が存在するし連想して しまうので、もう少しエッジの効いた大きなテーマを織り込んだほうが良かったのかも知れない。 また、電撃文庫には必ずと言っていいほど入っている著者あとがきが無い、そして発売日当日の 朝に作者がツイートした 『ちなみに少し事情があって、他の作家様よりも続刊条件(売り上げ)が厳しめに設定されて います。なのでなるべく一ヶ月以内にご購入頂ければ幸いです……!』 というツイートから、あくまで推察ではあるが、前作『ゼロの戦術師』の数字が悪かったか、 本作の内容について担当編集と意見が異なったために何らかの背水の陣を敷いたことが考えられる。 しかしながら総合すれば続刊がどうなるかは別として、この一冊に限れば十分及第点であったと言える。 | ||||
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