わすれて、わすれて
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あらすじ
この荒廃した世界では、理不尽な暴力で大切な人を奪われることもしばしばだ。強盗に妹と両親を殺された少女リリイは、「リリイ・ザ・フラッシャー」と綽名される、早撃ちで有名な国一番の銃の使い手。そしてその親友カレンは、記した事柄を忘れることができるふしぎな本“ダイアリー”の持ち主だ。その本は、クリニックを営むカレンの家に代々伝わるもので、医師だったカレンの祖父や父親によって、忘れられない辛い記憶に苦しむ人々のために秘密裏に使われていた。しかし、クリニックを継げなかったカレンの叔父が、“ダイアリー”を狙い、悪い仲間を集めて父親を殺してしまった。幸い“ダイアリー”は奪われなかったが、復讐を誓ったカレンは、リリイを用心棒に誘い、大型バイクに二人でまたがって、国の各都市に散らばった、父を襲った犯人たちを探す旅に出る。ひとりずつ憎い仇を痛めつけ、“ダイアリー”を用いて仇の復讐された記憶を消すのだ。そうすれば、そこで復讐の連鎖は途切れるはず、だった…第5回アガサ・クリスティー賞と小説推理新人賞、ダブル受賞でデビューした超大型新人が瑞々しい筆致で描く、ふしぎなダイアリーをめぐる、少女二人の復讐ロードノベル。受賞第一作。(「BOOK」データベースより)
評判
わすれて、わすれての評価:
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わすれて、わすれての総合評価:
10.00/10点 レビュー 1件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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タイトルは似てますが、続篇ではなかったです。前作より未来の世界なのかな?
舞台は、暴力で理不尽にいろいろなものが奪われる世界。
親を殺された16歳の二人の少女が主人公です。
語り手は、国一番の射撃の名手、リリイ。通称リリイ・ザ・フラッシャー。
もう一人は、その親友で、親から特定の記憶を消去できる不思議な本「ダイアリー」を相続したカレン。
カレンが親を殺された事実を16の誕生日とともに祖母から聞かされ、「ダイアリー」を相続して復讐を決意し、
リリイを用心棒として復讐の旅に誘ったことから、物語は始まります。
少女特有の優しさや純粋さや残酷さがないまぜになって、復讐という形で発露するとき、
どうしても自己矛盾を抱えて、破滅へ向かって突っ走ることになるのかもしれません。
はたして「ダイアリー」が破滅を止めるためのマジック・アイテムになりうるのか。
冒頭にこんなエピグラフが載っています。
「わたしには父や祖父がやっていたみたいに、この本を世のひとのために役立てるつもりはありません。
ただただ個人的な復讐のためだけに使いたいのです。」
カレン
「でも、やられてやりかえしていたら、復讐の連鎖がどこまでも続いてしまいますよ。」
アンネ
エピグラフからもわかりますが、これは、復讐と記憶をテーマにした寓話的な物語です。
切なくて、胸をえぐられるようなところもあり、ラストシーンはとても美しいと思う。
『うそつき、うそつき』でもそうだったけれど、メインテーマとは別に、友情についての考察が通底していて、
厳しい世界にあっても失われない、みずみずしい心がいとおしくなります。