パーキーパットの日々
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初版刊行(参考)
種別
短編集
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あらすじ
評判
パーキーパットの日々の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
パーキーパットの日々の総合評価:
9.00/10点 レビュー 6件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ブレードランナーで知名度がぐんと上がり、売れるようになると言うのに、映画公開の3ヵ月前に心臓発作で死んだとか。何てついてない男なんだ。
前書きにジョン・ブラナーがディックを絶賛し、その不遇さを嘆いているが、事前にそう言うエピソードを知っておくと気持ちは分かろうと言うもの。
ここに掲載されてる作品群は、雑誌に掲載された年代順に載っていて、前の方程若くなっております。そう言う意味でディック入門編としては正しいでしょう。
若い頃の作品ばかりなので、あまり洗練されてないと言うか、設定やオチの粗い作品が目立ちます。前書きによればこれらの作品を当時の編集達は「平凡な、印象に残らない作品」と断じてしまったそうですが、後のディックが描いた傑作を知ってる読者なら、粗削りな作品の中にある後の天才の抜身の才能を見逃す事は無い筈です。
と言うか分かり易く面白いのでSF初心者にもお勧めです。
全部はめんどいので気になった作品を。
「ウーブ身重く横たわる」
とある惑星に降り立った宇宙船が、ウーブと言う豚に似た巨大な生物を拾う。食おうとすると彼は喋り出す。彼は高度な知能を持つ生物だった。だが彼を食うと言う選択を変えようとしない船長。そして・・・。
結末が最高にクール。カッコいいしブラックで気が利いている。作者のデビュー作。
デビュー作らしく、所々ツッコミどころがありつつも、際立った著者の才能が充分に感じられる作品。
「変種第二号」
未来、アメリカとソ連の戦争はアメリカが優勢だった。アメリカ軍が、クローと言う名の自立型の殺人兵器を創り上げたからだった。ある時、ソ連から会談の申し入れがある。一人の将校がその場所へ向かおうとすると、途中で奇妙な少年に会う。戦争被災者だと考えた将校は彼を保護しようとするが・・。
大体途中でその先の展開と結末を想像できるが、昔のB級SFって感じで面白い。
「報酬」
とある工場で2年間働いていた男。その工場は企業の秘密を守り通すため、契約が終わった社員はその間の記憶を消す決まりになっていた。2年の記憶を失った男は、代わりに大金を手に入れるはずだった。
だがしかし、いざ受付から報酬を受け取ろうとすると、手渡されたのは針金やバスの代用硬貨などのガラクタ達。
どうやら記憶を消される前の自分は、大金の代わりにこのガラクタを受け取る契約書にサインしたとの事。当然抗議するも聞き入れられず追い出される。
途方に暮れていると男は警察に捕まる。自分が働いていた建設会社は政府に睨まれていたようだ。何も知らないと言うが聞き入れてもらえない。このままでは拷問されて殺されてしまう危険性すらある。
彼は警察が目を離した隙に、逃げようとするがパトカーにはロックがかかっている。技術者である彼は道具さえあればこんなものは開けられる。しかし素手では無理だ。せめて細長い金属のようなものがあれば・・。
そう考えた時、あのガラクタの中にあった針金に思いつく。それを使ってロックを外した彼は、パトカーから逃げだす。そして逃げだした先にバスが来た。そしてガラクタの中にあった代用硬貨で逃げる。
彼は気づく。このガラクタはメッセージだ。これらで何事かをなせと、記憶を失う前の自分が言っているのだ。
そして彼は企業と政府の陰謀に巻き込まれていく。
発送は凄く面白い。だが結末にもう一工夫欲しかった。ちょいと雑に終わらせてしまったのが残念だが、トータルリコールみたいな話で面白い。トータルリコールもディック原作ですが、原作の方は読んでません。
「にせもの」
エイリアンと地球人の戦いが熾烈を極めている近未来、スペンス・オーラムと言う男が突然エイリアンのスパイとして捕まる所から話は始まる。彼は全く身に覚えが無いと主張するが、エイリアンはオーラムの肉体、精神全てをコピーしたロボットを送り込んだと言う情報を掴んでいる軍人たちは彼の話を頭から信用しない。そのロボットは、「自分がロボットである」という自覚も無いのだ。そしてそのロボットはあるキーワードをオーラムが口にすると爆発する仕組みになっている。
彼は当然逃げる。きっと何かの間違いだ。さて、彼は誰かに騙されているのか?それとも・・。
これもツッコミどころはあるし、無理のある所が結構あるしラストも予想できる。
だがキレッキレのラストが良い。
ディックの作品はハッピーエンドにしようと言う姿勢が端から無くてそこが良い。
「植民地」
自然豊かだが動物が見当たらない惑星に降り立った宇宙船。売っぱらうのには実に都合の好いように見えるその惑星にはとんでもない生き物がいた。
これもバットエンドだし、実際いたら恐ろしいエイリアンなんだけど所々笑えた。エイリアン対策に乗組員たちが取る方法は映像にしたらもう笑うしかないやり方。コメディーだか何だか良く分からん。でも好き。
「パーキーパットの日々」
表題作なのに何だったら一番面白くなかった。何でこれを表題にしたのか良く分からん。
異星人との戦争に負け絶滅危惧種として手厚くエイリアンに保護される立場となった人類が他にする事も無いので人形遊びに夢中になる話。
だから何?と言わざるを得ない話。
まあ、人形遊びにかつての自分達の姿を重ねていく内、人形の生活が自分達の生活の方より大事になっていくあたりに怖さや滑稽さがあると言えばあるが、それを踏まえた上で。
だから何?と言う感想しか出て来ない。
そんなSF設定でなくても表現できる話だし。
表題作が残念ですが、分かり易い話が多いのでSF初心者から子供まで幅広い人にお勧めできる本です。