逆まわりの世界
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初版刊行(参考)
種別
長編
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評判
逆まわりの世界の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
逆まわりの世界の総合評価:
8.00/10点 レビュー 3件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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カバー裏の紹介文を読んで飛びつきました。読み始めてみると、これが予想を裏切らないスパイ小説のような面白さ。
ひと言でいえば、市民特殊図書館〈消去局〉という名の言論統制機関 VS ユーディ教というカルト教団 VS ローマ教会、という三つ巴の争い。
ことの発端は、ホバート位相 (時間の逆流) によるユーディ教カリスマ教祖ピークの復活である。死者の再生請負業者セバスチャン・ヘルメスの掘り出した教祖ピークをめぐって、イデオロギーやら利害やらの対立する市民特殊図書館〈消去局〉とユーディ教団とローマ教会が、壮絶きわまる教祖の争奪戦を繰り広げます。
この作品、基本はSFなんだけど、ストーリー展開はどう考えてもスパイ小説風。むろん時間逆流(ホバート位相)などSF的な道具立ても、ストーリーの展開の中に大いに生かされており、そのおかげで、並みのスパイ小説よりもハラハラドキドキするシーンすらあります。
文庫本で300ページに届かない、ディックとしてはやや短い長編ですが、100ページを過ぎたあたりからもう一難去ってまた一難の連続で、教祖ピークの運命の行方が気になって仕方がない。
その一方で、中年の堅物おやじセバスチャン・ヘルメスのうら若い愛妻ロッタと、若い警察官ジョウ・ティンベインとの不倫あり、はたまた堅物おやじセバスチャンが、あろうことか敵対する市民特殊図書館のアン・フィッシャーという若い娘 (魔性の女) の色香に迷う (これも図書館側の策略) という場面ありで、読者に息つく暇を与えてくれません。
ディック一流の現実崩壊SFにスパイ小説を加味したような異色の傑作長編でした。